概要
ALIENシリーズに登場するエイリアン(ゼノモーフ)の女王個体で、卵にあたる「エッグチェンバー」を産むのが役割。
現実の蟻や蜂の女王と同様に普通の個体の数倍近い大きさである(作品によって微妙に大きさには差異はある)。
誕生には発生確率の非常に低い「スーパーフェイスハガー」から寄生されるクイーンチェストバスターが成長するか、既存の群れのクイーンが死んだ場合、群れの中で最も強いウォーリアーエイリアンが、「プレトリアン」という中間形態を経て成長する。
普段は体を固定し巨大な卵嚢から卵を生み続ける。その為動くことは出来ないので、護衛のウォーリアーに守られて住処の奥に引っ込んでいるが、非常時には卵嚢を排除して自立行動も可能(卵嚢無しでも少数ならエッグを産める)。
戦闘力も凄まじく、巨体故に大型重機ともタメを張る圧倒的パワー、防御力自体さほどでもないエイリアンの中でも例外的に頑強な外皮、それでいて通常のエイリアン以上に動きも俊敏で、ウォーリアー同様に隠しアゴやシッポでの刺突は凄まじい威力がある。プレデターもタイマンでは、リスト・ブレイドやレイザー・ディスク程度の軽装備では勝利は非常に困難な程。
エイリアンを獲物としているプレデター達は、このクイーンを捕獲して訓練用にエイリアンを確保したり、成人の儀式に利用したりしている。またプレデターの次期リーダーを決める際は、挑戦者はクイーンを一対一で仕留めなくてはならないらしい。
当然だがクイーンがいればキングもいる(名称はエイリアン・キング)。
こちらは元が玩具のオリジナルキャラクターとして発売され、その後コミックなどにも登場している。
歴代クイーン
エイリアン2
初登場作品。惑星LV-426の入植地を壊滅させたエイリアンたちの首魁。
物語終盤、コロニーに巨大な巣を作って産卵に勤しんでいたが、押し入って来たエレン・リプリー(オリジナル)に巣や卵を焼き払われ激怒、卵嚢を分離してリプリーに襲い掛かるも、降下艇で逃げられてしまう。
しかし、執念で降下艇にしがみ付きリプリーらの母船スラコ号まで辿り着くと、安堵する生存者たちの絶望を誘うように襲い掛かるが、パワーローダーに乗り込んだリプリーと相対し、死闘の末リプリーが乗り捨てたパワーローダーごと前作のビッグチャップ同様に宇宙空間へ放り出されていった。
しかし、この時クイーンは船内に卵を産み落としていたがリプリーたちはこれに気付かぬまま冷凍睡眠に入ってしまい、これが続編である『3』の悲劇を招くこととなる。
エイリアン3
成体は登場しないが、前作『2』の個体が生んだクイーン候補の幼体が冷凍睡眠中のリプリーに寄生しており、本作の舞台である監獄惑星フューリーでの事件の中心となった。
今作のエイリアンは前作のクイーンが生んだ少数の卵から孵化したものであるため1体しかいなかったが、碌な武器を持たないリプリー一行は反撃もままならず一方的に追い詰められていくも、クイーンを体内に宿していたリプリーだけは害されることがなかった。
最終的に、エイリアンを地球に持ち込ませないため自決を選び溶鉱炉に身を投げたリプリーと運命を共にした。
エイリアン4
エイリアンの兵器転用を企む軍の実験宇宙船オーリガ号にて、前作『3』で死亡したリプリーと共にクローンとして復活した。
クイーン摘出実験の過程でエイリアンの遺伝子と融合して超人的な身体能力や特異体質を得たクローンリプリーであったが、一方のクローンクイーンも人間の遺伝子と融合したことで子宮と人間的な感情及び知性を獲得した。
摘出・成長後はオーリガ号で研究用のエイリアンを生み出すための製造装置として利用されていたが、脱走したエイリアンらに救われてオーリガ号に壊滅的被害を与えた。
その後、獲得した子宮から苦しみながらもニューボーンを出産し、獲得した感情から「母の愛」にも目覚めていたのか誕生した我が子を祝福するように慈愛に満ちた鳴き声を上げるも、当のニューボーンからは母親とは認められずに撲殺された。
エイリアンVSプレデター
プレデター達が定期的に行う成人の儀式に必要な成体エイリアンを産み出すため、氷漬けにされた状態で地球の南極のピラミッドに持ち込まれる。その後は4と同じくエイリアンを生み出すための製造装置として利用されていたが、プレデター達を次々と殲滅したエイリアンらに命じて拘束具を破ってもらい、儀式場から脱出する。
物語終盤、スカープレデターにより仕掛けられた時限爆弾の爆発からも逃れて地上に姿を現し、自身や我が子らを脅かしたスカープレデターと彼に共闘した人間の女性探検家であるレックスに復讐するが如く襲いかかり、死闘の末にスカーに槍を頭部に刺される深手を負うも、隙をついて尻尾でスカーを串刺しにして致命傷を与える。だがレックスの奮闘で繋がれていた建物を崖下の海へ落とされたことで共に転落し、そのまま南極の海底に没していった。
しかし、直後に息耐えたスカーの体内にはチェストバスターが宿っていたが、レックスや母船にいたプレデター達はこれに気付かぬままスカーの遺体を母船に収容してしまい、これが続編の『AVP2エイリアンズVSプレデター』の悲劇を招くこととなる。
なお、ダークホースコミックス社の、同タイトル原作コミック版では、プレデターの宇宙ステーション内にクイーンは手足を拘束させられて固定。エッグチェンバーを産卵させるためだけの目的で飼育されている。
ステーション内には卵選別機が設置されている。将来的にクイーンを産み出すフェイスハガーの卵が産み落とされると、機械がそれを発見した後、運び出されて処理機にて処分される。
こうして選別した後、ウォリアーを産み出すフェイスハガーの入った卵のみを、他惑星上に先行して運搬。自動的に惑星の自然環境内に卵を設置し、原住生物に寄生させ、ウォリアーのみを発生させている。プレデターのクランは、こうして発生させたエイリアン・ウォリアーと戦い狩る事で、武勇を競う。
これは、クイーンを他惑星に発生させない事で、エイリアンそのものを他惑星に必要以上に繁殖させないための措置である。しかし時折選別機をすり抜けて、クイーンの卵が運搬され設置される事もある(原作「ブラッドタイム」では、飼育されていたクイーンが意図的に選別機を騙し、クイーンの卵を他惑星に向かわせた描写があった)。