生き残るために、殺し合う……。
生きることが正義というなら、すべての民に正義はある。
ならば、いったい誰が悪だというのかしらね。
CV：茅野愛衣
概要
『ファイナルファンタジー14（旧FF14）』及び『ファイナルファンタジー14:新生エオルゼア』に登場するNPC。
フルネームは「ヤ・シュトラ・ルル」。
ミコッテ（サンシーカー）の命名規則から「ヤ」がファミリーネーム、「シュトラ」が名、「ルル」が父親の名となる。
通常は「ヤ・シュトラ」、親しい者からは「シュトラ」と呼ばれる。
リムサ・ロミンサで冒険者のスタートを切った光の戦士が出会う、ミコッテ（サンシーカー）の美女。クラスは幻術士。
治癒魔法以外にも高度な魔法を操り、彼女が張るバリアで窮地を免れるシーンは多い。
また古代語や伝承に精通するなど謎めいたところが多く、とても一介の旅人には見えない。
年齢は「永遠の23歳」。
12人姉妹の生まれで、グリダニアに「ヤ・ミトラ」という妹（聖コイナク財団所属の研究者）がいる。
ちなみにミトラは七女で26歳である……あれ？
ネタバレ
「エオルゼア救済」を掲げる組織「暁の血盟」の一員。俗に「暁の賢人」と呼ばれる。
賢人国家シャーレアンの出身であり、エーテル学に精通している。とはいえ、同じ暁の血盟の幹部であるウリエンジェなどに比べると浅学と語る。
7歳の時、賢人ルイゾワにも比肩する魔女マトーヤに弟子入り。気の置けない関係を築いている。
エオルゼアに来た理由は、持ち前の救世願望と知的好奇心。
混迷する世界情勢に目を向けようとしないシャーレアンの姿勢に嫌気が差し、帝国との最前線でもあるエオルゼアの人々を救いたいと思ったのが理由である。
新生編中盤では帝国軍による「砂の家」強襲を免れ、同じく無事だったイダと共に、仲間を救出すべく尽力。
とかく先走りがちなイダとは程よい凸凹コンビっぷりを見せた。
新生編ラストにおいて、ナナモ女王暗殺の容疑をかけられた暁の血盟メンバーは追われる身となる。
ウルダハの地下水道に逃げ込んだ一行。追手が迫る中、ヤ・シュトラは禁術「エンシェント・テレポ」を発動し、ミンフィリア、サンクレッドと共に消息を絶ってしまった。
その後は地脈を彷徨い続け、このままでは地脈に溶けて星海へ還る（＝死ぬ）所だった。
蒼天のイシュガルド
メインクエスト中盤、血縁者であるヤ・ミトラを媒介とし、光の戦士や三重の幻術皇の尽力により救出。行方不明となっていたメンバーの中では最も早く復帰を果たした。
回復後はタタルから新たな衣装をもらいイメージチェンジし、以後は光の戦士に同道する。
しかし後遺症で視力を失ってしまい、以後はエーテルの流れを知覚する事で周囲を「視覚的に」判別するようになった。
エーテルを「視る」事によりエーテルに異常を起こした地脈やテンパードをいち早く見つけるなど、本人にとっては悪い事ばかりではない様子。これについてマトーヤからは「魔力を消耗させ、体に大きな負担となる」として、気をつけるよう助言を受けている。
紅蓮のリベレーター
アラミゴ解放軍に協力する為ギラバニアを訪問。解放軍の拠点であるラールガーズリーチに滞在し、クルルと共に負傷者の治療にあたる。
しかしゼノス・イェー・ガルヴァス率いる帝国軍の強襲を受け、ラールガーズリーチには殺戮の嵐が吹き荒れる。その中でリセを守る為に張ったバリアを刀の一振りで破壊されて袈裟懸けにされ、瀕死の重傷を負ってしまった。
その傷は深く、治療の為に「石の家」に運ばれる。回復するまでに長い時間がかかったものの、最終決戦後にようやく復帰を果たした。
「紅蓮秘話」第二話「とある午後の茶話」では、アラミゴ決戦の後でリセ、アリゼーと共にリムサ・ロミンサでお茶会を開催。光の戦士が来るまで話に花を咲かせるという、微笑ましい光景が展開された。
なお石の家に見舞いに来たヤ・ミトラからは「そろそろいい人でも見つけたらどう？」「姉さんは確かに強いけれど、誰かがそばにいてくれるなら、その方がずっといい」と言われてちょっと気にしているらしい。
パッチ4.4ではドマの対帝国防御壁「青龍壁」のリソースとしてアジムステップにおけるアラグ帝国の遺構「楔石の虚」を調査し、利用許可を得る為にサドゥと光の戦士が戦うのを見届ける。
しかし終盤でサンクレッドに続き、ウリエンジェと共に突如として謎の声に呼ばれる形で人事不省に陥ってしまう。確かに生きているもののその肉体からは魂が失われており、何処にもその手掛かりが存在しなかった。
漆黒のヴィランズ
先の人事不省は水晶公の召喚術に巻き込まれた為であり、原初世界と時の流れが異なる第一世界ではウリエンジェともども３年を過ごす。
当初はクリスタリウムに滞在していたが、何か重要な事を隠している水晶公に不審を抱き、大罪喰い探索と称して単身ラケティカ大森林へ移住した。
衣装が黒を基調とした装いに変わっており、ロールもヒーラーからDPSである専用ジョブ「魔女」に変更。強力な黒魔法を操る、暁の火力担当となった。
OPムービーでは、本編開始の２年前、罪喰いの襲撃によって炎に包まれた「ゴーンの砦」にウリエンジェと共に立つ姿が描かれている。
その後現地の「夜の民」と交流を持ち、夜の民の集落・スリザーパウに滞在。「本名を伏せる」という風習から、師である「マトーヤ」と同じ名を名乗っていた。
夜の民からの信頼は篤く、特に導師のルナルからは「姐（あね）さん」と呼ばれて懐かれている。
同地で伝承されるロンカ帝国の関連文献を前に思わず尻尾が跳ね上がる、掃除と整頓が苦手で魔法のホウキに任せているなど、意外とおちゃめな一面が語られている。
本編では「大罪喰いの光」を蓄積した光の戦士改め闇の戦士が「人の形をした罪喰い」に見え、警戒する一幕があった。後にウリエンジェに詰問し、闇の戦士が非常に危うい事を訴えるも、ウリエンジェが手段を考えていると応じた事でその場は引き下がる。
国是により大罪喰い討伐を阻止しようとするユールモア軍の侵攻を受け、夜の民を救う為に無理をした挙句、エンシェント・テレポを再度発動。地脈をさまよう事になるが、思いがけない人物の助けによって生還した。
最終決戦の後、「罪喰いの光」によって限界を迎えていた闇の戦士のエーテルの「本来の色が見える」事を把握。リーンの証言と合わせて、光と闇が全力でぶつかり合った結果相殺されたと考える。
その後原初世界への帰還方法を模索する中で古代人遺跡「アニドラス・アナムネーシス」にて記録調査に当たるが、アシエン・エリディブスの強襲により窮地に追い込まれる一幕もあった。
パッチ5.3にて、原初世界へ無事帰還。
パッチ5.4にて登場したインスタンスダンジョン「魔術工房マトーヤのアトリエ」では、弟子時代の幼い彼女が雨水から創造した使い魔「ノッケン」が登場し、フェイスで彼女を連れて行くとその辺りの事情が分かる。
トゥルルル、アワワ～！遊んで、遊んで、いっしょに遊んで～！
世界観監修の織田万里氏が長女ちゃん（当時４歳）の力を借りて台詞を考案しており、「かわいい」と好評を博した。
その他にもミコッテの顔を象ったクッションなど、子供の頃を想像させるアイテムが散見されている。
暁月のフィナーレ
フルトレイラーでは、オールド・シャーレアンの意思決定機関「哲学者議会」に赴く。終末の厄災を前に不干渉を決定したフルシュノや議員らに対し「暁の血盟は最後まで戦い抜く」と宣言している。
オールド・シャーレアン到着後は二手に分かれ、ラヴィリンソスの探索に参加。
グリーナーのエレンヴィルを尾行して盗み聞きをする為に、変身魔法「トード」を光の戦士、アルフィノ、アリゼーにかけている。
「異形楼閣 ゾットの塔」では、塔の核を「視た」結果「足」と表現したが、後にそれが「皇神アニマ」の一部であった事が判明。そのおぞましさに嫌悪感を露わにした。
「イルサバード派遣団」に参加した時は寒冷地仕様の衣装として、クリスタリウム・ヒーラー装備にチェンジ。
しかし魔導城からのエーテル放射で一時的に「エーテルの視力」がぼやけた事で、光の戦士の肉体を乗っ取ったゼノスの違和感に気づくのが遅れ、あわやの危機を招いた。幸い別人の肉体に宿った光の戦士が間に合った事で最悪の事態は免れ、気を取り直した一行は魔導城改め「バブイルの塔」攻略へと向かう。
月でのレポリット達との微笑ましい交流を経て、本格的に「終末の厄災」が到来したサベネア島へ駆けつける。しかしそこで「終末の獣」となった者のエーテルが「視えない」事に気づき、「絶望や恐怖によってエーテルを腐敗させた者は獣へ転じ、倒されても消滅して星海へ還らず、元に戻す方法もない」という、恐ろしい事実に至る。
連鎖的に広がっていく獣への転化を止める為に暁の賢人達は奔走し、根本的な解決の為には最果ての地へ向かい、絶望の歌を止める事が必要だと判明。そこはかつて滅びた星々の残骸が怨嗟を奏でる、生命が存在する事すら許さない空間だった。
サンクレッドとエスティニアンにより辛うじて生存できる環境と次へつながる道が作られ、一行は精神生命体・イーアの「死者の記録の再現」と出会う。
イーアはかつて肉体を放棄し、永遠の命を得た事で膨大な歳月をかけて知的探求を行った。そして宇宙の存在を証明しようとした結果、「熱的死による宇宙の消滅は避けられず、これまでの知識の蓄積は全て無駄で愚かな行為だった」という結論に至り、自滅した種族だった。
「何もかもが無意味だった」「知的探求の一切を放棄すべき」という彼らの言葉を受けたヤ・シュトラは、その結論に対してこう切り返す。
まさか、その程度の話だったなんてね。
自分には、途方もない時間をかけてイーアが導き出した結末を証明することも、否定することもできない。短い一生を費やした所で、彼らの知見には遠く及ばないかもしれない。
だが、その上で。
宇宙が終わる？すべてが無駄？
……だとしても、こんな面白いこと手放せない！
知る事の本質は「自分で納得すること」とヤ・シュトラは告げる。
感動や歓び、ときには悲しみや怒りをともなって、彼女を突き動かしてきたその想いは、究極の袋小路に陥ったイーアの持論を真っ向から否定する。
私は、私の世界を見通し続ける。
あなたたちの結論は……好奇心のひとつも、殺せなくてよ。
これに同意したウリエンジェと共に、イーア達の絶望の渦に呑み込まれながら「次の道」を開くヤ・シュトラ。
その代償として肉体は失われたが、直前に光の戦士に対して「アゼムの召喚術による復活の可能性」を示唆し、その上で「それを使っても再び道が閉ざされてしまう」とし、使うべき時と呼ぶべき相手を選ぶよう願う。そして、これが逆転の一手へと繋がった。
メインクエスト終了後は各地を渡り歩き、パッチ6.1で再登場。
第一世界へ渡るすべを求めて３日間寝ずに文献に当たり、疲れて居眠りしている所を光の戦士とグ・ラハ・ティアに見つかり、ちょっとだけ面白い事になる。
それから色々あって「豊穣海の海底遺跡」に挑む光の戦士に協力。アルザダール海底遺跡群で警備を担当する魔法人形達を相手にするが、最奥を守っていた「カプクル」に翻弄された時には「……燃やしましょう」と呟くなど、静かにキレていた。
その後、最奥に封印されていたヴォイドゲートを巡り、「ヴォイド」と化した第十三世界で無事にいられるかどうかを確認する為、エーテル量が最小の使い魔を用いた実験を行う。
「海より昇りて雲となり、山より落ちて雨となり、川より下って命とならん……」
その場に居合わせたエスティニアンでさえ固唾をのむ中、召喚されたのは……
トゥルルル、アワワ～！
エスティニアン「……なにか悪いもんでも食ったのか、あいつは」
ニッダーナ「えー、とっても可愛いじゃない！」
ヴァルシャン「( ﾟдﾟ)」
その後実験を経て、第十三世界へ渡る方法を改めて模索する事となる。
これを通じて第一世界へ渡る方法へつなげる為、アトモスをベースとした人工妖異の創造などの準備にとりかかるのであった。
性格
気が強く面倒見がよく、姉御肌な人柄から慕う人物は多い。
一見して気難しく近寄りがたいイメージがあるが、「誰かを助けたい」という願望を持ち、その実とても献身的で心優しい。
初期は一種の諦念にも似た現実主義ゆえに、良く言えば歯に衣着せず、悪く言えば棘のある物言いが目立った。
しかし、幾度となく苦難を乗り越える光の戦士の冒険を時に見守り時に共にするうちに、次第に清濁併せ呑む円熟した性格へと変わっていく。
考古学や歴史学に造詣が深く、その分野の研究となると年甲斐もなくはしゃいでしまう性分。ただし自身のプライドのために、そういった姿はひた隠しにしている。
ルナルからは実の姉や母のように慕われるほか、光の戦士からもたまに「お母さん」と冗談めかして呼ばれる。
なお本人の反応は……
女性としては老練。
生涯の伴侶を追い求めているアウラ・ゼラのマグナイに求婚された際には「坊や」呼ばわりし、一蹴している。
本編外での活躍
アーケード版ディシディアファイナルファンタジーにて、ⅩⅣの代表キャラとして参戦している。⇒公式サイト内 キャラ紹介
そのほか『ロードオブヴァーミリオンⅡ』や『パズル&ドラゴンズ』など外部作品でもゲストキャラとして選ばれることが多い。
関連イラスト
