岩人間とは、荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの第8部「ジョジョリオン」に登場する種族である。
また、性質が似たような岩動物という種族も登場する。
概要
人間によく似た姿だが、人間とは全く異なる性質・成長過程を持つ異種族。等価交換の実「ロカカカ」を巡って、東方定助たちと敵対している。
いつ、どこで誕生したのか、なぜロカカカを追っているのかといった説明は未だなく、謎が多い。
生態
基本事項
皮膚を岩のように硬質化させることができる。これは、水分を一気に内部へと移動させ乾燥させる細胞システムによるものである。
推定寿命は240歳。個体数は不明だが、その95%がスタンド能力を有している。
人間と同じくオスとメスがおり、同種族間の性行為によって生殖が可能。まれに人間と恋に落ちる者もいるが、その97.5%は破局している。また遺伝学上、岩人間のオスと人間の女性との間に子供はできないようだが、人間の男と岩人間のメスは子供を作れるようである。産まれた際の体長は平均28mmと非常に小さい。「岩人間のメスは人間の女性と区別が付かない」と解説されている人間女性の例のコマにあまり普通の女性ではないこの人達がいる。
岩人間のメスは春と夏に子供を産み、枯れ木の根本に赤ん坊を放置する。赤ん坊は木に寄ってきたスズメ蜂にしがみついた後、自身の体表を硬化させ、巣まで運ばれた後、女王蜂に寄生するように体を乗っ取る。そのまま蜂の社会から様々な事を学び、17年ほど過ごした後急成長し、巣の蜂を皆殺しにした後人間の大きさになって外の世界に出て行く。巣立った後は、6年ごとに変態し、脱皮して一気に姿を変えて成長する。
基本的に集団性や国家を持とうとしないが、現在は人間社会の中に「寄生」して共存する者が存在する。同族間の友情や愛情は無いようで、あくまでも損得の関係しかない。地面と石にこだわりがあり、大地からの恵みだけが本当の利益で、岩人間に特別な力をくれる「特別な場所」こそが真の住処と考えており、あちこちを移動するヒトとは認めあったり同化するという関係になれないとされている。
不定期かつ数ヵ月にも渡る睡眠期(後述)があるため、勤務時間の決められている職業には就けない。
そのため、非正規の短期雇用や、芸術性の高い職業に就く者が多い(休載を繰り返す漫画家は特に怪しいらしい)。
岩生物は炭素ではなくケイ素を主成分として細胞が構成されており、解説では炭素系の生物が行き詰まった際の「滑り止め」のような存在である事が示唆されている。
遺体は風に吹かれた砂のようになり短時間で崩壊するため、ミイラや化石は発見されておらず、医師や学者でもその存在を知る者はほとんどいない。
決まってマンゴー(ウルシ科の植物)にアレルギー反応を示し、蜂蜜が好物。
人間とほぼ同じ食べ物を味わえること、大年寺山愛唱が持病の動悸に対して市販の薬を飲んでいることから、覚醒期は人間に近い生理を持った生物のようだ。
睡眠期
ある時突然睡眠期が訪れ、一度眠ると30~90日は眠り続ける。いつ睡眠期に入るかは個体によってそれぞれ。覚醒期は2ヵ月ほど眠らない。
睡眠時は高温950℃・低温-240℃状況下で25年以上生存可能。
睡眠時は体の表面に浅いヒビが入っており、この本数は年齢と一致する。
目視において人間と形状の違いはなく、覚醒時の皮膚は触れると妙にしっとり潤っていてエロい。
岩人間が好む場所
岩人間が嫌いな場所
- 過去に噴火や水害、土砂崩れのあった場所
- 目を醒ました時に水底や地に埋もれて溺れるリスクのある場所
- 鳥の糞の落ちてくる場所
- ウルシ科の木の近く
本編に登場する岩人間
ロカカカ密売団
TG大学病院
その他
岩動物・岩昆虫
備考
「人間によく似た異種族」「石化して長い休眠に入る」など、ファンの間では柱の男との類似性が指摘されているが、公式からの説明は特にない。岩人間は、肉体面では柱の男にはまるで及ばないが、作中の個体は強力なスタンドを持つ者も多く、95%がスタンド能力を保つことから渡り合える可能性十分にある。
尚柱の男(厳密に言えば闇の種族)とは異なり、絶滅したと明言されていない為に続編に引き続き現れても設定上は問題ないと思われるが舞台となるハワイは(現実世界と同じであれば)火山が噴火した事がある岩人間が好まない場所である為に登場する可能性は限り無く低いと思われる。
現状、地球上のほとんどの生命体は炭素を主軸として構成されている。それ故に原子値が炭素と同じ数だけ存在するケイ素(珪素)を主軸としたシリコン生命体というモチーフは、SF界隈ではかなり古くから愛用されてきた。ただし、地球上の自然環境では安定した構造を保てないことから、長らく珪素生物=地球外生命体という図式が定着している。そういえばジョジョで人外で宇宙行った奴って言えば…
2部のアニメ版では「柱の男」は不完全な石仮面でその力を得たことが示唆されているが…。
(ちなみに「スティール・ボール・ラン」以降の「一巡後の世界」では石仮面は最初から存在しなかったことになっている。)
99話で、岩人間の生態の解説時に、7部の悪魔の手のひら、8部の壁の目と並び、石仮面を被ったディオらしき人物と、弓と矢を持ったエンヤ婆が描かれており、世界が一巡する前の部との繋がりも仄めかされている。
関連タグ
ジョジョの奇妙な冒険 ジョジョリオン 岩動物 スタンド ロカカカ