概要
漫画『超人キンタマン』(コロコロコミック)の登場人物。名前の通り、元ネタは機動戦士ガンダム。
本名は「ノビルスーツ サワンナRX-6 オガンダム」。
お祈り戦士の名の通り「ナンミョーホーレンオガンダム」「ナムアミアーメンオガンダム」などと、珍妙な祈祷を行うプラモロボット。ではあるが、開発会社が開発に積み込みすぎて6割完成したものの、資金不足で折れかかった大黒柱やトイレットペーパーなど粗大ゴミをかき集め内部パーツにしている(特集で組まれた事実)。
なお、股間部には「用途不明の二つの金属球(金色)」が内蔵されている。
当時のガンプラ人気にあやかり、自分のプラモデルを子供に売りつけ、逆にぼこぼこにされたりしている。
初登場時は、キンタマンを「お前はただのあほだ、わたしこそが本当の正義の味方だ」と挑発し、戦いを挑む。しかしキンタラッガーで片腕を切断され、キンタマンから傷薬だと勧められた薬を飲むが、それは下剤だった。すぐにもよおして、公衆便所に入るが紙が無く、キンタマンの勝利。
……と思われたが「神(紙)に見放された時は、自分の手で運(うん○)をつかむのだ」と、オガンダムは自分の手で掴んだものをキンタマンに見せるのだった。
それ以後は、どういうわけか一緒につるみ、お面ライダーマンとともにキンタマンと共同生活する事に。
一緒に花見に赴いた際、キンタマンに「景気づけになにかやれよ」と言われ、「ナンミョーホウレンソウオガンダム」と、いつもの通りにお祈りしてその場をしらけさせた。
武器はワイパーバズーカ、ハエタタキ(ビームサーベルのように、背中に装着)、肥え柄杓。数珠も備えている。時折、鍋の蓋のような木製の丸盾も構えていたりする。
評価
読者アンケートで主人公のキンタマンより人気になり、これに関しては予想外だったのか作中でもヒロインから「アンタは盗作キャラなんだから本家が人気なだけ」と罵倒されるシーンまである。(後述の単行本では別の台詞に書き換えられている)、最終的にスピンオフ読切「オガンダム えぐりあい宇宙」なる漫画まで作られた(説明するまでもないが、当時公開された劇場版ガンダムの三作目「めぐりあい宇宙」が元ネタ)。
ちなみにこの「えぐりあい宇宙」。
サイド9(別名9サイド=クサイド=臭いど)が出てくるわ、敵にシャア・アズナブルならぬシャー・パイナプルが出てくるわ、そのシャーに「オールドタイプめ」などと言わせたりと、こちらもやりたい放題だった。
※このオールドタイプ云々の発言は、ハエタタキで攻撃しようとしたオガンダムに対し、「ニュータイプならこれだ」と殺虫剤のスプレーを出した時に言った言葉。
「ハエなんかイチコロだぜ」と目前でスプレーし、オガンダムは「わーいいなそれ、どこで買ったの」などと聞いていた。
※なお、このシャー・パイナプル。美形などではなく、キンタマンとどっこいの容姿であり、角が付いた土木作業用ヘルメット(本家に近いデザインだが)を被り、丸い黒メガネをかけた短足のオッサンである。
水星(水のある惑星だから水星)に辿り着き、そこの川で水を飲むオガンダムらの上流で立小便していた。最後にはワイパーバズーカの弾丸がパンツの中に入り込み、爆発して宇宙まで吹っ飛んでいった。
更なるワルノリとして、ガンプラを改造した作例も誌上に掲載していた。
頭部は1/60、胴体部は1/144のガンダムのパーツを用い、パテで顔(口部分)を造形。手足およびハエタタキと数珠も、パテとプラ板などと用い作成している。
頭身をディフォルメしたという意味ではSDガンダムの走りともいえなくもない。
クレームからの消滅
しかしその後本家からクレームが来たらしく、キャラクターの変更を余儀なくされる。
作中で風呂に入る代わりに洗濯機に入ってバラバラになり、破片が乾燥機に入れられた後キンタマンの光線を浴びて乾燥機もろとも大爆発。そのショックでデザインの違う新キャラクター・バカラスに生まれ変わった。
※そのバカラスも顔がブライガーっぽいのだが、国際映画社からはクレームがこなかったのだろうか。
当時の単行本でも、それまでのオガンダムの登場シーンは全てバカラスに描き替えられている。上記「えぐりあい宇宙」も、バカラスになっている。
(真相は不明だが)ガンダムは当時、コロコロコミックのライバル誌「コミックボンボン」で、「プラモ狂四郎」など公式公認の展開が行われており、それがクレームに繋がったという説が有力である(一応てれびくんなどでガンプラの特集などはなされてはいたが)。当時バンダイから関連商品が発売されていたことも原因と言えなくはないだろう。
ちなみに当時は商業誌でも他社のキャラクターを勝手にパロディ化することは珍しくなく、本作品も主人公はウルトラマンのパロディで、もう1人の主要キャラクターは仮面ライダーのパロディーである「お面ライダーマン」だった。
(さらに言えば、当時にコロコロに掲載されていたマンガにおいて、マイナーな作品にも、オガンダム同様のガンダムのパロディキャラは結構登場していた。ガンプラそのものが許可無く出てきたり、八頭身のガンダムそのものなデザインだったり、ガンダムの頭部に手足が付いたSDキャラっぽいのだったりと、良く言えばフリーダム、悪く言えばいい加減な状況であった)。
元ネタが小学館の雑誌に掲載されている主人公はともかく、本来なら元ネタが当時ライバル出版社掲載だったお面ライダーマンにもクレームが来るはずだが、原作者が気に入ってたのか結局最後までお面ライダーマンのままだった。それどころかそれが要因となったのか数年後に小学館の雑誌で仮面ライダーが掲載されることとなったのである。
そして時は流れて
2011年、コロコロコミック6月号にてなんとコロコロ×ガンダムプロジェクトが始動することが発表された。まさかの本家ガンダムのコロコロ参戦が決定してしまったのである。
このニュースは少年誌の一大事件として取り上げられるほど当時のコロコロ・ボンボン世代に衝撃を与えた。
これによりコロコロを含む小学館の雑誌でもガンダム出演にOKサインが出たためなのか、2016年コロコロアニキ第5号では「コロコロ創刊伝説」でオガンダム爆死に関する顛末が収録されており、まさかの再登場を果たす。
それ以前、2009年には「キンタマン」の復刻版単行本が発売された際、バカラスに修正された箇所がオガンダムに戻されている。しかし名前は「バカラス」のままであり、改造話ではセリフがおかしくなってしまった(誰か気づくようなものだが)。
作者・立石佳太によるインタビューも2巻に掲載された。
関連タグ
ヒュッケバイン デュラクシール…いずれも大人の事情でこれ同様に散々な目にあわされている。
仮面ノリダー:同じく本家に無断で制作されたパロディだが、約30年後紆余曲折あって半ば公認化されたキャラ。
ガンダムレギルス:ある意味オガンダムと呼べる存在。