概要
スズキ目・ハゼ亜目・ハゼ科に分類される体長40㎝ほどの魚で、同科のハゼには似ていない。
漢字表記は藁素坊・藁苞で、名前の由来は稲藁を束ねて作られた細い筒に似ていることからであるといわれる。
福岡県ではワラス、佐賀県ではスボ・ジンキチ・ジンギチ、長崎県ではドウキン・ドウキュウ・スボタロウなどの呼び名がある。
泥の中に生息するために、鱗がほとんどないヌルっとした細身の体をしており、目は退化していて上向きの大きな口には牙が並んでいる、まるでSFホラー映画『ALIEN』に登場する宇宙生物ゼノモーフ(および幼体のチェストバスター)のようであるといわれ、近年では地元でもこのように宣伝され「エイリアン○○」という名前で商品展開も行われており知名度を上げた。
※こちらがゼノモーフ/チェストバスター
朝鮮半島、中国、台湾、日本の干潟に分布し、日本では九州の有明海のみで見られる。
見た目は恐ろしいが(小動物を捕食するが人間には無害。見た目が普通っぽいこちらと逆でなくて良かった!)食用魚であり、干潮時に潟スキーという板に乗って移動しながら「すぼかき」という鉤がついた棒で引っかけて捕獲する。
捕獲されたワラスボは皮に藻の臭いや泥臭さがあるので、内臓を取って干物にされることが多いが、地元では新鮮なものが刺身や寿司、煮物、味噌焼きなどにして消費されているという。
ロマンシング佐賀
後述する『僕は友達が少ない』ではギャグに過ぎなかったが、人気RPG「サガシリーズ」と佐賀県がコラボした企画「ロマンシング佐賀」ではある種の象徴に。
「ロマンシングサガリ・ユニバース」ではボクオーン×ワラスボが登場、「ロマンシング佐賀2020」では巨大ワラスボと戦うが特設ステージとして開設された。
「インペリアルサガエクリプス」ではザコ敵としてワラスボが出てくるほか、クエストのボスが佐賀県の名産7種を七英雄本体のように組み合わせた「七名産」となっており、そちらではクジンシーのパーツとしても出演。
メディアでの扱い
『笑っていいとも!』
2012年9月11日放送の『笑っていいとも!』テレフォンショッキングに出演した女優・水野美紀が佐賀で食べたワラスボを「(生き作りにしたが)生命力が強い」「友人の女優が怯えて泣いた」と話題にし、その写真も出そうとしたが、スタッフに「お昼には無理」「エイリアンそっくり」と止められたことが後々まで話題になった。
『僕は友達が少ない』
アニメ『僕は友達が少ない』第5話「今度はSAGAがガチな戦い」で、志熊理科がもってきた試作品RPG「ロマンシング佐賀」にワラスボをモデルにしたワラスボ怪人が登場、しかし、試作品であったためプレイヤーに反撃することなく三日月夜空や柏崎星奈たちに一方的に倒されてしまった。
『超新星フラッシュマン』
特撮『超新星フラッシュマン』第15話「巨大ロボ破れたり」第16話「人間ミニミニ作戦」の2話に渡り登場した、エイリアンハンターサー・カウラーの部下である獣戦士「ザ・ズコンダ」は、ワラスボの顔を持つ赤いイボだらけの怪人。イボは爆弾になり、エネルギーを吸うことで分裂する難敵だった。
また戦隊シリーズ夏の恒例・怪談回である第24話「オカルト夏休み」において亡霊ザ・ズコンダとして登場した。
『海賊戦隊ゴーカイジャー』
特撮『海賊戦隊ゴーカイジャー』第24話「愚かな地球人」に登場した「センデン」は名前の通り宣伝を得意とする行動隊長。姿はワラスボモチーフの3つ首をもつフランケンシュタインの怪物のようなインパクトがあるもの。
『ゾンビランドサガ』
佐賀県を舞台としたアニメ『ゾンビランドサガ』第5話「君の心にナイスバードSAGA」で、有明海のガタリンピックに参加して泥まみれになった伝説の山田たえが咥えていたのがワラスボの干物である。
関連タグ
ALIEN エイリアン ゼノモーフ チェストバスター フルフル