この惨劇に喰われるな
概要
2018年のE3にて発表。1998年に発売され、シリーズの人気を決定づけた大ヒット作である『バイオハザード2』のフルリメイクである。ジャンルはホラーTPS。
上述したように、本作はリメイク版ではあるが、初代バイオのような形式ではなく、「フルリメイク」と称されている通りオリジナル版に比べあらゆる面が大きく変更されたほぼ完全新作と言っても過言ではないもので、オリジナル版をクリアしたことがあるからと舐めてかかれば痛い目に遭う。(※特に過去作のバイオ4、5のゲームランクとなるシステムがあったりもする為)
開発側も「リブートに近い」「『バイオ2』をリメイクするというより、第1作『バイオ』の続編を作る気持ちでやっている部分がある」と述べており、正に発売前から言われていた通り、「懐かしくも新しい」作品となっている。
2024年6月現在では世界での売上本数1420万本となっており、歴代シリーズで1位、カプコン総合でも見ても3位にランクインしている
(参考までにMHRiseが1540万本、MHWorldが2630万本で、これがカプコン総合で2位と1位になる。ちなみにリメイク前バイオハザード2は全世界売上496万本)
翌年には『バイオ3』のリメイクである『バイオハザード RE:3』が発売された。
内容詳細
ストーリー
あらすじの大方な流れはオリジナル版から継承されているが、所々が本作独自のものに変更されており、本家ではモブに近い扱いであったキャラクターにもスポットが当てられている。
マップ・ゲームシステム
探索場所はオリジナル版から受け継がれた部分もあるがほぼ別物と言っていいほど変更され、ゲームシステムに関しては完全に一新、カメラはバイオハザード4以降の三人称視点で、アイテム欄はバイオハザード7の要素が数多く取り入れられており、謎解きにも7を思わせる細かな部分が多数存在する。その他、「アウトブレイク」で見たことがある仕掛けが散見する。
一方で旧来のバイオハザード的な謎解き(石像や木箱を押し込む、ライターやキーピックを使って解く仕掛け等)はほとんどが廃止された。(警察署内の仕掛けでそれと言えるのはメダルと石像から宝石を抜き取る箇所のみ。宝石は無視しても本編に影響なし。)
ステップ回避等は実装されていない。サブウェポンを所持している場合のみ、所持数を消費して攻撃を逃れることができる。
各施設内の通路等は現実に則したデザインなのか、いずれも狭く敵の感知範囲も広いためにダメージを与えての怯みを利用しなければすり抜けは困難。
今作ではガンパウダーを組み合わせることで弾薬を作れる。バイオハザード3のようにリロードツールを必要とせず、混ぜ合わせるだけで弾薬を生み出せる。
「裏編」には旧2で隠し要素として登場したハンドガンが大型拳銃として登場する。
デザイン・オプション
メインキャラクターに関してもデザインが一新され、レオンは序盤は私服姿で登場し、着替えたラクーン市警の制服もデザインが変更されており(クレア編の場合は制服に着替えない)、クレアはCORD:Veronica以降を思わせる衣装に変更されている。
ちなみにオリジナル版の衣装も、条件を満たすことでクリア後に着用が可能となり、オプション設定でアイテム欄や謎解き時の擬音や流れる音楽を、課金によりオリジナル版で使用されたバージョンに変更することもでき、旧作を遊んだことがあるファンには嬉しい要素となっている。
他、クレアに関しては幻のバイオハザードの衣装もある。
隠しモード「The 豆腐 Survivor」共々、勿論健在。加えてマイナーチェンジ版も追加された。詳しくはリンク先参照。
概ね旧作と変わりない姿で登場するが、恐らく歴代作品で最も手強いゾンビとなっている。
ハンドガン程度の攻撃では胴に当てても足止めにもならず、ヘッドショットしてもクリティカルヒットにならなければ何回でもしぶとく起き上がってくる。ショットガンもノックバック効果が無くなったため、複数に囲まれれば苦戦は必至。
(加えて今作では倒したように見えても、完全に倒せていない場合があるので注意が必要である。)
銃撃に対するタフさも厄介だが、本作ではナイフにも耐久度が存在し、使いすぎると折れて使えなくなってしまうため、倒れたゾンビに追い討ちをかけ辛くなっている。這いずりゾンビを踏み潰す行動が削除されたため、どんなに弱ったゾンビ相手であっても武器の使用は避けられない(倒すつもりなら)。腕を破壊したとしても吸い付きの範囲は変わらないため油断はできない。
おまけに行動範囲はかなり広く、ドアを閉めておいても平気で入ってくるため、放置しておくといつのまにかゾロゾロ集まってきたゾンビに追い詰められ、にっちもさっちもいかなくなることがある。
対処法としては、脚を破壊してドアを開けられなくする方法がある。(例外として、下水内を徘徊するゾンビのみ、脚を破壊するとそのまま溺死する)
「The Ghost Suvivor」には本編に無い特性を持ったゾンビが登場する。
オリジナルでは裏モードにのみ登場するボス的な存在だったが、本作ではなんと序盤から出現。おまけに一度こちらを発見すると、どこまでもしつこく追いかけてくる。おなじみ警察署1Fメインホールにも普通に入ってくるし、他のセーフゾーンにも入っては来ないものの先回りしたり扉の外で待ち伏せすることもある。
そしてもちろん、通常の攻撃では倒すことができない。多くのプレイヤーは驚かされ恐怖させられたことだろう。ドカッドカッドカッ
警察犬がゾンビ化したクリーチャー。素早い動きで主人公に襲いかかる。
ドアを開閉することはしないが、開発陣の配慮によりゾンビ犬が移動するためだけに存在する通風口が設置された。
Tウイルスに感染し凶暴化したカラス。今回は襲ってくることはない。
今作でとてつもなく強化された、最強クラスの雑魚敵。
とにかく攻撃力が尋常ではなく、通常難易度でも一発で体力の半分以上を削り取ってくる。さらには耐久力も大幅アップしており、なんとマグナムでも三発以上当てないと倒せない。ショットガンでは怯みもしないことも。その割にはナイフでの攻撃にはよく怯む。
ゾンビと違って部屋をまたぐと追ってこないので、可能な限り戦闘は回避すべきだろう。
- ラージ・ローチ
二次感染で巨大化したゴキブリ。オリジナル版では一定時間複数に纏わりつかれると、頸動脈を食いちぎられて問答無用で即死させられるという厄介な相手だったが、今作では無害なクリーチャーとなっている。
しかし、無害になった=攻撃判定がなくなったため駆除できなくなっているので、とある大量発生エリアでの視覚的な精神ダメージはなかなかのものである。
- アリゲーター
下水道内に棲み着いたワニがTウイルスの影響で巨大化したもの。
余談だが、ガスボンベ破壊のために銃弾一発の発射を強要される。縛りプレイの際には注意が必要。
今作ではレオン編のみ登場し、旧作と違って強制的に攻撃を避けながら逃走しガスボンベを撃ち抜いて撃破する形になった。
今作でリデザインされたクリーチャーの内、最も激しく様変わりした。オリジナル版では、巨大な花弁の頭部と絡み合ったツタの肉体を持つ「歩く花」とも言うべき外観だったが、今作では人間の死体にツタがみっちりと絡み着いたかのような外観になっている。
攻撃手段も変化しており、オリジナル版ではツタを伸ばしてプレイヤーを引き寄せ、頭部の花弁から消化液を浴びせ掛けるという攻撃だったが、今作では至近距離のプレイヤーに対する即死の掴み攻撃を行う
火炎系の攻撃でトドメを刺さない場合、一定時間経過後に復活する。
グラフィックの向上により迫力やおぞましさが大幅にパワーアップ。
あの特徴的な目玉が弱点に設定されており、それ以外の部分に攻撃しても大きなダメージを与えられない。
(目玉の部分が装甲的な肉片で覆われている個体もいる)
造形が次世代機にふさわしいものに合わせ向上した。
武器
レオン
※大型拳銃は裏編限定武器
- ハンドガン(マチルダ)
〇強化パーツ
ロングマガジン
マズルブレーキ
バーストストック
- ショットガン(W870)
〇強化パーツ
ロングバレル
ストック
- マグナム(ライトニングホーク)
〇強化パーツ
ロングバレル
ダットサイト
- 化学燃料火炎放射器
〇強化パーツ
レギュレーター
- 対戦車ミサイル
- 大型拳銃(M 19)
クレア
※大型拳銃は裏編限定武器
- ハンドガン(SLS 60)
〇強化パーツ
スピードローダー
強化フレーム
- ハンドガン(JMB Hp3)
〇強化パーツ
ロングマガジン
- グレネードランチャー(通常グレネード弾はリストラされた。本作では硫酸弾、火炎弾のみが使用可能)
〇強化パーツ
ストック
- サブマシンガン(MQ 11)
〇強化パーツ
サプレッサー
ロングマガジン
- スパークショット
〇強化パーツ
電圧コンデンサ
- ボウガン
存在ごとリストラされた。
- ガトリングガン(ミニガン)
- 大型拳銃(クイックドロウ・アーミー)
- コンバットナイフ
- 破片手榴弾
- 閃光手榴弾
武器として使える他、振りほどきにも使用可能。
The Ghost Suvivor
今作で新たに追加されたエクストラコンテンツ。
本編では死亡してしまった人物たちを主人公に、もし彼らが「生きていたら?」というIFを体験することが可能となっている。
基本的にはオリジナル版から受け継がれている「The 4th Suvivor」に準拠したシステムのミニゲームだが、独自の新ギミックや新たな特性を持つ亜種のクリーチャーが登場するなど、やり応えやストーリー性がより強化されている。
Forgotten Soldier
地下研究所でGウイルス回収とウィリアム・バーキン生け捕りの任に就くも、G生物化したバーキンに殺害されて殉職したU.S.S.の特殊部隊員ゴースト。
後述の二人に比べるとモブ程度の存在感だが、このモードでは部隊唯一の生存者となり、確保したGウイルスを持ち帰るべく、孤独な脱出戦に臨むこととなる。
銃弾攻撃を完全に防いでしまうヘルメットやプロテクターを装着したNEST警備班のゾンビが厄介で、的確に露出部位を撃ち抜き動きを止める必要がある。
Runaway
ブライアン・アイアンズに剥製にされるという無惨な最期を遂げたラクーンシティ市長の娘キャサリン・ウォーレン。
このモードではアイアンズに押し倒された際、とっさに手にした剥製用のナイフで彼の首を刺して返り討ちにし、辛くも無傷で生き残ることに成功、最愛のベン・ベルトリッチの下へ向かうべく、恐怖を圧してバケモノだらけの街中を強行突破する決意を固める。
突然変異によって異常な再生力を得た亜種ゾンビ「ペイルヘッド」は強力な武器でなければ倒し切れないほど自動回復速度が速く、これが厄介な相手となる。
No Time To Mourn
ラクーンシティ壊滅の数少ない生存者の一人となるも、妻を喪って最愛の娘すらゾンビ化寸前という状況に絶望し、娘と共に心中したガンショップ店主ロバート・ケンド。
このモードでは、娘の死後に後追い自殺をしようとした矢先、懐かしい友人から通信を受け取り、死した妻と娘の分まで生きようと決意、生き残りを賭けて友人との合流ポイントまで向かう。
有毒物質を体内に内包するようになったゾンビが厄介な相手で、噛まれたり死亡時に噴霧される紫色のガスに触れるとPoison状態にされるため、対処には注意が必要となる。
No Way Out
通報を受けて向かった先のガソリンスタンドにて、レオン及びクレアの目の前で取り押さえていたゾンビに喰い殺され直後にゾンビ化したアークレイ郡保安局所属の保安官ダニエル・コルティーニ。
このモードでは、レオンたちが到着するよりも早くに取り押さえていたゾンビを射殺したが、銃声を聞き付けて周囲に隠れ潜んでいたゾンビが大挙して押し寄せて来る。
他のGhost Suvivorとは毛色が異なり、狭いガソリンスタンド内を逃げ回りながら侵入してくるゾンビたちを迎撃・殲滅するというレイドモードを彷彿とさせるシステムとなっている。
難易度は高く、これまでのモードで登場した亜種ゾンビたちまでもが総出で襲い掛かって来る。