アメコミ界の巨匠であるスタン・リーが日本の漫画家である武井宏之とタッグを組んだ日米合同プロジェクト作品。
概要
ジャンプスクエアなどで2009年より連載された。全12巻。
時空を超えた善と悪のロボットバトル。
狂気の未来科学者ダンスタンの発明品『機巧童子』達と、それらの所有者『殿』となった人間達を巡る物語。
少年誌的な異能力バトル、スパロボ的なバトルアクションもさることながら、『仏ゾーン』『シャーマンキング』等における独自の宗教観、閉ざされた世界観においての『火の鳥』などの手塚作品を思わせるタイムスリップ・タイムリープ・リインカネーションなど練りに練られたシナリオと演出を有する超大作であり、言ってしまえばセカイ系である。
本当にたくさんのショタキャラが登場するのが特徴でもあり、一部にはボーイズラブ的な描写もある。(あくまでネタとしての範疇)
武井先生の真骨頂が凝縮された作品と言えよう。
因みに武井作品で打ち切られなかったのは本作が初である。
武井作品は現在ほとんどの作品が講談社に版権が移っているが、本作は合作なためか実質的な絶版となっている(電子書籍は廃盤)。
あらすじ
12世紀、日本。長く続いた貴族による悪政を打破すべく立ち上がった賊軍の長・大和は、都に攻め入る最中に異人の男・ダンスタンと遭遇する。彼は2つの機巧童子_「絶対善」ウルティモと「絶対悪」バイスを連れていた。目覚めたばかりのバイスは賊を虐殺し、ウルティモはそれを止める。これが、人類の存亡をかけた実験のはじまりであった。
21世紀、日本。大和は転生し高校生として日々を送っていた。登校中、古道具屋でウルティモを見かけた大和は前世の記憶を取り戻すも、直後に変質者・Kと行動を共にしていたバイスに襲われる。ウルティモを起動させた大和はバイスを迎え打ち、かろうじて難を逃れた。
ダンスタンの正体は、30世紀から「実験」の為に時を渡った時空犯罪者であった。50対50の「善」と「悪」の機巧童子を争わせ、どちらが勝つかを探る「実験」_百機回向が作動すれば、地球は滅ぶ。狂気の実験を止めるべく、大和は過去と現在、二つの時空で彷徨い、戦う事となる…。
用語解説
機巧童子
ダンスタンが作り出した人間型ロボット。変形機能を有し、『殿』と契りを交わすことで絶大な力を発揮する。いずれも『能』と呼ばれる特殊能力を有している。
「善」陣営に50機、「悪」陣営に50機、そして善悪を有しない「中庸」が1機存在する。
殿
童子の契約者。「契り」を交わし童子の記憶を受け継ぐことで、童子の力を100%引き出すことが出来るようになる。
ICON(イコン)
童子と殿の合体形態。早い話が巨大ロボットのような物である。
登場キャラクター一覧
善側(善童子クラブ)
モチーフとなっているのは仏教の「六波羅蜜」。
能は「●●操作」であり、基本的に悪に比べて抽象的かつ利便性が高い。
機巧童子
ウルティモ:【絶対善】保有する能は「時空操作」
レグラ:【持戒】保有する能は「記憶操作」
ソピア:【智慧】保有する能は「感覚操作」
セルヴィス:【布施】保有する能は「能力操作」
パルドネ:【忍辱】保有する能は「身体操作(回復・治癒)」
スロウ:【精進】保有する能は「運命操作」
ゴーグ:【禅定】保有する能は「心情操作」
殿
悪側(悪童子集会)
モチーフとなっているのはキリスト教の「七つの大罪」。
能は善側に比べると攻撃に特化しており具体的なものが多い。
機巧童子
バイス:【絶対悪】能を有しない「無能」
殿
百機回向主催者
その他
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シャーマンキングシリーズ...講談社移籍後に発表された続編および外伝にて、本作のキャラクターのデザイン・設定が一部流用されている。また、スタン・リーをモチーフにしたキャラクターも登場している。