概要
CV:茶風林
通称『よっちゃん』。初登場の時点では、ヒーロー協会を脅かす悪の親玉、全身真っ黒の謎の人物であった。
(冒頭の「するめじゃないよ酢づけだよ」はこの時点での発言)
配下の指レンジャーが全員敗北したことで真の姿を現す。
努力マン曰く「どっちかというとダイの大冒険」な厳めしいデザインで、作者が心配されるくらい描くのが大変。
アニメ版ではより凶悪な人相として描写されている。
なお、後の作品で『カバンストラッシュ!』というネタがあったので三条陸的には許容範囲なのかも知れない。
連載初期のラスボス的存在(アニメ版は連載初期の内容しかやらなかったので正真正銘のラスボス)。
だが本来は、その名の通り正義のヒーローたる人物であった。
過去
元は非力星出身の貧弱な宇宙人で、本名は「世直志(よなおし)」。まだヒーローがおらず宇宙が荒れ果てていた時代、子供の頃に故郷が強盗星人に植民地化され理不尽な搾取を受けていたが、これに逆らったことで家族を皆殺しにされ、その様を仲間からも愚かなことだと白眼視された過去を持つ(その際負った全身の傷を鎧で隠している。傷は癒えることがなく、傷口から彼の深い悲しみを代理するかのように泣き声が漏れ出ている。鎧を脱ぐと悲痛な叫びが聞こえるという不気味な演出がされている)。
そこから、誰よりも強くなり周囲を見返すと決意し、その思いだけで強くなり続けた。やがてその力で強盗星人を殺して復讐を成し遂げる。その後はその力を自分たちを虐げた悪党を倒すために使うようになり、人々から正義のヒーローと呼ばれるようになる。
三本柱マン・超ウルトラ必殺スペシャルマンと共に悪党を退治するのもそれからであるため、本作の世界観にヒーローという概念を誕生させたのは彼であると言える。
こうして宇宙の平和を守り続けていたが、力によって抑圧され、それを力ではね返した生い立ちから、その心は力のみを絶対視する価値観に染まっていた。
そんな時、ヒーロー神が現れ3人の中からヒーロー協会会長を選ぶと告げる。世直しマンは最強である自分が選ばれると思い込んでいたが、選ばれたのは最弱である超ウルトラ必殺スペシャルマンであった。ヒーロー神に抗議するも、必要なのは「力」ではなく「人徳」だと諭される。しかし受け入れることはなく、自らの力による宇宙の統一を宣言する。
しかしヒーロー神にあっさりと敗北。邪心が無くなるまで投獄されることになるが、90万年間便器での筋力トレーニングとゴキブリ相手の模擬戦を積み重ね、更なる強さを手にした世直しマンは、脱獄し、ついにはヒーロー神をも倒した。
活躍
かつて自分を受け入れなかったヒーロー協会を潰し、宇宙統一を成し遂げるため、お手手戦隊指レンジャーを率いて侵攻。指レンジャーが敗れると決着の場を決闘星に移し、ラッキーマン・努力マン・スーパースターマン・勝利マン・友情マン・寝返った親指グンジョーを圧倒する。実はヒーロー神から相手の心を読める「読心マシーン」を奪ったため圧倒的なアドバンテージを得ていた。しかしスーパースターマンの手癖の悪さで抜き取られ、心が読めなくなったところをヒーローたちの同時攻撃で追い詰められる。しかしダメージを受けながらも反撃し、決闘星を砕くことでヒーローたちを吹き飛ばした。
その後、地球へと侵攻を開始。みっちゃんを花嫁に迎え、地球の征服者を宣言する。当然地球人たちからは「ただのエロオヤジじゃねーか」と不平不満が出たが力尽くで黙らせている。更にはラッキーマンたちを捕らえることに成功し勝利の哄笑を上げるが、処刑寸前のところで努力マンが救出に現れる。そして三兄弟が合体した三本柱マンjrと激戦を繰り広げることに。その際に鎧を脱ぎ捨てて素顔を晒し、上記の境遇を語った。
接戦を繰り広げるが世直しマンの流れ弾がみっちゃんを貫いてしまう。これによって怒りが頂点の頂点に達し「激吉」となったラッキーマンと対決することとなり、物凄いラッキーの前に終始劣勢となる。慌ててロケットで逃げるもラッキーマンもロケット内部に乗り込んでおり、しかも不運(というよりラッキーマンのラッキー)からロケットの軌道が太陽に向けられてしまう。ついに敵わないと観念した世直しマンは、自分よりも強いラッキーマンこそ頂点の資格ある者と認め、ラッキーマンを殴り飛ばしてロケットから脱出させ、その命を救って太陽に消えた。
もはや自身を虐げた者と同じ、力を振りかざす独裁者と成り果てていた世直しマンだったが、最後に望んだのはラッキーマンのラッキーパワーが全宇宙の平和のために使われることであり、根底にあったであろう平和を望む心を最後に取り戻したのだった。同時に強盗星人に負わされた傷跡も癒えていった。
その後、実は生きていたヒーロー神に、最期に改心した事を認められて命を救われ、世直しマンSZG(スーパーゼットグレート)として再登場、新たな仲間となる。ヒーロー協会トップクラスの実力者として頼りになる存在であるが、華々しいバトルはほとんどなくなってしまった(せいぜい裏宇宙編でチカラジマンに勝利したぐらい)。
SGZになってからは初心の正義感を取り戻したのだが、
「おのれ さっちゃんめ 人々を虐げて自分だけいい思いをしようと…許せん」
「私は力がすべてと思ってる奴が大嫌いなのだ」
「暴力ですべてを支配しようとする輩に容赦など無用」
など、ギャグとしか思えない台詞をしょっちゅう吐いており、そのたびにスーパースターマンから「お前が言うな」と突っ込まれ、そのたびに空の彼方まで殴り飛ばしている。
外見からは分かりにくいが、会長と同年代であるためヒーローとしてはオヤジ世代。しかも中学生のみっちゃんを妻にしようとしたり、高校生のラマンちゃんがおじさん好きと知ってガッツポーズをするなどロリコン疑惑がある。
能力
格闘
速さも腕力もずば抜けており、銃弾や光速のパンチを目視できる努力マンの目をもってしても、どこに打つか予告したパンチすら躱せないほどの圧倒的スピードを有する。勝利マン・友情マン・努力マンの三兄弟に加え天才マン及び役立たず数名の一斉攻撃すら捌いたほど。
裏宇宙編では表宇宙で一番頑丈なガンジョーダXより頑丈なジャンプノヘンシュウブトビラの87倍の硬さのガモーノカーチャンノサイフノヒモを砕ける握力を持ったチカラジマンを力押しで破った(ちなみにこの時、少し前にジャンプノヘンシュウブトビラの壁を破壊出来ない展開があったため、天才マンが「という事は、ジャンプノヘンシュウブノトビラの壁は世直しマンなら壊せたって事に…あっ、やべっ」とメタ発言をしていた)。
勘ピュー太マンの打つと必ず会長に当たる魔球に対しては、そのパワーが仇となって三振になるしかなかった。
しかし劇中には世直しマンより強敵が何人も登場しており、会長のヒーローパワーを受けていたにもかかわらず越谷太郎には一撃で敗北し、バックコスモス・サミット16世の不意打ちには為す術もなかった。
しかしながらその頑丈さから救世主マンに取り付けられた爆弾兜を外しても爆発に堪えられるため、救世主マンを助けるという重大な役割を担った。
読心マシーン
ヒーロー神から盗んだアイテム。読んで字の如く相手の思考を読む。
ヒーロー達の一斉突撃のどさくさでスーパースターマンにすられてしまい、以降は使えなくなった。
こっちからあっち
瞬間移動技。両手を左右に振り「こっちからー、あっちーっ!」と叫ぶ事で数光年の距離を一瞬で移動する。当初こそワープ技みたいな扱いだったが、実は超高速で移動しているだけで壁などを越えられるわけではない。
よなおし波
最強技。片手で指を4本、次に両手で指を7本立ててから両手を前へ出して放つ超エネルギー波。全力で放てば惑星破壊も可能で、威力はそのままに破壊範囲を絞って貫通光線にすることもできる。
巨大化
アニメでの技。ラストバトルにおける最終形態。
「世直しジャイアント」の掛け声によって巨大化する。気合だけで竜巻を起こしてヒーローたちの光線を押し返したり、ヒーローパワーで何倍にも強化された光線にも耐え抜いて反撃するというパワフルな戦い方を披露した。
アニメ版での設定
指レンジャー戦直後までのアニメ化だったため過去の設定は描かれず、ヒーロー協会の選挙で負けた事を逆恨みし悪の道に進んだ…というよくある設定にされてしまった。
最終回では巨大化してヒーロー達と戦うも押し切られ、最後はよなおし波でヒーロー達を吹き飛ばし「今回の勝負は君たちが勝った。しかし私は宇宙征服の野望を捨てたわけではない。今度会う時は必ずお前たちを叩きのめす。楽しみに待っていろ!」と哄笑を上げながら逃走している。このため決着はつかずじまいとなった。
関連タグ
とっても!ラッキーマン 会長(ラッキーマン) 天才マン パシリ1号
竜騎将バラン:同じく1991年アニメ版では未完のまま終わったため、決着のつかないラスボスとなった。