『全ての宿命の果てに 光と闇の戦いは 今終わりの時を迎える』
概要
『ファイナルファンタジー14:新生エオルゼア』の拡張データディスク第4弾。
英語のタイトルは『ENDWALKER』。
2021年12月7日発売(本来は11月23日発売だったが延期となった。詳細は後述)。
『新生』から描かれてきたメインストーリー『ハイデリン・ゾディアーク編』が遂に完結となる。
「漆黒のヴィランズ」以来好評を博し、アーリーアクセス前日のパッチノート朗読会では累計登録者数が2500万人を突破、課金ユーザーも過去最高を記録したと発表された。
アーリーアクセスの時点でログインが混雑して順番待ちとなり、正式リリース後もワールドによっては大幅に待機時間が増え、エラー落ちなどの問題も発生。
これに対してスクエニは24時間体制での対応および改善を実施し、吉田Pからのメッセージという形で都度報告を行った。
その後オセアニアデータセンター開設、論理サーバー追加など様々な手法がとられた結果、おおむね混雑は解消。放置による自動ログアウト措置も停止となった。
12月16日にはフリートライアルの受付およびパッケージ販売などを一時的に停止し、混雑解消を最優先すると発表(1月25日よりパッケージ販売、2月22日よりフリートライアル新規登録を再開)。「販売停止」がトレンド入り。
サービス開始から8年が経過したMMORPGとしては極めて異例の事態となった。
レビュー集積サイトMetacriticによると、『暁月のフィナーレ』PC版のユーザースコアは9.5、PS4版は9.7(12月11日時点)という、前代未聞の高得点となった。
参考までに旧版が3.9、「新生」が7.5、「蒼天」が8.9、「紅蓮」が8.8、「漆黒」が9.1である。
集大成の物語は高く評価され、最高傑作と称賛された「漆黒」超えが出来るかどうかという懸念を軽く吹き飛ばす結果となった。
あらすじ
古の時代、世界を襲った"終末"とは何だったのか。
月に封印されしゾディアーク。そして世界を分割したハイデリン。
すべての謎を解き明かすため、英雄"光の戦士"は、青き星を離れ月へと降り立つ。
特徴
「月」が物語の重要なキーワードになる事もあってか、ファイナルファンタジー4のオマージュ要素が強い。
有料マウント「ルナホエール」を初め、FF4のキャラがミニオンとして登場している。
そしてパッチ6.1では……???(ネタバレ注意)
北洋の知の都「オールド・シャーレアン」と、近東の都市国家「ラザハン」が新たな街として追加。
どちらも過去に名前だけが登場していたが、本作から遂に来訪出来るようになった。
シャーレアン地下の巨大空間「ラヴィリンソス」、ラザハンを擁する近東の「サベネア島」、ガレマール帝国の帝都「ガレマルド」、そしてハイデリンの衛星である月の一部「嘆きの海」が新たなエリアとして追加。
これら先行発表されていたエリア以外にも、中盤以降から終盤にかけて「????」「?????・????」が追加される。
メディアツアーで先行公開された「異形楼閣 ゾットの塔」を皮切りに、新たなインスタンスダンジョンが多数追加。
新たな蛮神「メーガス三姉妹」「アニマ」が先行発表され、新たな討滅戦も追加。
討滅戦はネタバレとなる為伏せるが、衝撃的な展開となっている。
新たな獣人族として、二足歩行の象のような姿の「マタンガ(アルカソーダラ)」、月に住まうウサギのような姿の「レポリット」が登場。
パッチ6.1「新たなる冒険」以降
長らく続いたメインストーリーの決着後は、新たなる展開を迎えている。
海底遺跡への冒険をきっかけとし、物語はかつて光の戦士が一度だけ訪れた異界ヴォイド──鏡像世界「第十三世界」へと至る。
コンテンツ
万魔殿パンデモニウム
8人で挑むレイドコンテンツ。
パッチ6.01にて第一弾「辺獄編」が実装。パッチ6.05にて零式が実装。
パッチ6.2で第二弾「煉獄編」が実装。一週間後に零式が実装。
パッチ6.4で第三弾「天獄編」が実装。一週間後に零式が実装。
既に消滅したはずのアシエン・ラハブレアがキービジュアルに描かれており、ヒカセンの間では様々な憶測が生まれた。
オールド・シャーレアンにおける「星海」の調査で、メッセージ入りのクリスタルが発掘された。これを手がかりとし、光の戦士はかつて訪れた「????」を再訪する。
そこである人物と出会い、危険な創造生物が多数封印されている施設「パンデモニウム」に起きた異変の解決に協力してあたる。
ミソロジー・オブ・エオルゼア
24人で挑むアライアンスレイド。
パッチ6.1にて第一弾「輝ける神域アグライア」が実装。
パッチ6.3で第二弾「喜びの神域エウプロシュネ」が実装。
パッチ6.5で第三弾「華めく神域タレイア」が実装。
今まで名前だけが語られていた「エオルゼア十二神」にまつわる物語が展開される。
聖コイナク財団から「この世と似て非なる空間」である「幻域」がモードゥナで発見されたと聞いた光の戦士は、バルデシオン委員会の依頼に基づいて調査へ向かう。
発見者である冒険家デリックの案内で、光の戦士とグ・ラハ・ティアは「幻域」へ足を踏み入れる。そこに現れたのは銀泪湖のはるか上空、本来は存在しない空間に実在する、美しい浮き島だった。
「オムファロス」と仮に名づけられたその地において、光の戦士達は実体化したエオルゼアの神々と邂逅する。しかし……
帰ってきたヒルディブランド
パッチ6.15で実装。以後パッチ6.x5ごとに追加され、6.55で完結。
漆黒で一回お休みをいただいていた、毎度おなじみギャグ時空100%のサブクエスト。
パッチ6.25で実装された武器制作コンテンツ「マンダヴィルウェポン」の必須条件となっている。とにかく時間と手間がかかっていた過去のコンテンツと比較すると、難易度はかなり低め。
ラザハンにてナシュ・マカラッカと再会する光の戦士。
紅蓮編にて異空間に引きずり込まれたヒルディブランドだが、一緒に飛び込んだナシュ曰く「事件の狭間」なる場所でさまよう羽目になるも、ギルガメッシュのおかげでこちら側に戻ってこられたらしい。しかしヒルディブランドの意識は回復する事はなく、症状を観察した光の戦士は、暁の賢人と同じく魂だけが第一世界に召喚されたのではないかと考える。
果たして再訪したクリスタリウムでは、やたら他人に親切な「紳士的な不審者」の目撃情報が相次いでいた。
「超える力」に覚醒して冒険者となったセイラー、ヴォナードと共に調査に出向く光の戦士。そこで待ち受けていたのは「大罪喰い?フォーギヴン・ブランド」を自称する「紳士的な不審者」としか言いようのない彼だった。
フォーギヴン・ブランドを正気に戻す為、ナシュから預かった「お薬」という名の爆弾を絶妙の連携で叩き込む三人。果たして結果は……
友好部族クエスト(旧:蛮族クエスト)
「漆黒」終盤以降の展開に関した要望を受け、コンテンツの呼称が6.25より変更となった。
なお作中に登場する「蛮族」呼びについては実装当時の世界観(蛮神を召喚する獣人族との対立)もあり、全体的な修正は行われない。
パッチ6.15でアルカソーダラ族とのクエストが実装。これまでと異なり、特定のサブクエストのクリアが条件となる。
終末の災厄で炎上したヴァナスパティ樹海から移住してきたアルカソーダラ族の若者達。青春の衝動を持て余してヒッポカートを爆走させる彼らと光の戦士は接触を持ち、リーダーである「姉御」ことトルナは、はみ出し者扱いされてきた我が身を振り返り、新しい環境に馴染んで生計を立てる方法を模索する。
その結果、スピードを売りとした運び屋「ヒッポライダーズ」が爆誕。彼らの手助けをし、宣伝やトラブル解決に当たる中、アジムステップから逃げてきたガジャースラ族との対立が勃発してしまう。果たして光の戦士は両者の諍いに決着をつけられるか?
パッチ6.25でオミクロン族とのクエストが実装。ギャザラー向けのクエストとなる。
星の記録から再現されたオミクロン・N-7000は、「毛むくじゃら有機生命体」ことレポリットのジャミングウェイとともに、最果ての地にカフェ「ラストレムナント」をオープンした。
見た目も性格も正反対のデコボココンビは、冒険者の力を借りながら、最果ての地に新たな希望を示そうと奮闘。正常化したスティグマ・フォーから出される指令に基づき、光の戦士はさまざまな物資を採集する。
客となった様々な再現体達の願いを叶えていく中で、新たに生じた星域「エリュシオン」に、かつて滅びた文明がデュナミスの作用で再現されていく事となる。
パッチ6.35でレポリット族とのクエストが実装。クラフター向けのクエストとなる。
終末の災厄が解決した月では、最悪の事態に備えて準備をしていたレポリット達が仕事を失った事で無気力になる事例が多発していた。これを憂慮したレポリット「ドリーミングウェイ」は、新たな夢を見つけて叶える為の施設「ドリーミング・ワークショップ」をベストウェイ・バローに開設し、光の戦士は彼らの夢を実現する為の手伝いをする事となる。
パッチ6.55でエクストラクエストが実装予定。3つのクエストをコンプリートした先の物語が展開される。
タタルの大繁盛商店
パッチ6.15実装のサブクエスト。以後パッチ6.55まで実装予定。
オールド・シャーレアンに「大繁盛商店」を開いたタタルに要請され、光の戦士は商品を宣伝かたがたエオルゼア各地に配達する事となる。
その中で、かつてタタルの家に伝来していた家宝のペンダントを修復してプレゼントする企画が、本人には内緒でこっそり進められていく。
「暁月」本編でお世話になったNPCへのお礼を兼ねた再訪という、新生の「配達士」クエストの流れをくむサブクエスト。
クロニクルクエストなどのサブクエストをクリアしているとより楽しめるとの事。
6.2では「蒼天のイシュガルド」のアライアンスレイド「シャドウ・オブ・マハ」に登場した空賊レオファードと、空賊団「レッドビル」の仲間が再登場する。
6.3では「紅蓮のリベレーター」のクロニクルクエスト「四聖獣奇譚」に登場した四聖獣と、東アデルナード商会のハンコックが再登場する。
6.4では「漆黒のヴィランズ」のクロニクルクエスト「ウェルリト戦役」に登場したガイウスと彼の義娘アリーが再登場する。
絶竜詩戦争
最高難易度レイド「絶」第4弾。
当初はパッチ5.55実装予定だったが、コロナ禍などの影響もありスケジュール遅延となり、パッチ6.11での実装となった。
「蒼天のイシュガルド」で描かれた竜詩戦争の、とある部分からパッチ3.3のラストまでを再現。
「歴史に「もし」はないと言うが、それでも、「もし」の先を考えてしまうのが人の常である」と語った異邦の詩人の詩による、「あの日」の物語となっている。
制作は「ミスターオズマ」「第2の光の戦士絶対殺すマン」こと中川誠貴。(ちなみに初代光の戦士絶対殺すマンは「須藤神」こと須藤賢次)
「これまで作ってきた全てを突っ込んだので難易度は覚悟してほしい」とのコメントがあり、チェックを行った吉田P/Dも顔がひきつったという。
その言葉に偽りはなく、これまでも零式や絶を突破してきた歴戦のヒカセンでさえ悲鳴を上げ、頭を抱え、固定が爆散し、よくわからない名言が多数飛び出す、文字通りの阿鼻叫喚となった。
しかしトップレベルのチームは少しずつフェーズを踏破し、狂気めいた超高難易度ギミックにも次々と順応。配信開始から124時間後の2022年5月2日午後10時4分(日本時間)、世界最速クリアの報告が上がった。
絶オメガ検証戦
最高難易度レイド「絶」第5弾。
パッチ6.31にて実装。
光の戦士からオメガについて聞かされた異邦の詩人は、もしも次元の狭間での検証がもう少し続いていたなら、オメガが探し続けた「答え」へたどり着けたのではないかと想像。これをきっかけに未知なる力となる「心」を求め続けたオメガの新たな物語が再現される。
配信開始から153時間後にクリア報告が上がったが、直後に規約違反となる外部ツールを使用していた事が発覚して炎上する。
これに対して1月31日に吉田P/Dからコメントが発表され、
・外部ツールの使用は一切禁止
・一度もツールの使用を認めたことはない
・外部ツール不正使用が調査によって明らかになった場合、当該チームをワールドファーストチームとは認めない
と宣言された。(参照)
当該のプレイヤーからはペナルティを受けた旨が明かされ、アチーブメントの消去や武器の破棄が報告され、謝罪を述べた。
またこれに付随してワールドレースを制した別のプレイヤーが過去に外部ツールによるサポートを受けていたとしてキャラ消去と引退を発表し、「デジタル切腹」呼ばわりされるなど様々な波紋が広がった。
ハウジング関連
パッチ6.1でイシュガルドの冒険者居住区「エンピレアム」が新たに追加。土地権利の購入は先着順から抽選に変更となった。
初回の抽選結果発表において、特定条件下で正しく結果が反映されない問題が発生。運営はただちに状況把握と原因調査を行い、逐一吉田P/Dからの報告として説明が行われた。
その後問題を解決して抽選結果が発表され、万全を期す為に第二回抽選を延期しつつ経過を観察する事となった。
パッチ6.3では居住区数を大幅に増やし、1ワールドあたり1800エリアが追加となった。
無人島開拓
パッチ6.2で実装。
「FF14の中でスローライフを楽しんでいく」というコンセプト。ギャザクラに手をつけていなくても進行が可能で、無人島も事前の想像以上に広い仕様となっている。
なお開発内でのコードネームは「〇ASH島」だった。
中には開拓に全力で挑むヒカセンもおり、誰が言ったか「ハイスピードスローライフ」と呼ばれる羽目に。
パッチ6.4で庭具の設置が可能となり、自宅を持たないヒカセンも条件を満たせばカスタムが可能となる。これに先んじて主張が激しい庭具「モアイ」が一時高騰するも、実際には一つあれば上限まで設置可能という仕様が明らかとなるや即刻値下がりするなど、ちょっとした話題となった。
その他、新PvP「クリスタルコンフリクト」を始めとしたコンテンツやサブクエストが追加。
追加ジョブ
賢者
第四のヒーラー。タイプはバリア。
「賢具」と呼ばれるファンネル様の武器を操って戦う。
リーパー
両手鎌(大鎌)を主武装とする近接DPS。
異界の妖異「アヴァター」と契約し、自らの力に変えて戦う。
追加種族
ヴィエラ族(男性)
長らく設定上のみの存在だったが、6.0にて遂にプレイアブル化。
集落を離れてたくましく生きる、ヴィエラの守り人。
追加NPC
リリース日に関して
前述の通り、当初は2021年11月23日発売予定だったが、2週間後の12月7日に延期となった。
一度発売日を発表した後で延期になったのは今拡張が初となる(蒼天のイシュガルドも春発売から夏発売に変更になっているが、発売日自体は確定していなかった)。
理由としては、吉田P/Dがどうしてもハイデリン・ゾディアーク編の中で描いておきたいストーリーを急遽追加することになったことで開発スケジュールがずれ込み、最終的なクオリティチェックのために必要な時間が割けなくなってしまったからとのこと。吉田P曰く「端的に言えば自分のワガママのせい」。
これについて冗談交じりに「プロデューサーの吉田とディレクターの吉田が喧嘩した」と表現するヒカセンもいた。
延期の判断がかなりギリギリだったため、延期の発表も本来の発売日の直前(11月6日のPLL)となってしまった。
暁月発売およびアーリーアクセスに向けて有給休暇申請などスケジュール調整を行っていた多くのヒカセン達が悲鳴を上げ、当時のTwitterで「有給」がトレンド入りする事態となった。
クルルがいない
暁月のフィナーレ編ではクルルは公式サイトでもキーキャラクターの一人として紹介されており、実際にストーリー中でもハイデリン討滅戦にこそ参加しないものの、あちこちで登場し存在感を見せている。
が、暁月のフィナーレのパッケージイラストに入っていないというとんでもないミスが発売後に発覚。迷惑なズッ友はいるのに…。
これは、「松澤千晶のRADIO MOG STATION」にてクルル役声優・南條愛乃などが出演していた回に吉田Pが白状したところによると、「吉田明彦氏にイラストを発注する時に吉田Pがクルルの事を忘れていた」とのこと。
あがってきたイラストのチェックをしてOKを出したのも吉田Pなので、完全に吉田Pの責任である。
「どっかでリテイク発注して差し替えたい」などと言っていたが、差し替えは現在のところ行われておらず、今でも商品販売ページではクルルがいないパッケージイラストが見られる。
代わりなのか何なのか、この時合わせて「次は主役ですから!」と言い訳していたが、それは黄金のレガシーで実現する事になった。