「一度、出撃した我が軍団が敵を全滅しなかった事は全くない!! 戦えば勝つ!! それが我輩のポリシーなのだ!!!」
プロフィール
所属 | 魔王軍 |
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年齢 | 345歳 |
一人称 | 吾輩 |
二つ名 | バーンパレスの守護神(自称) |
CV | 玄田哲章 |
概要
超金属戦士たちを配下に持つ、大魔王バーンの本拠地バーンパレスの(自称)最大最強の守護神。敵幹部の中では竜騎衆と同じく、そのエピソードでのゲスト的な敵役となる。
外見はハドラー親衛騎団に似た超金属の戦士だが、禁呪法で生まれた存在ではなく、ハドラーとは全く無関係の存在であり、大魔王バーンの若い形態の傲慢な性格とも関係はなかった。
希少な生きた駒(リビング・ピース)と呼ばれる金属生命体モンスターの一種らしく、彼自身の齢はプロフィールの通りかなりの高齢である。
指揮能力に長け、配下の超金属戦士を使役するも、弱った敵しか狙わないためミストバーンからは「大魔宮の掃除屋」と蔑まれている(オフィシャルファンブックでも職業は掃除屋扱い)ため仲が悪い(ヒムからは「き、汚ねえッ!!!まるで盗賊かハイエナじゃねえかっ……!」(※2020年版では「まるで盗賊かハイエナじゃねえか」の部分がカットされている)と呆れられ、ヒュンケルからも「おまえはクズだ…!!生かしておく値打ちもないっ…!!」と吐き捨てられていた)。
悪魔の目玉から収集した現在までの戦果を頭脳に蓄積し、さらにキングスキャン、スーパースキャンも駆使・検索して相手の能力を暴く。
チェスにおける「キング」にあたる駒であるため、近接戦闘においては超金属オリハルコンの硬度を利用した腕力での打撃を駆使する。しかしチェスにおいてはその能力以前に「取られてはいけない駒」なので前線に本来自ら赴いてはいけない存在であり、彼一人が倒されたら他の駒が自律行動できず軍団が瓦解する。なぜなら、配下の超金属戦士はハドラー親衛騎団と違って生命を持たず、命令しなければ「意思のないただの道具」でしかない。
大きな問題として、非常に虚栄心が強いうえに物事の見通しが甘いため、肝心の指揮能力やスキャン能力を使いこなせているとは言い難い。
死力を尽くして戦い抜き消耗しきったヒュンケルとヒムの前に止めを刺しに現れ、超金属軍団で襲わせるも、戦いの場数を踏みオリハルコン兵士に対する対処を会得したヒュンケルに無刀陣を利用したカウンターで部下を次々倒される。
最後の手段として動けないヒムをバーンパレスから突き落とす人質作戦で隙を誘い出そうとする。ボラホーンと戦ったデータを参考にしたため逆王手さながらにうまくいくと思われたが、その寸前に復活したラーハルトの槍さばきで残存の兵士と共に切り刻まれた。
オリハルコンなので実力はそれなりに高いが、それでもキングの駒という事もあって親衛騎団には遠く及ばず、実際ラーハルトの動きをヒムは目視できたが彼には無理であった。加えて性格上の問題もあり、自分をスキャンするなどの方法で状況判断する頭が回らず、結果として事態を把握できなかった彼はラーハルトとヒムの「動けば命の保証がない」「物凄いスピードで全身を斬り刻まれている」との警告を心理的トラップと勘違いする。半端に頭が回ったため、正真正銘の警告を自分の動きを封じる罠だと深読みしてしまい、間抜けに笑いながら撤退しようと飛び上がった直後、切り刻まれた箇所が開き、空中で爆散・死亡。
そのマヌケな最期はヒム曰く「正真正銘の馬鹿」。
もっとも、例え斬り刻まれていなくとも手持ちの駒を全て失ったキング=負けが決まったチェスの駒という役立たずをバーンが生かしておくはずがないので、例え逃げ帰ったところで地上でザボエラがミストバーンに宣告されたとおり、処刑されるのがオチだっただろう。恐らく自分がバーンからもっとも信頼されている=処刑されるわけがないと考えていたのかも知れない。
加えて、ヒム自身本来はオリハルコン兵として生み出された1体が、大本となるポーンの駒8体から無選別でバーンに選ばれ、この幸運に恵まれなければマキシマムの駒として雑に使われるだけの人生であったことを改めて理解して「オレ、ハドラー様の部下に生まれて良かった」と胸を撫で下ろした(それに加え、2020年版では「オレ、あっち側(※マキシマム側)のポーンの可能性があったのか!?」と台詞が追加され指折り数える描写も)。
言ってしまえば成長の糧にもならないその場限りのやられ役。大魔王バーンの禁術法で生み出した設定すらなくなったので単にジャンプ連載の尺を伸ばしただけのキャラに終わった。本作に登場する敵幹部の中でもフレイザードや竜騎衆を超える早期退場者となった。
また、その見事な出オチっぷりから「原作からいるのにアニオリ臭が凄すぎるキャラ」と呼ばれ始めている。
戦い方について
自分はミストバーンやキルバーン以上に重要な役割を持つ大魔宮の最大最強の守護神を自称しながらも、実際は弱った相手から確実に倒すことしかしない。消耗した敵を狙いリンチのような奇襲を仕掛けること自体は間違いではないが、彼の場合は上述通り保身優先で弱った相手にしか戦いを仕掛けないため、勝って当たり前とも言える戦いしかしなく、ザボエラを彷彿とさせる汚い戦法である。ミストバーンのように正面から戦う気もなければキルバーンのように正面から戦っても強いが、合理性や自分の悦楽も予て罠で確実に息の根を止めるということもしない。要するに只の手柄の横取りしか考えていない。
まがりなりにもヒュンケルを消耗させつつパーティーから分断させた「魔界のモンスター」の方が大魔王バーンの役に立ったといえる。
それでも、自分の役割を理解して、確実に敵の戦力を削ることに徹した仕事屋であったのならかなりの脅威となり得たが、マキシマムはその虚栄心から来る隙が大きすぎて、軍団の全滅と戦死に至ってしまった。
挙げ句の果てにミストバーンがダイの仲間達と戦っているのを知っていながら、わざと加勢を遅らせてその上で自分達がダイ達を倒せば自分が勇者一行を全員倒したなどと考える=上述通りミストバーンの手柄を横取りしようとする始末。そうした意味でもミストバーンからは『掃除屋』であるだけでなく、『手負いの獣の始末とネズミ狩りの区別もつけられない』、『自分がバーン様に買われていると思い込んでいる』と馬鹿にされた。
この場合、「手負いの獣」とはヒュンケルのことである。彼の知能では「鑑定能力」を生かし、ヒュンケルの不死身ぶりや異常ぶりを見抜いての戦略的撤退、あるいは戦略の変更すらできなかったようだ。
キングスキャンで相手のHPとMPを調べ(弱った相手から狙うため)、スーパースキャンで身体の状態まで詳細を知ることができる。更には悪魔の目玉から収集されたデータを瞬時に検索することも可能。
これだけの能力を持ちながら自分が爆散するという未来までは視ることができなかった。
ただ、オリハルコン軍団は普通に考えれば敵として物凄く厄介な相手であり、やられてはいけないキングとはいえマキシマム自身もオリハルコン製なので、本来ならマキシマムとオリハルコン軍団のスペックは全く馬鹿に出来ない。余裕でオリハルコンを破壊できるようになった終盤だったためにこんな扱いになったが、仮に序盤から出てきていればマキシマム一人でも下手な六団長やハドラー以上の脅威になりえた可能性も大いにあり得る。
作中でもミストバーンのおこぼれしか始末してこなかった事が見受けられ、そもそもバーンパレスに侵入してくるような敵がダイ達以前にどれほどいたのかという事を考えればマキシマムは実戦不足で能力が磨かれず、作中のような戦い方しかできなかった可能性も大いに考えられるので、バーンが普段からマキシマムを遊ばせずに仕事を与えて成長させていればもっと善戦できた可能性もあったかもしれない(マキシマムが成長できるほどの強敵もそういないから遊ばせるしかなかったのかもしれないが)。
或いは、最初からまともにやる気がなかったためにバーンからは全く当てにされておらず、名乗り出た印象も「お前か。」、アニメでは更に「好きにしろ」と程度にしかいわれておらず、本人はそれを全幅の信頼故に口数が少ないと思っていたようだ。
が、実際にはザボエラ並の性格の悪さに加えて能力の低さと頭の悪さからバーンからの評価は最低レベルで、元のオリハルコン軍団から3分の1しかもチェスの形式再現を踏まえても1つしかないクイーンまでハドラ-に与えていた事実からも、元からハドラ-や軍団長達に比べて部下共々期待されていなかったのは明白。まして、ダイ打倒のために不死身の身体を捨ててまで超魔生物になったハドラ-とは比べるべくもない。要は、ハドラ-のように最悪の場合は捨て駒にするという価値もなかったといえよう。
加えて、チェスの駒のくせにポーンがとられたら手当たり次第に上の駒を動かしてとられてポーンしか残らないというチェスの基本すらまともに理解していない有様。
二次創作において
二次創作にも登場するが、その凄まじいまでのバカさ加減を強調され、ギャグキャラにされることが多い。
余談
チェスのキングとしての能力
日本では、チェスは将棋に似たゲームであるという認識から誤解されがちだが、単独の駒としてキングはかなり強い駒である。
将棋と違い、チェスには金と銀に該当する駒がないので相対的に全方位に動けて小回りの利くキングは個性も汎用性が高く、将棋以上に複数の駒が連携しなければ追い詰める事が困難であり、特にビショップ(将棋で言う角)に至ってはチェス自体が盤の一辺が偶数であるため絶対に踏み込めないマスが存在し、将棋で言う成りがない事もあいまって絶対にキングを討てないこともあり得る。
しかしその性能を真に発揮できるのは「取られてもゲーム続行できる駒であった場合」。あくまでキングは取られたら終わりであるリスクを最優先に考えなければならない。
豊富な知識と分析力を持ちながら上手く活用できず散ったマキシマムも、同じ道を辿ったと言える。
小話
小物マキシマムを演じた玄田哲章氏は、様々な作品に参加している大物ベテラン声優であり、ドラクエ関連だけでもCDシアターシリーズではドラクエ1でのだいまどうや宿屋の店主、ドラクエ4のトルネコ(トルネコの大冒険のCDシアターでも続投)を、ヒーローズ2ではオレンカ王を、ライバルズではパパスを演じている(なおヒーローズ2でもトルネコは登場するが、その時のトルネコ役はライバルズでも演じていた茶風林氏である)。
関連タグ
ダイの大冒険
バーンパレス ミストバーン キルバーン ヒム
鑑定 愚王 雑魚 小物 かませ犬
外道 卑怯者(卑劣漢) 姑息 金属生命体
他作品の関連項目
ジャハガロス:ドラゴンクエストⅧの登場人物。一人称が吾輩、主に強い忠誠心を持つ、言動が小物臭く知性に欠ける、「パワーこぶし」という拳打を使う、などなどマキシマムと類似点がある。またハドラーとの類似点も散見される。
ヤバソード:騎士竜戦隊リュウソウジャーに登場した、マキシマムと同じくチェスのキングの駒がモチーフの敵キャラクター。
終わりなき混沌:魔法つかいプリキュア!に登場する、自分の力に慢心しすぎて力押ししかできない敵組織。しかもとりあえず相手の状態をスキャンして襲い掛かるマキシマムとは違い、”相手が自分達にかなうわけがない”という前提で無策でごり押しするがその相手は寄りにもよってシリーズでも類を見ないほど迎撃環境を充実させてるため慢心と節穴ぶりはマキシマムよりもひどい。
カイドウ(ONEPIECE):24時間後のジャンプ後輩作品に登場する、声が同じで自分の力に自信があるが最強クラスと似ているようで真逆のタイプの敵。
異世界もの:異世界転移や異世界転生、異世界召喚等を経て鑑定能力を得る者が多く、その大半のキャラならヒュンケル相手に鑑定後に即撤退の賢い判断ができたと思われる。
…そんな
不確実な情報に
踊らされる我輩では
ないわあっ!!!
ではっ!!
さらばだっ!!!
また会おうぞぉ―――――っ!!!
ショアッ!!!
ドッカァアァン
なお、アニメ版では爆散する直前、原作準拠のアホ面とともに、「あれ?」とこれまたマヌケな断末魔を残した。