概要
『暁月のフィナーレ』にて登場。
惑星ハイデリン(アーテリス)の衛星である「月」の一部分で、呼吸できる環境が存在する「海」と呼ばれるエリア。英語表記は「Mare Lamentorum」。
海といっても水で満たされている訳ではなく、鈍色の玄武岩で覆われた平原が広がり、空には月ではなくアーテリスが見えている。
昼夜は存在せず、気象も「霊風」が稀に起きる程度で大きく変わらず、当然だが雨も降らない。
地上のそれから逸脱した生命が存在しており、過酷な環境下での食物連鎖が確認できる。他の「海」も存在する可能性はあるが、現状で訪問できるのはここだけである。
過去に何度か登場しており、アシエン・エリディブスやアルバートが月に立つ場面が描かれていた。エリディブスはゾディアークに近しい存在である為、時折ここを訪れていた事が後に判明している。
そしてハイデリン・ゾディアークを巡る物語の最終章において、ようやくプレイヤーが訪問する事が可能となった。
訪れるのはメインクエストの中盤少し手前。
ガレマール帝国の帝都ガレマルドにて、魔導城改め「バブイルの塔」によって、月に封印されたゾディアークを蘇らせる為、アシエン・ファダニエルが終末の塔を利用して封印を攻撃。
しかしギリギリの所で完全破壊には至らず、ファダニエルはゼノスと共に直接封印を破壊する為、転送装置を使って月へ直接乗り込んだ。
これを追いかけた光の戦士だったが……
施設・遺構
月の監視者の館
初めて訪れる場所。バブイルの塔からの転送紋に近く、エーテライトもある。
ハイデリンの意思により創造された「月の監視者(The Watcher)」が暮らしている。第一世界のアーモロートで見た古代人とよく似ているが、ハイデリンの核となったヴェーネスの研究仲間の再現体であり、管理機構の一部である。
ゾディアークを討滅した後、光の戦士を追って転移してきたヤ・シュトラ、ウリエンジェ、サンクレッドと共に、彼の知る全ての記憶を語り聞かせ、また膨大な管理記録の閲覧を許可。
そこで判明したのは、この月そのものがハイデリンの創造物であり、14に分割された世界それぞれでゾディアークの檻として運用されていたという事実だった。その後、「もしも」に備えていたハイデリンの策が起動する。
ベストウェイ・バロー
終末の災厄が不可避となった場合に備えてハイデリンが用意した、月を「脱出船」と成す為の機構。
「月の船員(クルー)」ことレポリットの本拠地であり、アーテリスから運ばれた生命を迎え入れる為の総合基地……なのだが、思い違いにより様々な齟齬が生じていた事が後に発覚する。
空気と水の生成施設「グレーテスト・エンズヴィル」や食料増産施設「キャロットリウム」など、既知のそれよりもはるかに優れた技術が随所に使われている。もっとも生成される食料はニンジンオンリーだが……
シドニア・ノールズ
エリア北西にある謎の巨岩。いわゆる人面岩。フライングマウントでようやく存在が解る。
元ネタは火星の人面岩ことシドニア山群。
ヘイムダル級観察艇の残骸
エリア北東にあるアラグ帝国時代の宇宙船の残骸。当時の帝国がアーテリスのみならず外宇宙にまで目を向けていた事、帰還はかなわなかったものの月に到達するだけの技術を持っていた事が解る。
搭載されていたドローンが今も生きており、残骸の周囲を徘徊している。
メインクエスト終了後
ハイデリンの秘策として、古来よりシャーレアンと連絡を取り合い、「アーテリスからの巨大脱出艇」としての役割を果たさんとしていた月だったが、危機が去った事でその役割は事実上消滅する。
その後、国家間の垣根を超えた「恒久的な知の集積地」としての運用が決定。エオルゼア諸国、ラザハン、崩壊したガレマール帝国(ガレアン・コミュニティ)からの人材投入も予定されている。
パッチ6.4「玉座の咎人」において、第十三世界へ通じるヴォイドゲートを開く為、レポリット、ラザハンの錬金術師、月の監視者らの協力を仰ぐ事となる。
膨大なエネルギーリソースとしてハーム島の高純度エーテルを採取し、ガレアン・コミュニティとの交渉を経てバブイルの塔から一気にエーテルを転送する事で解決した。
これにより、かつてゾディアークが封印されていた「闇の揺り籠」にヴォイドゲートを展開する。同時に、ハイデリンによる封印の鍵たる「剣」を修復し、流入する妖異を閉じ込める為の結界が構築された。
かくしてヴリトラが本来の姿で突入できる程の巨大なゲートが開き、光の戦士達は「第十三世界の月」へと至る。しかし……