※Pixiv内では「サンタナ」タグでの使用が多い。
概要
ジョジョの奇妙な冒険 第2部「戦闘潮流」の敵陣営「柱の男」たちの中で、ジョセフ・ジョースターたちが出会った最初の一人である。
推定年齢は1万2千歳であり、ワムウとは同年代に当たる。罵倒の口癖は「この原始人」。
ただし、カーズいわく「(自分たちの)十分の一しか生きていない若僧(それを言ったらワムウもなのだが……)」「青っちろいガキ」。
スピードワゴン財団によってメキシコのリオダダ川流域の遺跡から発見される。
発見時は装飾品を身に着けていたが、復活時にそれらが柱の断片とともに剥がれたためほぼ全裸であった。
ゆるく癖のついた長髪に、生え際近くから生えた鬼のような二本の小さな角が特徴。
本名は不明であり、劇中でシュトロハイムが『そうだな……「メキシコに吹く熱風!」という意味の「サンタナ!」というのはどうかな』と名前を付けたが、ジョジョ・シリーズのキャラ名は有名ミュージシャンから採る事が多いので、実際の元ネタはラテン・ロック・バンドのサンタナと思われる。
シュトロハイムが名付けたにもかかわらずなぜかカーズも「サンタナがなんだというのだ!」と言っているので、偶々同じ名前だったか、もしくはドイツ軍側がそう呼んでいるのに合わせたか、そもそも名前すらも最初から無かったのかのどれかだと思われる。
正体
1万数千年以上前に存在していた「闇の種族」の一人。当時は幼子だったが、カーズが一族を粛正したことでワムウ、エシディシと共に連れられ、当てのない旅に出る。なおワムウはカーズが家族を殺したことは知らず、サンタナも同様に何も知らなかった可能性がある。
劇中での行動
はじめは柱に眠っている状態でSPW財団で研究されていたが、ある人物の裏切りからスピードワゴンを含めた現地研究員たちが全滅。その隙を突いてシュトロハイムらナチス軍はこれを奪取し、遺跡の柱ごとナチスのメキシコ基地に収容され、引き続き研究対象とされる。
シュトロハイムによって与えられた捕虜の血を糧に復活。彼らの実験で石仮面によって吸血鬼と化した捕虜を捕食し、その脅威の能力の片鱗を見せつける。
そして監視の隙をついて脱走し、体をゴムのように変形させ、通常の人体であれば通過不可能なサイズの空気供給管を通って実験室から脱出。空気供給管出口の傍にいたドイツ兵の体を乗っ取り、実験に立ち会っていたシュトロハイム達に襲いかかる。ドイツ兵達の一斉射撃を食らうも、乗っ取った肉体を捨て、受けた弾丸を指から撃ち返し、その場にいたほとんどの人間を虐殺した。
しかしスピードワゴン救出のために基地に潜入していたジョセフが乱入。シュトロハイムの髪を引き抜き、「波紋ヘアーアタック」で弾丸を防御する。
「サンタナは被害者で悪いのはナチス」と考えたジョセフは、「ハッピー・うれピー・よろピくねー♪(酒井法子)」……と、渾身のギャグで平和的な接触を図る。…が、サンタナはこれを無視。「いい加減にするんだな、この原始人が」と一蹴し、スピードワゴンにまで手を出したことでジョセフの怒りを買い対決となる。
波紋が通じない肉体から繰り出される凄まじい戦闘能力でジョセフを一方的に叩きのめし、捕食したかに見えたが、このタイミングを待っていたジョセフの波紋を内側から食らって肉体を上下に断たれ、鎖で縛られて真昼の地上に引きずり出されそうになる。
白日の下に曝されまいと抵抗しながら肉体を再生させ、ジョセフの援護に回ったシュトロハイムの足を自分の肉片で絡め取って拘束。しかしシュトロハイムはジョセフに足を断たせ、実験場の扉の開放に成功する。
これに対してサンタナは、今度はシュトロハイムの切られた足から彼の体内に侵入し日光を避けんと謀るも、シュトロハイムが自爆した事で目論見は阻止される。自爆によるダメージこそ受けなかったが、隠れ場所を失ったことで基地内の井戸を逃走経路にしようと画策。これを阻むジョセフと再度対峙する。
ジョセフと最後の戦いを繰り広げ、これに打ち勝ちどうにか井戸に飛び込んだものの、運悪く空高く昇った太陽と井戸の水に反射した陽光にさらされる。前後を照らされた上にジョセフが身を挺して井戸に落ちるスピードを抑えたため、サンタナは水面に逃れられず完全に石化して敗北する。
石化したサンタナはSPW財団によって再び回収され、紫外線ライトの付いた安置室で保管されることとなった。まだ死んではおらず、近づく生物を捕食する休眠状態になっていた。その後の消息は語られておらず、最終的にどうなったのかは不明。
ファンからはシュトロハイムが後に言ったセリフから、彼(またはドイツ軍やSPW財団)によって再生できなくなるまで粉々にされた、という説が有力視されている。
能力
吸血鬼をも圧倒する身体能力と、ものの数時間で現代の言語を学習し、修得に数時間の訓練は必要なはずのマシンガンの解体を難なくこなしてみせるなど、驚異の学習能力を秘めている。
他の「柱の男」のような特定の流法(モード)を見せなかった(修得していなかった?)ため、単純に「闇の種族」としての能力のみを使用して戦っていたようである。
復活直後こそシュトロハイムに「原始人」呼ばわりされるほど愚鈍な振る舞いを見せたが、短い時間のうちに人間を凌駕する知能を発揮し、ナチス基地を全滅に追い込んだ力は「驚異的」の一言に尽きる。
生物と同化する(全身の細胞から消化液を出して捕食する)ことが可能。
また傷口や眼底から体内に入り込むことも可能。体内に侵入した後は身体を操ることも出来る。
ジョセフとシュトロハイムの協力によって太陽光を浴びせられた時は、動揺こそしたものの瞬時に冷静さを取り戻してシュトロハイムの体内に逃げ込んだり、引きずり出された後も井戸の中に逃げ込もうとするなど、常に冷静で的確に行動ができる判断力を持つ(太陽光に晒されながらポーズまで取って余裕を見せている)。
が、さすがに井戸に関しては地球の自転のことまでは考えつかなかったため、水面に反射した光まで受けて敗北してしまった。
常に冷静かつ的確に対抗策を編み出すという点はワムウにも通じる部分がある(ワムウも太陽光を浴びてピンチになったが瞬時の判断で逆襲している)。
なお、これでも「柱の男」の中では最弱であり、身分も最下層とのこと。カーズもサンタナを「奴」呼ばわりした挙句、「青っちろいガキ」「番犬のような存在」等と述べ、完全に見下していた。また、4人のなかでただ一人彼だけが波紋の存在を知らず、眠っていた場所も別だった。
その理由は明確ではないが、カーズらが波紋使いと出会うより以前の段階で既に見限られていたか、もしくは彼らが波紋の存在を知った時点で、サンタナの能力では強力な波紋使いと戦うことはできないと判断されて別行動を取らされたのではないかと思われる(実際にエシディシが「(修行で成長した)ジョセフ程度の波紋使いには飽きるほど出会って喰らっている」と述べている)。
サイボーグ化でサンタナを上回る身体能力を得たシュトロハイムでさえカーズに勝てなかったことから、サンタナと他の3人との間には相当な実力差があった事が窺える。
どっかで聞いたような話の流れだが、ジョジョの場合はこれが本当にシャレで済まない展開へと発展していく。
必殺技
露骨な肋骨【リブス・ブレード】
肋骨を体外から飛び出させ、相手を引き裂く。
しかも肋骨自体が自在に回転するため、全方位攻撃としても機能する。
ジョセフには波紋で防がれたが、それでも純粋な打撃の衝撃だけでもかなりの威力を誇る。
骨を刃に変貌させるという点はカーズの「輝彩滑刀(きさいかっとう)」と同じコンセプトである。
憎き肉片【ミート・インベイド】
バラバラに吹き飛んだ自分の肉片を相手の肉体に付着させて体力を奪う。
サンタナを地上に引きずり出そうとしたジョセフは、この技に体力を削られピンチに陥った。
この他、臓器を触手のように伸ばして対象を捕獲するという芸当も披露している。これもまた全身から血管針を触手の用に伸ばしたエシディシとよく似ている。
肉体を変形させたり、生物の体内に潜り込むという戦法もワムウが用いている。ただし変形スピードはワムウの方が上。
言ってしまえば全てにおいてカーズ、ワムウ、エシディシの下位互換である。
余談
名前の由来は、カルロス・サンタナ率いるアメリカのバンド:サンタナだと思われる。
そのサンタナという名前だが、それはあくまでシュトロハイムが付けた仮称であり、彼自身の本名は不明である。
また「柱の男(たち)」という劇中の呼称は彼の休眠状態に由来する。
ジョジョリオンでは、「最初に戦った敵対勢力・岩人間の刺客」「水の底に沈められて石化」「遺体の一部が調べられる」というサンタナを想起させる敵・八木山夜露が登場している。
1989年発売のファミコンソフト『ファミコンジャンプ』ではエリア4のボス敵として登場。
格闘ゲーム方式のミニゲームで対戦するが攻撃を当てた後ボタン連打で波紋注入しないと反動でこちらにダメージが反射される仕様である意味初見殺しであった。
担当声優
乃村健次 (テレビアニメ版)
関連イラスト
関連タグ
サンダウナー:同じ語源を持つ別作品のキャラクター