概要
オオサンショウウオ科に所属するサンショウウオで、世界最大級の両生類。その体長は150㎝にも達する。オオサンショウウオは日本固有種であり(近縁種は台湾並びに中華人民共和国にも生息)、特別天然記念物ならびに絶滅危惧種Ⅱ類に所属している大変貴重な生物。
近縁種と区別するためヤマトオオサンショウウオとも呼ばれる。
見た目はのんびりしているが、獰猛な肉食生物であり、魚やカエルなどを丸呑みにしてしまう。生命力の高さから「半分に裂いても死なない」という俗説が広まり、ハンザキの異名を持つこととなった。勿論そこまで生命力は高くないし、何よりこの希少生物でそんな実験を行ったらどんな目に遭うかくらいはわかるだろう。そんなことをしても大丈夫なのはプラナリアレベルである。
「ハンザキ」の漢字表記は「半割」または「半裂」。
ハンザキ大明神のように主的存在とみなされることもある。
近年では、帰化した中国産との交配が進んでおり懸念が広がっている。中国産は更に巨大で1.8mに達するらしいが、今でも食用である。
なおヨーロッパでは、分類学が未熟な時代に巨大なこの種の化石が、ノアの方舟時代の人類の骨だと思われていた。
登場する作品
小説
- 『山椒魚』:井伏鱒二の小説。オオサンショウウオが主人公。
- 『山椒魚戦争』:インドネシアの孤島で人語を解する高度な知能を持つ山椒魚が発見され、労働力として教育されるが結果として叛乱を起こすという古典SF小説。
漫画・アニメ
- 『カムイ外伝』:「はんざき」というエピソードに登場。作中で食われる。
- 『どろろ』:美しい村の有力者の女性「万代」の姿も持つ妖怪で、正体の姿は「ガマクジラ」や「ガマナメクジ」とも呼ばれる。
- 『雷火』:ライカが「不逆捨身の行」で戦うことになる、目が無く白い「白無面」が登場。
- 『NARUTO』:雨隠れの半蔵の口寄せおよび秘密武器の提供者として登場。口寄せ動物の名は「イブセ」。
- 『ファミリーペットSUNちゃん!』:霜月家のペットになった自称100歳で人語を話すオヤジ系の「SUNちゃん」が登場する岡崎二郎作の漫画作品。
- 『ぱにぽに』:脇役だったがアニメ版『ぱにぽにだっしゅ!』ではほぼ毎回登場のレギュラー化し、ちゃっかりねんどろいど化。語尾にケロを付ける。自分で天然記念物を名乗る。食べられると声優が変わる。
- 『マクロスF』:マスコットとして登場。→オオサンショウウオさん
- 『けものフレンズ』:オオサンショウウオのフレンズが登場。→オオサンショウウオ(けものフレンズ)
ゲーム
特撮
- 『仮面ライダーアマゾン』:明らかにコイツをモチーフにしたガランダー帝国の獣人、サンショウウオ獣人が登場する。手足をアマゾンライダーに斬り落とされても瞬時に再生していた。
- 『仮面ライダー』シリーズ:上記のアマゾン以外のザンジオー、サンショウジン、サンショウウオ怪人、ハンザキメギドもモチーフは普通のサンショウウオではないこの種である。
- 『電撃戦隊チェンジマン』:大星団ゴズマの宇宙獣士の1体にオオサンショウウオモチーフのドドンが登場。元ネタの様な再生能力は無いが、口からの火炎や尻尾攻撃、取り憑いた相手に催眠効果をもたらす寄生獣ヌウーを体内に100体寄生させて射出する等、多彩な技を持つ強敵だが、食い意地が張っていたり、特定の周波数の電波をキャッチすると激しく悶絶する弱点を抱えている。
- 『ウルトラマンA』:劇中にて地底湖で飼育(あるいは保護?)されていた個体が太陽光とヤプールの怨念の影響で変異した旨明言されている超獣・ハンザギランが登場。「高い再生力」を通り越してもはや不死身であるため、変異原因の一つである太陽光を遮断された上で地底湖に封印するしかなかったと言う隠れた強敵。
- 『変身忍者嵐』:漫画作品には、オオサンショウウオがモチーフの化身忍者「ハンザキ」が登場する。特撮版には未登場。
関連項目
プラナリア:本当に半分に裂いても死なない事で有名な生物。
イモリ:オオサンショウウオと同じ有尾目に属する生物だが、こちらは実際に高い再生能力を有しており、半分に裂かれるのならともかく、尾や足、目、ひいては脳や心臓の一部を切り取られても再生できることで有名。