高い完成度で変革を成した"マスターピース"(傑作)
大統領の娘を救い出せ!?
リメイク版についてはこちらへ
概要
バイオハザードシリーズの第6作目。ゲームキューブ用ソフトとして2005年に発売され、以降十数年に渡ってありとあらゆるハードウェアに移植されている(下記)。
ちなみに『4』なのに6作目なのは『CODE:Veronica』と『0』があるため。
デビルメイクライと言う派生作品にもなった事で有名。
後に詳しく記すようにそれまでのシリーズ作品とは打って変わって大きくアクション方面へと舵を切った意欲作であり、豊富な武器の登場と魅力的なヒロイン枠の存在、遊び心のあるサブ要素やスペイン語台詞に対する珍妙な空耳の数々、そして丁度ニコニコ動画の草創期にあたり、それらが実況プレイやネタ動画などで盛んに取り上げられたこともあってシリーズの中ではどちらかと言えば異色の作風ながら高い人気を博したタイトルである。
オリジナルであるゲームキューブ版とPlayStation2以降の移植版では描写に違いがあり、前者はCERO-Z相当(当時の審査区分のため)、後者はCERO-D相当となっている。また後者ではエイダ編『the another order』の追加、隠しコスチュームや隠し武器などのオマケ要素の追加がなされている。Wii版が発売され、任天堂ハードでもPlayStation 2版と同じ内容で発売された。ちなみにゲームキューブ版の体験版はあるが、Nintendo Switch版の場合ニンテンドーeショップでは体験版の提供はないようだ。
2022年にリメイク版『バイオハザードRE:4』が発表され、2023年3月24日に発売された。
対応ハード
発売時系列順。
ゲームキューブ、PlayStation 2、PC、Wii、PlayStation 3、Xbox 360、PlayStation 4、Xbox One、Nintendo Switch
売上
2022年4月時点で売上本数は世界合計で160万本。意外に少ないと思われる(参考までに『バイオハザード5』と『バイオハザード6』はそれぞれ820万本、『バイオハザード7』に至っては歴代1位の1080万本である)だろうが、これは1ソフトとしてのカウントのため。
『バイオハザード4』は上記の通り様々なハード、様々なエディションが販売されたために1つのソフトとして見ると売上が少なくなってしまい、全エディションやハード違いを『4系列』で合計すると売上本数1160万本となり一転して堂々たる数字になる(ちなみにこういう計算をした場合での『バイオハザード4』は、同計算シリーズ歴代1位の『バイオハザード5』1290万本に続く2位となる)。
配信(販売)は2019年2月28日に終了しているが、GooglePlayにてカプコンから異例のMobile版がリリースされた。
ゲームシステムの変革
『4』では視点がそれまでの定点カメラからビハインドビューに変化した上エイミング操作が詳細化し、TPS寄りのゲーム性となった。
また格闘アクションが追加されたり、イベント中にQTEが発生する、武器弾薬が豊富に手に入るようになった代わりに敵を殲滅しなければならない場面が増えるなど、大幅なアクション性の拡張がなされた。以降の作品も類似のシステムをとっているものが多く、大きく『バイオハザード』というゲームを変えたターニングポイント的作品となっている。原点となるシリーズ中でゲームキューブ版の映像面ではリメイク版と『バイオハザード0』とゲームキューブ移植作品では対応していなかったプログレッシブ映像に対応したものでもある。
また、それまでシリーズ鉄板の敵キャラだった「t-ウィルスの感染者=ゾンビ」を初めて廃止した作品でもある。代わりにプラーガと呼ばれる寄生体の宿主となった人間「ガナード」が登場するが、こちらは知能を保っているため武器や乗り物を駆使し、更には言語的コミュニケーションによって連携して主人公を襲撃してくる。このコンセプトも『5』のマジニ、『6』のジュアヴォに継承されている。リアルタイムで難易度が変化するシステムのゲームランクはプレイヤーランクへと名前を変えて『バイオハザード5』(バイオ6では名称が本作のゲームランクに戻っている)に継承されている。続編でも同じくアイテムの整理こそはできるものの、こちらはアタッシュケースからアイテムスロット(チャプターを開始する前にできる保管倉庫機能はある)に変わっており、ステータス画面の概念はないのでアイテム整理中でも表示しても敵を一時的に止める事はできない様になっている。詳しくは『バイオハザード5』や以降のシリーズ作品の記事にて参照されたし。(例:難易度の変動システムは、リベレーションズ(RV2)RE:シリーズにも継承されている)
ちなみに続編ではアウトブレイクのステータス画面に近いものになっている。続編以降のシリーズ作品ではゲーム進行中のアイテム整理やステータス表示のUIデザインはほとんど5に近い感じになっている。
ゲームエンジンはゲームキューブ版・PlayStation 2版、Wiiエディションではゲームエンジンの開発企業のCRI・ミドルウェアによるCRI_ADXとCRI_Sofdec。リマスターされたものではプレイステーション3版、プレイステーション4版、Nintendo Switch版ではCRI_WEARを利用している。
スマホ版では全てタップ操作に特化している。こちらでは前作までの流れを解説するバイオハザードヒストリーが観れた。
ストーリー
ラクーンシティでのアンブレラ事件から6年、アメリカ大統領の娘であるアシュリー・グラハムが何者かによって誘拐される。
アンブレラ事件後アメリカ政府直属のエージェントとなったレオンはアシュリー捜索のため、目撃証言を元にスペインの辺境の寒村を訪れる。
しかしそこに待ち受けていたのはかつて無い恐怖と、謎の邪教集団「ロス・イルミナドス」の恐ろしい脅威だった。
登場人物
主人公
味方
ロス・イルミナドス教団
※教団についての情報は記事↑へ。
- オズムンド・サドラー
- ラモン・サラザール
- ビトレス・メンデス
- ロス・イルミナドス教徒
第3の組織
- エイダ・ウォン:クリア後にエイダ編があることから実質第2の主人公とも言える。
- ジャック・クラウザー:本作はダークサイドクロニクルズのその後のストーリーで過去のもう一人の主人公でもある。
- アルバート・ウェスカー:本作ではアンブレラクロニクルズのその後のストーリーとして繋がりを持っていると言える。
クリーチャー
登場武器
- ハンドガン
- ショットガン
- スナイパーライフル
- マグナム
- その他
余談、小ネタ等(リメイク版の部分は別途記事で解説)
- 『バイオハザード4』は先述の通り大幅な変革を行った作品であるが、それゆえに完成までに何度か作り直しがなされている。初期の『バイオ4』の原案の一つではスペンサーの息子であるトニー・レッドグレイヴという常人を越えた力と知性を持った警察官が悪魔の力を使いながら自身の体の謎をバイオテクノロジーで解き明かしていくというあまりにも変えすぎた内容のためにバイオとしてはボツになったが、制作は続行され完全な別ゲームとして誕生したことが知られている。
- 国こそ異なるが、村を舞台とするシリーズ最新作のヴィレッジでは没となったからくり人形が形を変えてある人物の喋るフランス人形の様なものとして復活している。
- 公式には舞台は「ヨーロッパの片田舎」としか明言していないが、ガナードがスペイン語を話すこと、ルイスの台詞に「マドリッドで警官をしていた」とあること、作中の通貨がペセタ(PTAS)であることなどからスペインであることは間違いない。ただし、作中の時点(2004年)では本来すでにスペインの通貨はペセタからユーロに変わっている。あれほど閉鎖的な村なら通貨も旧式のままということだろうか……。
- 現地人キャラでもルイスや村長、サラザール、サドラーなどはレオン達と会話する関係上基本的に英語を話すが、ルイスやサラザールのセリフはよく聞くとスペイン語が混ざっている("Americano, Si?","Me llamo~","amigo","policia"など)。
- ハンクがストーリーに登場する予定だったがボツになり、その名残としてマーセナリーズのキャラになっていると言われる。
- レオンの口癖である「なけるぜ」はこの作品が初出。
- 武器商人とレオンの声優は同じである。
- 上に述べたような大幅な変革の過渡期に生み出された作品ということもあってか、シリーズの中でもかなり実験作の色が強く、アタッシュケース式のアイテム画面やマップ上に点在する武器商人と謎の射撃ミニゲームなど『4』にしか見られない独特のシステムも多い(武器の売買は後の作品にも引き継がれているがメニュー画面上でのやり取りであり、商人が実際にキャラとして作中に存在するのは『4』独特の世界観である)。
- またホラー要素の方向性も「異端の宗教団体」という若干オカルトテイストなものであったり、シナリオの設定も古くからよくある設定ながらバイオハザードにはそれまで無かった「さらわれたお姫様の救出」(実際にお姫様ではないものの合衆国にとっては一番それに近い存在)という筋書きなど、かなり異色の作品となっている。
- ただし毎度お馴染みのカプコン製のヘリは本作でもしっかり登場する。
- ガナード達が話すスペイン語のセリフは「おっぱいのペラペラソース」「ハイエース」「魔太郎」「ウンコだ捨てろ」など珍妙な空耳として話題になり、初期のニコニコ動画(YouTubeでは新発見した空耳動画もある)などでよくネタにされていた。なお実際にはかなり物騒か不気味なことを言っている。
- 実はバイオハザードシリーズは『4』(もしくは『0』)からは当初任天堂のゲーム機でシリーズ展開をする予定だったとされる。『4』がいきなりゲームキューブだったのはそういう名残で『0』『初代リメイク』『4』そして「2」『3』『CODE:Veronica』(この三つはリメイクではなく移植)が立て続けにゲームキューブで発表されたのもその一環。
- バイオハザードシリーズのドラマCDである『マコバヴィレッジの惨劇』と『生きていた女スパイ・エイダ』も村が舞台となっており、後者はレオンとエイダが登場している。
- クリーチャーの内ガトリング男についてはゲームキューブ版の体験版のみ肖像画(製品版のオズムンド・サドラーの代わりに)としても登場している。
- 「the another order」のタイトル画面のエイダのポージングはハリウッド映画のニキータのオマージュとの事らしい。
- リメイク版とは違いアタッシュケース画面で敵の行動時間や時限イベントを一時停止できる。
関連イラスト
関連タグ
ケネディ養鶏場:卵ネタ) おっぱいのペラペラソース:※こちらは空耳集の記事
バイオハザードヴィレッジ(村繋がりのシリーズ作品)
呪怨-JUON-:ゲームキューブ版のパッケージ内の宣伝チラシとして入っていた清水崇による海外のホラー映画。まさかの発売日と同年で日本公開されるというカプコンが宣伝に貢献していた。これは、同じくホラー作品繋がりだからだろう。
DAGON(映画):ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの小説『インスマウスの影』を舞台を(映画制作当時から見た)現代のスペインに置き換えたホラー映画。ガナードがスペイン語でブツブツ言いながらレオン達を追いかける光景が、この映画で深きものが主人公達を追いかける場面を彷彿させる。
ボディ・スナッチャー:ガナードがレオンとアシュリーを発見した際に1978年版『SF/ボディ・スナッチャー(Invasion of the Body Snacthers)』と1993年版『ボディ・スナッチャーズ(Body Snacthers)』のみんなのトラウマとして有名な宇宙生物がこしらえたそっくり人間が、普通の人間を発見した際に指を差しながら人間とは思えない耳障りな絶叫をして仲間に知らせるシーンと同じポーズをしながらスペイン語でブツブツ言って仲間に知らせる場面がある。
犬鳴村:『バイオハザード4』以前に出回った都市伝説。『4』の序盤の展開と、この犬鳴村の話が非常に似通っている。
SIREN、SIREN:NT:バイオハザード4同様、犬鳴村の都市伝説と非常に似通った要素のあるホラーゲーム。
狩野英孝:本作をプレイした実況動画で、レーザートラップで斜めに移動して即死した場面が海外で大ウケした。
カプコン5:カプコンのゲームキューブソフトシリーズ。
時系列
年 | 日付 | 出来事 |
---|---|---|
1998年 | 7月22日 | 黄道鉄道事件 |
7月23日 | 洋館事件 | |
9月 | Gウイルス争奪事件、追跡者(ネメシス)投入、アウトブレイクによるラクーンシティ崩壊。 | |
11月 | シーナ島事件 | |
12月 | アンブレラ南極基地崩壊 | |
2002年 | オペレーション・ハヴィエ、スペンサーレイン号ジャック | |
2003年 | アンブレラ終焉 | |
2004年 | “米大統領令嬢誘拐事件”、テラグリジア・パニック | |
2005年 | ハーバードヴィル空港バイオテロ、テロ組織ヴェルトロ復活? | |
2006年 | スペンサー邸突入作戦、ホワイトハウスにおける謎のハッキング事件 | |
2009年 | キジュジュ自治区バイオテロ | |
2010年 | フィロソフィー大学バイオテロ | |
2011年 | 東スラブ独立運動、テラセイブメンバー拉致事件 | |
2012年 | マルハワデザイア、ヘヴンリーアイランド、イドニア紛争 | |
2013年 | 世界規模のバイオテロ | |
2014年 | 血塗られた復讐の物語 | |
2017年 | ルイジアナ州における謎の失踪事件 | |
2021年 | クリス・レッドフィールドがウィンターズ家を襲撃 |