『切り刻んでやる……拾い集めることができねぇくらい、バラッバラになぁっ!!!!』
プロフィール
概要
竜騎将バランに仕える3人の竜使い『竜騎衆』の一人で、通称「空戦騎ガルダンディー」。
種族は鳥人間(鳥人族)で、兄弟同然に育ったスカイドラゴンのルードに乗って行動する。
武器として細身の剣「スパイラルソード」を所持するほか、頭の赤い羽は刺した敵の体力を奪い、白い羽は相手の魔法力を体外へ放出させるという搦め手も持つ。
性格
好戦的かつ嗜虐的な性格で、人間をドブ臭い下級生物と見下しており、バラン以外の魔王軍軍団長に対しても「竜騎衆には及ばない」と下に見ている。
バランに対して様付けはしているが、敬意よりも自身の慢心が勝っている故に、万全の準備を怠らない姿勢を「相変わらず細心なお方だ」と揶揄し、陰口を言うなど忠誠心は然程高くないようだ(ボラホーンには「無礼だぞ」と叱られ、ラーハルトには長い台詞で注意された)。
ただしバランのことは自分の上に立つ人物とは見ており、勝手な独断専行もバランはいつも笑って許しているとのこと。
相棒のスカイドラゴンのルードとは、種族を超えた強い繋がりを持っており、ポップのベギラマで彼が討たれた時には慟哭していたが、「お前たちだってそうやって人間を殺してきただろうが!!」というポップの指摘には逆ギレし
「このスカイドラゴンのルードはなぁ! オレの、オレの唯一心を通わせた友達…いや!兄弟だったんだ!! オレたちはいつもいっしょだった!!どんな時でも…」
「それを…オレの最愛の竜を…よくもドブくせぇ人間どもなんかといっしょにしてくれたなァァッッ!!!」
怒りが頂点に到達、殺気を露わにして血走った瞳でポップを睨み付けていた。
なお、ボラホーンには仲間意識を持たれていたようで、下記の敗死時には「タダではすまさん!」とヒュンケルに激昂していた(逆にラーハルトは顔色一つ変えていない)。
総じて人格面に関してはバランよりフレイザードに近いと言える。
決定的な違いは、フレイザードは勝利と栄光のために戦うが、ガルダンディーは敵をいたぶった上で殺すのを楽しむために戦うというところだろう。
そしてもう一つ、怒りに我を忘れて自身の負傷やヒュンケルとの実力差に気づけないなど、フレイザードの「氷のような冷徹さ」は持ち合わせてはおらず、下記の悲劇も簡単にとどめを刺せるところを不必要に痛めつけたのが原因。そこに反省が至らないなど、あらゆる面で残忍故の傲慢さが足を引っ張っていた。
活躍
バランに召集された後、主が身支度を整えている間に「ウォームアップ」と称し、少し前に読者に悪印象を残したベンガーナの街を相棒のルードと共に襲撃。邪魔者のないままに街を火の海に変え、人々を虐殺した(バランを待たせる訳にはいかなかった為、程々で引き上げたが)。
それに気づいたバランも特に彼を咎める事は無く、「戦いの狼煙には丁度良いかも知れん」と黙殺している。※2年で終わらせる予定だった2020年版ではそのシーンはカットされたが、出撃する場面の背景をよく見ると、山の麓に襲撃の形跡と思しき煙が立ち昇っているのが一瞬映っている。
その後足止めに現れたポップに対し要らぬ残虐心を起こし、いたぶった挙句にルードに絞め殺させようとしたが、彼の口車に乗って要求通りの噛殺を指示した結果、ルードは口内へのベギラマ直撃で頭部を吹き飛ばされ即死してしまう。
ショックを受けて泣き崩れ、自分がこれまで多くの人間を殺害したのを棚にあげ激昂。復讐に狂ってポップを執拗に嬲り、絶望の表情を浮かべた彼の首を切り落とそうとする。
しかし駆け付けたヒュンケルのブラッディースクライドで阻止され、標的をヒュンケルに切り替える。だが相手にすらされず「きさまはポップには絶対に勝てん」「もし勝てたら、その時は相手をしてやる」とまで言い切られる。
その挑発に乗ってポップを仕留めるべく空中戦を挑むが、先の攻撃で翼を切断されていたことに気づかずバランスを崩してしまう。
その隙を突いたポップ渾身のイオの直撃を頭部に喰らい、断末魔一つあげる事なく即死。文字通りの焼き鳥となり、テランの大地にその屍を晒した。
全滅した後死体は回収され、バランから「竜の血」を与えられアルゴ岬の奇跡の泉に安置されていた。
竜の血は精神力の強い者を蘇らせる不思議な力を持っているが、ボラホーン共々蘇ることは無かった。ラーハルトに託された手紙によれば、バランもその事は予想済みだったようであるが、曲がりなりにも仕えてくれた者へのバランなりの温情だったのだろう。
立体物
ダイコロシリーズにラインナップ。スパイラルソードを構えた固定モデルとなっている。※現在、入手困難。 確認されている唯一の立体物である。
小話
- 演じる木村昴氏は、ドラゴンクエストⅩの破界篇でメドナムを演じている。
- 原作では見えないが、アニメ版では翼につけられた傷がはっきりと確認でき、勢いよく開いた事でそれが千切れるに至った事が分かる。
- イオで倒された事から一部の読者の間でネタにされるが、至近距離の顔面、それもポップが最後の力を振り絞って放ったものなので、原作のイオより高威力であることが考えられる。後に弱い呪文でも使い手によっては上級呪文に匹敵する事が証明され、更には至近距離でイオ系呪文を叩き込むキャラクターが登場している。
- 主人公以外の人物に倒されたが、ボラホーンに比べればまだ戦闘での見せ場があったこと、まがりなりにも敵に倒されて名誉の殉死を遂げた辺りは扱いは遥かにマシと言える。
- 1991年版(ダイコロ)と2020年版では、眼の配色が異なる。1991年版は結膜まで真紅に染まっていて2020年版は、結膜が白。
人物関係
(魔王軍)超竜軍団
自分が属する超竜軍団の軍団長を務める竜の騎士にして、自分達竜騎衆の主。
ガルダンディーも前述の通り、バランの『臆病なほどの用心深さ』に対して陰口を叩きながらも、『自分達竜騎衆の上に立つ存在』として敬意を払い、『様付け』かつ敬語で接している。
自分が属する竜騎衆としての同僚。
しかし、竜騎衆としての真面目さは二人ともガルダンディーより上である為、ガルダンディーがバランに陰口を叩いた際には、ボラホーンに「無礼だぞガルダンディー!」と叱咤され、ラーハルトに至っては長台詞で説教を受けた。
- スカイドラゴンのルード
ガルダンディーの相方のドラゴンにしてとても愛着のある最愛の竜。
前述の通り、ポップのベギラマで殺された際には(原作漫画のサブタイトルで)狂乱と呼べるほどに怒りをあらわにした。
ちなみに、超竜軍団で自分の相方となる搭乗用のドラゴンをポップに倒されて憤慨したのはガルダンディーだけだったりする(ボラホーンは「ひ弱なドラゴン共め……だらしない!」と吐き捨て、バランとラーハルトに至っては台詞がないどころか無反応・無表情であった)。
敵対者
バランの生き別れの息子であるダイの奪還のためにテラン王国にバランとガルダンディーを含めた竜騎衆で急行した際に、足止めに現れた魔法使い。
ボラホーンとラーハルトで早々と始末しようとするものの、ガルダンディーが嬲り殺しにしようと余計な気を起こしたせいで、最愛の竜や自分を含めた竜騎衆の全滅……更には『ポップは勇者ダイに次ぐ魔王軍にとって非常に厄介な存在に成長する』など、最悪の結果を招いてしまった。
バランと同じく魔王軍の六大団長の一角として不死騎団の軍団長を務めていた魔剣戦士。
ガルダンディーがポップにトドメを刺そうとしたタイミングでブラッディスクライドによる横やりを入れ、『ガルダンディーの戦死』の一因を作った。
関連タグ
他作品の関連。類似キャラ
賢神トリン…三条陸作品に登場する鳥人間。精神性は全くの真逆。
エシディシ…ルードを殺されて「あんまりだ~!」と泣き叫ぶ姿に彼を連想した人も少なくないはず。ちなみに『ラーハルトのように卑劣を嫌い、正々堂々の闘いを好む仲間がいる(逆にボラホーンの如く仲間想いだが勝利のためなら卑劣なこともする仲間もいる)』という共通点もある。
東堂葵…中の人繋がりでガルダンディーと同様兄弟がいるがこちらの方は人間。