CV:津田健次郎(『RE:4』)
概要
『バイオハザード4』の登場人物で、主人公レオン・S・ケネディが、誘拐された大統領の娘であるアシュリー・グラハムの捜索先の村にある小屋で監禁されていた男。
軽薄な口調で話し、人を小馬鹿にしたような喋りをするも、真意を見せようとはしない。
自身の生い立ちに関し「マドリードで警官をやっていたが今は無職」と話すが、アシュリーの写真を見せただけで大統領の娘と言い当て、村や村に広まる宗教「ロス・イルミナドス」についても何かを知っているようだが、自ら語ろうとはしない。
レオンの進む先々に現れ、彼と行動を共にする事になる。
※以下、作中の重大なネタバレ注意。ネタバレ嫌いな人は回れ右。
正体
その正体はロス・イルミナドス教団に所属していた元科学者。
『4』における重要なキーワードで、教団が用いていた危険な寄生生物「プラーガ」の研究及び実験を行っていた過去を持つ。
当初は知性を保ったまま寄生者をコントロールできるプラーガに強い興味を抱き、科学者として教団に所属していたものの、そこで行われる非人道的な人体実験を目の当たりにし良心的呵責から教団を脱走。その際に裏でエイダ・ウォンと連絡を取り、教団の秘密計画における重要物、「支配者のプラーガ」のサンプルを強奪しその対価として身の安全を図ろうとしていた。
しかし、逃走を続けていた末に教団に捕まり、廃屋のクローゼットに監禁されていた所で、そこを偶然立ち寄ったレオンに発見され、救出される事になったのだが、運悪くそこへ教団のカリスマであるオズムンド・サドラーに見つかり、自身は再度拘束されて、レオンに至ってはプラーガを注入されてしまう羽目になる。
研究者ではあるものの、猟師であった祖父が残した地理知識と愛銃であるモーゼルC96(作中での名称は「レッド9」)の射撃能力により、高い行動力と戦闘力を持ち、レオンの進む先々に現れる。時には共に戦うこともあり、出会った小屋を村人に包囲された際にはレオンと二人で村人数十人の攻撃を撃退している。
勝手な行動が多く、喋りは軽口であるが、プラーガに侵されたレオンの為に危険を冒してでも助けようとする等、義理堅い一面を持つ。
レオンがサンプルのプラーガに寄生されている事を知り単独で敵地へと戻り、そしてプラーガの成長を阻害する薬を手に入れレオンに渡そうとするが、寸前の所でサドラーの触手に貫かれ、命を落とす。
しかし最後に託した阻害薬と、研究施設に残された自身が書いたメモにより、人体実験によって生み出された怪物の情報を残してレオンの戦いを助けてゆく。
レオンとは短い付き合いとなってしまったが、軽薄さの裏にある義理堅さや、自らの身の危険も顧みずに阻害薬や情報をもたらしてくれた恩義をレオンも感じていたようで、ルイスの遺体を調べると「この仇は必ずとる」と決意するレオンの心中がメッセージ形式で表示される。
また、猜疑心が強いサドラーからも唯一信頼できる部下として重宝されていたようであり、作中でルイスに見限られたサドラーは以前にも増して人間不信となってしまった。
バイオハザードRE:4
「参るぞサンチョ・パンサ! ドゥルシネア姫をお救いするのだ!(Then come, Sancho Panza! Let us rescue the Princess Dulcinea!)」
原作ではあまり明かされなかった詳細が掘り下げられており、ハニガンから送られた資料によると年齢は28歳で、『4』の舞台となった村の出身となっている。
経歴に関しても「元警察官」から「元アンブレラの研究員」というプラーガの研究に関わっていた研究員の経歴として納得のいく設定に変更されている(オリジナルの時点で「元警察官」でありながら教団に仕えていた研究員でもあったという嘘の混ざってそうな経歴だったが)。また、原作においてロス・イルミナドス教団にとって不都合にしかならない放射線治療による「プラーガ除去装置」が何故存在していたのかという疑問も、ルイスが教団側に内密で開発した物であったという補完が行われている。
他にも、スペインの知られた名作小説であるドン・キホーテが愛読書という追加設定があり、彼と共に行動するチャプターではドン・キホーテごっこをしたり、レオンをドン・キホーテの従者サンチョ・パンサ役にして彼をサンチョと呼んだりする場面がある。
他にも、華麗にフラメンコを踊って見せたり、愛用のジッポライターを手の中でクルクルと回転させる等、普段の振る舞いにもスタイリッシュさを感じさせる物があり、この為なのかリヘナラドールを開発した研究者からは「キザ」と評されて嫌われていた模様。
父親は不明で、母は彼を産んですぐに亡くなり、幼少期は猟師の祖父と二人で過ごしていた。森で祖父と歩く時はよく話をせがんでおりその中でもドン・キホーテが1番のお気に入りだった。
この頃から高い知性を垣間見せており、持ち前の好奇心と行動力の高さから祖父をよく困らせていた。その祖父も日記で「この子は利発だ。軽薄さの奥に鋭い観察の目を持っている」。「こんな境遇でなければ学者にでもなれたろうに」と彼を評し、貧しい環境の中でしか生きられない彼の境遇には負い目を感じてもいた様である。
しかし、皮肉にもその祖父が落命した事が、ルイスの人生に大きな転機をもたらす事になった。狼に噛まれた事で狂い病を発症。そのまま祖父は亡くなってしまい、その後は小屋ごと祖父を火葬した翌日に村を去っている。
この時に病で日に日に衰弱し、遂にはなす術なく唯一の肉親であった祖父を亡くした自らの無力さへの悔恨が、研究員を志す根幹になったのだと考えられる。
ハニガンの調査によると、大学を卒業後に自らの頭脳を見込んだアンブレラ社の欧州研究部門へかなりの高待遇で迎えられ、入社後はいくつかの新薬の開発に関わっている。
しかし、その新薬は胃薬や美容クリームといった肝入りで入社させた研究員に開発させる物とは思えない一般的な代物ばかりの上に、何故か研究成果の全てが市場に出回る事なく開発中止となっており、資料を送ったハニガン自身も疑いの目を向けていた。アンブレラのやり方からも、もしかするとルイスの研究成果は別の人間が秘密裏に開発を引き継がせて、非合法目的に利用された可能性もある。
入社から数年後、アンブレラの非道な実態に嫌気がさしたのか、退社。その後は完全に行方をくらましているのだが、その隠蔽ぶりはラクーンシティ事件の後の在職・退職に関わらず関係者に対しあらゆる調査を行なっていた警察や政府関係者の必至の捜索でも見つける事が出来ず、公的な記録としては大学の学生名簿に名前が残っているのみ(出生届すら見つからなかった)という徹底ぶりで、おそらくはルイスをスカウトしたと思われるロス・イルミナドス教団が情報操作に関わっていたと思われる。
その後ロス・イルミナドス教団に協力してプラーガの研究と実験を行っていたが、プラーガの危険性と人間の尊厳を貶めるサドラーの野望と非道に忌避感と良心の呵責を感じ離反。秘密裏にプラーガ除去装置を造り自身の研究室に設置、自らに投与されたプラーガを除去している。
また密かにエイダの所属する外部の組織と連絡をとり支配種プラーガのサンプル【アンバー】を引き換えに脱出を手引きしてもらっていた。プラーガのサンプル自体はすでに大量にあったため以前は誰も気に留めていなかったのだが、ルイスが気まぐれで調べたところこの【アンバー】はサドラーが宿している支配種プラーガを凌駕する能力を秘めていることが判明した。
教団に奪われないよう【アンバー】を隠した後に教団に捕まり湖の集落の一軒家の地下に囚われていたところでレオンと出会い、拘束を解いて貰おうとした矢先に現れたビトレス・メンデスによってレオンは気絶させられた上プラーガを注入される様を目撃する。
その後二人して鎖で繋がれて廃墟に監禁されるが持ち前の軽口を叩く中でレオンの目的がアシュリーである事を言い当てた事でレオンに詰め寄られるが、その直後に二人を始末する為に襲ってきたガナードをなし崩し的に協力して倒し、先んじて鍵を回収して錠を外し、さっさとその場を離れる(レオンに渡す時に鍵を出口より遠くへ投げて時間を稼ぐ抜け目の無さを見せている)。
その後村人達に追われるレオンとアシュリーを別荘に避難させる。別れた後にハニガンからの調査報告で元アンブレラの研究員と知られていた事と廃墟での一件で再びレオンに詰め寄られるも村人達が門を破って襲撃してきた為、アシュリーを抜け穴で逃した後再び共闘して籠城戦に挑むことになる。
アシュリーの誘導のもと別荘から逃げ出した後、アシュリーが見せた症状から彼女がプラーガに寄生されてる事に気づき、プラーガの説明とその治療法について説明。二人の為に抑制剤を取りに行くために一旦彼らとは別行動をとる。
その後地下から脱出を目指すレオンと合流しプラーガの症状に苦しむレオンに抑制剤を注射した。その後レオンと共に地上への道を目指す為行動する。この時RE:2で起きたアンブレラの不祥事(とそれまでのルイスの軽薄な態度)もあってか未だレオンから猜疑心と警戒心を抱かれていた。
だが地下坑道での戦いや二体のエルヒガンテとの戦闘など行動を共にしていく内にルイスが本当に良心の呵責で協力していることを理解し徐々に心を許し友情を築きかけるも、脱出直前で【アンバー】の奪還と裏切り者の始末の命をサドラーから受けたクラウザーから不意打ちを食らい致命傷を負わされてしまう。最期の力を振り絞って銃でクラウザーを追い払い、レオンにアシュリーの分の抑制剤とプラーガを除去する特殊放射線照射装置がある自身の研究室の鍵を渡し必ずアシュリーを助けるよう告げ、彼に最後の一服をもらう。
ルイス「……どう思う? アミーゴ。人は変われるよな?(…what do you think, Leon? People can change, right?)」
レオン「立派だったよ。ドン・キホーテ(You were a fine kight, Don Quixote)」
取り返しのつかない道を選び続けながらも、そんな自分の在り方を変えたかった本心を告げたルイスはその直後、静かに息を引き取る事になった。
レオンは最期の一服をする時、代わりにタバコに火を着ける為に持っていた彼のジッポライターをしっかり握らせて賞賛と敬意の言葉を送り、彼の遺志を引き継ぎ地上へと脱出。そしてルイスを手にかけたクラウザーに「この借りは高くつくぞ」とリベンジを誓った。後に孤島の監禁部屋から救助されたアシュリーもルイスの死を知り、その死を悲しんだ。
その後彼の研究室でプラーガを除去した後「ふざけた奴だが良い奴だった」「今、私達が無事なのはルイスのお陰なのね」とレオンとアシュリーから感謝の言葉を送られている。
マーセナリーズ
最初の解禁キャラにして新規キャラ、専用BGMはスペイン人らしくギター伴奏入り。
所持銃器はレッド9と特殊スコープ付きのSR M1903、体力と走り速度も低い。レオンとは違い癖の強いキャラだが、バレットラッシュの爆弾設置を上手く使えば簡単に大量殲滅できる。もっとも、次の解禁キャラであるクラウザーはルイスよりもおかしい性能だが…
頭撃ちの体術はタックルと鉄棒、膝撃ちの場合はヤクザキック。
余談
- 前述した共闘シーンであまりにもルイスに銃弾を撃ち込みすぎると「アディオス、レオン」と言う台詞と共にルイスがレオンを銃撃するムービーが挿入されゲームオーバーとなる(誤射するような場面がそもそも少ないうえにルイスはアシュリー同様照準を向けられるとしゃがむため、狙わないと起きない状況ではあるが)。リメイク版ではレオンに小言を吐いて倒れ込むだけという演出に変わっている。
- 『RE:4』で日本語吹き替えを担当した津田氏はかつて実写版バイオハザードでもオリジナルキャラクターの吹き替えを担当した経験がある。
関連タグ
タイラー・ハワード、アレン:シリーズにおける元警官繋がり。前者は奇しくもレオンと同様にバイオハザードをきっかけに警察官からエージェントへと転身したという共通点を持つ。
タイレル・パトリック:リメイクに際して大幅に出番が追加されたキャラ繋がり。但しこちらは人物像が大幅に変更されている。
アレクサンドル・コザチェンコ、JD:こちらも成り行きでレオンの協力者となった人物。
パトリシオ:こちらもロス・イルミナドスの元メンバーで脱退後にレオンの協力者となっていたが、人物像が真逆と言える。