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透明人間

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とうめいにんげん

フィクションに登場する、姿が透けていて周囲からは見えない人間のことである。そこから転じて、存在感が薄い人間を指すこともある。

透明人間の描写

大きく分けて、先天的に透明な体に生まれついた人間だったか、後天的に魔法によって透明化したかに分かれる。

先天的にそうなった場合、などをデザインする手間が省ける反面、表情や行動など、読み手にイメージが掴みにくいという欠点がある。その為、古典的手法として、帽子眼鏡を着させることがある。ファンデーションなどを厚く塗るということもある。

後天的になった場合でも、透明人間になりたくて薬などを発明してなった場合と、本人が意図せずなった場合とに分かれ、前者は大抵犯罪目的(覗き盗み等)であり、後者も結局は同種の犯罪行為に走るという展開になりやすい。

また、服までは透明にならない場合、裸で闊歩するため、見られないとはいえ裸になる羞恥心への耐性、もし元に戻ると裸を不特定多数の眼に晒されるリスクがあるので、そう言った点から考慮される事もある。

実際のところ「透明」になっても全身組織の屈折率が空気と全く同じでないと「ガラスの人形」と同じく「見えない」状態にはならないし、さらに(正確には網膜)が透明だと映像が素通りして感知できない(例えるなら透明なスクリーンでは映画が映らない)ために盲目になるということになってしまう。

というのはとりあえず抜きにして「もしも見えない人間がいたら」という設定で描けるのがフィクションの世界である。

さらに「口に含んだ食べ物や腹の中のものは見えるのか?」とか「出血や排泄物は?」とか境目に疑問点があるが、そのあたりも概ね“体の中のものは外から見えない”という作品が多い。

食べ物を口に入れた時点で見えなくなったり、出血すると体外に出た血だけが見える、という具体的な描写がなされている作品もある。と言うか食べ物はともかく「血も透明」って事で良いだろう。

幽霊気体化状態とは異なり、行動できる範囲や能力は人間のままだが、物理的作用も通常通りに行う事ができるのは強みである。

例えば普通の人間が相手ならば、素手でもいきなり指で目潰しする先制攻撃も可能となる。

服や武器まで透明化できるタイプならば、相手にとっては唐突に首から血飛沫が吹く事になるだろう。

ただし、足音などで見破られてしまう事も多い点や、雨の中ではどこに居るかある程度バレてしまう事も多い。悪意を持った透明人間との対決モノだと、居そうな辺りに小麦粉やペンキ等をぶちまけて全身に浴びせる事で姿をあぶり出す戦法もしばしば見られる。

また、車等の運転手も気付いてくれないために、轢かれる危険性が高い点には注意が要る。

その他

世界中の伝説や御伽話には着用したものが存在を気付かれなくなる魔除けの道具が登場する。最もポピュラーなのが不可視のマント(隠れ蓑)で、アーサー王伝説ジャックと豆の木ニーベルンゲンの歌桃太郎などに登場する。他の道具としては、ハデスの帽子やギュゲスの指輪などがある。

アメリカの作家エドワード・ページ・ミッシェルは1881年に『水晶人間』(The Crystal Man)という短編を発表している。これはH・G・ウェルズの『透明人間』(1897年)よりも10年以上早い。体内の色素を薬学的に除去する事で人間の身体を透明にするというアイデアはウェルズの『透明人間』とも共通している。本作では社会から孤立してしまった若者の孤独を描いている。

物理学者で随筆家であった寺田寅彦は、H・G・ウェルズの『透明人間』(Invisible Man)に対し、「透明と不可視(invisible)は異なるので題名の訳は不適当」と書いている。

透明で見えない存在から転じて、存在感の薄い人間の比喩として使われることもある。このような意味合いでの透明人間としては、アメリカの作家ラルフ・エリソンの『見えない人間』(英: Invisible Man,1952年)などがある。

実現可能性

人間や物体を不可視にする技術は様々な分野で研究されている。

たとえば手品では透明なスクリーンを使うことで人体の一部が消失したように見せかける古典的なトリックがある。また、スクリーンに背後の映像を直接投影する研究もある。

軍事用途で使われる迷彩服は最も普及した身を隠す技術であると言える。航空機に使われるステルス技術は電波を吸収したり逸らすことでレーダーに捕らえられないようにする技術である。

近年注目されているのが負の屈折率を持つメタマテリアルである。光の屈折率が異なるメタマテリアルを適切に配置すれば、光はメタマテリアルの中を屈折して進み物体を迂回する。周囲からの光が反射せず通り抜けることで透明人間になるのである。

関連作品

  • 透明人間(H・G・ウェルズによる小説。透明人間の代表的な作品であり、複数回映画化されている)
    • 透明人間(1933年の映画。ほぼ原作の内容に沿った内容。本作のヒットにより、5作の続編が作られた。
    • 透明人間(2020年の映画。透明人間に狙われた一人の女性を描く。続編が予定されている)

上記の2作がH・G・ウェルズの『透明人間』を原案とした映画化である。以下の作品は透明人間を題材にしているものの版権的に無関係である。

    • インビジブル(2001年の映画。当時の最新のVFXで皮膚、血管、筋肉、骨格が徐々に透明化していく姿が描かれている。続編が一作作られた)
    • 透明人間(1954年の映画)(日本で、東宝が製作した映画。透明人間は旧日本軍が開発した、透明特攻隊員という設定)
    • 透明人間現わる(日本の大映が、1949年に製作した映画。透明化薬品を飲まされた男が、悪人に宝石奪取を強要される)
    • 透明人間と蝿男(同じく大映製作の、1957年の映画。透明人間が善玉で、警察に協力して殺人鬼・蝿男の捜査に協力するという変則的な内容)
    • 透明天狗(大映製作の、1960年の映画。時代劇であり、無実の罪で切腹させられた父親の仇を撃つべく、透明な身体を得た若き侍が悪党を倒していく)
    • 透明剣士(大映製作、1970年の映画で、こちらも時代劇。貧乏長屋の弱虫剣士が、妖怪から透明になる薬の作り方を教えられる。その薬を用いて透明になり、父親の仇や盗賊団と戦うという内容。『透明天狗』に比べ、ややコミカル)

キャラクター

※正確にはトウメイワルドの能力で対象を透明化させ、ダイトウメイワルド時に自ら透明化させることができる。

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