もしかして:竜魔人クィーンドラグーン&竜魔人キングドラグーン
概要
竜の騎士の最強戦闘形態(マックスバトルフォーム)にして真の姿。
初登場は原作11巻。人間たちへの怒りから竜騎将バランがこの形態に変貌した。
竜の騎士の備える人間の心、魔族の魔力、竜の力のうち後二者を強く顕現させたもので、片目を被う竜の牙を掲げ内蔵する刃で手を傷付ける儀式を行いこの姿へと変身。同時に血の色は人の赤から魔族の青へ変わる。
変身が始まると竜の紋章が巨大化して額と髪型に同化、全身が竜の鱗に覆われて巨大な翼が背中に生える。人や魔に比べ竜の部分が大きくなる為、戦意は上昇し体を纏う竜闘気は通常時より遥かに増し、一国を半島ごと消し去る超呪文「ドルオーラ」が使用出来る様になる。
防御能力も大きく向上し、鎧の魔剣の装甲も貫くハドラーの地獄の爪でも皮膚一枚傷付けられなかった。
新アニメ版では、肉体から竜の頭やツメが飛び出すようにして変形しており、”変身”というより”変態”と言うほうが相応しいグロテスクな演出が成されている。「竜の部分が大きくなる」という上述の要素を色濃く描写したといえる。その変身過程はデスピサロやミルドラース等といった本家ドラゴンクエストの魔王第2形態や最終形態に近い。
但しこの形態に一度変身してしまうと、相手を完全に打ち滅ぼすか自身が戦闘不能になるまで変身解除出来ない、ある種の暴走形態でもある為、竜の騎士がこの形態になる事は極めて稀。
バランが妻・ソアラを殺されて逆上し、アルキード王国を消し去った回想シーンですら竜魔人形態は登場していないが、描写されていないだけで竜魔人に変身し、ドルオーラを放ってから元に戻ったとも考えられる。
この状態になったバランは獣じみた攻撃本能に支配され、騎士道精神や仁義心の様な理性が吹っ飛んでしまい、敵対する者には情け容赦の無い攻撃をする本能のまま動く怪物のような存在と化す。
他方、竜魔人となった場合であってもただ見境なく暴れるという訳ではなく、目の前の状況を観察して状況を見極めながら戦術の組み立てを行うだけの知性は健在であり、その分単なる怪物と異なる恐ろしさがある。
最初は記憶を失ったダイに「怪物みたい」と恐れられた時は傷ついた表情を浮かべながらも、冷静に竜の紋章を利用して自分が父親である事を示して彼を落ち着かせている。
その後もポップがダイを引き留めた時も息子を見た事で「人間の心」が表に出てきた事で問答無用でダイからポップを引き剥がす事はせず、最初は言葉でダイを解放するように命じていた。戦闘中でも女性であるレオナには対しては敢えて「バギ」で吹き飛ばす程度の攻撃しか行っていない辺り、完全な意味では人の心を失ってはいないらしい。
もっとも、これはまだ理性が欠片ほど残っていたときまでのこと。
ダイが覚醒し竜の騎士同士の戦いに没頭すると、たちまち押さえていた闘争本能に飲まれ、本気でダイを殺すつもりで襲いかかった。ダイに煽られると「図にのるなァァァ!!!このガキめがァァァ!!!」と豪語し最早、彼が自分の息子と認識できているかも怪しいレベルで露骨に敵意を見せている。
”敵”と認識した者はたとえ息子であろうと容赦なく殺害しようとする、これが竜魔人の本性である。
ちなみにこの時の戦闘描写は、激しい空中戦やエネルギー波をぶつけ合う某作品並の凄まじさを誇っている。これまでとは一線を画する戦闘の激しさからも竜魔人の恐ろしさがよくわかるだろう。
後にハドラーとの対決で竜魔人と化した時はダイを守るために戦い、前回の時のように攻撃本能に支配される事はなく、息子を守る父親として命を賭けて守り通した。
これは竜魔人の攻撃本能よりも息子を想う心の力の方が勝った結果、竜魔人の状態でも暴走する事はなかったのだろう。
竜魔人ダイ
作中では竜騎将バランが変身した場合にはメイン画像の様な鎧じみた姿になったが、その息子であるダイが変身した際には彼が人間との混血である事に加え、バランの竜の紋章を継承したというのもあり、額(もとい髪)を除いてはあまり普段と変わらない姿となった。
この形態になったダイは少し暴走気味にはなったものの人格は怒りに支配されることは無く普段の善良な心を保っており、最強の敵である真・大魔王バーンに対しても「これが正義か!? より強い力でぶちのめされればお前は満足なのか!? こんなものが… こんなものが正義であってたまるかっ!!!」と涙を浮かべながら問い詰めていた。
その実力は、若さと力を取り戻した真・大魔王バーンをも圧倒するほど。ただの手刀でさえもカラミティエンドに勝るとも劣らぬ威力を発揮し、バーンの角を叩き折っている。万全の状態でも敵わないと見たバーンもまた己の姿を捨て、鬼眼を開放することで魔獣へと成り果て最後の戦いを演じることに。
漫画版クロスブレイドでは6巻でこの形態になっている。老バーンとの戦いの最中、バランが持つ竜の牙によって親子で竜魔人になった(ここがクロスブレイドの世界というのも大きい)。
親子でドルオーラを放ってバーンに逆襲するが、ダイは慣れない力を無理に引き出して使ったので反動ですぐに変身が解け弱ってしまった。しかし戦いに満足したバーンが引き下がったことで手打ちとなった。
7巻(最終巻)では自らの意思で竜魔人へと変身。仲間たちと共に超越大魔王ロムドラドに挑む。
しかしユウキを元の世界に帰すチャンスが訪れたことで、決着は自分たちの手で付けると言い彼を強引に地球へと返してしまう。その際にユウキに笑顔を見せた。
エンディングでは筐体越しに対面し、ロムドラドに勝利したことが窺える結末となった。
余談
この竜魔人は原作ではカラーのイラストが描かれておらず、旧アニメ版でも未登場(打ち切り)であった為、明確な体色は不明であった。
2020年の新アニメ版にて満を持して登場した際には赤がメインで、顔や胸部は茶、翼は白であることが判明した。
また変身シーンでは身体が赤く発光しており、さながらバランの怒りを表現したかのようであった。
また、バランがこの姿になると声のトーンが低くドスのきいた物になる。
関連項目
超魔生物:竜魔人の能力を研究して作られた存在。
ドラゴンの杖:ドラゴンクエストⅤでは勇者の父親専用の武器であり、使用するとドラゴラムの効果がある。また小説版では「竜神の魂が宿っており、手にした者は善悪の感情が高まり無事ではいられない」という逸話がある。
主人公(DQ8):ドラゴンソウルという技によってパワーアップできる。海外版のみバンダナが外れて頭髪が逆立ち超サイヤ人になる。
超闘士:作者が別名義で手掛けた作品に登場する似たような形態
超サイヤ人:似たようなものだが、こちらは竜魔人とは異なり任意で変身解除出来る。ただし慣れていないと気が昂って好戦的になったり、冷酷な残虐性を見せることも。
超サイヤ人2:ダイが変身した際のシチュエーションが近い。
ファングジョーカー:三条作品における暴走の危険性を持つ形態である。こちらは恐竜がモチーフである。
魔人幽助:同じくジャンプ漫画の主人公の最強戦闘形態。