概要
本来はメキシコサラマンダーという両生類のネオテニー(幼形成熟体)。(正確にいうとペットとして売られているものはタイガーサラマンダーの血が入っているため純種ではないが)
あの特徴的なビロビロした部分は酸素を取り込むためのエラである。
別名を「アホロートル」とも。ただし、アンビストマ科のネオテニーの総称としてアホロートルと呼ぶ場合もある。
本来サラマンダーは両生類と言われるだけあり湿った場所であればどんな場所にも住めるが、メキシコサラマンダーは水中での生活に特化した姿をしている。カエルで言う所のオタマジャクシだと思ってくれればよい。これはオタマジャクシ(幼生)の状態で大きく成長し子孫を残せるよう進化したもので、ネオテニーと呼ばれ、順調に成体になった個体よりも長い寿命を持つ。
食性は肉食でミミズや昆虫などの小動物を捕食する。
住環境のヨウ素不足や甲状腺の機能が弱いことなどが原因で体内でサイロキシンを生成できず、成体にならずに成熟するよう進化したと考えられている。実は水位の低い状態で飼育したり、サイロキシンを直接投与すると成体となることが確認されている。
生物学的に長らくサンショウウオに似た謎の生き物と考えられていたが、たまたま成体になった個体が現れたため「なーんだ、サラマンダーの仲間か」ということが判明した。
また、ヒトゲノムの10倍の大きさを持つゲノムの力により、手足はおろか、臓器や神経まで再生する事ができるらしい。オオサンショウウオよりも「ハンザキ」してるとはこれいかに…。
人との関わり
以前は実験動物としての需要が高かったが、現在はペットとして日本国内でも流通している。
メイン画像のようなアルビノによる真っ白なものがよく知られているが、品種改良により緑、黄色、黒などのカラーバリエーションも存在する。通常の個体よりもアルビノの個体が長命となる例外的な生物としても知られている。
環境破壊によりメキシコ本国では絶滅危惧種であり、国際取引も禁止されている。
日本国内では養殖でたくさんいるが、許可なしに国外に持ち出すことはできない。
余談
最初に輸入販売を始めようとした業者が現地名であるアホロートル(日本大百科全書によるとアステカ語で「水犬」という意味だが、どうしても「阿保」+「老頭児(中国語の『年寄り』)」と受け取ってしまう)という語感を忌避して「スーパールーパー」という名で商標登録しようとした。しかし「スーパー~」と付く商標は多くて登録申請に手間がかかることから一文字変更して「ウーパールーパー」という名称で申請したといわれている。
これによって奇抜な語感を持つことになったウーパールーパーは1985年頃からCMに登場したことも追い風になり一躍人気者になったのである。因みに当時のイメージでは、体色は白ではなくピンクだった。
ウーパールーパーをモチーフとしたキャラクター
ゲーム
ししょー(どうぶつの森シリーズ)
ウパソルジャー(ドラゴンクエストシリーズ)
ウパモン(デジモンシリーズ)
漫画・アニメ
その他
関連タグ
動物 両生類 サンショウウオ メキシコサラマンダー アホロートル アンビストマ科