概要
ライオス一行の元パーティメンバー。日本刀と和式の具足を装備している剣士。パーティにいた際は前衛として戦力の中核を担い、ライオスをして「大抵の冒険者より君は強い」と言わしめる実力者であった。
トールマンの東方人種と呼ばれる人々が住む島国出身。一族は諜報を受け持つ家で、彼はその嫡男。しかし当主であるシュロー父からの無茶振りにより3人の兄弟で「面白いもの」を探す当主争いの道程にあった。
本名は「半本俊朗(なかもと としろう)」。ライオスからは「シュロー」という名だと誤認されたままこの呼び名が定着した(経緯は後述)。
余談だが「半本」を「なかもと」と読む姓は確認されておらず(「はんもと」はある)、実在しない名字である。
人物
対人
ファリンに恋心を抱いていたが、その兄であるライオスの空気の読めなさを始めとした胡乱な人柄には常日頃から頭を悩ませていた。
しかし彼自身も口下手で他人との距離を計りかねる一面があり、方向性は違うものの対人関係に難があるのはライオスにも似る。
性格
冷静沈着で奥ゆかしいが、反面自分の意見を率直に言うのが苦手で引っ込み思案なところがある。
かと思えばファリンに一目惚れしたあと交際という手順を踏まず(ライオスの間の悪さに邪魔されたこともあるが)いきなりプロポーズするなど、全体的に人に想いを伝えるのが苦手な模様。
関連人物
作中での活躍
ファリン救出のため本編冒頭でライオスのパーティから離脱。父より借り受けた配下の忍者五名を伴い第36話で再登場した。ファリンやナマリといった主力を失い、弱体化したライオス一行よりも、能力に信頼を置く身内で固めたパーティの方が早く事を進められるという判断があったのかもしれない。
しかしかなり無理を押しての性急なダンジョン攻略だったようで満足に食事や睡眠をとっておらず、この時は頬もこけ無精ひげを生やした落ち武者風の姿になっていた。
ライオスと再会した折にこれまでの経緯など諸々を赤裸々に話された結果、溜まりに溜まった鬱憤が爆発。あわや斬りかかる寸前までいったが、カブルーの仲介もあってひとまず矛を収めた。
その後、狂乱の魔術師が操るキメラと化したファリンと遭遇し、カブルーの機転によってなんとか退けることに成功。しかしライオスが「狂乱の魔術師を倒してファリンを奪還する」という無謀としか思えない案を聞き激昂、殴り合いの大喧嘩に発展。だが、この甲斐もあってわだかまりも解消、ひとまず和解となった。
ライオスに対しては未だ不信感が拭えないが、一応彼なりの誠意を通そうとしている事を認め、自身の力でのファリン救出は諦めて地上へと帰還するのだった。
地上に戻るとカナリア隊の介入などで起きた動乱に巻き込まれる。彼らに捕まったりフラメラやリンシャと共に迷宮に落ちたりなどのトラブルはあったが、食事と睡眠は取れたらしく終盤は身なりを整え小綺麗な姿に戻っている。
その他
- 再登場時に同行していた忍者部隊は、現当主である父より借り受けたもの。このうち以前から面識があったのはマイヅルとヒエンだけであり、他の三人は今回の旅が初顔合わせである。マイヅルはシュローの教育係であるが、彼女ら忍者部隊を取りまとめる立場にもある。
- ライオスにダンジョン脱出の際に役立てるようにと「知らせの鈴」を渡している。しかし、非常時に鳴らせろと言ったにもかかわらずライオスが適当に鞄に放り込んだ為、ずっとチリンチリンと鳴る始末。離れていてもライオスに頭を悩ませる苦労の日々は続く…。
- 『ダンジョン飯冒険者バイブル(完全版)』にてライオスとの初めての邂逅や、本編後のファリンとの恋路の行方、その後の動向などが明かされた。ファリンを故郷へ連れていく事を望んでいたが諦め、再会の約束の後帰郷した。どのように父を納得させたかは描かれていないがその後半本家を継いだとの記述がある。ちなみに弟の名はそれぞれ「トシユキ」「トシザネ」。
- 半本継義という祖父、半本俊継という父と姓名不詳の母、二人の弟がいる。マイヅルの未来予想ではファリンとの間に半本ファリ郎という息子を設けるかと思われたが……。
- 弟の一人は父の意向により男だけのパーティメンバーを伴って『Darkest Dungeon』的な迷宮に挑んでいるらしい。「俺だけ辛すぎない?」とのこと。ただしこちらはブログに投稿したネタが出典のため、作中の設定とどこまで整合するのかは不明。
- ライオスからはパーティを抜けてなお「自分を友人と呼んでくれるのは彼くらいのもの」という信頼を寄せられていたが、当人は一貫して困惑気味。遠方からの人種であるシュローに興味を持ったライオスが一方的に話しかけ、訳の分からないまま受け答えしている内になぜかパーティに加わる事になってしまった経緯が明かされている。また、この時混乱していたのでつっかえながら名乗ってしまい、名前を「シュロー」と誤解されたとも判明。
- 「その辺で強そうな人見つけた!」「何者だよ」
- 「うわっ、すごい強い!」「何者だよ!」
- なんやかんやあったがライオスにとって貴重な友人である事に間違いはなく『九井諒子ラクガキ本デイドリームアワー』にはライオス、カブルーと共にお好み焼きを食べに行く現代パラレル漫画が掲載されている。あまり食に頓着しないのか「材料が一緒なのだから腹に入れば同じ」と一歩引いた視点で意見を述べている。
関連タグ
トチロー…松本零士作品の登場人物。本名が「としろう」、外国の友人から本名が訛ったあだ名で呼ばれる、剣術の達人など共通点が見られる。