ポップ(ダイの大冒険)
ぽっぷ
『最後の最後まで・・・絶望するわけには、いかねぇんだぁぁぁっ!!』
年齢 | 15歳 |
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出身 | ランカークス村 |
職業 | 魔法使い→大魔道士 |
一人称 | おれ/ボク(一部ギャグシーン) |
好きな女性のタイプ | 美人でグラマーで、金持ちでおれの言う事ならなんでも聞いてくれる娘(※) |
CV | 難波圭一(1991年版)、豊永利行(2020年版) |
※ネイル村近くの魔の森でのダイとの会話より。しかし後述のマァムに好意を寄せるようになってからは好きなタイプは(マァムに)変わっていると思われる。
アバンの使徒のひとりである青年で、5歳の頃から愛用しているハチマキ状のバンダナがトレードマーク。
主人公であるダイとはメンバー中で最も付き合いが長い一人。
名前の由来は「pop("popular"、通俗、大衆)」から。原作者曰く「一般人の代表って感じかな」「実力や才能はあるのに精神的には脆い」とのこと。
ランカークス村にある武器屋の息子。家族構成は、頑固な武器職人の父ジャンクと優しい母スティーヌのふたり。
たまたま村を訪れたアバンに憧れ、家出同然に弟子入りした経歴を持つ。そのため両親はアバンを大変怨んでいたが、後に再会した息子が勇敢な男へ成長したことで、逆に感謝していた。
本編開始の時点で親と死別していることも珍しくないアバンの使徒の中では唯一の最後まで両親が健在のキャラクターとなっている。
臆病で狡賢く普段は気弱であるが、情に厚い性格で他人を差別する価値観はない。実際にラーハルトの過去を聞いて涙を流し、(いくら邪心から解き放たれた上にアバンの同行があるとは言え)魔物だらけのデルムリン島に即日で慣れ、数日も経てば自然体で過ごしていた。また、人間ではなく竜の騎士と判明して皆から嫌われるんじゃないかと危惧していたダイに対しても、「たとえお前が化け物でも構わない」と涙を流して訴えた。その姿を見てからメルルはポップを気にするようになっている。
父のジャンクも魔族を友人にもっている事から、この気質はおそらく父親譲りと思われる。
師の呼び方に対してはオンリーワンにしたい拘りがあるようで、自分にとって『先生』はアバンだけと言い、マトリフは『師匠』と呼ぶようにしている。
当初は自分よりも強い相手に立ち向かえず、罪悪感を抱きながらも仲間を置き去りにして、逃げ出すこともあったが、2度目のクロコダイン戦でマァムの叱責とまぞっほの
「さあ、往くがいい・・・まだ間に合うかもしれん。胸に【勇気の欠片】が一粒でも残っているうちに………(ワシらのような)小悪党にゃなりたくなかろう?」ポップとまぞっほby八朔/COMMS OPEN
というきっかけと助言により、一欠片の勇気を振り絞ってロモス城へ向かう。『もうおれは、逃げたりはしない!今までのおれとは違うんだ・・・【一欠片の勇気】くらい・・・おれにだってあるぞ!』と自らを鼓舞しブラスとダイの窮地を救う。普段は自らを臆病で勇気がないと認めているからこそ、この時は勇気を振り絞ることが出来たとも言える。
それ以降は天性の明るさと暖かい人情味でダイ一行を支えるムードメーカーとなり、ダイにとっては掛け替えがない盟友となっていく。
ミストバーン戦で消滅したと思われた時は仲間たちの戦意が喪失してしまい、彼らの姿を見たミストバーンには『あの男が、いかにお前たちの中で大きなウェイトを占めていたかよく分かる…』と評されるほどである。
アバンの嘗ての同志であるマトリフに師事し、ベタンやメドローアなど強力な高位呪文を見につけ、名実共に人間界最強の魔法使いにまで成長した。
何度決定打を浴びせても立ち上がる様を見たシグマの「君は本当に人間か?」という問いに「貧弱で弱っちい人間」と返した際も「そう言う事を言う奴が一番危険」と評され、キルバーンには「アバンの使徒で成長速度はダイ以上」「ああいう弱かった奴が成長してきた様なのが一番面倒」とまで言わしめた。
なんならキルバーンは「ダイなんか放っておいてもいいからまずポップを殺すべきだ」というようなことを進言し続けていた。
そしてそんな進言を聞き入れずポップを最後まで軽視し続けたことが大魔王バーンの最大の敗因と言っても過言ではない(最終決戦の時点でポップが居なければ奥義の秘密を看破ないし破られる可能性は低く、更にポップは幾度となく戦意喪失したダイを立ち直らせてきたため、進言を受け入れてポップを早めに始末していればバーンの勝利はほぼ盤石だった)。
また、最後のピラァ・オブ・バーンを落とし、ダイが屈した後も藻掻こうとする姿に、バーンはポップを痛めつけはしても、瞳にしたりとどめを刺さずに自分の理か屈服の要求を投げつけており、バーンが初めて『力こそ正義』と言う自分の土俵から降りて挑んでいた。
何だかんだで熱血で中盤では熱くなって苦境に追い込まれるときもあったが、終盤では魔法使いにふさわしい冷静さで対処し、バーンの奥義の秘密をも看破した。
初登場時から対戦相手に挑発することが多く、それによって相手を自分の土俵に入れて倒す戦法を得意としている、故にポップを雑兵と侮る者ほどその戦法に嵌りいいようにやられてしまうが、ポップの実力を見抜いていたり、「そういうタイプ」である事を看破している者は挑発にのってくれないため苦手としている。
出自や経歴は普通そのもので、ある意味読者の代弁者と言うべき『一般人』であり、当時の少年漫画では一般的なキャラクター造形ではなかったことや、その情けないヘタレぶりゆえに序盤では人気がなく、担当編集から「ポップを殺しましょうよ」と身も蓋もない進言まで飛び出す始末で、作者が「絶対に必要なキャラクターだから」と跳ね除け続けたとか。
また、そのヘタレな過去から自己評価が途轍もなく低く、物語終盤自分だけアバンのしるしが光らなかった際、誰にも相談できず抱え込んでしまい、土壇場で失敗してしまう事もあった(ちなみに仲間からの評価は高く、前述の「しるしが光らない」事態もダイとヒュンケルは不思議そうな顔をしており、ファンからは「ポップがアバンの使徒にふさわしくない」や「ポップの力量不足」より「しるしが壊れた」方を真っ先に疑っている表情と評されている。実際、どこかのタイミングで壊れていたとしても不思議でない激戦を潜り抜けていた訳だが…)
人間らしい弱さを抱え、それを乗り越えて戦い続けたその姿は「劇中で最も成長したキャラクター」と言われる。
ダイの最初の仲間でもあり「選ばれしヒーローを最後の舞台にまで送り出す」という一番の相棒としての役割を200%と言っても良いレベルで完璧以上に体現し、連載が終了してから二十年以上経った今もなお語り継がれている伝説的なキャラクター。
ちなみに、他人の色恋沙汰には鋭いくせに、自分に向けられるメルルの好意には全く鈍感。スケベでもあり初対面でマァムの胸を不可抗力で揉む、フローラたちの着替えを覗くなどサービスシーンには欠かせないセクハラ要員でもある。
マリンのスカートを脱がせて顔面に張り手を打ち込まれたこともあった(2020年版では、コンプライアンスに配慮して視聴者に対しては直接描写はないもののスカートを完全に脱がしてしまい、パンツどころか下半身丸出しにしてしまったと思われる描写になった)。
そんな俗っぽすぎるところも含めて読者の代表と言えるのかもしれない。
囲みに運のよさが256と限界突破しているのも特徴(プレイヤーは255までが限界)で、2020年版アニメではレオナに奢ってもらったスラまんの中に『ちいさなメダル』が入っており、デパートの店員さんに『おめでとうございます!ちいさなメダルGET‼️』とお祝いされていた。(ダイとポップはちいさなメダルの価値を分かっていなかったが)
アバン、マトリフ、ダイらを筆頭に、良き師、良き仲間と出会えたことによりポップは作中通して大きく成長するが、人との出会いに恵まれたことも、この運のよさに由来するのかもしれない。
作中ではメラゾーマを筆頭にメラ系呪文を得意としている。本人はヒャド系呪文を得意だとアピールしているが、メラ系呪文に比べて詰めが甘い部分が見られた。またマトリフとの修行により殆どの呪文は契約自体はできている(本人の実力が追いつけばいつでも使える)とのこと。
原作者によれば「本来は体質的に契約できない呪文がある」と語られており、ほとんどの呪文を契約できたポップの才能が図抜けたものであることが窺える(師のアバンが家出してきた田舎の少年でしかなかったはずのポップの弟子入りを認めたのも、その潜在的な才を見抜いた故であるのを示唆するともとれる描写が1991年に公開された劇場版ではマジカルブースターに関しての過去エピソードなどにて僅かにだが存在する)。
火炎(メラ)系呪文。火球を放つ攻撃呪文。中でもメラゾーマは、巨大な火球を相手にぶつける最強の火炎呪文。デルムリン島でガーゴイルを撃退する時に、これを最初に使った。本人は火炎系が得意らしくメラゾーマなら20発程度は軽いらしい。使用頻度は高いものの、クロコダインには真空の斧で対処され、ボラホーンにはブレスで相殺され(押し負けた訳ではない)、老バーン戦ではメラにすら完全に押し負けてしまうなど活躍の機会は少なかった(そもそも呪文自体が通じない敵も多かった)。終盤ではクロコダインを真似て地中を焼き崩して掘り進み、処刑場に忍び込むという補助的な活躍をしている。
氷(ヒャド)系呪文。冷気を放つ攻撃呪文。序盤で内側まで凍り切っていないが大波を凍らせる威力がある。マァムはこの呪文を魔弾銃で撃ち出し、クロコダインの腕を真空の斧ごと凍らせて封じた。
終盤では魔界最強の炎を召喚するダイヤの9をこれで防いだ。(プロフィールだと終盤ではヒャダインも使用可能)
閃熱呪文。杖や掌から熱線を射出する攻撃呪文。マトリフとギラの打ち合いをした時は先に息切れして劣勢だったが、ザムザ戦では破壊力を収束させることで身体を砕くなどの活躍を見せた。マトリフに鍛えられたこともあり、ベギラマの威力は魔軍司令の頃のハドラーより上(しかもこの時のハドラーは、アバンに勝った時よりも強くなっていた)。収束率を高めれば花びらにピンホールを空ける芸当も可能(下手な使い方では花びらごと焼き飛ばしてしまう)。
爆裂呪文。炸裂する光球を放つ攻撃呪文。イオに関しては相手に直接叩き込むように触れて使用したことがある。イオラは距離を取るながらの牽制目的で使うことが多かった。最終決戦時はバーンから「仮にイオラの威力がイオナズン級だったとしても自分には通じない」と述べており、魔力に関してなかなかの評価を受けている。
天候系呪文。昼夜逆転呪文の下位呪文で雨雲を呼び出す呪文。序盤でまだ満足に電撃呪文(ライデイン)を発動できないダイの補助のために契約した。
瞬間移動呪文。魔法力を一気に放出し目的地まで瞬時に跳躍する。目的地をイメージするのがコツで、自身が行ったことがある場所なら一瞬で何処へでも行ける。
※術者の印象に残っているものが強ければ、そちらが優先されてしまい目的地から離れた場所に到着してしまうこともある。(観光地等で印象的な物があればそこに行けるが、別件でトラブルに巻き込まれた印象が強いとその当時の現場に飛んでしまったりする)
飛翔呪文。魔法力を放出することで空中を移動することができる魔法。『ルーラが出来れば、応用でこれくらい!』と極短期間で習得・発動させた事にマトリフから、『いつの間に覚えた!?』と驚かせている。
回復呪文。大破邪呪文攻防戦にて大魔道士に覚醒した際に習得。自分を庇って瀕死の重傷を負ったメルルの回復と解毒をした際にはザオリク級に匹敵する回復量を発揮させ一命を取り留めさせた。
マトリフ直伝の重圧呪文。局所的に大重力場を発生させ敵を圧し潰す攻撃呪文。ドラゴン数匹を一発でしとめる威力がある。魔法力の消費が激しく5、6発が限界との事。初使用時は、飛翔呪文と併用していたため一回発動させたら魔力が尽きてしまった。
オフィシャルファンブックによれば「重力を重くする呪文」「アバンストラッシュBなら止められるが、アバンストラッシュAや呪文など完全に止められないので負ける」とのこと。
僅かな魔法力と術者の生命エネルギーを爆発力に変換する攻撃呪文。竜魔人と化したバランに一矢報いるために使用し命を失ったがその後バランの竜の騎士の血の力で蘇生する。
クロコダイン戦で使用した破邪呪文で、ブラスの邪気を取り払い逆転の布石を作り出した。この時はマジカルブースターの魔法石を砕き、それを媒体にして発動させたが、この時点でのポップが扱えるレベルの呪文ではなく、全魔力を消耗して立ち上がることすらできなくなった。なお、単行本21巻の巻末Q&Aで何時行ったのかは不明だが契約自体は済ませていることが判明している。劇中では最後まで使用可能にはならなかったが、今後のレベルアップ次第では正式に使えるようになってもおかしくはない。
フレイザードが使用した五指爆炎弾を真似たもの。劇中ではザムザ戦と鬼岩城戦で計2回使用。本来は指先から最大5発のメラゾーマを同時に撃ち出す呪文だが、ザムザ戦では全魔法力を注いでも3発が限界でその後はまともに動けなくなるほど身体に負担がかかった。
鬼岩城戦では5発撃ち出してその後も魔法力は切れずに戦闘を継続しているが、今度は胸を抑えて苦しむほど大きな負担がかかっていた。
ポップはこの魔法をフレイザードが使っていた場面を実際に見たわけではなく、後に話を聞いただけで再現した事をマトリフに告げている。
性質的には禁呪法にかなり近く、並の人間が使うと寿命が縮まるほどの負荷が掛かるらしい。この話を聞いたポップは青い顔になってしまったが、上述通り鬼岩城戦では「強力な呪文が必要なのは今!」として使用に踏み切っている。
禁呪法で生み出されたハドラーのオリハルコン戦士(ポーンのヒム)がザボエラの数十のメラゾーマを束ねたマホプラウスを無効化しているのを目撃してからはメラゾーマの火力強化による限界を感じて他の強力な呪文の習得を決意する事になった。
マトリフ直伝の極大消滅呪文。メラ系とヒャド系の呪文を合一・スパークさせ、全てを消滅させるエネルギーからなる光の矢を打ち出す最強の攻撃呪文。
初登場時は山を穿ち抜くその威力から、ジャンプでの必殺技投票で一位にも選ばれた。弱点は燃費が極端に悪い上に威力が高すぎて、反射呪文(マホカンタ)などで反射されるともう一発撃ち込んで相殺するなどの対応を取らないとこちらが全滅する危険がある。
このほかマトリフによって回復呪文なども含めたほとんどの呪文を契約させられており、終盤ではそれらを一気に使いこなすほどの潜在能力を解放させ大幅なパワーアップを果たした。
- 運動神経(みかわし)
アバンの弟子になって1年過ごしただけの事はあり、基礎体力訓練による運動神経は身についている。
敵の攻撃をかわしたり、剣をダイに投げて渡したり、ダイをブラッディースクライドから救ったり、ルーラで移動しながらミストバーンを蹴って体制を崩す等以外に身軽であるが、勇者アバンと獄炎の魔王で父親譲りの運動神経である事が判明した。
- 毒耐性・眠り耐性
バランの竜の騎士の血による蘇生を果たした事により得た耐性。ザボエラの眠りの魔香気を無効化し、ザボエラの猛毒による即死攻撃を受けても死を免れた。
『おれの仲間を傷つける奴は・・・絶対に、許さねぇぞ!!!』
ロモス城のクロコダイン戦では、マジカルブースターの魔法石をわざと砕いて魔法陣を形成し大呪文『破邪呪文(マホカトール)』を発動させブラスを助けてダイを勝利に導いた。
竜騎衆戦では、記憶を奪われたダイを守るため、仲間に引き留められないようわざと戦意喪失して逃げ出す振りをして単身足止めに向かう。
『みんな、すまねぇ!どうせ、【おれ一人で行く】なんて言っても止められるだろうし・・・・皆には、どうしてもダイを守ってもらわなきゃならねぇんだ!(中略)たとえ勝てなくっても、一人でも二人でもいいから人数減らしをしてやるさ!』
『待ちな! ここから先は、行かせないぜ!』
不意打ちでべタンを発動しバラン達を攻撃するが、足となっていた三体のドラゴンたちを倒すもバランや竜騎衆は無傷。なす術もなく竜騎衆にいたぶられるも、ガルダンディの相棒のスカイドラゴンに腕をわざと噛ませ、口内でベギラマを発動させて頭部を吹き飛ばし撃破する。
その後、相棒を殺され逆上したガルダンディに嬲り殺しにされかけるが思わぬ人物の力添えにより、窮地から脱出・残った魔力を集中させて放ったイオの至近距離発射によりガルダンディも撃破した。ポップが固有キャラクターを初めてほぼ単独で倒した瞬間である。
ここでポップがバランと竜騎衆を分断させていなければテラン城で全戦力を迎え撃たなければならなかった。クロコダインがいてもポップの時のように竜騎衆の相手をしている間にバランに先を行かれ、ダイを奪われていた可能性が高い。
竜騎衆を撃破した後、竜魔人へと変貌を遂げたバランに対し、
『・・・渡さねぇ!親だろうとなんだろうと・・・おれたちのダイを渡してたまるか!そうさ、ダイがいなけりゃレオナ姫は死んでいた!ダイと戦わなければクロコダインもヒュンケルも、悪党のままだった!そして・・・そしておれは、ダイに出会えていなかったら、いつも逃げ回って!強いやつにペコペコして、口先ばっかでなんにもできねぇ最低最悪な人間になっていたに違いねえんだ!』
『ダイに出会えておれたちの運命は変わった、ダイのおかげでおれたちはここまで頑張ってこれた!ダイはおれたちの【心の支え】なんだ!そのダイが人間の敵になっちまうなんて・・・・おれたちの目の前から消えちまうなんて・・・・死んでも我慢ならねぇ!!』
とダイを始めとした仲間達にとって、かけがえのない存在である事を言い放つ。
だが自身は、竜騎衆との戦闘で魔法力もほとんど消耗してしまい武器もない、逃げることもできない状況になるが攻撃手段を考える…
『先生・・・先生なら、こういう時どうしますか? 先生なら・・・!』
たった一つだけの攻撃手段を思いつく、だがそれを仕掛けた先のことを考えるが、不安そうなダイの表情を見て
『ダイ・・・心配するな、すぐに終わらせてやるからよ』
と自分の大事なトレードマークをダイに託して最後の攻撃を仕掛ける決断を下した。
『ダイ・・・おれが死ぬところを見ても、まだとぼけた面してやがったら・・・恨むぜ・・・』
『あばよダイ・・・お前と色々あったけど、楽しかったぜ・・・でも、どうやら、おれの冒険は・・・ここまでだぜ・・・!!』
その後の魂の世界では、『おれは役目を果たしたんだ、もういいんだよ・・・』と静かに退場しようとしていたが、突如現れたゴメから『弱虫な卑怯者』と呼ばれ更に『ダイを見捨てる最低な男』と言われ逆上、『おれは、ダイを・・・見捨てたりなんかしねぇぞぉぉっ!!!』思わず振り上げた拳が生命活動を停止したはずの自身の体を動かし、竜魔人バランにベギラマを食らわせた。死体が魔法を撃った事にバランが驚愕したことで隙が生まれ、ダイは勝機を掴んだのだった。
※なお、原作ではこの間も冥府への歩みは止めることができなかったが、2020年版ではゴメに「弱虫」と言われた途端に立ち止まって反論しており、ポップの意思の強さが表現されていた。
その後、バランの手によって竜の騎士の血を与えられ、その意志の強さから復活・再びダイ一行と冒険の旅に向かうのであった。
復活した際に、落ちる花びらに、閃熱呪文(ギラ)を放ち小さな穴を空けるという技を披露した。本人曰く『復活した後、な~んか調子がよくなってよ!』とのこと。
※竜魔人の血を受けた事で多少力が増したと言うのもあるだろうが、この時のこれダイ達を無理させないための痩せ我慢も含まれており、小屋の外に出た途端に木に寄りかかって息を荒くしていた。
その後はマァムに化けたザボエラに騙されて全滅しそうになったが、マトリフが駆けつけた事で事なきを得る(ただし、疲労していたとはいえ、竜の騎士の血を飲んだことによりヒュンケルやクロコダインですら術中に嵌った魔香気に耐性があった)。
更にロモスの武術大会にて、武闘家になったマァムと再会するが、上述でザボエラに騙された事もあり胸を突いて確認(2020年版では至近距離から目を見つめる描写に変更)、マァムにビンタされたことでマァムが本物であると確信している。
ザムザとの戦闘ではエネルギーを絞り込んだギラを同時に発射し、追い撃ちでメラゾーマを撃ちこむというラッシュを仕掛けられるほどに成長していた。
パプニカを鬼岩城が襲撃してきた際には、マァムとチウを連れて迎撃に向かう。飛翔呪文(トベルーラ)を発動した状態で、爆裂呪文(イオラ)を放てるだけの魔法力に達していた。本人は鬼岩城に風穴を開けるつもりでイオラを放ったが、ちょっと削れただけだったので決まりが悪くなってしまった。
その後、撤退するキルバーンとミストバーンを追って死の大地へ到着するのだが、キルバーンの罠にかかってしまい抹殺されかける。しかしクロコダインの救援によって事なきを得る。
※なお、2020年版ではキルバーンに鬼岩城戦であまり活躍できなかったことを挑発されて死の大地まで追いかけた事になっており、ポップが1人で突っ走った事への説得力を持たせた。
その後、超魔生物となって参戦してきたハドラーの手から逃れダイを連れて撤退しようとするも失敗。ダイを置いて逃げている途中でクロコダインの助力もあって無事に仲間達に事を報告。マリンに頼み込んで魔法力を回復させる聖水をもらい(この時に勢い余ってスカートを脱がせてしまいビンタされた)、クロコダイン、チウと共にダイ捜索に赴いた。
同じくダイを捜索して手柄をあげようとしていたザボエラとの戦闘となるも、そこに介入してきたオリハルコンでできたハドラー親衛騎団の強さを目の当たりにする。さらなる強さを所望し、マトリフから苦難の末にメドローアを伝授される。新たな呪文を武器に港町サババを襲撃してきたハドラー親衛騎団と激闘を繰り広げ、特に親衛騎団の一員で呪文をはね返すアイテムを持つシグマからは宿敵と見なされるようになった。
死の大地で魔王軍に決戦を挑むもバーンとの初戦に惨敗。あわやパーティ全滅というところで、バーンに捨て駒にされたハドラーによって助けられ、更にはマァムが海を泳ぎ切ってポップを連れ帰ったため無事生還する。
その後、最終決戦に向けての大破邪呪文(ミナカトール)発動のために、アバンのしるしを輝かせるために奮起するが上手くいかない。書物に記載されていた【正義】、【勇気】、【闘志】、【慈愛】はわかっているが、最後の一つだけが破けていたため不明であった。そのため、『ダイは【勇気】だ、勇者だからよぉ・・・・間違いねぇぜ』と自分は破けている最後の項目に当てはまる者だと考えていた。
書物に記されていない何かを探るため他のみんなと違う部分を自問自答しながら探っていくが、その中でアバンの使徒の中で自分だけが特別な出自でもなく、優れた能力があるわけでもないことを自覚してしまった事から『おれだけが・・・おれだけが、みんなと違う・・・!!』と落胆してしまう。
そして、「今まで通りぶっつけ本番ならなんとかなるかもしれない」と大破邪呪文発動に挑むのだが・・・しるしは輝かなかった。
その事で余計な焦りが生じてしまい、結果「自分がまた逃げ出せばお前達だって(5人目がいない以上)ここに留まったりしないだろ」としるしを乱暴に外してマァムやダイ達の下を離れた一瞬に、ザボエラが放った猛毒を仕込んだ「毒牙の鎖」による攻撃を受けるもメルルが庇う。自身を庇って瀕死の重傷を負ったメルルを助けるために奮闘。メルルの「正直に好きな人への想いを言ってほしい」という頼みを聞き届け、マァムに対する想いを告白する。
その時に、しるしが輝いた。自身が司るものは、残された最後の魂の力ではなく別の魂の力であった。これで大破邪呪文の発動に成功した一行は大魔宮に突入する。
大魔宮に突入した一行にハドラーと親衛騎団が最後の戦いを挑む。ポップはシグマとの決闘に応じる。通じる呪文が限られる上にそれを跳ね返せるシグマとの戦いは劣勢を極め、接近戦でも完全に上を行かれ圧倒される。幾度となく打ちのめされるポップだが決してあきらめることなく立ち上がり続ける。
『・・・キミは本当に人間なのか?ゾンビか何かでないとその不死身・・・説明がつかぬ・・・』
『よしてくれよ・・・おれはれっきとした人間だぜ・・・臆病で弱っちぃ・・・タダの人間さ・・・!』と返答するも
「そう言う奴が一番危険である」「自分は決して手を抜かない」と苛烈な攻撃を仕掛けられる。
一瞬の隙をついて片腕を封じるも、封じた腕は取り外しが可能であった事で拘束から抜け出され、外した腕の砲身から放つ技であるライトニングバスターの直撃を食らい、胴体の骨を砕かれてしまうが
『・・・!!?バカなっ、何故生きてるっ!?』
ひそかに回復呪文(ベホマ)を使っていたことを知られ、『キミは、賢者なのか?』と質問される。
『違うね・・・・おれを呼ぶなら・・・・【大魔道士】とでも呼んでくれっ!』と自身を賢者ではなく大魔道士と名乗った。 それは師マトリフが語った称号とまったく同じものであった。
シグマの隙を突いてメドローアを仕掛けるも、不運から破られシャハルの鏡で跳ね返されポップ自身が消滅してしまう…かにみえた
『・・・化かし合いは・・・おれの勝ちだっ!』
跳ね返ってきたものはメドローアに似せて作った閃熱呪文(ベギラマ)で、一度油断させてから本命のメドローアをシグマに撃ち込み見事勝利する。
真の姿を現したバーンとの最後の戦いが始まる。真・大魔王バーンとの戦闘時、彼の最強のバトルスタイルの前に次々と仲間が戦線離脱していく中で、大魔王最大の技の弱点を看破。しかしバーンは奥義に頼らずともダイたちを圧倒できる実力を持っていた。勝機を掴むにはバーンにわざと受け身に回らせる=奥義を破るしかないと考えたポップは、弱点を大魔王に明かした上で彼のプライドを揺さぶる形で『勝ちたかったら、普通に攻めてくる事をおすすめするぜ?大魔王さんよぉ・・・!』と挑発。ポップの思惑通りに「天地魔闘の構え」を取らせるが、もう戦える仲間はダイとポップの二人のみ。絶望的な状況でポップは『【大魔王を倒すのは、勇者】って相場は決まっているんだ!奥義の喰らい役は、おれがやるぜ!』と自ら奥義の喰らい役を名乗り出て、大魔王に立ち向かう。ブラックロッドは砕かれ、渾身のイオラも跳ね返される。そしてトドメのカイザーフェニックスがポップを襲うが、これこそがポップの狙いであり、旅人の服の下に身に着けていた「あるモノ」を用いて反撃に成功。勝利を疑っていなかったバーンは跳ね返されたカイザーフェニックスとイオラをまともに喰らい、その間隙を突いたダイのアバンストラッシュXによって片腕を失い、奥義を封じられた。
その様は、かつてハドラーのイオナズンを封じるために片腕を斬り落としたアバンとロカの姿を彷彿させる。
しかしバーンにはまだ切り札があった。ピラァ・オブ・バーンに搭載した黒の核晶を同時に爆発させ、地上を吹き飛ばすという策である。しかも最後のピラァ・オブ・バーンが投下され、バーンパレスの真下にいた仲間たちは消滅してしまったかに見えた。ダイが守るべき地上の人々を救うことがもはやできないと絶望しかけた時、生きていたメルル達からの交信を受けたポップはまだ希望があることを語り、あくまであがこうとする。諦めが悪い、とバーンに床に叩きつけられるも、ポップは幼い頃に母から聞かされた話をする。
それは、ふと死について考え恐怖心から泣き出してしまった時の想い出。母は息子を優しく抱きしめ、命には限りがある、だからこそ一生懸命生きるということを教えてくれた。
「一瞬・・・!!だけど閃光のように!!まぶしく燃えて生き抜いてやるっ!!それがおれたち人間の生き方だっ!!」
「よっく目に刻んでおけよっ!!このバッカヤローーーーーーーーッ!!」
と、大魔王に啖呵を切りダイを再び立ち上がらせた。
どう考えても無駄でしかない抵抗を続けるポップ達に苛立ち混じりに「何故こんな無駄な挑戦を続ける、今更争って何になる」と吐き捨てるも、
「お前を倒せば結界が消える、結界が消えたら柱を凍らしに行く、順番通りじゃねえか…何がおかしい?」
という「絶対に間に合う訳がない」上に「大魔王たる自分を障害その一に格下げしてくる」という意味不明な返答を返され半狂乱になり大魔王のメラゾーマを放つが魔法力を集中させた指先(この時点のポップは、天地魔闘の構えに挑んで魔法力の残りは微々たるもの)で引き裂くという離れ業でバーンを呆然とさせた。
竜騎衆との戦いでは自慢の火炎(メラ)系呪文を息だけで掻き消され、大魔王の火炎呪文(メラ)を初戦で打ち破れなかった「普通の人間」が【大魔王のメラゾーマを掻き消す】という芸当ができるまでに成長を遂げたのだ。
幾度となく死の淵から蘇った真の意味での『不死鳥』の人間族の少年に、所詮炎が形作っただけの紛い物の『不死鳥』が勝てる筈がなかったのである。
自身は『あらぁ・・?なんか、おれツボ掴んじゃったみたい・・・やっぱ天才・・・だったりしてね、おれ・・・!』とおどけるが、ダイから『おまえは、昔から天才だよ!』と肯定された。だが流石に大量の魔法力を使っただけあって無傷では済まなかったようでフラついているのはご愛嬌と言ったところか。
この後、ポップたちはバーンパレスの最下部に落とされダイと離れ離れになってしまう。ヒムの捨て身のグランドクルスで壁を破壊し、ポップのルーラによって間一髪のところで脱出に成功した。
チウはヒムが死亡したと考えていたが、ポップがしっかりと連れて脱出していた。ダイヤの9からハドラーを連れて抜け出せなかったポップだが、今度は彼の忘れ形見を助け出したのだった。
武器
初期装備。アバンから授かった魔法の杖。持ち主の魔法力を向上させ、より強い呪文を使うことができる。ロモスでの戦いで破損してしまったが、魔宝石を砕いて破邪呪文を発動させた。
- マジカルステッキ(魔法のステッキ)
ロモス城を救った礼の一つとして頂いた金属製の魔道士の杖。魔法石が埋め込まれていて、所有者の魔力が増幅される。金属製である為、打撃攻撃も可能でがいこつの頭部を破壊したこともある(ただし相手はアンデッドモンスターなのですぐに復活)。電撃呪文(ライデイン)を命中させるための訓練の的として活躍したり、地底魔城でのヒュンケル戦、バルジ島では氷炎魔団戦で活躍した。
オフィシャルファンブックでは魔法のステッキ名義。
- パプニカの杖(羽ばたきの杖)
カール王国に到着した際にパプニカ王家から渡された杖。輝きの杖を死の大地に落としていて武器が無かったため代用。初戦のフェンブレン戦で切られてしまったが、その戦いの最中にノヴァがその杖に闘気を込めて投げつけハドラー親衛騎団への反撃を行った。本編中では名前が無かったがクロスブレイドで「羽ばたきの杖」と名付けられ、後のオフィシャルファンブックで正式名称となった。
- 輝きの杖
マトリフから貰った杖。彼がアバンと旅をする時に装備していたもので、魔力を込めることで携帯時から戦闘時へ長さを切り替えることができる。ブラックロッドに切り替えてもサブウェポンとして活躍する。
ロン・ベルクから授かった魔法の杖。原理は光魔の杖と一緒だが、あちらのように無尽蔵に魔力を吸収することは無く、僅かな魔力でもオリハルコン製ボディを吹っ飛ばせるくらいの破壊力を得られる。また持ち主の意志により伸縮したり二股の槍に変化したり、光魔の杖と同じように光刃を発生させることもできる。主にシグマ戦で活躍。最終的に天地魔闘の構えによるカラミティエンドで折られてしまい、その役目を終えた。使用期間は後述のパプニカの法衣と同じく短い(作中での使用時間は1日未満で、恐らく数時間程の羽ばたきの杖に次ぐ短さ)。
防具
旅人のために丈夫な布で製作された服。ロモス城を救った礼の一つとして頂いた衣服で、修繕されつつ物語の最後まで第一線で活躍する。ドラゴンクエスト系列の作品に登場する「旅人の服」の中で、文句なしに最強候補。
- 魔道士のマント
マトリフから貰ったマント。彼がアバンと旅をする時に装備していたもの。竜魔人バランとの戦闘で、特攻の際に囮に使用されて破損・消失した。なお、「勇者アバンと獄炎の魔王」ではマトリフが初登場時に装備していたマントがこれと同じデザインであるが、アバン一行に正式に加入した後は「ギュータの法衣」というダイ大本編での服装に着替えてしまっているため、厳密に言えば実はアバンと旅をしていた時には装備していなかったことが判明した。
- へんなベルト
マトリフから貰ったベルト。マトリフの顔が付いたダサいバックルが特徴でポップはバックルを外そうとするも全く外れなかった。思わずポップは、『呪われてるんじゃねぇのか、このアイテム・・・』と嘆いていた。(実際2020年版アニメでは、呪われていることが判明。また、バックルだけでも500Gほどの値打ちがあることも判明した)
一品ものであり、劇中で多くの装備が損壊した中で最後まで生き残ったアイテム。「勇者アバンと獄炎の魔王」はマトリフが初登場した時の服装で装備しているのが確認できる。
- パプニカの法衣
カール王国に到着した際にパプニカ王家から渡された防具。旅人の服の上からオーバージャケット風に装備。薄手ながらダイの服と同等の防御力があるという。メドローア作成時に右腕が燃えず有難がっていたが、バーンの「メラゾーマ」を受けた際に焼失。ポップの着ていた旅人の服を護って退場した。
アバンから授かった卒業の証。まだ卒業試験を受ける前に受け取ったこともあり、ポップは自分を中途半端なままだと思い込んでいた。
- 布の服
一般的に普及している衣服。動きやすいように袖が短くなっている。
反射呪文(マホカンタ)の能力を持つ伝説の武具。本来は盾として使用するが、ポップには重すぎて盾として装備出来なかった為、胸当てとして旅人の服の下に装備することとなった。
道具
- 薬草
魔の森でクロコダインとの戦いの後にマァムから渡されたもの。
後に、レオナ救出作戦時にヒュンケルが差し入れてくれたものを使用して回復した。
- 爆弾
レオナ救出作戦のためにバダックが製作したもの。
本来は氷炎結界呪法を形成する氷魔塔を破壊する予定だったが、ハドラー率いる部隊を蹴散らすために使用した。
- お弁当
アバンが製作したお弁当。栄養満点で体力も全回復できる。バーンパレスにて使用した。
- シルバーフェザー
アバンが製作した魔法力を回復させることができる銀色の羽根。
※並の魔法使い二、三人分の魔力を満タンに出来る容量があるらしいが、一本では足りず数本打ちこまねば完全回復させることができなかった。これを知ったアバンから『貴方、いつの間にか 凄くなっちゃったんですねぇ♪』と驚いていた。
- 魔法の聖水
魔法力を回復させる聖水。
ダイ捜索のためにマリンに無理を言って分けてもらった。
三条陸氏曰く、ダイは「強靭な肉体を持っているが、少年らしく純粋で脆い心を持っている」のに対し、ポップは「貧弱な肉体だが、強靭な精神を持っている」とのこと。
作中に登場する悪役達が「人間なぞ、脆く弱い・・・存在する価値はない!」と弱者を嬲るなか、あるいは味方側が自身の無力さに嘆き何も出来ないなか、ポップは『そんなことあるか、誰だって存在する価値があるんだ!』と言い続けてその信念を実行し続けている。時に重圧に負けて逃げ出したり、巨大すぎる悪に恐れを抱いても、克己心と仲間を思う気持ちによってそれらを乗り越え、人間として成長し続けたのがポップである。
生まれながらの勇者であるダイにはできない役であり、はかない人間の底力を体現した存在と言える(原作者曰く『竜の騎士と人間のハーフのダイは、人間の代弁者ではない』)。
弱っちくて臆病な人間の代表者として強大無比な大魔王に挑むのが、ポップに与えられた役割なのだ。
実際、ダイは当初は世間知らずゆえに、話が進むにつれて竜の騎士としての自分とそれに支えられながら出来る、強いと言う根拠がどこかにありながら戦ってきた。しかし、現実を知っていく内に、出来る・勝てると思っている内は自分の力をいくらでも振り絞れるが、出来ない・勝てない可能性には逃げ出したり無気力になるなどネガティブな側面を垣間見せるようになる。
対し、ポップは常に出来ないのではと言う不安が付きまとい、何とかするにはとアイディアや工夫、時にダイのために捨て石になることすら突きつけられながら前進してきた。
同じ時を過ごしながらも対極の成長を果たし、出来ないと突きつけられても動かねばならない事を理解しているのはポップの方である。そして、師マトリフも、ポップが最初に恵まれていたら成長出来なかったと、彼の成長を認める一幕に、ポップ、そして人間の困難を克服する強さが込められている。
純粋であるが故のもろさを抱えたダイを本当の意味で支えることが出来るのは、人の弱さを誰よりも知るポップだけなのである。ある意味でポップは「”世界を救う正義の味方”という孤独な存在を救ってくれるものは何なのか?」という問いに対する最高のアンサーと言えよう。
1章をクリアするとプレイアブル化する。呪文を駆使して戦う遠距離アタッカーで初心者にも扱いやすいが、マホトーンには注意。
記憶の神殿のかなり深くでは必殺技としてメドローアを習得でき、Lv.3で当てるとなんと99,999ダメージを与えられる。
タカラ(現:タカラトミー)のダイコロシリーズ、冒険の勇者シリーズにラインナップ。
※現在、入手困難
グッドスマイルカンパニーのねんどろいど&figmaシリーズにラインナップ。 表情変更用フェイスパーツ、ハンドパーツ、メドローア発動用エフェクトパーツが同梱する。
原作者の三条陸氏は、【読者の興味を惹くためには、窓口となるキャラが必要だ】と考えダイと真逆のキャラを傍らに置き、『ダイ君では、できないことをやらせよう』という事でポップを誕生させ、「【読者が憧れるダイ】と【弱虫で臆病なポップ】のダブルヒーローで物語を進行させる」という計画を練っていた。 弱虫で臆病なポップが成長して強くなり、最終的には【勇者一行の最大戦力】になる流れも【ダイの格好良さとは違った感動を味わえる】ことや【当時のジャンプコミックのセオリーから抜け出せる】という考えもあったのだ。
※氏曰く『元々の能力が15の奴が、20になっていくよりも 0の奴が15になっていく方が凄く嬉しいでしょ?』とのこと。
物語当初は、臆病な性格で強い怪物が現れたら一目散に逃げていたため、読者からの評判はよろしくなかった。勿論、これは作劇の上での演出であるのだが、当初の不人気振りを鑑みた作画担当の稲田氏や連載当時のジャンプ編集部の上層部(2021年12月に発売された「ドラゴンクエスト ダイの大冒険 竜の紋章BOX」によれば鳥嶋和彦)から『ポップ、殺しましょう』という案が来ていたとのこと。
しかし、これに対し三条氏は『ポップは、此処からどんどん強くなっていくんです。そして、【ポップじゃないと出来ない役割】を与えてあるんです。』とポップ離脱案が出てくる度に説いていて 『どんなにヘタレなキャラでも、物語に対して意味があるので 嫌わないであげてください!』とポップを必死に守っていた。
鳥嶋に対しては、『ドラゴンボールにたとえたら全部わかってくれる方なので、「クリリンがフリーザに一矢報いたらかっこよくありませんか?」とクロコダイン戦の直前くらいにこう説明したら、「それは驚くかもしれない!お前の狙いはわかった」と言われた』という。
それは嘘も偽りもなく物語が進んで行く度にポップは徐々に成長し、習得していく魔法も高度なものになり、切り札となる最強の呪文を習得した。 その成長っぷりは、魔王軍の死神からも警戒するべき対象に認定され、大魔王をも最終的には戦慄させ、固有名詞でまともに呼称されるという大進化を遂げている。
トレードマークのバンダナ
オフィシャルファンブックによれば、ポップが5歳から付けているバンダナは若い頃の父親が付けていたイメージとのこと。ただし、ポップが父親からもらったのか、はたまた父親の真似をして付け始めたかは不明とのこと。
アバンの使徒
アバンと訪れたデルムリン島に暮らしていた少年にして未来の勇者。
ダイからすれば『兄弟子及び年上』ということもあって最初は『さん付け』で呼ばれていたが、呼び捨てで呼ぶことを許可したためか、タメ口で接されている。
デルムリン島を旅経ってからはずっと苦楽を共にしたため、ダイが勇者の重責に耐えられず行方不明になった時に一番にダイを見つけたのはポップであった。
ネイル村で村の守りを担う、(アバンの使徒としての)ポップの姉弟子。
最初の頃は『アクシデントでマァムにセクハラを働いたり』『ロモス王国を襲撃する百獣魔団に我関せずに徹した』ことから印象が悪かったが、勇気を振り絞ってクロコダインに立ちはだかったことを皮切りに見直されている。
かつては魔王軍の不死騎団の軍団長として自分やダイ、マァムと敵対したアバンの一番弟子。
『自分が好きなマァムが何かと気に掛ける相手』ということでポップはヒュンケルに嫉妬心を持つが、その戦闘能力は信頼している。
パプニカ王国の王女にして、ダイにとって最も大切な女性。
バラン編が始まって間もない頃は過小評価するフシがあったが、ダイがバランによって記憶を失ってからは、ダイのために身を張って命すらも犠牲にするという献身もあって評価を改められている。
師匠
自分を含めた五人のアバンの使徒の師にして、『大魔王バーン討伐の使命』と『アバンのしるし』を託してくれた勇者。
ポップの魔法の師。ただし『先生と師匠は別枠』という考えから『師匠』と呼んでいる。
マトリフからはルーラをはじめとする様々な呪文や魔法使いとしての心得を学び、マトリフと同じく大魔導士の二つ名を名乗る程に成長した。
魔王軍
魔王軍の魔軍司令を務める、アバンが勇者だった頃に魔王だった魔族。
『アバンを死に追いやった張本人』ということで『アバンの仇である不倶戴天の存在』だったが、本編終盤にて、キルバーンの罠で自分とダイとハドラーが窮地に陥った際は自分とシンパシーを感じる所があったためか『ダイと一緒に罠から脱出する』のではなく『ハドラーと運命を共にする(一緒にアバンのいるあの世に行く)』という選択を取った。
ちなみに魔王軍に『ポップはマァムが好き』という情報が広まったのは、バルジ塔のレオナ救出戦にて『ポップがハドラーにマァムだけは見逃すように命乞いを行った』のが理由だったりする。
魔王軍超竜軍団の軍団長にしてダイの生き別れの父。
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