終焉を謳うもの
しゅうえんをうたうもの
『暁月のフィナーレ』の、ひいては旧FF14より数えて11年に亘って描かれた一大ストーリー『ハイデリン・ゾディアーク編』のラスボス。
全宇宙に満ちた絶望をその身に束ねたメーティオンとその姉妹が暴走した姿にして、アーテリスに「終末の災厄」をもたらしていた元凶。
古代人達が創造したゾディアークによってアーテリスへの干渉を妨げられていたが、ファダニエルがゾディアークを消滅させたことで干渉を再開した。
「終焉を謳うもの(Endsinger)」というキャラクター名は最終決戦の直前になっての初出となるが、比喩表現としては暁月メインクエストの中盤よりたびたび登場していた。
輝く星も、やがて消える……。
これもまた絶望のカタチ…
宇宙に満ちる「想いが動かす力」こと「デュナミス」を自在に操ることが可能で、生命の生存できない絶滅領域を構築したり、小惑星を作り出して投げつけたりする。またイーアを取り込んだことで「熱的死」を理解した彼女たちは、デュナミスを用いて宇宙のインフレーションを加速させ、「熱的死」の時期を早めてもいた。
彼女たちの望むものは輪廻転生すら許さな無い絶対的な消滅であり、宇宙そのものの死でもあった。
彼女たちがアーテリスに終末をもたらしたのは、「熱的死」が訪れるまでに時間がかかり、その間に生命が苦しむを見たくないからであり、終末の厄災は彼女たちからアーテリスへの「ギフト」でもあった。
苦しむ必要はないの…
これは、私たちが贈る優しさ……。
ちなみにメーティオン達を母体としているが、その中身は宇宙中で蒐集した「死と絶望」「終わることへと悔しさ」「生きる者たちへの嫉妬」すなわち負の感情の集合体である。
ある意味、彼女は宇宙規模の怨霊とも言えるだろう。
姉妹たちのすべてが、絶望を知った……。
私たちは、終わりを記録した……。
終焉の記憶の残骸を踏破した暁の血盟を、圧倒的な力により翻弄。
この時青い鳥の姿をしたメーティオン(エルピスで出会った個体)が蹂躙を辞めるよう必死に呼びかけているが、聞き入れられる事はなかった。
同じ終わりが、幾度も繰り返される。
悲しみを忘れるほど深い悲しみがあった……。
星渡りの旅は、孤独……。
光の戦士は転送装置を作動させ、自分以外のメンバーを魔導船ラグナロクへと退避させる。
ただ一人絶望の中に取り残された彼/彼女だったが、そこへ「友」の気配を唯一のよすがとし、星の世界を超え、到達不能な距離を飛んできた神龍が登場。
眼前の邪魔者を排除した後に心おきなく一対一で戦うという条件でただ一度だけその力を貸し、銀の龍の背に立つ光の戦士はクリスタルに祈り「稀なるつわもの」を召喚する。
生きることに、幸せがないのなら……
ただひとつ、完璧な幸せを創り出そう……!
終焉に至る運命を!
絶望から生まれる多彩な攻撃の果て、終焉を謳うものは回避不能の履行技「ウルティマフェイト」を発動。
一度は光の戦士によるデュナミスの力で凌ぎきるが、フェイタリズムによって再度発動された「ウルティマフェイト」により、合切は無へと叩き落とされ……
希望よ……繋げ……!
ラグナロクで待つ暁のメンバーは、祈りの中で光の戦士へと託した「希望」を謳った。
護ったというのか……誰かの想いが……!
ああ、また疼く……憎悪が……妬みが……!
それは「暁の祈り」となり、光の戦士に力を与えていく。
それを認められない終焉を謳うものは激しく攻撃を加え続ける。
しかしそれは最早、幼子が駄々をこねるが如き単調なものへと変わっていた。
私が、わたしが、ワタシが得た答えじゃない……
私が見たのは、絶望だけ……!
星の、命の、すべての果てにあるのは絶望……!
終わりの名は、希望などではないッ!
そんな──これが答えじゃないのなら──どこに幸せが──あるというの──
一面の闇の中、光の戦士はただ一人残された黒いメーティオンと対峙。
絶望を全て否定され、最早抗う術を持たないメーティオン。それでもなお「命の答え」を問う彼女に対し、光の戦士はこれまでの旅の中で得た答えを示した。
ああ……聞こえるわ……あなたの心が……
長い旅の、記憶が……。
たくさんの……こんなにたくさんの人がいて……
あふれるくらい、想いがあったのね……。
メーティオンは涙を流し、宇宙には絶望だけではなく、ずっと探し続けていた「幸せ」は、「生きる意味」は、こんなに近くにあったのだと悟る。
涙によってかの如く黒は流れ落ち、本来の色を取り戻したメーティオンは、自分達がしてきた事は決して許されないと理解し、それでも失われたものへの救いを願う。
ただ、一度だけ謳わせてほしいの……。
今度は自分自身の心を……私が見つけた歓びを……。
そして「可能性(デュナミス)は、いつだって想いを叶えようとしてる」「奇跡だって、ときどきは、起きるかもしれないよね?」と微笑む。
光の戦士が仲間の許へ還る道を指し示し、「希望の歌」を高らかに奏でると、黒一色の空間は光に満ち、暁の刻限を思わせる天地が広がってゆく。
そしてメーティオンは「青い鳥」へと姿を変え、飛び去っていった。
ファイナルファンタジー14:新生エオルゼア 暁月のフィナーレ メーティオン ハイデリン 終末の災厄 ウルティマ・トゥーレ(FF14) 光の戦士(FF14)
永遠の闇…同じく死を救済と謡い、全てを無に帰さんとするラスボス。ストーリー終盤まで存在が明かされなかった点も共通する。
…戻るのか。お前を英雄たらしめる世界に。
終焉は去り、希望は繋がった。
あとはかの青き星へと帰るのみだ。
…しかし、光の戦士にはまだやることが残っていた。
自らを追ってやってきた、放浪者・ゼノスとの再戦だ。
ゼノスは「強制」はせず、「提案」として己が生命を燃やし尽くす1対1の決闘を申し込む。
なにせ人は命を尊ぶ。
それを危険にさらすこと、無暗に費やすことは、望んでするなというのが道理らしい。
あるいは英雄たるお前も、人命を護らんという一心で、
こんな果てへと至ったのやもしれぬ。
だが、ここに……外からお前を定めるものは、何もない。
思い出せ……!
武器を手にし、技を会得したときの高揚を。
新たな脅威、いまだ踏破せぬ頂を目にしたときの欲を!
命を費やさねば得られぬ歓びがあったはずだ。
なあ……「冒険者」よ。
ゼノスのその言葉に思うところがあったのか、あるいはその逆か…
光の戦士…いや、冒険者は「提案」を承諾し、武器を構える。
では、勝負といくか。
俺とお前の命で……
天つ星、そのすべてを焦がそうぞ!
もはや、あらゆる身分や大義名分などは関係ない。
ただ純粋な力と力のせめぎ合いで、雌雄を決するのみ。
誰一人邪魔の入らない、暁に輝く可能性の空間で
今、最後の戦いが幕を開ける…!!