概要
アメリカのレミントン社が開発したポンプアクション式ショットガン。1950年に供給が開始されて以来、その堅牢性ゆえに狩猟用、軍・警察用として高い支持を受け続けている。
歴史
本銃は、同社が第二次世界大戦以前から製造・販売していたレミントンM31の後継機種として、1950年に製造・販売が開始された。第一次世界大戦からの戦訓で、接近戦闘でのショットガンの殺傷力をよく承知していたアメリカ軍は本銃のポテンシャルを高く評価し、ベトナム戦争ではジャングルでの接近戦闘、ベトコンの地下トンネルの制圧作戦で大量に使用した。
また、その作動の信頼性から警察機関での評価も高く、パトロールカーの標準的な搭載火器として、多くの警官たちの頼れる相棒的存在である。
本銃は多くのバリエーションが生産されたことでも有名で、銃身を短くしたライオットガンモデルや、M16の銃身下に取りつけられるように極端に銃身を短くし、さらにストックも取り除いた、ドアブリーチング(施錠されたドアのロック、もしくは蝶番をドア毎破壊すること)用の『マスターキー』なるモデルも存在する。
信頼性
本銃は手堅いポンプアクション機構を採用しているということもあり、作動と排莢が確実で、堅牢な構造となっており耐久性が高い。そのため、アメリカのみならず、世界各国の警察機関で採用実績がある。日本でも、海上保安庁が本銃のステンレス仕様である『M870マリーンマグナム』を採用し、臨検などで使用しており、陸上自衛隊でもカスタムモデルが使用されているとされる。また、猟銃としても、手詰めのホットロード(基準より多くの発射薬を詰めた威力の高い実包)を問題なく射撃できる、岩にぶつけたり高い所から落としたりしても壊れないといった点が評価され、多くのハンターたちの厚い信頼を受けている。
スペック
全長 | 980mm |
---|---|
銃身長 | 457mm |
重量 | 3525g |
口径 | 12ゲージ |
装填数 | 6+1発 |
フィクション作品
本銃は現実での手堅い性能や知名度の高さなどからフィクション作品でお目にかかる機会も多い銃であり、特にポリスアクションものの映画やゾンビものの映画や漫画、ゲームなどには常連と言って良いほど頻繁に登場する。
なお、ゲーム作品に本銃が登場した場合、大抵「拳銃よりも威力で勝るが、ポンプアクションゆえに連射が利かない(しかし、それを差し引いてもそれなりに使いやすい)銃」という性能であることが多く、「最弱ではないが最強でもない、中盤頃に入手出来る中堅どころの武器」として据えられていることがほとんど。
また、映画では前述の通り頻繁に目にする銃であるが、「モブの警官や敵のザコがよく撃っている銃」という扱いであることが多く、この銃をメインで使っている作品は多くはない。