概要
『バイオハザード ダムネーション』で登場した東欧の国。
現大統領がスベトラーナ・ベリコバ。
元は旧ソビエト連邦(現在のロシア)の一部であったが、1989年に連邦解体で主権国家として独立を果たした。
土地の資源が豊富であり、オリガルヒと呼ばれる富裕層が政治に介入した事で目覚ましい発展を遂げている。
しかし、裏を返せば富裕層寄りの社会となっており、その恩恵を受けられない貧困層の人々は長きに渡って冷遇され、その皺寄せとして国内での貧富の格差が広がってしまった。劇中では首都の郊外には荒れた旧市街(貧困層の居住区)も存在しており、裏表のギャップを浮き彫りにしている。
その結果、貧困層で構成された独立派が台頭する事となり、東スラブ政府との間で内戦が勃発する事となった。
更には政治側が裏ではB.O.W.(プラーガやタイラント)とそれを管理する研究施設も所持している等、かつてのラクーンシティを彷彿させる黒い部分も併せ持っている。
冒頭の回想シーンで断片的に東スラブ共和国誕生の経緯や国内の負の部分等が描かれているが、小説版ではそれらの設定がより詳しく掘り下げられている。
例を挙げると、貧困層の窮状であり、JD曰く「この国(東スラブ共和国)で貧乏に生まれたら死ぬまで貧乏人」と言わしめるほど貧富の格差が大きく、貧困層の家庭で生まれた子供は「親が自分の面倒で精一杯な環境」であるために5歳を過ぎると自分で小遣いを稼ぐか、刑務所のような施設で暮らすかの二択を強いられ、どちらもできなければ人生最短コースと呼べる追い剥ぎ生活を余儀なくされる等、最低限なセーフティネットすらも無い底辺社会となっている。
それらの窮状に対して過去に貧困層の人々が待遇改善のために正攻法で抗議活動を行なったものの、声を上げる事さえも反社会的行動と見なされてデモ隊が逮捕される上に最悪の場合テロリスト扱いされて極刑。それに抗議すると今度は政府軍に砲撃される等、もはや外面の良い弱肉強食の独裁国家と言える。
内戦
本編開始前に政府側と独立派による内戦で国力が疲弊する事を憂いたスベトラーナが独立派に自治区を明け渡す条件で停戦を申し出て一度は平和になったのだが、数年後の2010年に独立派の自治区で豊富な地下資源が存在する事が判明した途端に政府側が対テロと称した武力侵攻を開始して再び内戦が勃発(言うまでもなく地下資源の略奪)。
その一環で政府側のプロパガンダを兼ねた「独立派の殲滅」を正当化するために裏工作でB.O.W.を独立派に流出させて彼らを「凶悪なテロリスト」に仕立て上げて意図的に国内で自作自演のバイオテロを煽るというマッチポンプを行ない、最終的に独立派を壊滅に追いやった。
なお、アメリカ合衆国はいち早く東スラブ共和国の陰謀を警戒していたが、政治的な理由で大っぴらに武力介入ができずに静観を決め込んで東スラブ共和国に滞在していた合衆国の職員やレオン・S・ケネディに国外退去を命じる有り様であった。
しかし、国外退去に反発したレオンと別の目的で潜入したエイダ・ウォンの活躍で政府側の計画に綻びが生じる事となり、それを口実に合衆国が皮肉にもロシアと手を組んで武力介入を開始。
大国の軍事力の前で東スラブ共和国の政府軍は降伏を余儀無くされ、スベトラーナ率いる政府側も失脚して国外へと逃亡。
その後、東スラブ共和国は合衆国とロシアが協同で設立した暫定政府に管理される事となり、外圧という形で長年続いていた内戦が終結する事となる。
実質的に東スラブ共和国は再び大国の一部となったものの、現実にも他作品にも「独立運動で状況が更に悪化した独裁国家」が存在している事を考えれば、曲がりなりに大国の庇護で平和を約束された東スラブ共和国は幸運なケースと言える。
主な関係者
東スラブ政府
独立派
関連タグ
バイオハザードシリーズ ダムネーション スベトラーナ・ベリコバ イワン・ジュダノビッチ アレクサンドル・コザチェンコ JD(バイオハザード)
ロス・イルミナドス…間接的に東スラブ共和国の内戦を悪化させた組織。
劇中を見る限り、状況的に間違いなく介入しに来るであろうBSAAと関わる事なく東スラブ共和国の内戦が終結していたが、そのBSAAがのちに東スラブ政府と同じような愚行に走る事となった……