概要
月刊チャンピオンRED上で2003年から2010年まで連載された、山口貴由の時代劇漫画。
2007年にはWOWOWでアニメ化された。
タイトルは「死狂い」を表し、江戸時代の書物『葉隠』の一節「武士道は死狂ひなり。」に由来する。
原作は南条範夫の小説『駿河城御前試合』の第一話「無明逆流れ」。
しかし、僅か35ページの原作を独自の脚色・創作で肉盛りし、全84話(コミックス全15巻)で構成した、ほぼオリジナルの作品となっている。
例として「主人公は片腕を失なう事になるのに、主人公が習得した虎眼流の極意"流れ星"は両腕がないと使えない技」「"流れ星"と"無明逆流れ"は同じ術理に基く技」などの設定は山口の世界観に基づくもので、原作の内容を描いた部分のみを抽出した場合、本作の長さは3分の1程度になると思われる。
威圧感に満ちた劇画調の作画に、エキセントリックな登場人物たち、そして良くも悪くも先が読めない超展開から話題となり、2000年代の2ちゃんねるでカルト的な人気を博した。
今なおネットで通用する「加減しろ莫迦!」「もう少しこう何というか、手心というか…」「ぬふぅ」「チュパえもん」「お美事にございまする」は、本作が元ネタである。
反面、残酷無惨時代劇の謳い文句に恥じないグロテスクな描写が多く、読み手を選ぶとも評される。
星川生之助や屈木頑之助といった『駿河城御前試合』に収録されている他の作品からのキャラクターも登場する。
連載当初は山口の代表作である『覚悟のススメ』や『悟空道』のようなアニメ調の絵柄だったが、次第に劇画調に変化していった。
ストーリー
寛永六年、駿府城内。ご法度とされる真剣御前試合が、駿府藩主の暴君徳川忠長によって挙行された。
その第一試合に現れたのは隻腕の剣士と盲目跛足の剣士。全ては七年前に遡る恐るべき因縁から始まった…。
二人の剣鬼の対決を軸に様々な人間たちの思惑と因果、そして狂気と愛憎が絡み合いながら物語は進む。
登場人物
虎眼流関係者
- 藤木源之助(CV:浪川大輔)
- 伊良子清玄(CV:佐々木望)
- 岩本虎眼(CV:加藤精三)
- 牛股権左衛門(CV:屋良有作)
- 岩本三重(CV:桑島法子)
- いく(CV:篠原恵美)
- 近藤涼之介(CV:堀江美都子)
- 宗像進八郎(CV:大林隆介)
- 山崎九郎右衛門(CV:島田敏)
- 丸子彦兵衛(CV:稲葉実)
- 興津三十郎(CV:小山力也)
- 根尾谷六郎兵衛(CV:宝亀克寿)
- 伊吹半心軒(CV:福田信昭)
- 金岡雲竜斎(CV:大友龍三郎)
- 茂助(CV:塚田正昭)
- 大坪(CV:徳本恭敏)
舟木道場関係者
検校屋敷関係者
その他の人物
- 徳川忠長(CV:松田佑貴)
- 鳥居成次(CV:坂口芳貞)
- 三枝高昌
- 柳生宗矩(CV:近藤隆)
- 馬渕刑部介
- お蓉(CV:氷上恭子)
- 丹波蝙也斎(CV:青山穣)
- 檜垣陣五郎(CV:てらそままさき)
- 蛇平四郎
- 孕石備前守
- 孕石雪千代
- 石田凡太郎
- 月岡雪之介
- 伊良子清玄
- 峻安
- 猪又晋吾
- 曾根将曹
- 瓜田仁右衛門
- 伊達政宗
- 座波間左衛門
- 土井利勝
アニメ
2007年7月19日から10月12日までWOWOWスクランブル枠で全12話が放送された。製作はマッドハウス。
残酷な描写があるため、R-15指定相当となった。
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | 駿府城御前試合 |
第2話 | 涎小豆 |
第3話 | 鎌鼬 |
第4話 | 童歌 |
第5話 | 秘剣伝授 |
第6話 | 産声 |
第7話 | 牙 |
第8話 | 蝉しぐれ |
第9話 | 虎子 |
第10話 | 検校仕置屋敷 |
第11話 | 月光 |
第12話 | 無明逆流れ |
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