概要
物語の舞台はアメリカ。ひ弱少年ジョーイと突如としてヒーローとなった玩具のロボット・ヒーローマンが繰り広げる、正統派ヒーローアニメ。
当初は4クールを想定していたが、リーマンショックの影響で2クールに短縮された。しかも、アメリカ主導の日米共作なのに北米ではソフト販売はおろか放送すらされなかったりする。
月刊少年ガンガン2009年9月号より、太田多門によるコミカライズが連載。全5巻。
2013年3月14日に発売されたスーパーロボット大戦UXにも参戦を果たす。
あらすじ
アメリカ西海岸、センターシティ。ヒーローに憧れる少年ジョーイは、貧しい家を支えるべくアルバイトに精を出す毎日。
ある日、ジョーイは捨てられていた玩具のロボットを拾う。そしてヒーローマンと名づけ、大切にしていた。
だがある夜、落雷を受けた玩具は巨大なヒーローへと姿を変えた。
登場人物
主人公の少年。フルネームはジョセフ・カーター・ジョーンズ。
日々をアルバイトに追われているため、勉強の成績はよろしくない。
スクラッグの襲撃を受けたセンターシティを守るため、戦いに身を投じることとなる。
当初はひ弱だったが、ヒーローマンと行動を共にすることで、たくましく成長していく。
一部視聴者からは男性と見られておらず、男の娘としての人気が強い。
玩具が稲妻を受けて誕生した、ロボット型のヒーロー。
巨体から繰り出される怪力と、稲妻の力による特殊能力で、ジョーイとともに戦う。
基本的にジョーイの指示に従うが、ジョーイの身に危険が迫ると暴走状態となり、見境なく攻撃を繰り出すこともある。
カラーリングは星条旗を思わせる。
ジョーイの親友でクラスメイト。フルネームはサイモン・カイナ。
左足に不自由を抱えているため、普段は電動スケボーを使って移動する。
皮肉屋で一匹狼。ジョーイにとっては頼れる存在。
本作のヒロインでジョーイのクラスメイト。フルネームはリナ・デイヴィス。
ジョーイに好意を寄せ、積極的にアプローチするが、いまいち進展しない。
科学教師。フルネームはマシュー・デントン。あだ名は“教授”。
異星人と出会うことを夢見て宇宙に信号を送り続けていたが、その電波がスクラッグを呼び寄せてしまう。
責任を感じた彼は、ジョーイとヒーローマンともにスクラッグへ立ち向かう。
数学教師。フルネームはヴェラ・コリンズ。
チア部の顧問も務める。
リナの兄。フルネームはウィリアム・デイヴィス。
リナがジョーイに好意を持っているのが気に食わず、ジョーイをいじめていた。
アメフト部に所属しており、サイとは元チームメイト。
スクラッグ襲撃後、捕らえられ、洗脳と改造をほどこされてしまう。
金持ちの家の息子。フルネームはニコラス・デ・カルロ。
ウィルの腰巾着として行動をともにしていたが、ウィル同様、スクラッグの兵士にされてしまう。
ジョーイの姉。フルネームはホリー・バージニア・ジョーンズ。
四年前に家を飛び出し、ニューヨークでバンド活動をしていたが、スクラッグ撃退後、センターシティに舞い戻ってくる。
自由奔放な性格で、昔からジョーイとサイを振り回していたが、根は家族想い。
大統領直属機関NIAのエージェント。フルネームはアクセル・ヒューズ。
大統領の要請を受け、ひそかにヒーローマンを追う。
ヒーローマンやジョーイへの心証は悪くなく、ドクターミナミに濡れ衣を着せられそうになったときには、それを晴らすべくサポートした。
※作品中ではヒーローマンの声に役者名クレジットは無く、本放送終了後に公式Twitterなどで明かされた。
本放送中明かしていなかった事についてスタッフは「ヒーローマンは謎のヒーローであり、声優を明記する事で生じる特定のイメージを(視聴者に)持ってほしくなかったため」と説明している。
スクラッグ
デントンの電波をキャッチし、センターシティに現れた地球外生命体。
ゴゴール(声優:石塚運昇)を頂点とし、宇宙の星々を侵略して回っていた。地球人のことも家畜としか考えていない。
デントンはゴキブリから進化した生物ではないかと推測している。
高度なテクノロジーと戦闘能力を用いて、地上の侵略を開始。ヒーローマンと激突する。
ジェネラス・インダストリー
アメリカ陸軍に兵器を売り込むのが目的の巨大兵器開発企業。
スクラッグ戦にてその実績を披露する算段だったが、ヒーローマンの活躍によってお株を奪われる。
その後、「ヒーローマンはスクラッグの残党である」という情報を捏造し、今度こそ自社製造の兵器・MR-1を売り出そうと戦いを挑む。
イラストは代表取締役のドクターミナミ(声優:松本保典)と、その秘書ヴェロニカ(声優:魏涼子)。
アメリカ合衆国政府
大統領声(CV:佐々木敏現)
アメリカ合衆国大統領。
外見は白髪の男性で、優柔不断ながら温厚な性格でヒーローマンの事を「ミスターヒーロー」と呼ぶなど友好的な面を持つ。
スクラッグの侵略により、核攻撃の決断を迫られるも、ドクターミナミの説得によって踏みとどまる。スクラッグ壊滅後はヒーローマンの存在に危険を感じた副大統領の進言で、大統領直属機関NIAのエージェント、ヒューズに秘密裏に調査を進めさせたが、自分が開発したMR-1の力がヒーローマンよりも優れていることを証明するあまり、合衆国政府をも敵に回してでも戦いを止めないドクターミナミの暴走によりダム崩壊寸前に招いてしまうが、ヒーローマンがMR-1の攻撃から守る姿に影響を受けたのか、ヒーローマンがミナミの暴走を止めた際には、感激して喜ぶ姿を見せた。
スクラッグが再び活動を開始した際に、ホワイトハウスを襲撃されるが、地下シェルターに避難し、ゴゴールが倒された後、地上に出てきた。
副大統領(CV:内田直哉)
アメリカ合衆国副大統領。
眼鏡を着用した初老の男性。ヒーローマンに友好的な考えを持つ大統領と違い、ヒーローマンをアメリカ合衆国の脅威を感じ、大統領にヒーローマンの存在の危険性を説き、秘密裏に調査、捕獲を進めさせた事がジョーイ達が逃げ出す事になり、さらに捏造報道により、ヒーローマンを悪者へと仕立て上げ、ジョーイ達が逃亡生活する事やその事態を利用して便乗してきたドクターミナミの暴走を引き起こす要因や大統領に秘密にスグラッグの遺産やゴゴールのコアを回収し、研究していた事で、ゴゴールの復活やスグラッグによるホワイトハウス襲撃を招いてしまう。
また、大統領が不明の中、ワシントンへの攻撃を命じるが、ヒューズの進言により中止された。
その他
ヒリー(CV:長克巳)
ジョーイのアルバイト先であるコーヒーショップ「Eat at Hilly's」の店長。彼が淹れるコーヒーは客からの評判も良く、多くの常連客を得ている。
ジョーイを気遣うなど面倒見がいい性格である。
スタン(CV:伊井篤史)
「Eat at Hilly's」の常連客で、ジョーイにも気さくに声をかけている。
モデルは原作者のスタン・リー。
キーシャ・ジャクソン(CV:宮島依里)
センターシティ内にあるTV放送局、オール・アメリカン・ネットワーク (AAN) の女性レポーター。
勝気でレポーターとしての誇りを持ち、自分たちの取材が、政府によって捏造報道に悪用されたことが我慢ならず、事の真相を報道するために政府やそれに関係するドクター・ミナミを追っていた。
その後、暴走するドクターミナミが操るMR-1と戦うヒーローマンと遭遇、MR-1の攻撃からその身を盾にしてダムを守ったヒーローマンの姿をありのまま報道し、ヒーローマンに対する世間の誤解を払拭させる事で、ジョーイ達の濡れ衣を解く事になった。
その後、スクラッグとの最終決戦時には、ヒューズの避難勧告を無視して決死の覚悟でヒーローマンとスクラッグの決戦を報じた。
レオ(CV:樋渡宏嗣)
AANのカメラマン。キーシャの相棒的存在で、自分達が取った取材が真実を捻じ曲げられていく事に嫌悪しており、キーシャと共に政府やヒーローマンを追い、そこでドクターミナミが操るMR-1の攻撃からダムを必死に守るヒーローマンの姿を撮影し、ヒーローマンに対する世間の誤解を払拭させた。
その後、スクラッグとの最終決戦時には、キーシャと共にヒューズの避難勧告を無視し決死の覚悟でヒーローマンとスクラッグの決戦を報じた。
バージニア・ジョーンズ(CV:坂井寿美江)
ジョーイの祖母。ロックのレコードが好きで、いつもヘッドホンを着けて曲を聴いている。
マイペースかつ能天気な性格で、騒ぎに気付かないこともしばしばで、スクラッグとの最終決戦でもジョーイの姿がテレビに映し出されながらも「ジョーイによく似た子」としか思っていなかった。
キャサリン・メイ・ジョーンズ(CV:雪野五月)
ジョーイの母。故人。夫であるブライアン亡き後も我が子たちの前では辛い顔を見せず、いつも笑顔を絶やさない心優しい母であった。
ジョーンズ家の墓の周りには、彼女が生前好きだったロックデイジーの花が植えられている。
1968年11月11日生まれで、2003年8月16日に亡くなった。
ブライアン・カーター・ジョーンズ(CV:玄田哲章)
ジョーイの父。故人。元炭鉱夫で、愛用のヘルメットを叩いては「こいつが俺を守ってくれる」と呟く癖があった。採掘現場の落盤事故から仲間たちを救おうとして命を落とす。
ジョーイが赤ん坊の頃に亡くなった為、ジョーイには父の記憶がないが、父の「ヒーロー」としての存在が、現在のジョーイに大きな影響を与えている一方、事故に遭う日の朝に交わしたホリーとの約束を守らなかった事で、彼女から「ヒーローなんかじゃない」と嫌っていた。
彼の遺品であるヘルメットは、現在はジョーイの宝物になっているが、そのヘルメットには産まれたばかりのジョーイも加えた家族5人の写真と家族へのメッセージを書いた紙が入れられており、愛用のヘルメットを叩く癖も家族への想いゆえであった。
1962年8月8日生まれで、1997年12月24日に亡くなった。
主題歌
- OPテーマ
「Roulette」(第1話 - 第12話)
作詞・作曲 - TETSUYA / 編曲 - TETSUYA and 室姫深 / 歌 - TETSUYA
「missing」(第13話 - 第26話)
作詞 - Akiko Watanabe、Kylee / 作曲 - Koh-ichi Fujimoto / 編曲 - CHOKKAKU / 歌 - Kylee
- EDテーマ
「CALLING」(第1話 - 第12話)
作詞 - Kohshi Asakawa / 作曲 - Takeshi Asakawa / 編曲・歌 - FLOW
「僕の手は君の為に」(第13話 - 第25話)
作詞 - Mass Alert / 作曲 - WolfJunk、Mass Alert / 編曲 - WolfJunk / 歌 - Mass Alert
- 挿入歌「虹のふもと」(第11話、第22話)
作詞 - 橋本竜樹 / 作詞 - やまだなな / 歌 - ACO
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | ビギニング BEGINNING |
第2話 | エンカウンター ENCOUNTER |
第3話 | インヴェイジョン INVASION |
第4話 | タマ TAMA |
第5話 | アサシンズ ASSASSINS |
第6話 | バックラッシュ BACKLASH |
第7話 | レジスタンス RESISTANCE |
第8話 | コンバット COMBAT |
第9話 | アライブ ALIVE |
第10話 | アプローチ APPROACH |
第11話 | メナス MENACE |
第12話 | ストーカーズ STALKERS |
第13話 | ゲッタウェイ GETAWAY |
第14話 | ビリーガー BELEAGUER |
第15話 | リヴォルト REVOLT |
第16話 | デシジョン DECISION |
第17話 | レガシー LEGACY |
第18話 | セパレーション SEPARATION |
第19話 | サバイバル SURVIVAL |
第20話 | ミッシング MISSING |
第21話 | エモーション EMOTION |
第22話 | メモリーズ MEMORIES |
第23話 | ソルティ SORTIE |
第24話 | リザレクション RESURRECTION |
第25話 | クライシス CRISIS |
第26話 | フェイス FAITH |
スーパーロボット大戦UX
原作再現については中核部分は再現されているが、全体的には控えめ。本作における見せ場はむしろ、アメリカ合衆国を舞台とする作品つながりであるアニメ版デモンベイン勢とのクロスオーバーにある。
アニメ版デモンベインの不評の原因であった原作の設定のオミットについて、UXではゲーム版や外伝小説から設定を可能な限り拾うことでフォローされているが、それでも足りない部分は、例としてデモンベインの登場人物ライカ・クルセイドやサイ達との触れ合い、その中で暗に示唆されるライカの正体など、主にHEROMANとのクロスオーバーで大胆に補う形をとっている。
クロスオーバーの質の良さもあり、HEROMANのキャラ達はデモンベイン勢に違和感なく溶け込んでおり、ジョーイもデモンベインの主人公大十字九郎の弟分・相棒としてUXのストーリーの根幹に深く関わっていくことになる。おかげでUXのデモンベインは「ジョーイルート」と言われることもしばしば。
また、原作ではヒーローマン誕生の経緯と正体は明らかになっていないが、UXではそれを逆手にとって「たとえ全知全能の神であってもヒーローマンの事だけは知る事が出来ない」という、オリジナルシナリオにおいて重要な立ち位置にある。
終盤で明らかになるヒーローマンの正体は、邪神によって幾億回も繰り返された世界の輪廻の中で、英雄を求める人々の意思が積み重なった結果誕生した、「世界を救い、邪神の野望をくじく英雄」。つまりもう一つのデモンベインとでもいうべき存在であり、最終的にはヒーローマンとジョーイは邪神のシナリオを打ち砕いた。
関連イラスト
漫画版
月刊少年ガンガンにて連載。全5巻。
2009年9月号から2011年まで連載された。
関連イベント
- ヒーローマン プチオンリーイベント[HERO ATTACK! - 2010年10月10日(日) 東京都
関連タグ
機巧童子ULTIMO・・・スタン・リー原作の日米合同ロボット作品