珪素生物
けいそせいぶつ
珪素生物とは、その名の通りケイ素(シリコン)で構成された体をもつ架空生物。
現実の地球生物は炭素ベースの生命体であるため、しばしば「異質な生命」の象徴としてSFなどに登場し、かのアイザック・アシモフも題材とした作品を書いている。
珪素には
・同族の物質で生命体が利用している炭素と同じく「原子価」が4で多数の結合をする
・二酸化ケイ素のような無機的な物質だけでなく、シリコンゴムのような有機的な形態を取り得る
という性質があるため、理論的には炭素と同じように生命体を構成し得るのではないかという着想で珪素生物が考え出された。その点では空想科学的な思考実験とも言える。
しかし、地球のような環境ではケイ素原子の状態が不安定で、原子間の結合力が弱い上に二重結合をほとんど作らないため、地球上に珪素生物は存在し得ない。ここから「地球とは異なる環境でなら生まれ得る」地球外生命の一例として創作に組み込まれることも多い。
なお地球上では、炭素生物の枠組みから外れない範囲でシダ植物、イネ科植物や一部の微生物など、細胞などの骨格に珪素を利用する生物は存在する。
創作物に珪素生物が登場する場合、「地球生物(炭素生物)とは根本的に異なる」という要素が絶対に解り合うことのできない怪物や価値観の異なる隣人や人類とは異なるアプローチの高度な文明など、さまざまな関係性の描写に活用される。
一例として、『ガメラ2』のレギオンは珪素を含む土やガラスなどを食料とし、地球生物そのものは食料とも敵とも見做さないが、電磁波で交信する生態を持つため電波を発する器具を所持していた人間だけを襲う、電波の錯綜する都市を敵群と認識して攻め滅ぼしにかかるといった特殊な行動原理を持つ怪獣として描写された。
『マブラヴ』の敵キャラ、侵略宇宙生物のBETAは地球人類の分析によれば炭素生物であるが、その創造主は珪素生物だろうと考えられている。
BETA創造主は資源採掘を目的に宇宙中へBETAを放っているらしいのだが、「生命体が存在する惑星には侵入しない」と言う絶対的なルールを配下のBETA群に課していた。しかし、その概念は創造主と同じ珪素生物のみを指していたため、炭素生物しかいない地球は「生命体がいない」と見做され侵略(採掘)の対象にされていたのである。
地球人類から受けている抵抗は、例えるなら台風で飛んできた石にぶつかって怪我をしたような「意思疎通不可能な災害」であり、BETAにしてみれば「他の生物と争っている」という認識自体が無い。
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