『【それぞれの状況で、どんな選択をしていくか?】で人間が決まっていくんじゃ・・・』
プロフィール
年齢 | 53歳(本編開始前)→68歳(本編時) |
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出身 | パプニカ王国 |
得意呪文 | 氷系呪文 |
好きなもの | 貴金属 |
嫌いなもの | 修行、強い相手 |
一人称 | ワシ(昔は俺) |
CV | 青野武(1991年アニメ版)/岩崎ひろし(2020年アニメ版) |
概要
本編最序盤に登場した、偽勇者パーティの一員で、魔法使いを担当する老人。
漫画での紹介の肩書は「ニセ魔法使い」だが、曲がりなりにもそれなりの呪文は扱えるため一端の魔法使いではある。
勇者一行を装い弱いモンスターを倒して不当に名声を上げていた所、ゴメちゃんが希少なスライムであるとふんで悪巧みで奪おうとしたが、ダイ一行に返り討ちにされた。
クロコダイン戦において逃げようとしていたポップの姿を見て、かつての自分と重なり放っておけなくなったため助言を授け、彼が真のアバンの使徒へと成長するきっかけを与えている。
ある程度の呪文は使えるようで、他にも水晶玉に遠くの光景を映し出すと言う特技も持つ。
主に「メラ」や「ヒャド」と言った初歩的な攻撃呪文を使う。弱点は「ふしぎなおどり」等で魔力を吸い取られる事(もっとも、これは彼以外の全ての魔法使い共通とも言える弱点だが)。
実はマトリフの弟分であり、彼を「兄者」と呼んで慕っている。
若い頃は共に同じ師匠の許で、正義の魔法使いを目指して修行をしていたようだが、敵と対峙しても根性がないので踏ん張れず、更には師の元から夜逃げしてしまう。
以来すっかり落ちぶれ、ニセ勇者一行に加わり現在に至る。
※長きにわたる間まぞっほがマトリフの実弟なのか、弟弟子(義兄弟)なのかは明らかにされていなかったが、2021年12月発売のオフィシャルファンブックに「兄弟子マトリフ」「弟分」と明記されており、血縁者ではないことが判明した。
ロモスを出発してからは、でろりん達と一緒に訪れた町で大道芸を披露して資金を稼いだり、訪れた村にやって来たモンスターを退けたりと微力ながら真の勇者を目指すために精進している。とはいえ、逃げ癖は相変わらずで、パプニカで世界会議が開かれると聞いておいしい話があるかもと現地に向かうも鬼岩城を見て一目散に逃げ出したり、終盤に魔王軍の活動が活発化すると一度滅ぼされた国だから、とオーザムに逃亡したりしていた。
そして、オーザムに駐留していた時に世界の危機が迫っていることを知らせる誰かの声を聴いて世界の危機を救う一翼を担った。
15年前のサババで、彼を良く知る人物がかつて修行時代のマトリフを兄のように慕っていた事が明かされている。マトリフが独り立ちした頃はまだ師匠の下で修行中だったらしい。
人間性そのものは自他ともに認める小悪党だが魔法使いとしての才覚は確かだったらしい。
中でも氷系の魔法を得意としている。
小悪党は、なぜ臆病者に お節介をしたのか?
自身より遥かに格上のクロコダインに臆してしまったポップに対して檄を飛ばした後、自身の過去を打ち明ける。
正義の魔法使いに憧れて修行に打ち込んでいたものの、自分よりも強い怪物に出会うとどうしても踏ん張れず仲間を見捨てて逃げるなんてザラだった。
お節介をしに来たのは、昔の自分と現在のポップの姿が重なって放っておけなくなったという理由からだった。以下の言霊は、1991年版のアニメにてポップに向けられたもの。
『僧侶のずるぼんが、【人間には、それぞれ役割がある】と言っておったじゃろ? 【勇者になる者】とワシらのように【その周りで阿漕な事をやる者】と・・・あれは、違うな。初めから【役割なんぞ、決まっておらん】!このワシだって「あの時、もう少し勇気を持っていれば……」と悔やむことが、何度もある。 そうしたら、もっと違う人間になっていたかもしれん。 【それぞれの状況】で【どんな選択をしていくか】で……人間は、決まっていくんじゃ……』
運命づけられたものでは無く、自らの意志と行動次第で切り拓けば、人間は変わることができるという事をポップに教え、
『さぁ、往くがいい・・・まだ間に合うかもしれん!!!』
『胸に【勇気の欠片】が一粒でも残っているうちに・・・』
『小悪党には・・・なりたくなかろう?』
と彼の背中を押したのであった。
十数年前が舞台の外伝にて
かつて隠れ里ギュータで、正義の魔法使いとなるべく修行に打ち込んでいた事が回想の形で明かされた。 本編より見た目は大分若く、外伝より更に昔の時代のようである。その当時、兄弟子の「マトリフ」と姉弟子「カノン」がおり、魔術を鍛える日々を送っていたが精神面が弱く踏ん張りが効かず臆していたのだ。 里の長であり師匠である「バルゴート」から『【勇者】とは、【勇気ある者】。 そして、真の勇気とは打算なきもの。 相手の強さによって出したり引っ込めたりするのは、本当の勇気では無い・・・お前の臆した精神が改善できぬのなら、ギュータにお前の居場所が無いと想え・・・』と告げられる。
その言霊を受けて酷く落ち込んでいた所を、マトリフから慰められるが『俺・・・この臆病な精神は、治りそうもねぇよ・・・』と自信を喪失してしまい、静かにマトリフの元を立ち去っていった。マトリフの言葉をみるに、それから間もなく「夜逃げ」の形でギュータを後にしてしまったようである。
ただ、ギュータはストイックで実力主義であったが、その基準が真の勇者の力が現れた時に必要な『戦闘要員としての魔法使い』に偏っていた節があり、戦う以外の形で魔法を活かす道が乏しかったために、肩身の狭さとコンプレックスを拗らせて逃げてしまった点は同情の余地がある。
余談だが、DQ6の魔法都市カルベローナでは、魔法を使えない者でも肉体労働の従事で役割を与えられており、その点は対照的である。
小話
- 前述の水晶玉の遠視能力の実力は、作中で1番との考察(本職のナバラは両手で集中した状態で、メルルは短時間の遠視が限界、ザボエラですらあくまのめだまを利用しての遠隔盗撮で遠見ではないにもかかわらず、彼は片手で持ちながら何気なく成功させており、その技量の高さが描写されている)も有り、魔法使いではなく占い師を選んでいれば、悪党のような行為に手を染める事も無かったとまで評されている。
- 1991年版にて、まぞっほを演じた青野武氏はハドラーとの兼ね役で参加しており、それ以外にもアニメ『ドラゴンクエスト(勇者アベル伝説)』ではルドルフ将軍、CDシアターシリーズでは『ドラゴンクエストⅠ』の雨の祠の賢者、『ドラゴンクエストⅡ』のデルコンダル王、『ドラゴンクエストⅢ』の僧侶ライド(後に賢者に転職)、トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』では王様を演じている。
- 1991年版では、描写が更に掘り下げられ、でろりん達とダイ一行の名を騙って、村人達から歓待を受けるシーンが追加されている。
- 2020年版の追加シーンでは、わずかだがブラスと対決(つかみ合い)している。この時は「不気味な老人」と言う雰囲気が出ていた。
- ニセ勇者一行で唯一人、全うな経歴が定まっているからか、同集団の中では(表記こそ平仮名だが)まともな人名になっている。
- マトリフ曰く「才能はあるやつ」だったとの事。実際「三条陸 HERO WORKS」によればなんとマヒャドまで扱えたらしい。腐っても大賢者バルゴートの弟子だった事がわかる。
人物関係
ニセ勇者一行
いずれもまぞっほが所属するパーティーの仲間達。
アバンの使徒
まぞっほ達ニセ勇者一行が襲撃したデルムリン島に暮らす少年。
その際に島に暮らす魔物達を傷つけた上に彼の友達であるゴールデンメタルスライムのゴメちゃんを攫ったことから、彼によって悪事を暴かれてしまった。
しかし、そのことに関しては『因果応報』や『自業自得』として受け入れているためか、まぞっほをはじめとてダイに逆恨みのような感情は一切抱いていない。
ダイの仲間である魔法使いの少年。
クロコダイン率いる百獣魔団がロモス王国を襲撃した際には、ダイとマァムは救援に向かうも、ポップだけは恐怖心から戦闘を拒否してしまうが、まぞっほの水晶玉でダイ達がピンチであることを見せられたことと、バルゴートからの受け売りである『【勇者】とは、【勇気ある者】。 そして、真の勇気とは打算なきもの。 相手の強さによって出したり引っ込めたりするのは、本当の勇気では無い』という教えを説いたことからポップはダイ達の助けに行く決意を持つことができた。
ギュータ
まぞっほ達の師匠で伝説の大賢者。
マトリフの兄弟子である大魔導士。
その実力もあってか、まぞっほは昔も今もマトリフを『兄者』と慕っている。
『勇者アバンと獄炎の魔王』に登場したまぞっほとマトリフの元兄弟弟子。まぞっほと同じく修行から脱落してしまっている。マトリフに散々、迷惑をかけられながらも結局頭があがらないため、恐らくはディードックもマトリフの弟弟子。劇中のディードックの言動から、ディードックの脱落と前後してまぞっほが新参=ディードックの弟弟子として弟子入りしたことが推測される(ディードックはまぞっほの名前もはっきり憶えておらず、まぞっほが自分と同じく脱落してしまった事も知らなかった事から両者の面識が薄かったのが判る)。
師匠バルゴートの娘で、まぞっほにとっては姉弟子に当たる。