「これが 外の世界か…」
○○○○は 10年ぶりに 夕日を 見た…
そして 心のそこから うつくしいと 思った…
概要
漫画家相原コージは悩んでいた。『摩訶摩訶』では仕様書をもとにしたキャラクターデザインしかできなかった。さらにありえないほどのバグによりゲーム史に残る伝説のクソゲーと言われる始末。そこへ「ゲームを作ってみないか」との天からの声が…
これが「理想」とするストーリー(ギャグ含む)や、システムのロールプレイングゲームを作り出すための愛と努力の結晶「イデアの日」誕生の概要である。
キャラクターデザインが氏であることから、『摩訶摩訶』の続編、クソゲーやバグゲーと思っているものも多いが、目立ったバグは無く、世界観などのストーリーも無関係である。
もちろんギャグ的な展開もあるが、メインストーリーの根幹にあるものは人間社会に対する問題提起である。また氏が今まで面白いと感じたものを再構築したものなので、エンターテインメントとしての完成度は高い。
世界
イデアワールドは近未来の地球が舞台である。しかし日本列島が世界の半分ほどの大きさで、ほかには南北アメリカ、南極大陸しかない。ゆえにユーラシア、アフリカ、オーストラリア大陸は存在しない。(中国、ロシア、アフリカ、ニュージーランドに関係するモンスターはいるので(( ;゚Д゚))ブルブル)多くの街はトウキョウを含め廃墟となっており、モンスターが徘徊するようになった時代からの混乱が想像できる。
その他、恐竜の生き残りと地底人が住む地底世界、不条理な夢世界、不気味に進化したニウヒウメン(新人類)と怪生物、怨霊があふれるトラウマな未来世界、あの女は幻だったのか?海底世界も冒険の舞台となる。
登場人物
主人公(カメキチ)
※プレイヤーが任意入力可能(4文字まで)
超能力の才能を持っており、幼少期に謎の組織に捕えられフジの研究所で実験対象にされてきた少年。目の前で愛犬ペスが殺害されたことで「力」に目覚め脱走。故郷のナガサキを目指す。様々な超能力が使えるが、不幸なので運のステータスが低く(初期値が0である上、レベルアップで運がまったく上がらないことすらある)、やたら状態異常を食らいやすい。ダメージが積み重なり怒りが頂点に達すると「怒りの炸裂」で敵を殲滅できる。
りんこ
フクシマに住む女子高生。両親を失い、周囲には優秀な姉と比較されていたが、実は姉以上の才能の持ち主。得意武器は弓で、彼女が使う場合だけ対グループ攻撃になる。素早さや運が高く伸びるので、クリティカルを頻繁に出してくれたり、逃げるのも成功しやすい。隠し通路等を発見できる勘の鋭さも持ち合わせる。
雷岩
マツヤマの相撲取り。異種格闘技大会に出場したことから部屋から破門されていた。防具などは装備できないが、イベントで体型が一回りずつ大きくなって強くなる。特に攻撃力がずば抜けており、得意の素手攻撃で真価を発揮する。すもうパワーにはまいったな!
ミコト
ハチオウジで占い(兼お祓い)師をしているワンレンの女性。仕事時は巫女服だが、仲間になるとボディコン服に着替えてくる。日用品系の武器が得意で霊能力を持ち、アンデッド系の浄化や状態異常回復で活躍する。終盤にはランダムに偉人を召喚するイタコ技を覚える。レベルが上がると覚える「奇跡」は、全体全回復だけではなく自身の特力まで全回復させる壊れ性能技である。
ジャド
シカゴに住む泥棒。つぶれかけた孤児院を救うため危険な仕事に手を出すが…。カギ等の解除やナイフが得意。素早さが高いため回復・支援アイテムの使用や、手榴弾などの固定ダメージ武器を駆使することで活躍する。
Dr.ポー
モノクルの老マッドサイエンティスト。敵組織の一員だったが、真実を知り味方となる。老人なので身体能力はお察し(特に攻撃力はレベルアップで上がらない場合があるほどだが、得意武器の銃は使い手の攻撃力を参照しないので無問題)。さまざまな超科学の産物である発明品を使い、仲間の戦闘を補助したり各種属性攻撃ができる。複雑な機械の操作が必要なときにも彼の助けが必要になる。
トムトム
モンスターのような姿の隠れキャラクター。装備品は身に付けられないが、便利な敵モンスター技を使用できる。仲間にするとあるメンバーのエンディングが変化する。
ペット
各地で仲間になり戦闘を助けてくれる動物たち。それぞれ得意な技能を持つ。ハリネズミ、タヌキ、イノシシ、半魚人、シロクマ、トリケラトプス、グィーガー(未来生物)、真の力を発揮したタヌキが仲間となる。いずれもレベルアップしないという特徴があり、パーティーについていけなくなったら更新していく必要が出てくる。
ちなみに、イノシシとシロクマは同作者の『かってにシロクマ』からのカメオ出演だったりする。
ムナカタ
主人公たちの行く先々で出会うことになる冒険家。とある目的のため旅を続けているようだが…
イデア
各地で素晴らしい人物であるという風評を聞くことになる人物。その目的は何なのであろうか?しかし、崇拝者たちの行動により世界中に混乱が起きている。名前の由来は「 idea(理想)」
デモク
イデア四天王のひとり。見た目はSFチックな鎧を着こんだ好青年だが、その実目的のためには手段は選ばない外道。名前の由来は「democracy(民主制)」
エクアル
イデア四天王のひとり。見た目は「ヒャッハー!」な感じだが、自分が何をできるのかがわかっている男である。ロールプレイングゲームの掟破り、宿屋の寝込みを襲撃してくる。名前の由来は「equal(平等)」
ピーズ
イデア四天王のひとり。リトルグレイを思わせる姿で、読心能力を持つため、あらゆる攻撃が通用せず、アメリカ軍すらも壊滅させた。どのように倒せばよいのだろうか…
名前の由来は「peace(平和)」
ジャスティ
イデア四天王のひとり。密林に住む迷彩模様の戦闘民族最強の戦士。イデアの理想に同調し正々堂々と戦いを挑んでくる。名前の由来は「justice(正義)」
余談
- モンスターとして戦う相手はとある理由で変貌してしまった人間を含む生物である。
- 『摩訶摩訶』で容量の関係からか没になったモンスターも、トップビュー用に書き直され登場している。(ウニ女、アニメ女など)
- 音楽は『摩訶摩訶』と作曲者が同じ(J-WALKの知久光康)で、やはり名曲揃い。通常戦闘曲は3曲あり、戦闘に入る前に向いている方向によって変わるようである。
- クリティカル時の叫び声が「べらめんちょ!」「もひもひ~ん!」「ほにゃぷ~!」「ずんばらび!」
- 同じクリティカルヒットでも掛け声によって威力が異なっており、威力が高いものほど頻度が低い。ちなみに最強の掛け声は「ぷももぽーん!」である。
- ストーリーが進むとヘリコプターや潜水艦などの乗り物が手に入るが、負けると全滅してしまう3Dシューティング戦闘がある。このシステムは作者が『サルまん』連載のときにはまっていた『ゾイド2ゼネバスの逆襲』の影響か。
- 「主人公・ミコト・Dr.ポーはそれぞれ能力の種類が違うので特力(MP)回復用のアイテムが異なる」、「ゾンビ系のモンスターにズタボロ(戦闘不能)にされるとゾンビになってしまう」、「暑いところでは薄着、寒いところでは厚着しないと体力を消耗してしまう」、などの妙なこだわりがある。
- 装備は比較的自由というレベルでないくらい自由すぎるので男性がスカートやブラ、女性がふんどし、頭にパンツが可能。さらにステータス画面では全身グラフィックが用意してあり自らの現在の姿の確認ができる。これはプレイした人自らがギャグを作るという仕様である。アノ本を集めることで手に入るレアアイテム「透明ブラジャー」を手に入れると…
- ちなみに武器類は装備するのではなく、その都度アイテム欄から選んで攻撃に使うという形式。最初は面食らうが、整頓して一番上に常用の武器を置いておけば面倒がない。
- なお相原コージ氏はゲームの主人公は自分なので、巻き込まれる系のギャグは不愉快であると考えシステムやシナリオを練ったという。
- 相原コージの連載した漫画「Z~ゼット~」の主人公の名前が「凜子(女子高生)」で今作を遊んだ経験の有る人間は驚いたかもしれない。
- 2019年に発売25周年を記念して、相原コージ氏自身のアナログ制作による「イデアの日LINEスタンプ」が申請され無事発売された。(下ネタ系の絵柄のものはリジェクトされてしまったとか)
関連タグ
摩訶摩訶:相原コージ氏が関わったのはキャラクターデザインとラスボス(笑)のギャグ考案。バグは責任ないよ!
北斗の拳:制作スタッフがこのゲームの前に『北斗の拳』のロールプレイングゲームを作っていたため演出に共通点が多い。