『覚悟のススメ』とはっ!
1994~96年に週刊少年チャンピオンにて連載された山口貴由作の漫画である。アクの強い作風からカルト的な人気を誇っており、山口の最高傑作ととらえているファンも少なくない、山口貴由の出世作である。
1996年にはストーリーの序盤を全二巻でアニメ化したOVAが制作された。
ストーリー!
21世紀の初めに世界を襲った地殻変動によって文明の崩壊した時代、一人の若者が新東京の高校:逆十字学園に転校してきた。彼の名は葉隠覚悟。彼は第二次大戦中、非道の人体実験を繰り返し戦略人間兵器を開発した葉隠四郎のひ孫であり、その技術を牙無き人の剣となり、牙無き人の祈りとせんがために行使する正義の味方であった。時を同じくして新東京に現れた異形の軍団「不退転戦鬼」の長、葉隠散。彼は覚悟の実兄にして、地球を再生すべく邪魔な人類を一掃せんとする悪鬼「現人鬼」である。かくして、人類の存亡をかけた覚悟と散の戦いの火ぶたが切って落とされた!!
登場人物!
葉隠一族
葉隠覚悟
本作の主人公。最終格闘技・零式防衛術の使い手。性格は古風にして愚直。牙無き人の明日を守るため、強化外骨格・零を身に纏い巨悪に敢然と立ち向かう漢である。育った環境のせいか意外と天然ボケで浮世離れしたところがあるが、生真面目で素朴な優しさの持ち主。
「覚悟完了」
強化外骨格・零
覚悟の先祖・葉隠四郎によって開発された戦略兵器。数々の武装を秘めているが、その体は数多の戦争捕虜の犠牲によって作られており、彼らの魂が宿っている。熱き軍人魂の持ち主である。
葉隠散
覚悟の兄にして人間を超越した「現人鬼(あらひとおに)」。人外の怪物軍団・不退転戦鬼の長であり、地球再生のため「人類完殺」を目論む。悪鬼ながら器が大きく部下からも敬愛されており、例え理解不能な事が起ころうとも余裕で受け入れ、敵であっても見込みがあれば人外へと生まれ変わらせてから配下として重用する漢である。性格はエキセントリックの一言。
「何だか知らんが、とにかくよし!」
葉隠朧
覚悟と散の実父。強化外骨格・雹を纏う。厳しくも息子達を愛する良き父であったが、現人鬼と化した散へ立ち向かい、命を落とす。
「牙を持たぬ人のため 地下百尺の捨石とならん!」
葉隠四郎
覚悟と散の曽祖父。零式防衛術の創始者で、「瞬殺無音部隊」を率い、戦時下で凄惨な人体実験を繰り返してきた。
逆十時学園
文明が崩壊するほどの災害を生き延び、汚染された環境と劣悪な治安の中で日々をたくましく生きる者達。
堀江罪子
逆十字学園の女生徒で、覚悟が心を寄せる同級生。凄惨なこの時代にあって常に明るく元気なムードメーカー。
特別な能力・装備は持たないが、決して屈しない強い心の持ち主。
覇岡大(はおかひろし)
やや番長気取りな覚悟の同級生。
罪子がらみの嫉妬からか当初覚悟への接し方はいじめっ子に近いものがあり、描写も悪役チックであった。が、後にその人物骨柄を知るにつれよき友人となっていく。
登下校の際は日本刀を携帯し、同じ登下校路の罪子と下記の舎弟2名を守る。
周囲からはもっぱら「覇岡さん」、「覇岡」と苗字で呼ばれる。
野球が得意かつ好きで甲子園を目指すと発言するひとコマも。
藤井ぴょん助
舎弟その一。モヒカンヘア、後にある事情で大幅に短くなる。
高田ポン太
舎弟その二.お絵かきが得意。
青木さん
覚悟の同級生の女生徒。顔に常時巻かれた包帯が特徴的で、罪子の友人。
星野
警察権力の低下と治安の悪化により誕生した学園ない自治組織「武装風紀」の委員長。
やや好戦的である以外は好青年であり、教師陣からの信頼も厚い。
覚悟とは戦い方こそ違えどよき戦友でもある。
銭型先生
覚悟のクラス(2年1組)の担任。昼間から飲酒し、授業はカセットテープを再生するだけで自分は「ぴすーぴすー」と寝ている、防疫プールの様子をカメラで監視など、いわゆる不良教師であるが、生徒を思う気持ちはそれなりに持っているようだ。
シビアで現実的なものの見方であるが、やや口が悪い。
校長先生
ロリコン。一応生徒を身を挺して庇ったりもする。
不退転戦鬼
ガラン城を本拠地とする、散に忠誠を誓う軍団。
構成員は美男美女に改造人間、怪人、武将、精霊などパターンに富み、性格も漢から擁護不能のクズまで十人十色だが散への命すら投げ出す絶対の忠誠を共通とする。
その中には散に唇を奪われ人外になってしまった者たちもいる。
大老・知久
神通力のような力を持つ老人。その正体は獅子の姿をした霊獣である。不退転戦鬼達の上役であり、彼らの相談役やサポートを引き受けている。
老中・影成
僧服を纏った怪人。虫のような姿の怪獣がその正体であり、普段はその体内に散が身に纏う強化外骨格・霞を保管している。
衛兵隊長・ボルト
散の居城、ガラン城の守備を任されている武人。散によって開発された強化外骨格・震を身に纏った強敵である。
御典医・腑露舞(ぶろぶ)
散の主治医を務める戦鬼。2頭身のほのぼのした見た目から火龍に変身する能力を持っているが、これは同時に死を意味する最終形態である。
戦術鬼総支配・血髑郎(ちどくろ)
戦術鬼達の直接指揮を取る司令官。性格はゲスで残酷、自他共に認める鬼畜だが散にたいする忠節は他の面子に勝とも劣らない。自身で戦術鬼を生み出す能力も持っている。
理系総支配・我利冷夫(がりれお)
不退転戦鬼団を科学面でサポートする科学者。数々の超兵器を開発しているが小心者で調子に乗りやすいためか、他の面子からよく叱責されている。
御側役(戦鬼)・ライ
散の護身役を務める筋肉質な武人。全身に埋めた零式鉄球によって全身金属の怪物に変身できる。
御側役見習い
城主専用御添寝役
戦術鬼
旧帝国陸軍瞬殺無音部隊が生み出した研究成果の一つであり、不退転戦鬼の誇る恐怖の主力兵器。人間の骨髄液を最大の栄養源とする文字通りの食人悪鬼の群れであり、エゴをエゴと自覚していない邪悪な人間を改造することで誕生する。作中での行動原理や言動を見る限り、不退転戦鬼の皆様とは違って散への忠誠があるのかどうか疑わしい奴がかなり多い。
破夢子(はむこ)
露出の高いボンデージを纏った肥満女性の戦術鬼。巨体から繰り出される怪力と口から吐く熱線が武器。
永吉(えいきち)
齢90を超える老人男性の戦術鬼。超凝結唾液弾と呼ばれる、空気に触れる事で瞬時に凝固する唾液が武器。更に股間の「息子」を伸ばして攻撃することも可能。
毒魔愚郎(どくまぐろ)
17メートルの巨体を持つ、大型の戦術鬼。口から生える花のような器官で人間を捕食し、体内の発電器官で13万ボルトもの電撃を発する。
恵魅(めぐみ)
普段はナース服を着たグラマラスな身体の女性だが、その正体は胴体に巨大な顔のある怪物。軟体性の体を持ち、あらゆる打撃を吸収する。