概要
映画『ALIEN』シリーズに登場する架空生物。
ゼノモーフ幼体の第二形態であり、白いヘビかウナギのような形状をしている。
名前の意味は『胸を突き破るもの』であり、後述する生態が由来となっている。
生態
エッグチャンバーから飛び出したフェイスハガーによって生物の体内に元となる胚が植えつけられる。
体内に侵入した胚は寄生先の生物のDNAを取り込むと共に、その生物のDNA構造を一部書き換え、急速に生体構造を変化させ、体内(人間なら胸の中心。肺もしくは肺と心臓の間辺り)に子宮状の臓器を形成させ、成長が完了するまでその臓器内で「へその緒」の様なもので繋がり潜伏する。ある程度の段階まで成長しなければ宿主には自覚症状が出ないため寄生させられた事に気が付かないケースがある(レントゲンやプレデターのセンサーによる確認は可能)。
成長するまでの期間には個人差があるが、体内から出てくる際は宿主の体を食い破って出てくるので、その際宿主は凄まじい激痛に襲われて死亡する。
外科手術による摘出も可能ではあるが、現時点において、外科手術により生存できた人間は4作目のクローンリプリーのみ。
この形態でも力はかなり強いが、プレデター並の握力があれば首をへし折ることも可能。
動きはかなり俊敏であり、小ささも相まって捕獲は困難。
数回脱皮して短時間の内に完全体になるので、逃すと潜伏されて洒落にならない事態に陥る。
宿主のDNAを吸収して性質を受け継ぐ特性上、寄生する生物によって形状や能力に差異が出てくる。
また、ある程度寄生が進んだ宿主からは、宿主とゼノモーフのものが混ざりあったDNAを採取する事ができる。
種類
ドッグ(バンビ)バスター
犬(完全版では牛)に寄生したチェストバスター。
手足がある。
クイーンチェストバスター
発生確率の非常に低いスーパーフェイスハガーから寄生させる個体で潜伏期間が長い。
他のゼノモーフはこれが寄生している生物は殺さないという習性がある。
プレデリアン・チェストバスター
プレデターに寄生したチェストバスター。
DNAを吸収した結果、口部にその特徴が現れている。
プレデターがゼノモーフを狩りの対象としている以上、存在自体はそう珍しくもないと思われる。
初登はゲーム『エイリアンVSプレデター2』の追加パックで、あるフェイスハガーが瀬死のプレデターに寄生し、誕生後、人の死体の体内に寄生、進化し、誕生した。
映画AVP2に登場した個体は元がクイーンな為か、直接人間の妊婦に寄生できる技を身につけている。
余談
有明海にワラスボという魚が生息しているが、目が退化した顔や口部の鋭い牙など、外見がチェストバスターそっくりである。
もしくはゼノモーフのインナーマウスか。
なお、「エイリアンVSプレデター」のダークホースコミックが刊行したクロスオーバー「SUPERMAN vs ALIEN」では、共演したスーパーマンを宿主にしていた。パワーを失った状態のスーパーマンの胸部を食い破り出てこようとしたが、その寸前にパワーを取り戻したスーパーマンは、体内のチェストバスターを腹筋の筋力で押し潰し、そのまま圧殺してしまった。
(その直後スーパーマンは、口からチェストバスターだったゲロを吐いた)。
「エイリアン3」は、複数の準備稿脚本が書かれたが、その一つには、「胸部ではなく頭部を食い破り現れる『ヘッドバスター』」という亜種が登場している(決定稿には未登場。他にも、様々なゼノモーフの亜種が登場していた)。
また、パロディとしてコメディSF「スペースボール」にも、それっぽいものが登場。
エイリアン一作目にて、チェストバスターに胸を食い破られたケイン……にそっくりな男性(演者は、ケインを演じたジョン・ハート本人)が、宇宙ステーション内の食堂で食あたりを起こすとともに、そのまま胸を食い破って出てきた。
食い破って来たチェストバスターを見た男性は「またかよ……勘弁してくれ」と言って事切れ、チェストバスターはそのまま、シルクハットとステッキを取り出し(なぜか手足がある)、歌い踊りながらそのまま去っていった。