カル=ス
かるす
ダーク・シュナイダー(D・S)の四天王の一人。
冷却系の呪文を得意とし、自身最大の低温呪文は「絶対冷凍破(テスタメント)」。
「万民が幸福を享受できる理想郷(ソーサル=キングダム)」の建設を目指していた際に、カルに共感し厚い忠誠を誓った12人の魔戦将軍を従えている。
「氷の至高王(ハイ=キング)」の異名を持つ。
最も長く四天王の座についており、1988年の連載第1回から顔出し登場している最古参キャラクターの一人。
D・Sとは性格も「炎と氷」そのもので真逆なのだが、冷静で冗談が通じない生真面目さから、成人後は専らD・Sのストッパー役を務め、長年にわたり行動を共にしていた。岸間信明による小説版では自身の置かれている環境下においても、男は狩りをし女は機を織りという常識的な考えを持っているために仲間たちからも不思議がられるほどだった。
幼少時から師匠としても親友としても深い信頼関係にあったD・Sを「唯ひとりの友」として、依存性レベルで慕っており、自身の傍から姿を消したD・Sに「もう一度会いたい」という感情が、常に行動原理となっている。
辺境の民の族長の孫として生まれたが、父親が強大な魔人(※)であったこと、その父親によく似た容姿をしていたことから、幼少時から一族を継ぐ資格のない「呪われた子」と迫害を受けていた。
ある時、上述の理由から母親を貶めた少年たちを、魔力が制御できぬまま殺害。「人間ではない」と恐れられた上、殺された少年たちの遺族と族長の逆鱗に触れたことで教会の地下の水牢に幽閉されることになる。
牢獄では、母親が会いに来てくれることだけを拠り所に生活していたが、カルの魔力を恐れるようになった母親は次第に精神を病み、カルを生んでしまった罪を贖おうと、これに乗じた祖父(カルにとっては曽祖父)である族長の言に乗り、息子を自らの手で殺害するに至る。
自分を受け入れてくれる唯一の存在であった母親に、頭部を宝剣「アイス・ファルシオン」で切り込まれたカルは、絶望から魔力を暴走させ、逆に母親を殺してしまう。この過去がトラウマとなり、弱点として破壊神アンスラサクスにつけこまれ、心を操られることとなった。また、このトラウマから女嫌いにもなってしまう。
母親の殺害後、アーシェス・ネイ曰く「何も見てないまっくらな目」で彷徨っていた時にダーク・シュナイダーと出会い、「じゃあ今日からオレのモノになれ」と彼に拾われることとなった。
その後、長年にわたりアーシェス・ネイと3人で、擬似家族のように暮らしていたが、D・Sは家を空けることが多かったため、幼少時は2人きりで帰りを待つ時間のほうが長かったようだ。
ネイとはほぼ「兄妹」と言える関係ではあるが、D・Sが常にカルに対し全幅の信頼を置いていたため、ネイからはある種の嫉妬を受け、そういう意味では根本では好かれてはいなかった。
しかし現在のネイは、カルに対する家族意識(あるいは同族意識)のほうが強くなってきたのか、不安定に陥りがちなカルの精神状態のフォローを行ったり、文句を言いながらも助けたりしている。
序盤のラスボスとして、破壊神に心を操られD・Sと交戦、高度な魔法戦を繰り広げたが、D・Sの実力の前に圧され始める。
しかしD・Sの魔法詠唱の虚をついて、上述の「アイス・ファルシオン」で斬りかかる。誰もが避けようが無いと思った瞬間、D・Sが刃を受け入れるべく目を閉じたのを見て、我に帰り、逆にD・Sを守るべく自分の胸を刃で貫き、破壊神の精神支配から解き放たれた。
その後、植え付けられていた破壊神の細胞が侵蝕・増殖し、破壊神の分体としてモンスター化。
消耗したD・Sに襲いかかるが、D・Sを守ろうとする四天王や侍たちや、カルの存命を信じ取り戻そうとする魔戦将軍らの奮戦により、追い詰められ、弱った所でD・Sがカルを呼び、それに反応し内部のカルが分離、2人の攻撃により破壊神の分体は倒され、カルは心身ともにD・Sの元へ戻る。
その後、箱舟の中では、範囲転送され、D・Sとは別行動になる。
箱舟の中で、過去の破壊神の映像や、そこに隠された真実を見て、破壊神編での出番は終了する。
自分が破壊神を蘇らせたことで、その後の天使の介入を許すことになってしまったため「全人類に対する自分の罪は、死んだくらいでは贖えない」と自責している。かつて犯した自身の罪を償うべく、「汎人類連合」を束ねる「エリヤ」(預言者)としての活動を続けていた。
「背徳の掟編」以降は顔に大きな傷を負い盲目となっているが、逆に魔力は増大している。屈強な巨人族を相手に氷の呪文を酷使し、自暴自棄に陥っていたが、同行していたネイに「不死身のD・Sは必ず帰ってくる」と励まされ立ち直った。
なお、武力で掌握した中央メタリオン4王家の支配権は、そのままカルが引き継いでいる事がドワーフ族の長から語られている。
(※)本編ではほのめかし程度で終わっているが、同人誌等でお察しの通りだと明言されている。ちなみに彼が母親とどのように出会ったか、なぜ母親を1人にしてしまったのか、カルが実子だと気づいているかは未だ不明。魔力のキャパシティの凄まじさは父親由来の物である。きっと元が少年誌である週刊少年ジャンプ連載作品であるゆえに、少年漫画的な倫理観からの逸脱めいた設定と判断されてぼかされていたのだろう。ある意味、彼は父親失格そのものであるから。
幼少期の一連による「自分は誰からも必要とされない存在である」という自己否定や「許されるはずがない」と認識していた過去の罪悪感を、彼にとっての父性の象徴であるダーク・シュナイダーが「お前が必要だ」「俺が許してやる」と受け入れることで救済された、ある意味作中最も報われた人物である。
母親のトラウマから解放される様子も、作中できちんと描かれている。
ちなみ破壊神に心を操られていた際は、部下の魔戦将軍たちにも結構酷いことをしているのだが、「カル様は別人のように変わってしまわれた…」とか言いつつも、みんな忠誠を捨てることなくカルに従い続け、カルが破壊神の元から帰還した際は、全員男泣き状態で喜んでいた。
実際問題、部下たち全員からも許されているし、すごく必要とされている。
ついでに汎人類連合を束ねようと頑張っている時にも、交渉で困るとラーズが仲裁に入って助けてくれるし、新キャラのエルフの皇女からも信頼を得ている様子だし、自暴自棄になると上述のようにネイが(間接的にD・Sも)励ましてもくれる。
魔戦将軍たちも変わらず従っているし、カル本人が苦しんでいる罪悪感は置いといて、色んな意味でやっぱり、作中最も報われ続けている人物である。
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ひたすらカル=スをめでて、大勢でわちゃわちゃしてるだけの話。ギャグです。 箱舟墜落後、救世主(メシア)による復活を経て、箱舟で戦った面々が一時期同じところで暮らしていたというご都合設定。 ラーズ→カル。ほんのりガラ→ネイ。ネイがやたらカルの世話を焼いてますが、あくまで兄妹であり、姉弟の家族関係。 魔戦将軍(←カル様激LOVE)とカイ・ハーン(←ネイ様激LOVE)がかなりおかしな人になっています。 というか、おかしな人しかいない。 非公式設定(原作者の同人誌でのインタビュー)を採用しているので、知りたくない方はご注意。 結論:エロ話よりアホ話の方が書きやすい。5,685文字pixiv小説作品- 秘封霖世界
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