貧弱な波紋より先におれの血管針をブチ込んてくれるわ!
概要
「う~~ううう あんまりだ…H E E E E Y Y Y Y あ ァ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ア ァ
AHYYY AHYYY AHY WHOOOOOOOHHHHHHHH!!おおおおおおれェェェェェのォォォォォ
うでェェェェェがァァァァァ~~~!!」
真面目な概要
『ジョジョの奇妙な冒険』第2部「戦闘潮流」に登場する「柱の男」の一人。作中の時代における柱の男の中ではカーズに次ぐ地位を持つが、その関係は主従的なワムウと違い盟友に近い。
普段は帽子で見えないが、頭部に「柱の男」特有の巨大な一本角を隠している。
声優はテレビアニメ版、オールスターバトル、アイズオブヘブン共に藤原啓治氏。藤原氏没後に発売されたオールスターバトルRではライブラリ出演になっている。
ちなみに、エシディシといえば上記の変顔が有名かもしれないが、これは激化しやすい性格を自らああやって号泣することで抑えるという場面のもの。この変顔になるのも劇中1回のみであり、決してギャグキャラというわけではない。(ただし、爆弾を無力化するためとはいえ、自身の体形が変な形になるのを承知で妙な行動に出るなど、シリアス担当にもなり切れていない)。
作者の荒木氏はこの泣き顔シーンを結構気に入っているらしい。曰く、「強い敵が、ある瞬間に弱みを見せたほうが怖いから」だとか。実際、ジョセフはこの予想外の展開と落差に動揺したほか、不意に涙を見せ相手の戦意を削った例は、ほかのジャンプ漫画でも存在する。
名前の由来は、オーストラリアのハードロックバンド『AC/DC』から。
またこのバンドの楽曲『Dirty deeds done dirt cheap(邦題「地獄と悪事」)』は第7部のキャラクターであるファニー・ヴァレンタイン大統領のスタンド『いともたやすく行われるえげつない行為』(通称:D4C)の名前の元ネタにされている。
劇中での活躍
作中の解説では、およそ一万二千年前にカーズが「闇の一族」から離反した際、彼の野望である「究極生命体(アルティメット・シイング)への進化」に一族の中でただ一人共感し、同志となったとされる。
研究の旅の末に「エイジャの赤石」の力を必要としたカーズとエシディシは成長したワムウとともに古代ローマ帝国に現れる。その際、迎撃に現れた当時の波紋戦士たちをことごとく撃破するなど破竹の勢いで歩みを進めるも、赤石を入手する前に休眠期を迎えてしまい、ローマの地下で2千年にわたる眠りに就く。
そして1930年代末、休眠から復活した一行は「柱の男」を倒すべくローマを訪れていたジョセフ・ジョースターらと遭遇。ワムウに敗れながらも強気でハッタリをかますジョセフに興味を示したエシディシは、ジョセフと再戦を約束したワムウと同様に「死のウエディングリング」をジョセフに植え付ける(指輪の位置はワムウは心臓の動脈、エシディシは首の骨)。
その数週間後、ジョセフが波紋の修行のために師事しているリサリサが赤石の持ち主だと突き止めたエシディシは、リサリサが身を置く波紋の修行場「エア・サプレーナ島」を単身で襲撃し、ジョセフに最終試練を受けさせようと待機していたロギンズ師範代を殺害。その直後に修行場に到着したジョセフとの戦闘に突入する。
初めのうちは波紋を帯びた糸で腕を斬り落とされるなどジョセフのペースに乗せられていたものの、「あァァァんまりだァァアァ~‼︎」のインパクトでエシディシのキャラを掴み損ねたジョセフが動揺した隙に戦況を逆転。炎の流法(モード)でジョセフを追い詰め、彼の逆転の一手であった「毛糸の結界」をも見抜き、嘲笑を浮かべての余裕の態度を取り続け、ジョセフの特技である相手の台詞を事前に言う十八番すら奪って更に動揺を誘い、王手を掛ける。
しかし破ったはずの結界が、“破られることを前提にした”「騙しの手品」であったことまでは見抜けず、逆に本命の結界に絡め取られて波紋で致命傷を負う。エシディシはジョセフを道連れにせんと燃え上がる肉体で特攻を仕掛けるも、カウンターの波紋疾走を受けて肉体を消滅させられた。
ところがエシディシは「脳味噌だけで生き残る」という「柱の男」ならではの奇策でジョセフを出し抜き、ジョセフの背中に張り付いてリサリサの屋敷に潜入。リサリサのメイドをしていたスージーQの肉体を乗っ取ってカーズの潜伏するスイスへと赤石を郵送したのち、波紋戦士たちを一掃するためにスージーQの肉体もろとも自爆を試みるが、ジョセフとシーザーの合体波紋でスージーQの肉体から引き剥がされてしまう。それでもなおジョセフに一矢報いようとするエシディシだったが、剥き出しの脳に朝日を浴びたことで完全に消滅する。
寄生したスージーQを人質にしていたことでシーザーには軽蔑されるが、自らの命やプライドを捨ててでも仲間の勝利のために尽くした生き様に対し、ジョセフは善悪や敵味方とは関係ないある種の敬意を表していた。
人物像
ラスボス然として冷徹で並大抵の者からすれば近寄りがたい雰囲気ながら(人間を除く)動植物全般への博愛主義を(「勝てばよかろうなのだ」の前まで)貫いていたカーズや、正々堂々を重んじる武人気質のワムウと比べ、気が荒く直情的な面が目立つ。爆発直前のダイナマイトをわざと食べる、「あァァァんまりだァァアァ~!AHY(以下略)」に面食らったジョセフにあっさりと自らの行為を解説する、ジョセフとの会話で過去に見聞きした孫子の話題をネタにするなど、見かけに因らぬ知的さとオープンな感情表現と併せて何処かユーモラスで憎めない印象がある。
しかし、それでもカーズと並ぶ「柱の男」の中核なだけあって、彼の生き様の根底にはいざとなればプライド如き余裕でかなぐり捨てる程に強い仲間意識がある。
その意識は前述した彼の死に際に顕著に表れており、善悪問わずカリスマのある強者は何があってもプライドだけは捨てないような気高い人物が多いジョジョの作品世界にあって、仲間の為に己のプライドさえ捨ててまで行動に打って出たその姿は、ジョセフや多くのファンにも高く評価されている。
能力
熱を操る流法(モード)「怪焔王(かいえんのう)」
エシディシの戦闘スタイルで熱を操り、自在に伸びる血管針と摂氏500℃まで加熱した自らの血液を利用して戦う。そのことから自らを「炎のエシディシ」と称する。「血管針で相手に血液を流し込んで体を内部から溶解させる」など朝飯前で、ロギンスの死体を溶かした際は近くにいたジョセフも血液を注入した瞬間を視認できなかった。
また、ワムウが神砂嵐を持つように、エシディシにも全身から血管針を生やした状態で回転攻撃をかける「怪焔王大車獄(かいえんのうだいしゃごく)の流法」という技が存在する。
なお流法以外にも、ベテランの波紋戦士であるロギンズを肺への一撃で即死させた格闘技術、ジョセフの策で切り落とされた片腕をロギンズの死体の腕で代用してしまうほどの回復力、脳だけになっても活動できる生命力、二千年に渡る休眠の間に普及した郵便制度や電話(カーズがエシディシとの連絡手段に電話を用いていた)をたった一ヶ月で使いこなせるようになる適応力など、エシディシの描写には柱の男たちが人間とは桁違いの能力を持つ種族であることを再認識させるものが多い。
実際、彼自身がジョセフに語ったところによると、紀元前の戦いでは数多くの波紋戦士たちを屠っているらしい。
その戦闘スタイルは人物像に沿ったもので、口八丁手八丁で敵を驚かせ心を乱し、注意を引き寄せた裏で罠を張るトラッパータイプ。引き合いに出した孫子の言葉通り「戦いとは、だまし合いである」を地で行っている。
すなわち、ジョセフとは戦闘スタイルが丸被り。
よってジョセフVSエシディシ戦は、お互いに相手が知らない決め手をいつ送り込むかのタイミングを図る同キャラ戦の様相を呈していた。
余談
1989年のジャンプ黄金期に、その20周年記念として発売されたファミコンゲーム『ファミコンジャンプ』のラストバトルに、何とワムウや(作中世界への影響的に他のラスボスと肩を並べられる筈の)ディオを差し置いて登場している。尚カーズについては、発売当時のジョジョ最新話はカーズとの最終決戦中であり、究極生命体の存在が最新のネタバレとなっていたのでカーズは登場しない事は予想されていたと思われる。
しかし、ゲーム中では「太陽の光に弱い」という設定から、孫悟空の「太陽拳」で即死してしまうというかませ犬扱いであった。
あァァァんまりだァァアァ!!!
とはいえ孫悟空以外が相手だと意外と強い。
関連イラスト
あ ァ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ア ァ
表情が印象的なせいか、こんなパロ絵が多い。
中の人ネタ
この人と中の人が同じであるためこれも見かけることも。熱の能力を持っているだけあり、「焼け野原ひろし」タグが似合う。
関連タグ
- 吉良吉影:手首を切り落とし余りの激痛に涙を流したが、すぐに治癒したキャラ繋がり。
- チープ・トリック:同じく他者に取り付いたキャラクター。なお、こちらはスタンドである。
- ワンダー・オブ・U:結末に類似点がみられる。