概要
ダイノアースの竜人族に伝わる伝説の鎧であり、0号スーツであるアバレキラーよりもさらに以前に作られた、アバレスーツの試作品と言える存在(マスクをよく見てみるとアバレンジャーのものに似たゴーグルが確認できる)。
普段は黒いアンモナイトのような形状をしているが、ダイノブレスやダイノマインダー同様「爆竜チェンジ」の掛け声で使用者に装着される。
能力
装着者にはすさまじい力を与えるが、一方で装着者は強い破壊衝動にかられ自分の意思を制御することが困難になり、やがては理性を奪い闘争本能のままに暴走させる呪いがかかっており、敵味方問わず破壊と戦闘を繰り広げ、装着者が死ぬまで暴れ続けるバーサーカーへと変えてしまう。
主な武装はロープ状のビームを放てる斧、盾、腰から引き抜く伸縮自在の剣(短剣と長剣の2タイプある)、頬の爪から放つ光弾、手から放つ破壊光線(両手のエネルギーを収束させる事で光弾として放つ事も出来る)や自在縄等。
特にアスカが装着していた際にはアバレキラーやリジュエルをも圧倒する凄まじい戦闘力を誇り、刀身にエネルギーを込めて敵を切り裂く技でアバレンジャーとリジュエルをまとめてダウンさせるほどの威力を見せた。
自己修復機能(車に轢かれて粉砕されても装着者ごと再生している)や空間転移能力、爆竜を暗黒爆竜へと洗脳する力を持ち、さらには戦いを重ねるごとにその強さを増していく性能もある。
その最終目標は全ての敵を倒して最強の存在となり、ありとあらゆるものを破壊しつくす「究極の破壊神」になること。
鎧を制御するには人々の悲しみや絶望等の負の感情と爆竜を取り込む必要があるらしい。また鎧の呪いを解くには装着者を倒さなければならず、倒した者に呪いと共に鎧が引き継がれてしまう。鎧そのものを消滅させるには、正と邪の心を持つ相反する剣を同時に受けさせるしか方法がない。
使用武器は装着者によって異なり、ガイルトンの使用時は盾と斧を武装してあったが、ジャンヌとアスカは剣だけを使用していた。鎧の邪命戦士はツインソードを武器としている。
劇中での経緯
劇中ではマホロを救うために力を求めたアスカが封印を解き、最初に装着。その後デズモゾーリャの幻影にかられたミズホがアスカを倒したため彼の手に渡って暗黒の使徒ガイルトンへと変え、ガイルトンがジャンヌに粛清された後はその特性が働きジャンヌが使用した。ジャンヌが使用した際には爆竜の卵を探すレーダーとしても使用された。
最初の装着者であるアスカは鎧の特性で破壊衝動に支配され、二番目の装着者たるガイルトンは制御自体はできていたが使いこなせていなかった模様で、ジャンヌは使いこなすために様々な手段を用いて使いこなすまでにいたった。
後にアスカが呪いを解こうしてマホロを斬ったことで再びアスカに憑依。敵味方関係なく破壊衝動のままに暴れ回っていたが、最終的には鎧の力を求めた仲代壬琴がジャンヌと協力して奪おうとするも、鎧の消滅を目的としたジャンヌの策略によってアスカは正気に戻り、直後に鎧は壬琴の手に渡るも、暗黒の鎧は壬琴の「悪の剣」とマホロの「正義の剣」で同時に斬られたことで大ダメージを受け、彼が装着した瞬間砂となって消滅した。
最終決戦では
後にデズモゾーリャの残留思念デズモゲヴァルスが、「アスカとマホロが最も恐れる物」としてこの鎧を再現した鎧の邪命戦士として復活。
デスモゲヴァルスの体内でマホロと再会を果たしたアスカの前に姿を現し、圧倒的な力で2人を追い詰め、光の剣で両者を貫いたが、アスカを追ったらんるの呼びかけによって覚醒したアスカのダイノガッツにより砕けてしまう。それでも脱出を試みる三人を変身解除へと追い込むが、アバレンオーの乱入により脱出を許してしまう。
その後はアスカ達を追って地上に降り立ちアバレブラックとアバレイエローと死闘を繰り広げ、ダイノスラスターとプテラダガーの同時攻撃で大ダメージを負い、二人のダイノガッツを込めた一撃を受けて爆散し、今度こそ完全に破壊された。
海外版
鎧の邪命戦士は海外版の『パワーレンジャー・ダイノ・サンダー』においても登場。
こちらはバトライザーを装着したトライアシックレンジャー(アバレマックスに鎧を装着させて更に強化した姿)と交戦している。
余談
モチーフはアンモナイト。
『東映スーパー戦隊シリーズ35作品記念公式図録 百化繚乱 下之巻 戦隊怪人デザイン大鑑 1995-2012』(グライドメディア)におけるさとうけいいち氏のインタビュー(P167)によると、額の丸い部分は種をイメージしており、戦隊マスク(さとう氏の好きなバトルジャパンなどの造形)を意識したデザインとなった。
また優しい心を失い憎しみの心によって暴走した仮面ライダークウガアルティメットフォームもモデルにしていると言われている。他作品であるクウガがモチーフに選ばれたのは、『アバレンジャー』のコンセプトが「『クウガ』の精神的な続編」(あくまでも脚本家が同じテーマという意味で)との事であり、恐らくその繋がりのモチーフであることは想像に難くない。
歴代の恐竜戦隊においてはこの手の“強力だが使い手にとっても相手にとっても危険な呪いの武具のようなもの”が半ば定番化しつつあり、『恐竜戦隊ジュウレンジャー』にはより強い執念を有する者に受け継がれる“魔剣ヘルフリード”、『獣電戦隊キョウリュウジャー』には強靭な肉体を持つ人間に取り憑いて活動する“怒りの戦騎ドゴルド”、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』には付けた人間の身体を乗っ取るリスクを抱える“ガイソーグの鎧”が登場している。
『キョウリュウジャーVSゴーバスターズ』に登場するネオガイルトンは、名前にある暗黒の使徒ガイルトンではなくこの暗黒の鎧が復活したとみるべきだろう。
関連タグ
爆竜戦隊アバレンジャー 破壊の使徒ジャンヌ 暗黒の使徒ガイルトン
アーマードダークネス:とある特撮作品に登場する鎧。これもまた暗黒の鎧と呼ばれる。