【冷徹なる軍師】
「私は デルカダール王の右腕 軍師ホメロス!」
プロフィール
年齢 | 36歳 |
---|---|
身長 | 約175㎝ |
体重 | 約65㎏ |
出身 | デルカダール王国 |
好きな食べ物 | フルーツサンド |
宝物 | 誓いのペンダント |
好みのタイプ | 知的で干渉しない人 |
座右の銘 | 力無き者は去れ |
英語版名 | Jasper |
CV | 櫻井孝宏(『ドラゴンクエストライバルズ』以降)/皆川純子(『ドラゴンクエストⅩS』・少年時) |
概要
※この項目はネタバレを含みます
『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて』の登場キャラクター。知略のホメロスの二つ名で知られるデルカダール王国の将軍兼軍師。
後ろで結んだ長い金髪とやや悪い目つきが特徴的な壮年男性で、ゲーム中でも(主に女性NPCからの)人気が高い。
幼馴染で相方のグレイグと並び、デルカダールの国章になぞらえて「双頭のワシ」とも呼ばれている。
またグレイグの黒い鎧とは対照的に、純白の鎧を纏っている。身長は頭ひとつ分小さい。すっきりとした若々しい外見をしているが、実はグレイグと同じ36歳である。一人称は「私」あるいは「俺/オレ」(幼少期は「僕」)。
なおPlayStation4版とニンテンドー3DS版では容姿、雰囲気にかなりの差がある。
性格は猜疑心が強く冷酷。口もあまりよろしくなく、グレイグ曰く昔から気に入らない人間のことはドブネズミや虫ケラ呼ばわりしていたとか。
戦闘力こそグレイグに及ばないが、戦況に応じた作戦を実行する的確な判断力と迅速な決断力を併せ持つ人物とされ、少数の部隊で魔物の軍勢を撃破する等、戦術面において数多くの功績を残している……が、本編中では詰めの甘い面が目立つのはご愛敬。
正体
その正体は、魔導士ウルノーガの忠実な手下。
グレイグとは双璧を成す人物として知られているが、その内心では常に自分を差し置いて栄光の道を突き進むグレイグに強い劣等感を抱いていた。
その心の弱さをウルノーガに付け込まれ、懐柔された結果、道を踏み外しウルノーガを真の王として忠誠を誓うようになってしまった。
本編の活躍
初登場はデルカダール城。「悪魔の子」との対面の後、王の命令で悪魔の子を育てた村へ派遣されイシの村の教会だけを残して村を壊滅させた。
その後、ダーハルーネの町の海の男コンテストで再登場。
カミュを捕縛し主人公達を誘き出そうとするが、あっさり背中を取られカミュを奪還される大失態を犯すも騎士団を率いて主人公達と交戦。人海戦術で追い込んで行くも船で逃げる悪魔の子とその仲間達をクラーゴンを操ってシルビアの船を沈めようとするが、町長の商船によって邪魔され主人公たちを取り逃がす。
その後はクレイモランの禁書に封印されていた氷の魔女リーズレットを解放してグレイグの抹殺を試みようと暗躍。命の大樹にて主人公たちを尾行して不意打ちで戦闘不能に追い込み、正体を現したウルノーガに大樹の命と勇者のつるぎを献上することで世界壊滅に導いた。
世界壊滅後は廃墟と化したデルカダール城に陣取っていたが、グレイグとひとときの余興を過ごし、屍騎軍王ゾルデに後を委ねて撤退。
この際グレイグに対し、初めて己の胸の内を明かした。
この時から服装は白い鎧から黒を基調とした道化師のようなものに変わっている。
前述の功績や人気もあってホメロスが魔物達の指揮官になっていた事実を伏せられているデルカダール兵の中には「ホメロス将軍はどこにいってしまったんだ」と悲痛な叫びをあげる者もいた。
その後、天空魔城にて再登場。
恨み辛みの言葉をぶつけるベロニカの幻影を見せて動揺を誘おうとするが、本物のベロニカの決死の覚悟を受け止めていた主人公一行には通用せず、グレイグに「こんな胸クソ悪いものを見せるヤツは1人しか居ない!」と一蹴され、姿を表しシルバーオーブの力を解放して魔物化。六軍王の長たる魔軍司令ホメロスとして襲いかかるが敗北、グレイグに胸の内を明かし、シルバーオーブを残して死亡した。
…と思われていたが、オーブの力を失っても尚、六軍王(恐らくは幻影だと思われる)と共に主人公の仲間を足止めしようと不意打ち。しかし主人公の仲間達の強靭な意思の前に計略は失敗。
グレイグから、彼もまたホメロスの背を追っていたことを打ち明けられた後、今度こそ死亡。後には誓いのペンダントが遺されていた。魔物に身を落としても捨て切れない想いはあったのだろうか。
時間遡行後は本編と同様に命の大樹で不意打ちを試みるが、主人公が未来から持ちこんだ記憶を頼りに魔王の剣で闇のオーブを砕き不意打ちを回避され返り討ちにされ、弱っていた所を口封じの為に「勇者を悪魔の子と吹き込み世を乱した罪を死んで償え(要約)」と罪を擦り付けられデルカダール王(に憑依しているウルノーガ)にトドメを刺されてしまう。
忠義を誓った主にあっさり見捨てられ、それでも主に助けを求めすがりつき、誰にも魔の道に墜ちた理由を知られないまま死亡するという本編以上に悲惨な末路を迎えた。
なお、死亡時に塵となり消えていく演出からこの時点で肉体が既に魔物と化していたとする考察もある。
因果応報でしかないものの、どちらに転んでも報われることはなかった彼にとって、グレイグがかつては彼を光だと思っていたという事実はせめてもの救いなのかもしれない。
あるいは遡行前の歴史ほどの大罪を重ねる前に死ねただけでも十分救われている、とも言えよう。
勝利する為なら不意打ち、人海戦術、幻を使って感情を揺さぶるなど手段を選ばない冷酷で非情な面が強調されているが、マルティナやロウはかつての彼を純真で正義感のある聡明な人物だと感じていたらしい。
幼い頃からデルカダール王に赤ん坊だったマルティナを守る若人として期待をかけられ、幼馴染のグレイグとはライバルとして切磋琢磨し合い、また友として本音で語り合える間柄であった。
このように年長者からはその内面を評価されていた反面、16年前のユグノア城イベントではグレイグが若き猛将として人間・魔物双方から言及されていたのに対しホメロスに触れる者は一人も居なかった。
完全版とも言える『ドラゴンクエストⅪS』ではこの辺の掘り下げがされており、グレイグは「ユグノア城での戦いの手柄はホメロスにもある」と何度もデルカダール王に進言したのだが、既にウルノーガに憑依されていたデルカダール王は耳を傾けず、グレイグをユグノアでの功績から将軍職に就けた一方で不自然な程にホメロスを突き放し、ホメロスの精神を弱らせる様に誘導していた、ということになった。
またホメロスもソルティコでの修行から帰って来たグレイグに完敗、それでも変わらず笑顔で手を差し伸べる姿に何よりも苦しみを覚えていたが、負けじと鍛錬に励み軍略などを磨くなどして懸命にもがいている事を日記に記しており、かなり長い時間グレイグに引け目を感じていた模様。
ちなみに「魔軍司令ホメロス」としての戦闘時の姿は『ドラゴンクエストⅨ』のラスボス・堕天使エルギオスを彷彿とさせる。実際、同じような足技を使う。
クリア後のダンジョンの最奥に「無明の魔神」という強化個体が出現する。凶悪なモンスターを呼び出し、さらに高威力の技でパーティーを潰しにかかってくる強敵。
『ドラゴンクエストⅪS』では過ぎ去りし日を求めた後、主人公の不意打ちに失敗した挙げ句口封じのためウルノーガに殺害された所までは以前と同じだが、ニズゼルファ復活後、この世に未練を残してさまよっており、その後自らの胸の内を明かした後、心の闇そのものの怨霊となって主人公達に襲いかかろうとしたがグレイグが「心に闇を生んでしまった一因は自分にある」と感じ、自分一人でホメロスと戦うことを申し出る。
激闘の末、ホメロスの魂は元の姿に戻りグレイグに「今も友でいてくれるか?」と問いかけ、グレイグはもちろんだと返しグレイグや主人公達と和解。ホメロスはその後、グレイグと二人で主人公に手助けすべく双頭の鷲のよろいとなった。
この鎧はもちろんグレイグ専用の鎧。グレイグが、双頭の鷲の鎧を装備した状態でイシ村復興イベントをこなせば、間接的ではあるが、『イシの村を滅ぼした張本人がイシの村の復興に携わる』という数奇な運命を迎える。
あっけなく死亡してしまいグレイグにも心の内を明かせず出番が終わってしまったオリジナル版の遡行後と比べてかなりフォローされたと言えるだろう。
名前の由来は古代ギリシアの吟遊詩人ホメーロスだろうか。いくら承認欲求が強いとはいえ決して「褒めろす」ではない…筈。
外伝作品での登場
ドラゴンクエストモンスターズシリーズ
- ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドSP
魔物の姿「魔軍司令ホメロス」として他の六軍王より一足早くデビューを果たした。
配合の組み合わせは「リーズレッド」+「フールフール」。どちらも追加要素の「黄金卿」開放後のモンスターの為、『テリーのワンダーランド3D』までのストーリー部分では実質使用出来ない。
スキルは固有の「魔軍司令ホメロス」。
レア技「シルバースパーク」と「黒くかがやく炎」を両立し、便利な「いてつくはどう」を持ち、メタルやアタカンタ持ちに強気に出れる「ばくれつけん」も見逃せない。更に「ドルマガード+」「ベタンガード+」の耐性強化スキルも搭載、技と耐性の両立したお得スキルという事もあってかスキルだけお呼びがかかる事も。
「魔王オルゴ・デミーラ」と配合すると「魔王ウルノーガ」が誕生する。
- ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議な鍵SP
続投。
今作から六軍王勢揃いとなり、配合レシピも「邪竜軍王ガリンガ」×「屍騎軍王ゾルデ」に変更されたので注意。『テリーのワンダーランドSP」のレシピでは生まれなくなった。
今作も「魔王ウルノーガ」の配合素材としては変わらないが、こちらもレシピ変更で「妖魔軍王ブギー」+「覇海軍王ジャコラ」+「鉄鬼軍王キラゴルド」+「魔軍司令ホメロス」の4体配合に変更され、結果六軍王揃い踏みに変更された。
- ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅
続投。これまでのドラゴンクエストモンスターズシリーズでの登場はスマホ専用のSPシリーズのみだった為、初のコンシューマでの登場となる。しかし一方で彼以外の六軍王は全員リストラされてしまった。
なお、主役が魔王であるピサロだった為か『ウルノーガを裏切ってピサロの配下になった』とネタにされる事に。
余談
作中では生い立ちや背景が全くと言っていいほど語られなかった彼だが、後に雑誌に掲載された情報によれば、元々彼は落ちぶれた貴族の出であり、幼い頃その才能を買われてデルカダール王に引き取られたという。
青年期はソルティコで修業をしていたグレイグとは違い、クレイモランに留学し勉学に励んでいたようだ。
相方とは違い身だしなみには気を遣っており、私服は白でまとめているほか、しゃれた薔薇の香水を身に付けることもあるらしい。
またフルーツサンドが好物であることから甘党であると思われるが、コラボカフェには「冷徹!ホメロスのふわふわ白パン」なるメニューがあり、説明文に「あのホメロス将軍もゆるゆるふわふわスマイルになるほどだとか」と書かれていたのもそれを裏付けている。
外道な悪役ながらその屈折した背景からプレイヤーからの人気は高く、公式イベントにおける人気投票では「好きなNPC」部門及び「仲間にしたいキャラ」部門で共に一位を獲得。
やはりというか相当女性に偏っており、この結果に困惑の表情を見せるスタッフも少なからず居た。
人気の影で「嫉妬が原因で悪魔に魂を売り、主人公の故郷を滅ぼし、世界を破滅に追いやった極悪人」としてホメロスを許せない勇者も少なくないのも事実。
雑誌やVジャンプWEBでもディレクターから詳細な設定が語られたり、インタビューが掲載されたり、グッズが発売されたりとパーティメンバーとほぼ同等の扱いを受けている。
関連イラスト
関連タグ
スキルマスター:『ドラゴンクエストⅩ』の登場人物。PlayStation4版『ドラゴンクエストⅪ』のホメロスのモデリングの参考になった。
エルギオス:金髪のイケメン、変身後の姿や戦闘方法、闇落ちし主人公たちの敵となるという点が共通。また第二形態の姿が似ているとよく言われる。
ピサロ:美形の悪役で主人公の村を滅ぼした点や、同情的なバックボーンが共通点。
ハドラー:漫画『ドラゴンクエスト~ダイの大冒険~』に登場するキャラ。「自分以上の実力者に恐怖を抱いている」「新たな主に仕える魔軍司令であり、己の肉体を怪物に改造した(その前に新たな肉体を与えられている)」「最終的に主に見捨てられる」など類似点が多数見られる。ただし改心後は「同僚に強い友情を抱く(だが最終的に同僚から見捨てられる)」「自分の地位を脅かす存在に対していい意味でライバル心を持つようになる」などホメロスにも実現したかもしれない可能性を見せている。
ノヴァ:漫画『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の登場人物。当初は同じく「勇者」の肩書を持つ主人公に強い対抗意識と嫉妬心を抱いていた。こちらは将軍の息子。
アバン先生:漫画『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の登場人物で2020年版の担当声優がホメロスと同じ櫻井孝宏氏。しかしホメロスと比較するとアバン先生は基本的に穏やかな人柄で、人から称えられることはあっても謙遜し、自身の名誉や地位などには全くこだわりを見せない、あとギャグが大好き(ただしネタは寒い)などの違いがある。
ドラゴンクエスト 天空物語:オリジナルキャラクターの「シャクバ」が登場する。「組織において周囲からキレ者扱いされているナンバー2」「周囲から信頼されているナンバー1に対して不平不満を溜め込んでおり、邪悪な存在と結託して裏切る(その一環としてナンバー1を騙して勇者たちにぶつけた)」「しかし最終的に邪悪な存在に見限られ捨て駒にされる」など類似点がある。またシャクバの旧知である「ヤグナー」は魔物に国を滅ぼされ指名手配されている王子を執拗に追いかけていた。
マクギリス・ファリド:性格、中の人、二刀流のほか紫髪の幼馴染と因縁があると共通点が非常に多い。最期もその紫髪の幼馴染に看取られたという部分も類似している。
ココロワヒメ:別作品のキャラクターで上にいる友としての悩みや嫉妬が原因で事件を起こしている共通点がある。こちらもお互い弁明して和解し、力を貸した。
ストレイボウ:同じスクウェア・エニックスのRPG『LIVE A LIVE』に登場。同じ上にいる友しての悩みや嫉妬、影がある共通点。
フェンネル:同じく、仲間に対する嫉妬から闇堕ちしたが、その後改心して罪を償った。なお、見た目はグレイグに似ている。
主な関係者
カップリングタグ