概要
エオルゼアの北東に接するイルサバード大陸などを支配下に置く軍事国家。首都はガレマルド。
半世紀前まで北州イルサバード大陸北東部、永久凍土に近い寒冷地にある、少数民族ガレアンを主要な住民とする辺境の一国に過ぎなかった。
しかし青燐機関を用いた魔導技術による技術革新と、卓越した軍才を有す若き将「ソル・ゾス・ガルヴァス」が台頭し、イルサバード大陸を制覇。遂には初代皇帝となった事により、 世界に覇を唱える強国へと躍進を遂げた。
掲げる国章は強兵の団結を示す「黒と赤の鎖」。
「新生」開始の20年前、エオルゼア侵攻を開始。
アラミゴを属州化し、さらに侵攻しようとするものの、「銀泪湖決戦」におけるミドガルズオルムとの相討ちなどの出来事によって膠着状態となり、第七星暦に入ってからはソル帝の崩御および後継者争いもあって戦線は停滞。
「蒼天のイシュガルド」終盤にイルベルトら暴走したアラミゴ難民出身の者たちによる工作によってなし崩し的にエオルゼア同盟軍との衝突が再度本格化したが、「紅蓮のリベレーター」にて光の戦士らの活躍もあり、東方のドマがまず陥落・解放され、続けてアラミゴも奪還され解放される。
「紅蓮のリベレーター」終盤における「ギムリトダークの戦い」が始まるまで、この状態が続いていた。
元々は共和制だったが、イルサバード大陸の統一をもって帝政へと転換。独裁体制を構築していった。
厳格な階級制度が採用されており、帝国民は名と姓の間に階級を示す語が入る。階級の序列は皇帝「ゾス」を最上位とし、次に皇族「イェー」、貴族「ウィル」、軍団長「ヴァン」、以下軍人・魔導技術者が上位に存在する。
次いで公職、その下に民間人、最下位には市民権を持たない奴隷身分の階級「アン」が存在する。属州民の大半は「アン」であり、国家への特別な貢献を認められるか20年の兵役を終えない限りは市民権が与えられない、
役職によって決まるので、昇格するとその度にミドルネームが変わる事になる。
また人によっては複数の身分に該当する事もあるが、その場合は最も高い身分のミドルネームを使う。例として皇太子ゼノスは皇族である「イェー」と軍団長である「ヴァン」の2つの身分を持つが、一貫して「ゼノス・イェー・ガルヴァス」と名乗っている。
ちなみにこの身分を示すミドルネームは、アルファベット表記した場合、身分が高い方からアルファベット逆順でzの頭文字を持つ表記から始まりaで終わる。ただしxとwは無いので、身分は全部で24階級ある。
また、属州民の扱いは上記した通りだが、例え何らかの特別な貢献を果たして市民権を得たとしても、その扱いは酷い。
ガレマール本国人である生粋のガレアン人にはそれ以外の民族を「蛮族」として見下す選民思想が根付いており、市民権を持っていても実際にはガレアン人の市民とは同等には扱われず、暴行を受けて重傷を負っていても衛兵が知らんぷりをして放置すると言った事も珍しくない。
それでいて他の属州民からは「帝国に魂を売った裏切り者」呼ばわりされて居場所を無くすため、市民権を持たない属州民として圧政を受け続けるか、市民権を持って差別を受け続けるかの2択になっている。
第14軍団の幕僚長であるリウィアやリットアティンは属州民の出だが、これは軍団長ガイウスが「征服した国の民も庇護すべき自国民である」と言う考えを持つ選民思想の薄い人物だったからの特例で、属州民がこのような高い身分に上り詰める事自体が殆どない。
アラミゴ属州民(親は市民権を持っている)のフォルドラも千人隊長の地位まで登っているが、これも「アラミゴ人同士で殺し合うのが滑稽」と言うゼノスの気まぐれによるところが大きい。
サービス開始以降、国の実情は表立って明らかにされる機会がほぼなかった。
蛮神討滅が国是であるため、神への信仰が禁じられている事は明らかとなっていた。
これに関連して「紅蓮のリベレーター」のドマ町人地復興やアラミゴ周辺でのクエストにおいて、近親者の霊を偲ぶ儀式や追悼儀礼すらも「迷信である」と断じられ、禁止されていたと語られている。
その他にも「文化的に優れている」として、併合した属州の各地の遺構の上に金属製の建築物を建設し、上からの強制に基づく「帝国式教育」を属州民に施し続けている。
既存文化の破壊および否定による「国」の解体および「属州」としての再構築は、しかし悪一辺倒という訳ではなく、才ある若者の登用や救貧にも繋がっている。
もっとも先祖伝来の文化を「殺す」という点においては非道な所業であり、さらに各属州駐在の一般兵、属州支配者には属州民をあからさまに見下し非道な扱いをするものも多く、属州民は忍従に甘んじる事態が久しく続いていた。
(一例をあげれば市民権を取得したはずの属州現地住民の見殺しなど)
こうした属州民の悲惨な扱いについては「紅蓮のリベレーター」にて描かれ、「漆黒のヴィランズ」クリア後のコンテンツ「セイブ・ザ・クイーン」及び「ウェルリト戦役」でも、様々な描写を見る事が出来る。
とはいえ、現実世界の歴史で鑑みると植民地支配としては全く緩いほうであり、税金も二公八民と江戸時代などに比べても非常に安い。
ある程度の歴史・政治経済の知識の視点から見ると、帝国の支配には民族対立以外は差し当たって大きな問題が見当たらないのも事実である。
そもそも民族差別・対立自体は帝国属州に限らず殆どの地域で大なり小なり起きているので帝国そのものの問題でもない。
悲惨、非道と言い張るにはいささか所業が温いと言わざるを得ないだろう。
「紅蓮のリベレーター」のアライアンスレイド「リターン・トゥ・イヴァリース」では、帝国内で絶大な人気を博した劇団「マジェスティック」が登場。
劇場飛空艇「プリマビスタ」でクガネを訪問した彼らから、帝国の実情および歴史を知る事が出来た。
ソル帝崩御後は体制が一変し、身分を問わず批判はことごとく封殺または処罰の対象となっている。ソル帝が好んだ文化活動も大きく制限されており、息苦しい実情が伝わる。
「漆黒のヴィランズ」では、帝国とエオルゼア軍事同盟の戦争が本格化。また東方など各地の属州でも反攻の狼煙が上がる中、たびたび「一方その頃……」のような形で描かれる。
本編終了後、ヴァリスがゼノスに暗殺されたことでネルウァとティトゥスによる次期後継者争いが勃発。内乱の様相を呈する。
パッチ5.5時点では各属州の軍団が独自の判断で行動するなど既に崩壊しかかっており、帝都ガレマルドでは何かにとりつかれたかのような市民が老若男女を問わず「塔」の建設に没頭していると報告された。
「暁月のフィナーレ」では、そのガレマルドが新たなエリアとして追加。
雪と氷に閉ざされた風土の中、内戦によって崩壊した鉄塊と瓦礫だらけの廃墟となっており、魔導城はおぞましい異形の塔「バブイルの塔」と化し、暴走した無人兵器がそこらを徘徊するという、極めて悲惨な状況にある。
現在は僅かな将兵と民間人が地下鉄テルティウム駅構内に身を潜めている。地下鉄の電車内で寝泊まりする難民が飢えと寒さに苦しむ中、エーテライトさえ機能していなかった。
他方、ソル帝の業績を称える記念公園や巨大高架橋、壮麗な元老院の痕跡から、往年の栄華を僅かに読み取る事が出来る。
メインクエスト序盤~中盤、グランドカンパニー・エオルゼアによる「ガレマルドにおける人道的支援および塔の調査」を目的とした「イルサバード派遣団」が結成。
各地から参加した懐かしい顔触れと共に、光の戦士と暁の賢人達はガレマルドに向かうのだが……
皇族
ソル・ゾス・ガルヴァス
ガレマール帝国初代皇帝。建国の英雄にしてイルサバード大陸統一の覇者。
第七星暦に入り病に伏せていたが、「蒼天のイシュガルド」開始前に崩御。
ヴァリス・ゾス・ガルヴァス
ガレマール帝国二代皇帝。ソル帝の孫(夭折した長男の子)。
帝国軍を統括する「大将軍」の座を長年務めてきた。
ソル帝の崩御後、後継者争いを制して二代目皇帝に即位。しかし……
ゼノス・イェー・ガルヴァス
ガレマール帝国第XII軍団長にして、現皇帝ヴァリスの実子。
ドマの反乱を鎮圧したことで頭角を現す。
ルキウス
ソル帝の長男。ヴァリスの父。
皇太子であったが病弱だったため、既に病死している。
ティトゥス
ソル帝の次男。ヴァリスから見れば叔父に当たる。
国政に影響力を持つ「元老院」の主席であり、次期皇位を巡る争いでヴァリスに敗北。
帝都崩壊後の行方は不明だが皇族は避難していた場所でテンパードに襲われ護衛共々壊滅したので死亡説が濃厚。
ネルウァ・イェー・ガルヴァス
ティトゥスの息子。「永遠の繫栄を祖国に」をモットーとして掲げていた。
ヴァリス暗殺後、次期後継者に名乗りを上げた皇族の一人。
第Ⅲ軍団からの支持は篤いが、敵対する第I軍団や第IV軍団を始め他軍団での評価は芳しくない模様。
後にサンクレッドとウリエンジェが帝都に調査に向かったところ、彼と第Ⅲ軍団はどこかに消えていたとの事。
鉱石ラジオの近くにいたためテンパード化を逃れていたが、帝都の崩壊を目の当たりにした絶望で偽神獣に成り果てていたことが後に判明する。
ガレアン族
額に「第三の目」と呼ばれる真珠様の器官を有する種族。
体格はエレゼンないしヒューランに相当し、「第三の目」の有無以外での判別は難しい。
空間把握能力・身体能力に優れる一方、体内のエーテルを放出する能力が著しく低い。この為先天的に魔法を扱うことができない者が多く、異民族との争いでは後塵を拝する事が多かった。
そうした歴史の背景もあって排他的な者が大半であり、「イルサバード派遣団」から差し伸べられた救援の手を恐怖と猜疑から拒絶する場面も見られた。
またエオルゼアの民にとっては当たり前のように使われる魔法についても「自分には使えない未知かつ野蛮なもの」として強い拒否反応を示す為、彼らの前で魔法を使うのは避けるべきと考えられている。
元々はイルサバード大陸でも比較的温暖な中央山脈以南、コルヴォ地方に暮らしていた。しかし今から800年前、異民族との戦いに敗れた事で北方へと追いやられる。
一年の大半が氷と雪に覆われ、海洋資源も乏しいという厳しい環境下で、ガレアン族は身を寄せ合い、異民族の侵略に怯えつつその生を細々と永らえてきた。
これに目をつけたのがエメトセルクであり、内気な一兵卒に過ぎない男「ソル」として技術革新をもたらし、ガレマール共和国を強大な軍事国家に仕立て上げる。そして「懐かしき故郷(ロクス・アモエヌス)の奪還」を掲げ、軍事力によって国土の拡大を図った。
本編開始の50年以上前にコルヴォ地方を征服して「ロクス・アモエヌス」となした後も、蛮神討滅を国是として大義名分化した上で「魔導技術による先進文明をあまねく世界の隅々まで伝え、野蛮な宗教を信じる蛮族を高みへと導く」という高邁な理想を掲げる事で、侵略戦争を正当化させた。
弱者だったガレアン族に青燐技術に依存した選民思想を植えつけ、長年彼らを脅かしてきた異民族を「蛮族」と定義し、それによりガレマール帝国を「世に戦乱の種を巻いて霊災の引き金を引かせる為の道具」となす。それは過去にアラグ帝国を興したのと同じ扱いであり、真実を知らぬままガレアン族は支配者としての歪んだ矜持を抱く事となった。
他方、この「幻想」には真理も正義もないと気づいたガレアン族も少数存在しており、過去にはソル帝暗殺も計画されたという。
しかし計画はことごとく失敗に終わり、他にも様々な理由から自身の正体を隠して帝国から逃亡したガレアン族は少なくない。
この辺りの事情はリーパーのジョブクエストで語られている。
「リターン・トゥ・イヴァリース」では、共和制ガレマールを建国した「始祖の七部族」と呼ばれる氏族が存在し、かつてダルマスカに幻の王国「イヴァリース」や機工都市ゴーグを築いた「ゴーグ人」がそのうちの一つだったという説が提唱されている。
これにより「イヴァリース伝説」はゴーグ人を通じて現在のガレアン族に伝わったとされる。
ガレマール帝国軍
ガレマール帝国が擁する軍隊。数多くの軍団が存在する。
「漆黒のヴィランズ」ではトップの混乱により、組織として瓦解しつつある。
そして「暁月のフィナーレ」では……
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