解説
特撮ヒーロー、および変身魔法少女などが通常の人間状態から変身する際に前振りとして行う動作。仮面ライダーの二人目の主人公・一文字隼人が仮面ライダー第14話にて披露したものが原点と思われ、そこから変身ブームが爆発的に広まり、その後の変身ヒーローやキューティーハニーなどの変身美少女ものにも少なからず影響を与えた。
発祥
そもそも、1971年に石ノ森章太郎が発表した漫画版「仮面ライダー」では、主人公・本郷猛は愛車のサイクロン号で走行するときに体に受ける風で変身ベルトの風車を回して変身エネルギーを得ている、というキャラクター設定であった。なので同年に始まった特撮ドラマ版も当然その設定に従って、仮面ライダーはバイクに跨って走ることで変身し戦っていた。
「ある動作を取ると人間形態から姿が変わる」などという設定は企画当初は無く、バッタの改造人間が「ライダー」と呼ばれるほどバイクを常に必要としていたのもこれが理由である。
しかし9話・10話用のバイクシーン撮影の際、本郷役の藤岡弘、氏が下り坂のコーナリングに失敗して大怪我、重体となってしまった。これを受けて撮影班はすべてのアクションシーンを仮面ライダーに変身後の格好のスタントマンで代行することを決定するが、藤岡の入院は避けられず、変身前の姿を撮れなくなったことで、主役である本郷猛はいったん本編から退場する。
そして本郷の代わりの新主役となる一文字隼人役に急遽抜擢された佐々木剛氏がバイク免許を持っておらず、藤岡のようにバイクに乗りながらの変身シーンが撮影不可能となったため、打開策として「2号ライダー」の登場と、バイクを使わずに仮面ライダーへと変わる新設定「変身ポーズ」が考案されたのである。
そういうわけで、上記の通り「ポーズによる変身」をしたのは一文字隼人こと2号ライダーが先であったが、藤岡が怪我から復帰したことで再登場した本郷猛も変身ポーズをとって変身するように設定が変更された。加えて、こうした経緯を経て本郷猛の方も「1号ライダー」と後付で呼ばれることになった。
ライダー以外
ライダー以前のウルトラシリーズにも、変身「ポーズ」自体はあったが、それらは変身アイテムを使う動作そのものであり、予備動作を含めた「変身ポーズ」を流行らせたのは間違いなく仮面ライダーである。
変身ポーズは戦隊シリーズの名乗りと競い合うように複雑化し、宇宙刑事シリーズで1つの頂点を極める。
平成以降の傾向
平成ライダーシリーズ以降は変身ベルトのギミックに重きを置かれるようになり、ポーズそのものは変身アイテムを操作する延長でのアクションに止まっている。
それでも平成二期になってからは、徐々に凝った動きを取り入れた変身ポーズらしいアクションが復活しつつある。
関連イラスト
pixiv内では仮面ライダー以外にも他の版権キャラやオリキャラが変身ポーズをとるものも多い。
仮面ライダーシリーズ
その他版権作品
オリジナルキャラ