短剣
たんけん
大きさ
日本でいうところの脇差(わきざし)や短刀であり、欧州でいうところのナイフ(Knife)やダガー(Dagger)等がこれにあたる。近現代では、武器としてより工具や暗器としての利便性の都合から、刃渡り十数センチから20センチ程度のものが多く、ナイフ・短剣といえばこのサイズのものを想像しがちである。
しかし、中世の短剣類は戦闘・護身用の場合、刃渡りは40センチ前後に及び、現代のナイフ類の基準や短剣のイメージから見ると長大であった。なぜこれほど大型化したのかというと、当時は刀剣はどちらかといえば高価で入手が難しく、また、地域によっては町のなかへの持ち込みが禁止されていた。要は刀剣の代用である。
特性
大前提として(一部の完全な戦闘用として製作されたもの以外は)基本的に「武器にもなる便利な道具」であることに留意しなければならない。事実、生活用ツールとしても優れており、牙も爪も力もない人間が自然環境に放り出された際にナイフ1本あるかないかで大きく生存率が変わるという。
携帯性に優れ、かつ至近距離の戦闘においては、素手に比べ圧倒的優位に立てる。それらの事実から、非常に優れたサブウェポンであるともいえる。
また、狭い場所でも扱える点も強みの一つ。長い武器や大きな武器などは、威力の分どうしてもスペースを取らねばならなくなり、狭い場所では振るえなくなる欠点が生じる。が、短剣ならばその限りではない。
武器としての使用方法としては斬撃、刺突、投剣等がある。特に投剣についてはリーチの長い手持ち武器より先制攻撃を行えるという点において圧倒的に有利であるが、外してしまったり致命傷を与えられなかった場合は武器を失う上、相手に武器を奪われる結果ともなりかねない。また重心が投擲向きに調整されたもの(投げナイフや手裏剣等)でなければ投げにくくもあるため、他に本命の武器を持っている場合に有利な状況を作り出すための布石として行われることが多かったようだ。
こと正面からの戦闘において人間が短剣の攻撃1発で致命傷となりうることは少ないが、傷つけられれば身体能力が落ち、下手をすると戦闘能力を喪失してしまうのだ。即効性の回復手段のない現実世界においては驚異の一言に尽きる。
他に、武器や道具として以外にも、『所持する事自体が一人の人間としての証』『宗教的儀礼に用いる道具』という、一種のステータスシンボルとされている場合もある(下記ジャンビーヤを参照)。
マンゴーシュ
鍔や護拳を大型化・形状を工夫したガードを持っていて、相手の剣をそこで受け止めることが出来るようになっている。利き腕の反対側の手に持ち、盾代わりに使う。ただし、その「剣」を指すのはレイピア等の細剣の類のみである。
スクラマサクス
大型の短剣。ほぼ鉈に近く、実際小剣と言えるほどの大きさを持つものもある。作品によっては鉈や剣として扱われる。
普通の剣より軽くて扱いやすいので、女性にも適した武器として登場する。
いわゆる「攻撃力」は低いものの、手数が多かったり特殊な追加効果を持っている、あるいは使い手が高い運動能力や特殊なスキルを保有していたりとテクニカルな性格付けがされることが多い。
東方怪綺談のステージ5ボスの夢子は数本の短剣を使い魔法でファンネルのような攻撃を行う。
また、ゲームに限らないが、「短剣使い」のキャラクターもまた、特徴的かつ魅力である。
二刀流のように両手に短剣を二本構え、それを素早く振るう事で戦う様は、他にはない魅力がある(「風の谷のナウシカ」のユパなど)。
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