オールドメディア
おーるどめでぃあ
オールドメディア(Old media)とは、読んで字のごとく古い世代のメディア(媒体)である。
本来の意味
本来の『メディア』の意味に則るのであれば、瓦版や石版、壁画、レコードやVHS、カセットテープといった、世代が古い情報記録媒体や、古い時代から情報を残し続けている媒体もオールドメディアである。
近年はこういう媒体ならではの魅力に取り付かれるコアな愛好家も多く、この定義では肯定的な意味で使われることが多い。レコードやカセットテープは現在でも生産されているのがその証拠だろう。
現在主流の意味
一方、21世紀以降から急激に「情報化社会以前のマスメディア」という意味で使われ始め、英語圏でも同様の意味で用いられている。
実態としてはインターネット世代の目線から見た新聞・テレビを始めとした情報通信技術発達以前のメディア、特にそれまでの主流メディアであった地上波放送のテレビ番組や指標となる視聴率などを纏めて「時代遅れの価値感」という差別的な意味を込めて用いられることが多い。
中でもマスメディア(報道媒体)への侮蔑の意図が強く、いわゆる「マスゴミ」とほぼ同じ意味で使われている。
ただ日本の場合かつてはネットde真実などのデメリットを無視したネットメディアへの過大評価から意識高い系など新しいもの好きが驕りも含めてこう呼ぶ事が多かったのも事実である。この頃はフリージャーナリストなどの活躍もそれほど注目されておらず、まだテレビや新聞もネットほど倫理観が欠落してなかったのもあり、真面目に受け止める人もそうそういなかった。
しかし2010年代に入ると、かねてからネットで指摘されていた古い体制を何としてでも維持しようと露骨にゴリ押しや報道しない自由、ご意見番として大多数投入した冷笑系の禅問答による問題の矮小化などを乱用し「欲しい情報」そのものが報道されるケースがほとんど消滅した。
2020年代には体制維持に協力してくれるなら前科持ちや現在進行形で裁判を抱えているような反社会的な経歴の人間を堂々とニュース番組のレギュラーに起用するほどさらに手段を選ばなくなっていく。
その結果、ネットではできないテレビや新聞ならではのメリットすら自ら投げ捨てる形となり、それでいてクロスオーナーシップや記者クラブ、電波オークション未実施などの悪しき風習は据え置きのため、文字通りのオールドメディアに成り果ててしまった。
日本のマスコミはオウム真理教事件どころか大本営発表の頃からまったく成長していないのではという厳しい指摘も多く、その体制は時折海外メディアからすらも睨まれている。
デメリットを考慮してでもフリージャーナリストが個々で活動するネットメディアを選ばざるを得なくなった顧客は、どういう思想かを問わずテレビと新聞のジャーナリズム無視への怒りから「オールドメディア」と非難し次々と見限って行くこととなった。特に日本はテレビと新聞のオールドメディア化が深刻化しており、事実、朝日新聞と毎日新聞は2012年から24年までの12年で売上部数が半分未満にまで落ち込んでいる。
同義語にレガシーメディア(legacy media)やトラディショナルメディア(Traditional Media)があり、どちらも「伝統・伝来」を皮肉に捉えた「旧世代・過去の遺産」と訳されている。
オールド メディア 老害 ネットde真実 陰謀論 テレビ離れ
利益(既得権益)、パワーハラスメント、モラルハラスメント、忖度:オールドメディアが腐敗する原因とされるもの。
ジュレ(ぷにるはかわいいスライム):漫画『ぷにるはかわいいスライム』に登場するキャラクター。ネットワークに蓄積された情報を「人類の叡智」と妄信するAIで、図書室の本をオールドメディア呼ばわりするシーンがある。
オリコンランキング:2010年代辺りから一部アイドルによるCDの大量購入によりランキングとヒットの実態がかけ離れていたにもかかわらず、音楽ヒットチャートの中心として影響力を持ち続けていたことから。現在はビルボードランキングにとって代わられた。