概要
呪文を反射する光の壁を作り出す呪文。初登場は『ドラゴンクエストⅢ』。ネーミングの由来はそのまま「魔法」+「カウンター」であると思われる(なお、開発中には「マホテスマ」という名前だったらしく、この名前で写っている雑誌もある)。
使用者本人にしか効果が無い場合と、味方に対して使用可能な場合がある。確率でマホカンタのように呪文を反射させる効果がある防具もある。
類似する魔法が「マホカンタ効果」と言われることもあるせいか他作品の反射呪文の効果と混同されがちであるが、ドラゴンクエストシリーズのマホカンタは基本的に「マホカンタ状態で呪文を受けた場合、その呪文が使用者に跳ね返る」効果である。
また、「ホイミ」等の回復・補助呪文も味方が「マホカンタ」の使用者にかけようとすると跳ね返るが、「マホカンタ」を使っている本人が自分に呪文を使った場合は跳ね返らない。
更に、「マホカンタ」を張っている相手に「マホカンタ」を張った状態で呪文を使うと、残念ながら無限に反射しあったりはせず、「マホカンタ」をスルーして自分に呪文が跳ね返ってくる。
跳ね返すのはあくまで呪文だけなので、アイテムの効果や『ドラゴンクエストⅤ』以降で登場した特技は防がない。そのため、呪文攻撃をメインとする敵や、ローテーションが決まっている敵と対戦するときなどに有効。
プレイヤー側が運用する際は、上述の通り味方からの呪文も跳ね返してしまう点がネック。自分自身が使う呪文は問題ないことを利用して、自己回復できるキャラクターが使用したり、けんじゃのいしや「ハッスルダンス」といったアイテム・特技で回復するという工夫が必要になる。
『ドラゴンクエストⅨ』以降の作品では味方が使う回復・補助効果の呪文は例外的に反射しなくなったため、使い勝手はかなり向上している。
一方、敵が使うとかなり危険&鬱陶しい呪文の筆頭格でもある。
ザコ敵に「マホカンタ」を使うものが混じっていた場合、迂闊に全体攻撃呪文を使えなくなったり、ボスに使われると魔法使い・僧侶系のキャラはメインの攻撃手段が無くなったりとかなり厄介。
一部の作品では「いてつくはどう」や類似する補助呪文の効果を消す技・呪文で解除させられるが、これらが無い場合は対策できない。
更に、一部の作品では最初からマホカンタ状態で出現するモンスターが存在しており、知らずに呪文で攻撃しようとすると痛い目を見ることになる。
下位互換的な呪文として、1回or1ターンの間だけ受けた呪文を跳ね返す「マホターン」という呪文も『ドラゴンクエストⅥ』以降に登場している。
この呪文もどちらかというと敵が使ってくることが多いが、「ニフラム」等の味方には害のない呪文を空撃ちするなどの対策が可能。
漫画『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』にも登場、大魔王バーンが極大消滅呪文(メドローア)を反射する時に使用した。
「・・・覚えておくのだな これが反射呪文(マホカンタ)だ・・・!」
マホカンタバグ
呪文を反射させるという特殊な効果故か、初登場の『ドラゴンクエストⅢ』以降でちょくちょく奇妙な現象を引き起こす呪文としても有名。いずれも「マホカンタバグ」とまとめて呼ばれることが多い。
代表的な作品である『ドラゴンクエストⅢ』では、マホカンタを張っている敵に対してホイミをかけると当然自分に回復効果が跳ね返ってくるが、その際に何故か回復量が200前後にまで激増する。逆に「ベホイミ」と「ベホマ」は回復量がガタ落ちし、前者では5、後者では80前後しか回復しなくなってしまう。
また、同じく「マホカンタ」を張っている敵に「マホトラ」を唱えると、MP吸収効果が跳ね返ってきて自分のMPが減る→増えるという挙動をするが、その際に何故か減ったMP<増えるMPとなる場合がある。
この挙動は「マホトラ」のMP吸収量が何故か減らした量ではなく直前に発生したダメージに依存していることによるらしく、直前に大ダメージが発生していると大量のMPを獲得できてしまうようである。
そして最も危険なのが、「マホカンタ」を張っている時に「メガンテ」を受ける事。これが発生するとゲームがフリーズしたり、モンスターが全滅しても戦闘が終わらないというバグが起こる。
「メガンテ」を使ってくる敵はごく一部のためめったに起こる事ではないものの、こうした現象が起こりかねないからなのか、後の作品ではメガンテ系の効果や「パルプンテ」等のランダム効果は「マホカンタ」で反射しなくなっている。
スーパーファミコン版『ドラゴンクエストⅤ』では「判断力の高い敵はマホカンタ状態の味方に呪文で攻撃しない」はずが、特定の条件になると何故かマホカンタ状態の先頭のキャラに呪文で攻撃してしまうという現象も存在。
「マホカンタ」自体のバグというよりは、AI仕様の穴を突いた戦法と言えるものだが、ゲマ等判断力最大の敵に対し、隊列の2番目以降のメンバーが戦闘不能+生きている残り全員がマホカンタ・マホキテ状態となると敵AIは呪文で攻撃する際にマホカンタ状態の味方を避けようとする→しかし、戦闘不能の味方しか存在しない→死んでいる味方には攻撃できないので、先頭のキャラに強制的に変更される→必ず先頭キャラに対して呪文を撃ってしまう…という挙動を示す。
低レベルプレイや縛りプレイ等ではこれを利用してゲマを突破する事がある。
関連タグ
類似効果を持つ呪文・アイテム
バイバーハ:漫画『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』にて賢王ポロンが二つの「フバーハ」を合成し編み出したオリジナル呪文。こちらは魔法ではなく炎や熱線等のエネルギー攻撃を二倍の威力にして相手にはね返す。