魚頭
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ぎょとう
中国の伝承に伝わる半魚人の一種。
『世紀末中国のかわら版』に記載される半魚人の一種。
背丈が1丈(約3m)もある魚と人間を組み合わせたかのような怪物で、掌は扇の様で、腕は短く、足は柱の様に太かったとされ、記述によると、江蘇(こうそ)省鎮江(ちんこう)に住んでいる、銅鞭(むち)を手に踊るのが大好きなある男は、月の美しいある晩、ほろ酔い気分で戸外に出て踊っていた時に遭遇したといわれる。
男は突然現れた怪物を前にして一変に酔いが冷め、怪物の方から何か仕掛けてくる前に、持っていた銅鞭で先制攻撃を仕掛けると、鼻をギーギーと鳴らしながら怒った怪物は男を捕えようとするも、手が届かない。男は怪物の肢が曲がらない事に気が付き、這いながら更に腰めがけて銅鞭を撃ち込んだそうである。
そして、そのうち男も鞭を討つのに疲れ果て、すぐ傍にあった亭(あずまや)へと逃げ込むと、怪物も追いかけてきたが、身体がつかえて中へ入る事が出来なかったので、屋根瓦を投げつけたり亭を揺すったりしていたが、そうこうしている内に夜が明けてくると、怪物は急に元気がなくなったかと思うと、慌てた様子で川の中へと戻り、姿を消したという。
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