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概要編集

バイオハザード4における、ヨーロッパ(おそらくスペイン)の田舎で活動する宗教団体であり、物語のきっかけとなるアシュリー・グラハム誘拐事件の主犯グループ。名称はスペイン語で「教え導く者」の意味を持つ。作中時点の教主は15代目のオズムンド・サドラー


当然ながら真っ当な宗教ではなく、その実態は彼の地に封印されていた古来の寄生生物プラーガを駆使して、次々と人間や動物を自我なき怪物へと変貌させた上で『信者』という名の傀儡にして支配下に置くカルト宗教邪教と呼ぶのも憚られる危険な組織である


本編開始時点で1つの村を支配下に置く大規模なバイオハザードを起こしながらもそれを隠蔽出来るだけの組織力を見せている。さらに上述したプラーガを主とした生物兵器の研究など、宗教組織からは想像も付かないありとあらゆる悪事を働いている。


リメイク版のバイオハザードRE:4では、教団の歴史や経典など、子細な設定が追加され、より恐ろしい教義と最終目標を持った狂信的な宗教であることが強調された。


※以下特に断りがないものは、RE:4の資料を元に記載。

教団の沿革編集

教団の歴史は古く、450年前に開祖アダム・サドラーが後にサラザール家居城となる古城地下でプラーガと接触したことが起源となる。以後サドラー一族を教主とし、古城を拠点に活動していた。しかし、手勢を率いた初代サラザール家当主グレゴリオに征討され、古城沖の孤島に追放された。これによりグレゴリオは伯爵位を授かり、以降サラザール家は代々、孤島の教団を監視、プラーガの封印を行い、村の平和を守り続けてきた。一方で教団は追放後も教徒たちを支配し、人間を増やしてコミュニティを維持し続け、再興の機会を待ち続けていた。


しかし、サラザール家7代目当主ディエゴに、後の8代目当主となる息子ラモンが誕生したことにより、教団に転機が訪れる。ラモンの母であるカタリナは彼の奇病の治療のため、あろうことか教団を城に招き入れてしまう。これを好機として教団はディエゴを(恐らくカタリナも)謀殺。両親を失ったうえ、元から歪んだ性格ゆえに周囲から疎まれて孤独だったラモンに付け入り洗脳。これにより代々封印し続けてきたプラーガを発掘により解放させると共に、ラモンにプラーガを受け入れさせ、サラザール家を完全に掌握することに成功する。


サラザール家を支配下に置き、復活したプラーガも手中に収めた教団はサラザール家が統治してきた村へと手を伸ばす。村長含む全ての村人に予防接種と偽りプラーガを植え付け、プラーガに寄生された生物兵器ガナードに変貌させ、教団の支配下に置いた。ガナードとなった村人には、メンデスを通じて外敵の排除や城の発掘を行わせた。


さらに城や孤島で科学者を集め、発掘により大量に確保したプラーガを使った生物兵器の研究開発に着手し、誰にも知られる事なく、バイオテロの用意を着々と進めていた。そして更なる勢力拡大と真の野望実現のため、合衆国大統領令嬢の誘拐を実行する。


保有勢力編集

前述の通りサラザール家領地の住人のほぼ全てを支配下に置いており、その全員を私兵として抱えている。

村人は鋤や鎌、斧などの包丁などの農機具や日用品の刃物の他発破用ダイナマイト等を凶器として用いている。城の邪教徒は大鎌、ボウガン、モーニングスター、木製の盾など、いずれも古典的な武装しか所持していない。しかし、ガナードたちはプラーガの影響で恐怖や罪悪感などの感情が欠如していることにより一切の容赦なく、かつ集団で襲い掛かってくるため、かなりの脅威となっている。


一方で孤島では、他組織との戦闘を想定してガトリングガンロケットランチャー、果ては軍艦(オリジナル版)や合衆国も傍受可能な高性能な通信施設(RE:4)といった近代的な武装を揃えた強力な私設軍隊を保有しており、最早宗教団体の域を超えた武装テロ組織と言える。この孤島の武装化はジャック・クラウザーの協力によって進められたことが明らかになっている。


しかしながら、これだけの勢力を持ちながらも、アンブレラなどのシリーズ歴代の黒幕的存在と一切の協力関係を持たず(せいぜいルイスが元アンブレラ研究員だった程度)、上述した寄生生物プラーガを過去作でのウィルス兵器とは違った独自の生物兵器として保有し、それでいて政府機関などとの癒着も無いままに大統領の令嬢を誘拐するなどの事件を引き起こした異例の組織である。


慣習・教義編集

プラーガ成体を模した紋章をシンボルとしており、村や城の至る所で見ることができる。


サラザール城を警備している邪教徒は白塗りの肌、スキンヘッドに黒いローブを着用している。上位の邪教徒は赤や紫のローブを着用しており、うちリーダー格の個体は山羊の頭骨の仮面を着用している。RE:4では赤いローブの個体は錫杖持ちの個体のみとなっており、一般格の個体は全て黒のローブとなっている。


オリジナル版では、邪教徒が儀式を執り行っていたり、サラザールがアシュリーに儀式を施したりしているものの、教主であるサドラー自身が宗教的な儀式を執り行う場面は殆どなく、また、サドラー自身もプラーガに狂信的な信仰を抱いている様子は窺えない。あくまで支配体制と勢力拡大の手段として宗教団体を用いているに過ぎない印象が強い。


リメイク版では、設定が大幅に追加され、カルト教団としての性格がより強く描写されている。

プラーガのことを「神と一つになれる存在」と位置付けており、寄生体を『聖体』、その寄生を『恩寵』と呼称し、教主であるサドラー自身も狂信的なまでにプラーガを絶対的な存在として崇めている。そのため、寄生体を除去することは最大の冒涜・背教であり、レオンが除去したことを知ったサドラーは作中最大の剣幕で激怒している。

人間を生贄にしている儀式を執り行っており、村や城の各所で儀式を執り行う祭壇や儀式で犠牲となった人間の生首や人骨を確認できる。また、生贄となった人間は、ガナードや飼育している生物兵器の食料にしている模様。

『イルミナドス経典』なる正典が存在し、作中ファイルでその一節を読むことができる。

教団の目的編集

オリジナル版、リメイク版共に最終目的は世界征服であるものの、その過程と真の目的が異なっている。


オリジナル版編集

誘拐したアシュリーを人質とし、身代金を要求すると共に、プラーガを寄生させたアシュリーに寄生体サンプルを握らせて送り返すことで、合衆国の政府要人内でプラーガ寄生を拡大させる。これによって政府要人を操ることで権力を掌握する。これが途上で露見した場合は、支配した人間を使い、誰が寄生されたかわからない疑心暗鬼の状態を煽ることで混乱状態に陥らせて合衆国崩壊を引き起こし、その混乱に乗じて征服するという計画だった。


RE:4編集

聖なる虫を讃えよ! 我らは 生きながらに楽園を約束された


男も 女も 幼子も 神の慈愛は 何者をもへだてない


獣も 魚も 鳥も 生ある者は等しく祝福される


聖なる虫を讃えよ! 我は神の手肢なり


叡智の光は 山々を越え 全能の枝は 大海を渡る


天上の悦楽は 万物に宿る 我ら躰を苗床にして


聖なる虫を讃えよ! 我らは神の家畜なり


我らの祈りは 殖え続け 地上を隙なく満たすだろう


我らはどこまでも広がり ついには 星の海をも超えるだろう


――『イルミナドス経典 終章』より――


オリジナル版同様、世界征服を目的としており、その第一段階として、脳の損傷を引き起こさない上位種プラーガを投与したアシュリーに、同様の上位種プラーガを持たせて送り返し、政府要人にねずみ算式に感染者を拡大させることによって国家を乗っ取る算段だった。

しかし、あくまでそれは真の目的の過程と結果に過ぎず、その真の目的は、簡潔に言うと、全ての生命体にプラーガを植え付け、その自我を神に委ねることによって、争いのない安寧な世界を築くというあまりにも壮大なもの。

神によって60億の人間や他の生命体をコントロールされることにより、一切の争いその他の苦しみから解放できると説いている。しかし、神に委ねるというのはお題目に過ぎず、実態はサドラーによる独裁政治である。村や古城、孤島の惨状をみればそのは容易に想像でき、孤島における教団の支配体制を知っているルイスは「あんなのは人間の生き方じゃない」と評している。

ただこれは見方によっては宗教を組織して群れる人間の習性がプラーガの種の拡大に利用されているとも受け取れる。(つまりサドラー自身もプラーガに操られているに過ぎない可能性もある)


教団メンバー編集

オズムンド・サドラー

教主。自称『教団のカリスマ』。

カルト宗教の指導者らしく信仰よりもビジネスを優先する典型的な悪徳教主。

RE:4では教団の思想やプラーガへの狂信ぶりが強調された、危険なカルト教主としてのキャラクターが強調されている。


ラモン・サラザール

信者。サラザール家8代目当主。

プラーガを封印する立場の家系でありながら、プラーガを世に解き放った元凶。

配下にヴェルデューゴという昆虫人間型生物兵器もとい執事を従えている。


ビトレス・メンデス

村長。サラザールが治める村のリーダー。支配種の影響か、巨体かつ人間を片手で軽々と投げ飛ばし、鉄を捻じ曲げる怪力の持ち主。


ジャック・クラウザー

サドラーに雇われた元アメリカ特殊作戦軍所属の傭兵。アシュリー誘拐の実行犯にしてレオン・S・ケネディの旧友。

RE:4においてはレオンに近接戦闘術を教え込んだ元上官。階級は少佐。


ルイス・セラ

研究員。自称元警官(RE:4では元アンブレラ、欧州第6研究所の研究員)。良心の呵責から、自らが開発した放射線照射機により体内のプラーガを死滅させ離反(RE:4では外科手術にて)、サンプルを盗み出し、エイダ・ウォンと接触を計る。


イシドロ・ウリアルテ・タラヴェラ

RE:4の文書に記された人物。城の学匠。「U-Ⅱ/ノビスタドール」「U-Ⅲ/ぺサンタ」等のプラーガ由来生物兵器を開発した。(Uは家名であるウリアルテからとっている)

後に自らもヴェルデューゴへ変異した。


アナベル・ガルシア・エスクデロ

RE:4の文書に記された人物。研究主任。プラーガ上位種の開発に成功する。更にはサドラーの秘密裏に通信施設に併設された研究所でアンバーの応用実験を行っていたものの、サドラーに露見し、上位種を投与させられた。寄生によって性格が豹変し、教団への忠誠を誓う。文章の内容から、ルイスと同様、教団からの離反を目論んでいたと推測されている。


教団が開発した生物兵器編集

ガナード

プラーガに寄生された人間。サドラーたちに絶対服従する私兵と化しており、サドラー他、支配種プラーガを宿している幹部の命令に従って行動している。ウィルス感染によるゾンビとは違い肉体の腐敗や脳への影響は比較的少なく、身体能力は衰えておらず、パッと見は人間としての生活を行う、銃器やチェーンソーといった道具を扱うなど知能が残っている。が、あくまで「ゾンビに比べたら」の話であり脳への影響は「ゾンビよりマシ」レベルに過ぎず、ゾンビ同様に自我と人格は完全に失われており「ヒト」としては死んでいるも同然。人間とほぼ変わらぬ生活こそしているが、衛生面が最悪であり汚物同然の飲食物を口にして生活している模様。


コルミロス

プラーガを寄生させた犬。背中から飛び出す触手と噛みつきで攻撃してくる。過去作のケルベロスゾンビ犬ポジション。


デルラゴ

プラーガを寄生させたオオサンショウウオ。悪食な上に凶暴過ぎて制御不可能であり湖に隔離され、外部からの侵入者の遺体の処理役として使われていた。


エルヒガンテ

プラーガを宿らせた人間を遺伝子操作で巨大化させた巨人。

知能は皆無であり無差別に暴れる為、普段は大扉に封印され、出動時には大勢の村人の手で綱で引き摺り出す必要がある。


ガラドール

肉体的改造した人間にプラーガを植え付け、兜と鍵爪を付けたB.O.W。

しかし凶暴化が激しくエルヒガンテ同様に凶悪化した為、瞼を縫い合わせ盲目にされ牢屋に閉じ込めている。


ノビスタドール

人間と昆虫の混成生物。巣穴で繁殖を行う。

擬態を行う事を目標に作られ、擬態を行う個体が存在している教団の貴重な成功品。

失敗作は擬態を行えないが翅を使い飛行可能。


ヴェルデューゴ

サラザールの元執事が変異した昆虫人間。

外殻の固さ、知能と圧倒的な完成度を誇るが唯一冷気には弱い。


リヘナラドール

複数の寄生体を体内に抱えたゾンビのような怪物。

驚異的な再生能力を持ち、生半可な攻撃で倒すのは一苦労。

亜種としてアイアンメイデンという全身針だらけの個体も存在する。


U-3

人間、昆虫、爬虫類と無数の生物の遺伝子が組み合わさった合成生物。


教団のその後編集

作中で詳細な描写はされていないものの、教主であり支配種を宿したオズムンド・サドラーの死によって教団は完全に壊滅したものと思われる。RE:4においては、「司令塔」たる支配種、プラーガ母体を失ったことにより、悶え苦しむガナードや寄生体の姿を確認することができるため、ほぼ全てのプラーガや宿主が生命維持できずに死滅した可能性が高い。


しかし、この事件を機にウェスカーと繋がりのあるトライセル社がプラーガを入手。同社の技術で新型プラーガおよび、これを応用した新たなB.O.Wや新型ウイルスが開発され、キジュジュ自治区東スラブ共和国での惨劇に繋がることになる。


一方で支配種プラーガのサンプル(RE:4における「アンバー」)は、回収直後にエイダがウェスカーを裏切ったことによりエイダの所持品となったが、その後の行方・用途は明らかになっていない。(なお、トライセル及びウェスカーは、プラーガ支配種の死体からDNAを採取し、開発に利用した模様)


後に、組織の末端であったが故にガナード化を免れた残党がいたことが明らかになった。彼は教団からは足を洗いつつも、裏でグレン・アリアスにプラーガの情報を渡しており、これが新型ウイルス開発に利用され、新たな惨劇を招くことになる。彼の他にも教団崩壊後もプラーガをはじめとする教団の負の遺産を駆使して、世界的なバイオテロに絡むなど悪用している残党がいる事が発覚した。


また、正史に含まれているかは不明だが、アンブレラコアにおいては、村は現在完全封鎖されているものの、警告を無視して帰村した人間が寄生されるケースが頻発している模様。更に、光に耐性を持ち、支配種なしで生存可能な特殊ガナードなる個体も発生している状態となっている。


ロス・イルミナドス教団は確かに壊滅したものの、その野望のひとつであった「プラーガを世界に放つこと」は現実となってしまい、その根絶も未だ目処が立たずにいる模様。


年表編集

1554年アダム・サドラー、古城の地下でプラーガを発見。ロス・イルミナドスの開祖となる
1741年へスター・サドラー、サラザール家初代当主グレゴリオの軍勢により、教徒と共に沖の孤島に追放される
サラザール家2代目当主イポリト、地底から大量発生したプラーガの討伐に成功するも、その際の傷がたたり病死
1828年キーナン・サドラー、崖の碑文を残す
1993年?より前オズムンド・サドラーが15代目当主となる
サラザール家七代目ディエゴの妻、息子ラモンの奇病治療のため、教徒を城内に招き入れる
七代目ディエゴ、謀殺される
ラモン、サラザール家8代目当主となり、代々封印されてきたプラーガを解放する
1993年?教団、村の住人への寄生体投与を行う
1998年ラクーンシティ事件
2002年オペレーション・ハヴィエ(ジャック・クラウザー入信の動機を生む)
ジャック・クラウザー、教団に入信。孤島の再開発を指揮する
2004年教団、アシュリー・グラハム誘拐事件を決行。レオンらの活躍によりアシュリーは救出され、教団は壊滅

関連タグ編集

バイオハザード4 プラーガ 宗教

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