CV:三森すずこ
概要
『ヒーリングっど♥プリキュア』の登場人物。
風のプリキュア・キュアアースに変身する。
2020年6月22日に公式サイトにてプリキュア追加戦士として情報が解禁。キャラクターデザインも同時に公開された。
公式では「外見的には20歳くらいの女性」とされており、プリキュアオールスターズに属するキャラとして成人設定がされたのは初だが、後述するように実年齢は0歳(どころか正式にデビューした第20話の時点で生後半日にも満たない)という特殊な出自の持ち主。
誕生日は第20話の放送日である8月16日(設定の変遷は後述)。
彼女が初登場したのはその前週の第19話だが、その時点ではあくまで「謎の戦士」状態であり、変身バンクを披露しキュアアースを名乗ったのは第20話のため、彼女の正式デビューは第20話と扱われている(各種のアニメ系ニュースメディアへのリリースでも「第20話にキュアアース登場」という形にされていた)。
ちなみに第19話と第20話は同じ日を舞台にした前後編のエピソードであるため、作中時間軸では同日扱い。さらに翌第21話前半も同日中のエピソードとなっている。
同期の沢泉ちゆとは誕生月が同じで、僅か5日しか違わないことになる。
登場経緯
第19話でラテの体調不良からメガビョーゲンの感知が遅れてしまい、キュアグレース・キュアフォンテーヌ・キュアスパークルの3人のプリキュアが駆けつけた時には、メガビョーゲンはすでに手に負えないほどに巨大化していた。
プリキュア達はなす術もなくメガビョーゲンに蹴散らされる。その様子を遠くから眺めていたラテは自分のせいだと焦り、ヒーリングガーデンの王女としての責任感から、無謀にも生身でそのメガビョーゲンに立ち向かおうとする。
だが叶うわけもなく、哀れにもラテはメガビョーゲンに踏み潰されてしまう…… と思われたその瞬間、一陣の風とともに謎の戦士が突如出現し、ラテを救い出す。
そして3人のプリキュア達を凌駕する圧倒的な力でメガビョーゲンを浄化したのである。
その謎の戦士こそが、4人目のプリキュアであった。
そして戦闘後、このプリキュアは変身を解き、アスミとしての姿を初披露した。
ヒーリングガーデンには先代のプリキュアであるフウを奉った石像が立っているのだが、アスミの姿はその石像にそっくりだったためか、花寺のどか達からは当初「先代が蘇った」と勘違いされていたが、実際はそうではない。
その正体は、風のエレメントから生み出されたいわば精霊のような存在である。
第19話にてラテに訪れた危機を感知したテアティーヌ女王が、ラテを助けて欲しいとフウの魂に語りかけるかのように強く願った時、「地球の意思」がその祈りを聞き届け、フウの姿をかたどった新たなる戦士を創造したのだ。
ただし、まったくの無から生み出されたわけではなく、風のエレメントさんを素材にして創られた。いわばエレメントさんの擬人化である。
フウの姿にそっくりなのは、彼女のパートナーであったテアティーヌの思いが強く反映されたからであるが、あくまで見た目が同じなだけで記憶や人格は継承されていない。
そういう誕生経緯のため、彼女の目的は「ラテを守ること」であり、すべての価値観はそれが最優先される。
なお彼女は19話で変身を解除した時点で、二度とプリキュアに変身できないはずであった。
そもそも彼女は19話でのラテの危機を救うことためだけに生み出されたので、プリキュアとしての力もそのためだけに付与されていたのだ。
そして翌週の第20話では、ラテをこれ以上戦いに巻き込ませないためにラテの意志を無視して強引にヒーリングガーデンへ連れて帰ろうとする。
だが、当のラテが自分は母のテアティーヌのように、プリキュアたちと共に地球のお手当を続けたいと帰還を拒否。そして「自分と契約して、地球のために戦って欲しい」とお願いをする。
そのラテの強い意志を汲んだ彼女は、ラテと契約して正式なプリキュアとなり、「キュアアース」を名乗るようになる。
これ以降は、ラテが側にいる限りはキュアアースに何度も変身できるようになった。
名前について
元は名前を持たずに生み出されたため、本人もその事を気にはしていなかった。
だが第20話でラテと契約を結び正式なプリキュアとなったことで「キュアアース」のプリキュア名を名乗るようになる。そして変身前の姿に対してはのどか達によって「アース」の連想から「アスミ」と名付けられ、翌第21話で正式に「風鈴アスミ」と命名される。
風鈴姓は、のどかが両親にアスミを紹介することになった際、自宅に飾られていた風鈴がたまたま目に入ったことから咄嗟にでっちあげたものである。
(当然ながら名前さえ持たなかったアスミに苗字や氏姓などという概念は本来はない)
プリキュアシリーズとしては初のプリキュア名がまず先にあって、それを元に「変身前の名前」が決められたと作中で明言されたキャラでもある。
プリキュアへの変身能力を獲得した異邦人が、主人公達が住む町に馴染むために日本語ベースの別名を名乗るケースは恒例だが、本名のアナグラム(美々野くるみ)、好きな童話からの引用(白雪ひめ)、月齢+出身世界での本名(十六夜リコ)、意識の奥底に浮かんだ風景や言葉(花海ことは)のように、由来が明言されている場合でもプリキュアとの関連はなかった。
花寺家の居候
身寄りもなく住む家もないため、のどかの計らいにより「ラテと逸れていた飼い主で、海外から来たバックパッカー」という体で花寺家に居候している。
ちなみに歴代プリキュアでも主人公の家に居候したプリキュアはこれまでもいたが、今までは事情も特に詮索されずに居候を即OKされていた中、アスミはのどかと同年代には見えず、普通の友達には思えなかったので自宅や身内などについて初めて追及されている(一見シビアにも見えるが、今までの家庭があまりにも寛大すぎただけで、これが一番リアルな反応である)。
生まれたばかりで地球における一般常識が全く欠如していたこと(後述)、外見が成人相当であること、バックパッカーとして花寺家に居候している等の要因からか、前年ののユニと同じく学校に通うことはなかった。代わりに第37話から饅頭屋でアルバイトを始めている。
スペック
第20話では「プリキュアの姿を解除すると飛べなくなるのを忘れていた」と言っており、変身前のアスミの姿では普通の人間と変わらなくなると思われていたが、第24話にてワープトンネルを開く能力がある事が明らかになった。隣町でも赤道直下でも、あげくにヒーリングガーデンにも行くことができる。ただしビョーゲンキングダムへのゲートを開くことはできない。作中の演出を見る限りアスミのワープゲートは風のエレメントの力を使って二拠点を繋いでいるようなので、エレメントが存在しないビョーゲンキングダムへはゲートを通じさせることはできないのだろう。
アスミのワープゲートは長時間の持続はできず、さらに連続で生成することができない。再生成にはある程度の時間経過が必要とのこと。
また、第27話では風の動きを自在に読むことで気球レースのサポートを行っている。このあたりは風のエレメントから生まれた彼女らしい能力と言える。
身体能力や知力についてはプリキュアに変身する前は別段特筆する部分はない。
ただ、精霊だけあって体は人間よりも頑丈らしく、第20話で飛べるのを忘れていたアスミが花寺家の二階のベランダから庭に落下しても特に怪我もなく、多少痛がる程度で済んでいた。
本作のプリキュアメンバーの中ではきっての大食いキャラであり、すこやかまんじゅうを好物としている。もちろん饅頭以外でも食事シーンでは健啖家ぶりをたびたび見せつけている。
なお、アスミは悲しい気持ちになると体が徐々に透けていくという特殊な体質を持つ。これはネガティブな気持ちが原因で「このまま消えてしまいたい」と無意識にでも思ってしまうと、文字通りそうなってしまうということのようだ。
服ごと半透明になる(当然服の下は見えない)ことや体の中が見えない(半透明な状態で食べたものが食道を通る様子が見えたりはしない)ことから、光学的に半透明になっているわけではなく、存在そのものが薄れているかのように描写されている。
精霊であるがゆえに、精神のあり方がそのまま肉体に反映されるようだ。
「このまま消えてしまいたい」という気持ちが現実に作用しているなら、完全に透明化するまで行き着くとアスミの存在が消滅するのかも知れないが、アスミ自身も自分の体質を把握してなかったので実際のところは不明である。
それでも万が一アスミが消滅してしまうと大変だということで、のどか達はアスミが落ち込む度に元気づけようと大わらわになっている。
ちなみに半透明状態を町中で一般人に目撃された際は幽霊と思われて大騒ぎになった。
元々が風のエレメントさんから生まれた存在であることから、地球と自身の体調が直接リンクしている訳では無いようで、映画プリキュアオールスターズFでは地球が破壊されても問題なく活動していた。
性格
基本的にのどか達よりも大人びていて落ち着きがあり、穏やかで上品な雰囲気の女性。
一方で生まれたばかり故に世間知らずである為、一般常識に欠け、人間の持つ感情というものをいま一つ理解しておらず、直接的な行動をとることがしばしばある。
またラテを守るために生まれたのでラテのことを最優先に考えており、良く言えば使命に忠実、悪く言えばそれ以外には無頓着なため、ラテのことになると周りのことを顧みなくなったり、時にラテ自身の意思をも無視するような行動に走ったりするなど、やや合理主義的。外面的には優しい笑顔を絶やさないが、どこか無機質な雰囲気も漂わせている。そこまでラテ一直線なのは単に使命だけでなく個人的な好意も含まれるようだが、自覚したのは第22話から。
但し、ラテ自身が体を張って主張した際にはその思いを汲み取る等、根は冷たい人物ではなく総じて良くも悪くも発展途上にあると言える。
第20話では「ラテの安全のため」という理由でのどか達の元からラテを連れ、テアティーヌの元に戻そうとした彼女に対して、ヒーリングアニマルたちは「決死の思いでラテを送り出したテアティーヌの気持ちを踏みにじっている」と憤っていたが、のどかは「彼女はまだ生まれたばかりな赤ん坊のようなものだから、人の気持ちが分からないのは仕方がない」と擁護している。
前述の通り人間世界の知識や常識も全くと言っていいほど持ち合わせておらず、他の人間から見ると全く意味不明かつ理解不能な言動に及んだり、地球の日用道具を使うにも苦労したりと、この手の人外ルーツ系プリキュアにありがちなカルチャーショックを起こすこともあり、そのせいで融通が利かないことも少なくない。しかし一度理解すると次からは難なくそれを使いこなす高い学習能力も備わっており、刑事ドラマで観た経験を活かしてペギタンの発見に漕ぎつけたり、トランシーバー等の機器を扱ったり、ラップと聞いて実演したり、アルバイトで接客をこなしたり、第26話時点で極めて美しい文章を書くに至っている。
上述したように飛行能力を無くしていることに気付かずに二階から落下するような天然な一面もあるが、失敗すればしっかりと学習し、同じ過ちを繰り返すような場面はほとんどない。
『感情や知識や常識を学ぶ』というキャラクター性に関しては、『視聴者の子供達に同様のことを学んで欲しい』という、本作のテーマ・メッセージが込められているのだろう。
のどか、ちゆ、ひなたがビョーゲンズたちに心を揺さぶられながら戦い続け、その戦いを通じて大切なことを学び、諦めない勇気を培った。
一方、アスミはビョーゲンズに対して情け容赦ないが、アスミにとってビョーゲンズは単に「駆除対象」だから倒しているに過ぎず、そこに感情的な理由は薄い。アスミは人間界の日常生活の中で感情を育んでいく様子が丁寧に描かれている一方で、ビョーゲンズとの戦いの中で何かを学ぶような描写はほとんどなかった。(まったくないわけではなく、第31話では戦いを通じて絶望という感情を初めて知り、のどか達との絆でそれを克服している。だが目立ってるのはそれくらいしかない)
ビョーゲンズに対する感情の薄さが顕著に表れたのは43話であり、浄化しきれず気を失ったシンドイーネに確実なトドメを刺すため羽交い締めして再浄化したあげく、滅んだシンドイーネの肉体の一部であるナノシンドイーネを取り出し、それを彼女の愛したネオキングビョーゲンを攻撃することに利用している。
彼女は”大切なものを守るために”とはいえ出生過程からして「戦うためだけの生物兵器」も同然であった。
しかし、最終回でやはりアスミは「人間では無い」「のどか達とは立場が違う存在である」事実が明確になった。
最終回でヒーリングアニマルのサルローの「地球を蝕むという視点では、今の人間たちもビョーゲンズとそう変わらない」「オレに言わせりゃ、ヒーリングアニマルは人間だって浄化していくべきなんだ。この星のためにな」との言葉にのどか達は動揺するが、アスミは「そういう考え方もあるのですね」と肯定も否定もしなかった。
地球の精霊であるアスミが、未来も人間の味方であるとは限らないのだ。
- アスミは確かに地球の精霊であり人間ではない。しかし、その容姿はかつてのテアティーヌのパートナーだった人間の女性、フウと瓜二つであり、もしも人間とヒーリングアニマルとの間に争いが起これば、彼女がどういう立場に置かれることになるのかは不明である。
しかしヒーリングガーデンに野生のナノビョーゲンを持ち込んだ責任を取るため戦ったキュアグレース達を見て人間への見方を改めるサルローにアスミは語りかけた。
「サルローさん、わたくし達も一緒に考えてみませんか」と。
容姿
先代プリキュアであるフウの姿を模倣した容姿であり、長い金髪と紫色の瞳をしている。
身長も4人の中で一番高い(のどか<ひなた<ちゆ<アスミ)。
服装など
誕生時
誕生したばかりの時は髪はくくられておらず、素足に薄紫色のロングドレスを着用していた。
髪をくくっていないアスミの姿は本編中では登場初期とヒーリングガーデンで暮らすようになった後しか見られないが、アスミ加入後のOPの提供クレジット画面では毎週見ることが出来る。
私服
春~秋
第21話でのどかの家に居候することになってからは、髪をくくり青緑のノースリーブワンピースを着用し、首に白いスカーフを巻いた姿となった。
公式サイトなどで紹介されるアスミの姿は第21話以降のものが基本である。
髪型や衣服を変えた理由は特に説明されていないが、少なくとも衣服については、古代の巫女風の浮世離れしたものだったので(おそらくはモデルとなったフウをイメージした衣装だと思われる)、2020年のすこやか市で暮らすにあたり支障をきたすと判断されたのだろう。
秋の時期には首のスカーフを外し、白いカーディガンを羽織る様になった。
冬
白いセーターと紫のロングスカートを着用。
足元は紫のヒール。
水着
第35話で見せた姿。
紫の水着を着用し腰辺りに薄紫のパレオを巻いている。
トリビア
声優について
アスミを演じる三森すずこ氏は今作がプリキュアシリーズ初出演である。
彼女は『ラブライブ!』でスクールアイドルグループ・μ'sに所属している園田海未を演じており、ラブライブ!シリーズの主役スクールアイドルグループ所属の担当声優としては初めてプリキュア役を担当した(ライバル役を含めれば続編の『ラブライブ!サンシャイン!!』でSaint_Snowの鹿角聖良を演じた田野アサミ氏が最初)。
プリキュア役ではないものの、翌年の『トロピカル〜ジュ!プリキュア』に教師の桜川咲役として、μ'sの同僚である徳井青空女史(矢澤にこ役)が出演している。
三森氏は本作の追加キュア起用において「声優になった当初から、いつか絶対にプリキュアになりたい!!とずーっと目標にしていました。オーディションの結果が届いた時は嬉しくて…マネージャーさんと一緒に飛び跳ねてしまいました。収録が始まってからも信じられない気持ちで…毎回ご褒美いただいているような感覚です。」とコメントした。(公式サイトのキャストコメントから抜粋)
制作休止による影響
2020年の4〜6月のCOVID-19によるパンデミックの影響により、本作も4月20日に公式から第13話以降の放送を延期するというアナウンスがされ、当面は過去に放送されたエピソードを再放送する処置が取られた。
その後、6月28日より13話以降の放送が再開された。
本作以前のプリキュア作品で追加キュアが登場するのは毎年6月中旬から7月初旬だったので、キュアアースが8月になって登場したのは制作休止期間の影響を受けたためとなる。
しかしキュアアースのグッズ展開に関しては6月22日に公式サイトでキュアアースが夏に登場予定と告知されると同時に、キュアアースに関するグッズ展開が事実上の「解禁」状態となった。
児童向け雑誌(たのしい幼稚園・おともだち)連載の漫画ではキュアアース登場回が本編より真っ先に紹介され、さらに本編でのネタバレやキュアアースが何者なのかも描かれており、キュアグレースとキュアアースが表紙を飾ったプリキュアグッズが店舗の陳列棚に並んだ。7月8日に発売されたボーカルアルバムにも当たり前のようにキュアアースのキャラクターソングが収録された。
ここで再度強調しておくが、事実上の解禁日となった6月22日の時点では、キュアアースは本編では影も形も登場していない。
そして公式スポンサーであるバンダイも『アースウィンディハープ』の玩具を7月4日に発売。そのため翌日の7月5日の放映回(第14話)からは、本人が本編未登場なのに玩具CM映像で何の説明もなくキュアアースが登場し、さらに第19話までは何の進展もないまま物語は進行していった。
誕生日についても第20話で正式に誕生したというストーリーの都合上、上記の放送延期を受けて数回変更されている。当初は本来の放送予定日であった6月14日に設定されていたが、7月19日を経て、最終的には8月16日となった。
各話ネタ
本編
■第19話
- プリキュアはメガビョーゲンに捉えられ、ラテもバテテモーダに捕まるという大ピンチの中、一陣の風と共に何処からともなく颯爽と登場。ラテを救い出し、「先代のプリキュア!?」と皆が驚く中、「地球を蝕む邪悪な者よ、最後の時です…清められなさい」との台詞と共にプリキュアも解放すると、強大なメガビョーゲンを軽々と翻弄して勝利につなげた。
- 戦いは終わったが、メガビョーゲンに痛めつけられたラテはボロボロ。「風のエレメントさんにお願いしてエレメントボトルを分けてもらわなくては」と心配する一同の前に現れた彼女は、「その必要はありません」と言いながら、プリキュアから若い女性の姿に変わる。そしてエレメントボトルを生み出してラテを治してしまった。驚いて「先代のプリキュアって大昔の人なのよね?」「何でラテの事を知ってるの?」「その前に何で現代に現れたラビ?」「プリキュアさん、あなたは一体何者なんですか?」と質問を浴びせるのどか達に、彼女は謎めいた微笑みを浮かべ……
■第20話
- 彼女の答えは「誰?それは名前の事ですか?だとしたら、まだありません。先程生まれたばかりなのです」という驚くべきものだった。のどかの部屋に招いて詳しく話を聞いたところ、彼女は人間ではなく、ラテを助けたいというテアティーヌの願いを聞き届けた地球が、風のエレメントを使って生みだした存在。強いて言えば精霊のようなものであり、だから先代プリキュアそっくりの姿らしい。
- ところがそこまで話をすると、彼女はラテを抱き上げ「それでは」と素っ気なくのどかの部屋から立ち去ろうとする。驚く一同に「わたくしはヒーリングガーデンに参ります。大切なラテ様を安全な場所にお連れしなくては」と言い残して、軽やかにベランダからジャンプ……するも庭に落下。風のエレメントの力をボトルに変えてしまったため、飛べなくなっていたのを忘れていたのだった。
- それでもお構いなしに去って行く彼女を追ったのどか達は、なぜラテを連れてゆくのかと問うが、彼女は「わたくしの使命はラテ様をお守りする事。そのためにわたくしは生まれたのです」と答える。「テアティーヌ様はラテ様を連れ帰れとは言っていないし、むしろ大変な覚悟でラテ様を送り出した。だからラビリン達がお守りするラビ!」と食い下がるラビリン・ペギタン・ニャトランと、「理解できません。お守りするなら連れ帰るべきでしょう」と譲らない彼女は押し問答になってしまう。テアティーヌの願いによって生まれたばかりの彼女にとっては、「ラテを守る」事のみが唯一且つ最大の使命。それ以外の感情はまだ何もわかっていないのであった。
- のどかが仲裁に入り、ラテ本人の気持ちを聞いてみようとしたが、折悪くメガビョーゲンが出現。のどか達がお手当てに向かった後、ラテは彼女に「のどか達のところに行きたいラテ」と頼み込んだ。プリキュアとメガビョーゲンが戦う場所に赴き、これ以上近づくのは危険だと言っても、ラテは「ラテはここにいたいラテ。ヒーリングガーデンには帰りたくないラテ。みんなと一緒にお手当てしてるラテ」と頑なだった。
- 「わたくしはお手当てよりもラテ様をお守りしたいのです」と説得を試みようとするも、ラテは逆に「ママのお手当てのパートナーそっくりラテ。なのにそんな事言われたら悲しいラテ。地球さんからもらったパワーをラテを守るためよりお手当てに使ってほしいラテ」と健気に訴える。その強い思いは彼女の心を激しく揺さぶった。
- その時、ラテを救うために使った風のエレメントボトルが甦って、彼女の手元に戻った。「ラテ様、あなたをお守りするためのこの力…あなたの願いのために使わせていただけますか?」もちろんラテも喜んで応じた。プリキュアとメガビョーゲンの前に現れた彼女は、ラテと共にキュアアースに変身する。「「時を経てつながる二つの風!」」「キュアアース!」「ワン!」
- 「このキュアアース、ラテ様の思いを受け、お手当て致します!」と名乗りを上げ、メガビョーゲンを強烈なキックでダウンさせたアースは「皆さんはメガビョーゲンを、『これ』はわたくしが引き受けます」と、バテテモーダと一騎打ちに。「フン…『これ』って…言ってくれるじゃないか!」と怒るバテテモーダの攻撃も素早くかわし、翻弄する。焦ったバテテモーダはメガビョーゲンと共に襲い掛かってきたが、アースはアースウィンディハープを生み出し、必殺技ヒーリングハリケーンが炸裂。バテテモーダはメガビョーゲンもろとも浄化されて消滅した。
- 「これからも一緒にお手当てしてくれるのか?」とニャトランに聞かれ、「ラテ様の望む限りは」と快諾。新たな仲間が増えて喜ぶも、普通の姿の時に「アース」と呼ぶのも変なので、名無しの彼女にみんなで名前をつける事に。のどかが「アースだから『アスミ』でどうかな?」と提案し、「ラテ様がよろしいのなら」と受け入れた。「じゃあアスミちゃんで!」「よろしくね、アスミ」「よろしく、アスミン!」と口々に声をかけられるが、「アスミちゃん、アスミ、アスミン…どれがわたくしの名前でしょう?」と問い返されて「えーっと…」と、みんなあたふた。生まれたばかりの彼女には、教えることがまだまだ多そうなのであった。
■第21話
- 慌ただしい1日が終わり、のどか・ちゆ・ひなたは解散するが、アスミは笑顔で道路のど真ん中に立ち尽くしたまま。ふと気づいた一同が引き返してきて「アスミはどこに帰るの?どこで寝るの!?」と尋ねるも、「わたくしに家はありません、強いて言えば地球全体でしょうか」とにこやかに答え、「わたくしはラテ様のお側にいられれば他に何も要りません。休む場所ならここで」と、堂々と地べたに横たわってしまう。
- 人間界の常識が壊滅的に乏しいアスミを放っておけないと、のどかに連れられ花寺家へ。「風鈴アスミちゃんっていうの」とのどかが考えたフルネームで紹介されるも、敬称と名前の区別がついておらず「はじめまして、アスミちゃんです」と自己紹介。「ラテとはぐれていた飼い主」「日本の事を知りたくて海外から来たバックパッカー」という触れ込みで住まわせてもらう事に。しかし箸が上手く使えず白目になったり、「初めて食べ物を食べた」等、突拍子も無い言動と天然な奇行の数々で、のどかはフォローに四苦八苦。
- のどかのベッドの隣の布団で寝る事になったが、のどかは早々に眠りの中へ。ラビリンに「今日はたくさん疲れたラビ」と説明されたが、『疲れる』という概念すらもアスミにとってはよくわからない感覚だった。さらに翌日、赤信号の意味も知らず歩き続け、車に撥ねられそうになった彼女をかばい、のどかは手をすりむいてしまう。
- これもまたアスミにとっては理解し難い行動であり、「どうしてですか?なぜのどかはわたくしのために尽くしてくださるのですか?プリキュアだからですか?疲れているのにいろいろお世話をしてくれたり、わたくしのために怪我までして、それでも笑顔で説明をしてくれたり、のどかはそういう風に生まれたのですか?わたくしがラテをお守りするために生まれたように」と素朴な疑問をぶつける。のどかは「わたしはいろいろな人に助けてもらって生きてきて、わたしもいろんな人を助けたいと思うようになった。経験してそういう風に変わったんだと思う」と説明したが、アスミはいま一つピンと来ない様子だった。
- メガビョーゲンが出現し、4人揃っての初名乗りで戦闘突入、アスミもキュアアースに変身し、メガビョーゲンを圧倒する、このまま倒せるかに見えたがメガピースによって強化されたメガビョーゲンの反撃を受けてしまう。さらに乱入してきたダルイゼンのパンチを受け止めたグレースは、手を抑えて苦痛に顔を歪める。それは先刻、のどかがアスミをかばって怪我した左手だった。それを見たアースはダルイゼンの続く攻撃からグレースをかばい反撃し、ダルイゼンを撤退させる。「グレース、大丈夫ですか?体が自然と動いていました。少しわかったような気がします。お返しに人を助けたいという気持ち」彼女の中に、新たな感情が生まれていた。
- ひなたの家のワゴンカフェで、アスミが無事にのどかの家で暮らせる事を祝してジュースで乾杯。これまた未知の風習を前に不思議そうな顔でジュースを飲み、「このような経験もいつかわたくしに何か変化をもたらすのでしょうか?」と尋ねると、のどかは「うん、きっと!わたしも新しい事経験するの、すごく楽しみ!」と答える。
■第22話
- 花寺家の一室を借りることとなったアスミ。早速、ラテのベッドを自分の部屋に移動させる。「ラテに何かあったら大変ですから」
- アスミはラテに対し山盛りの食事、山盛りの布団、外出禁止など、過保護とも取れる対応をする。それに嫌気が差したラテは、ラビリンとともに外出。アスミは一人取り残されてしまう。
- ちゆとひなたがのどかを探していると、なんと体が半透明になっているアスミの姿が...。二人の機転で事なきを得、そのままちゆの自室へ。
- 「私はラテに避けられているようなのです」「このまま消えてしまいたい」と話すアスミに対し、ちゆは「そんなに悲しいのね」と同情。ここでアスミは“悲しい”という感情を学ぶ。
- すこやかまんじゅうを差し出され、それを包装紙ごと食べようとする。ちゆに正しい食べ方を教えてもらい、「美味しい」と言ってパクパク。そんなアスミの様子を見て「アスミは甘いものが好きなのね」とちゆ。それを受け「好き? 美味しいことを好きというのですか」と尋ねるアスミ。
- 続いて銭湯に移動し、「銭湯もわたしは好きよ」とちゆ。アスミは「美味しくて、温かいもの……好きというのは良いものですね」と感動。しかしちゆから「好きは良いことばかりじゃないの。時には辛いけど、好きを止められないものもあるわ」と聞かされ、“好き”の概念に頭を悩ませるアスミ。
- 明くる日、ちゆの好きであるハイジャンプを見にのどかたちと運動場へ。何度も失敗するちゆを見て、「なぜ失敗してばかりなのに、何度も飛ぶのですか?」とアスミ。ちゆは「わたしはハイジャンプが好き。この気持ちは止めようと思っても止められない。好きってきっと、そういうものよ。アスミの心にもあるんじゃないかしら? そんな好きの気持ちが」と尋ねる。
- そこにラビリンたちヒーリングアニマルが現れる。ラテはアスミを見ると、すかさず距離を取る。その様子を見てアスミはやはり避けられていると感じ、またもや半透明に。
- メガビョーゲンの襲来。ラテに駆け寄るアスミ。その時ふとちゆの発言を回想する。ラテを想うこの気持ちこそが好きであると自覚したアスミは「わたくしはラテのことが大好きなのです。だから心配しすぎてしまったようです。これからはラテの気持ちを考えて、ずっとお側にいたいと思います」そんな彼女の話を聞いたラテはアスミに駆け寄る。
- 「わたしは大好きなキングビョーゲン様にお会いしたいだけなのにー!」と悪びれもしないシンドイーネに対し、「大好きは悪くありません。ですが、あなたの大好きのためにわたくしの、そして皆さんの大好きを傷つけることは許しません!」と一喝し、メガビョーゲンを浄化。
- 夕暮れ時、ラテは運動場でアスミを避けていた理由を「怒られると思っていたから」とラビリンを通じて告白した。つまりはラテも「アスミに嫌われたくない」という気持ちがぎこちない行動に繋がってしまったということで、アスミと似た者同士だったのである。そんなラテの無垢な姿にアスミは笑顔を取り戻すのであった。
■第23話
- ひなたにいろいろな服を着せられ、「見て見て、かわいいよ~!」とひなたがはしゃぐ一方で、当のアスミはきょとんとする。案の定「『かわいい』とは何ですか? 『好き』とは違うのですか?」と尋ねるも、誰も明確に答えられず困惑するばかり。
- アニマルクリニックで預かっているポチットという保護犬をドッグランに連れて行く事になったが、その途中、「ちゆもポチットがかわいいですか? かわいいはずなのにわたくしは何も感じません。なぜなのでしょう?」とちゆに質問し、「かわいいと思うかどうか人それぞれだから」と返されると、「という事は、人ではないわたくしには『かわいい』はわからないのですね……」とまたもや自虐モードになって体が半透明になり、ちゆを慌てさせる。
- なかなか人に懐かなかったポチットとの苦労話をひなたに聞き、「『かわいい』はまず興味を持って相手を見る事からなのですね」と理解し、ポチットを抱こうとしたが、やはりポチットは人見知りして逃げてしまう。
- メガビョーゲンがドッグラン会場に現れ、逃げ遅れた女の子に避難を促していると、彼女の犬がご主人様を気遣っている様子がうかがえた。さらに、ピンチに陥ったスパークルを見たポチットは、勇気を振り絞ってメガビョーゲンに対し唸り声を上げる。その有り様を「うるさい下等生物」と嘲笑するグアイワルに対し、アースは「下等生物ではありません。彼らは人間と共に生き、笑い、互いを思い合っている。その姿はとても……とても抱きしめたくなる姿です」と、毅然と言い返し、メガビョーゲンを一蹴した。
- ポチットの里親が決まり、「でもお別れするのはさみしいですね」とアスミが呟くのを聞き、驚く一同。誰に教えられるでもなく、彼女の心には『さみしい』という感情が芽生えていたのだ。「ポチット、今更ですがわたくしはあなたとお友達になりたいと思っています。人とは違う身ですが、仲良くしてくれませんか?」と手を差し出すと、その想いを感じ取ったポチットはアスミの指を舐めてくれた。頭を撫でられてご機嫌そうなポチットを見たアスミの口から、自然と「かわいい……」と言う声が漏れる。「ひなた、不思議ですね。わたくしの中で『かわいい』がどんどん膨らんでいきます」と、アスミは心からの笑顔を浮かべていた。
■第24話
- おおらか市にある注目のカフェに行こうとひなたが提案するが、アスミはおおらか市郊外の湖に興味を示したため、目的地は湖に変更、皆でピクニックを楽しむことに。
- 「ひなたちゃ~ん、わたし達も競争だよ、それ!」と楽しそうにかけっこするのどかとひなたの横で、なぜかちゆと全速ダッシュで張り合う。先週のドッグラン会場でのリベンジ?
- 巣から落ちたかに見えた雛鳥にのどかが手を差し伸べようとしたところ、樹サクヤという女性が現れてそれを制止した。巣立ったばかりであり人間が連れて行くべきではない事、野生の動物は人に感染する病気を持っているかもしれない事などを教えてくれた彼女の職業は樹木医。この湖周辺の自然を守っていた。
- 風が吹く音に耳を澄まし、「木が話してる。お互いに『元気』って声を掛け合ってる。風って自然の思いを届ける力を持ってるんじゃないかな…なーんて、わたしの思い込みだけどね」と言うサクヤ。風のエレメントから生まれたアスミにとっては、それは単なる思い込みや物の例えではなく、自然を愛する彼女の耳には実際に聞こえていると感じられた。「サクヤさんは本当に自然の思いがわかる。いえ、わかろうとしている。ここの自然が素敵なのはきっとサクヤさんがいるからです。わたくしもここが大好きです」と微笑む。
- しかし後日、おおらか市に謎の飛行物体が出現したというニュースが入り、その映像には飛行物体を追いかけるサクヤの姿があった。ビョーゲンズに間違いないと判断し、早速向かわねばと焦るのどか達だが、おおらか市までは電車で2時間以上かかる。しかしアスミは静かに「助けます。サクヤさんを、あの素敵な自然を」と彼女や湖に思いを馳せながら、「風よ…わたくしの思いを運んで」と念じる。するとすさまじい風の渦が舞い上がり、上空におおらか市へと繋がるトンネルが現れた。「あれを通れば湖へ行けます。行きましょう、地球のお手当てに!」
- 一方、サクヤは謎の飛行物体に「やめて!木が泣いてる!湖も泣いてる!」と訴えるが、吹き飛ばされて気を失ってしまう。駆け付けたアスミ達の前に姿を現した飛行物体の正体は、ダルイゼンが生み出した怪物ネブソックだった。「サクヤさんが守っている大切な自然を…許せません!」とアスミは怒りを燃やし、変身して戦闘開始。高速で飛び回るネブソックに手を焼くも、相手が生まれたてで高所恐怖症だった事もあり、浄化して勝利した。
- サクヤが意識を取り戻すと、それを待っていたかのように爽やかな風が吹いてきた。「伝わりますよね。サクヤさんが気がついて木も草花も湖も喜んでいます…わたくしの思い込みです、フフフ」と笑顔を見せるアスミ。一件落着してさっきのトンネルでいざ帰宅…と思いきや、アスミは「ああ、できません。あれはとても力を使うので、続けてはできないのです」とあっさり。ひ「えぇ~!って事は電車で帰るの!?」の「電車賃足りるかな…」ち「わたし、お使い頼まれてたんだけど…」ひ「せっかくだからカフェ寄ってかない?」の「行ってみた~い!」ち「それどころじゃないでしょ!」と、にぎやかに一同は湖を後にするのだった。
■第25話
- ペギタンが姿を消し、『嗅覚探偵ラテ様』(ラビリン命名)と共に匂いで追跡。しかし公園のベンチで匂いは途切れていた。
- 翌日その公園で、ペギタンを連れ去ったりりという女の子を発見し、「ホシは必ず現場に戻ってくる。テレビドラマのデカ長さんが言っていた通りですね」とドヤ顔。最近は刑事ドラマにはまっているご様子。
- 戦闘では前回までのチートな強さが嘘のように、メガビョーゲンの間断ない遠距離攻撃に手こずって、「今はよくても、その内疲れて攻撃を受けてしまうかもしれません」と弱気な発言が見られ今後の戦闘への不安を抱かせた。
■第26話(総集編)
- バス停にてみんなを驚かすひなたとニャトラン。しかしアスミの反応は薄い。「のどかたちくらいびっくりしてくれないと驚かし甲斐ないんだよなー」とこぼすニャトランに、「わたくしもそれくらいびっくりしてみたいものですね」とアスミ。
- のどかがアサガオの観察日記をつけているところを眺めるアスミ。そのままラビリンとのどかの馴れ初め話。
- のどかは途中へどこかへ出かける。ラビリンも「絶対お家にいるラビよー?」と圧をかけつつどこかへ。
- アサガオを見てアスミもラテの成長日記をつけようと思い立ち、自身の生まれる前の出来事について聞き込みをするためと、家を離れてしまう。
- 竹を運ぶペギタンからちゆとの馴れ初め、ハチマキを巻いたニャトランからひなたとの馴れ初めを聞く。
- 「みなさん忙しそう」とこぼすアスミ。平光めいの店で「花火大会がある」と知る。
- ちゆ、ひなた、のどかにも出会い話を聞くが、どこかよそよそしい。
- ちゆからは水族館でペギタンとはぐれた話。「3人で力を合わせるうちに自然と距離が縮まった」と述懐するちゆに対し、「3人で力を合わせて……」と淋しそうに呟くアスミ。
- この時、「ペギタンは一緒ではないのか?」と尋ねるアスミに、ちゆは「いつも一緒というわけではないの」と返している。
- ひなたからはプリキュアを辞めそうになった話。その際聞かされた3人のコラボ技を羨むアスミに対し、ひなたは「[[アスミンは一人でも十分強いでしょ?」というある意味で的を射ている発言を受け、しょんぼりとする。
- その時、ひなたは浴衣を持っていた訳だが、なぜだかはぐらかされた。
- のどかからは3人のコラボ技=ヒーリングオアシスの話。その話を聞いて「わたくしもみなさんと一緒にお手当したいです」とアスミ。のどかは「アスミちゃんもみんなと一緒にお手当してるよ?」と引っかかりを覚えつつ回答。結局打上とのどかが花火大会の話をすることになり、アスミはすべてを察して立ち去る。
- この「一緒にお手当」の食い違いがなんとももどかしい。アスミの言う「一緒にお手当したい」は「のどかたちと一緒に協力してお手当をしたい」であるのに対し、のどかの言う「一緒にお手当してる」は、「プリキュアとして私達と一緒に活動している」ということである。
- 「ラテさま日記」と題された成長日記をつけるアスミ。最後はアスミの生い立ちについて。詳しいことは各話リストの第19話〜第20話の項目を参照。
- その上で、「わたくしはラテをお守りするために生まれました」とラテに話しかける。だが、ラテの寂しげな顔を見て、「わたくし本当は、のどかたちと一緒に花火大会に行きたかったのです」と打ち明ける。そして仲間外れにされたと感じて半透明に。
- 丁度その頃、のどかがアスミの部屋を訪れる。半透明になったアスミは、目を瞑らされ、どこかへと連れられる。そして目を開けると……。
「サプラーイズ!」
- ――そして花火が上がる。そう。全ては「驚いてみたい」というアスミを驚かせるためのサプライズパーティー。のどかたちは決してアスミを仲間外れにした訳ではなかったのだ。アスミは嬉しそうな表情を浮かべ、元の状態に戻る。
- ペギタンが竹を運んでいたのは流しそうめんを作るため。ラビリンやニャトランも手伝っていたのだ。
- そして本番はこれから。浴衣を着たり、流しそうめんをして楽しむ一同。流しそうめんを知らないアスミのためにちゆがレクチャー。一同拍手。
- 最後に打上特製のラテの打上花火が咲く。「どう? アスミちゃん。たくさんびっくりできた?」と尋ねるのどかに、「ええ! わたくし、びっくりが大好きになりそうです!」とアスミ。
- 後日談。ラテさま日記に「テアティーヌへ わたくしをのどかたちのいる地球へ誕生させていただき、ありがとうございます」。
■第27話
- たけしの大学の後輩の気球サークルが大会に出場するのを応援しに来た花寺家一同。会場にはどこかで見たような気球が。
- 「気球が大好き」と言い、ひなたが差し入れたパンケーキも「勝ってから御馳走になる」と断るカズの姿に好感を抱いたアスミは、なぜかパンケーキを一気食いして「こんなに温かくて美味しいもの、つまり誰もが好きであろうパンケーキを断るなんて…わたくしがラテを好きなように、皆さんもよほど気球が好きなのですね」という彼女らしい理由により、カズ達を全力で応援すると決めた。
- しかしアスミの応援も空しく、カズは1度目のトライに失敗し、アスミの心に何とも言えないもやもやした『ムムムな気持ち』が湧き上がる。「午後の競技こそは頑張って」と励ますたけしに対して、曖昧な笑顔を返すカズの姿を見て、胸のもやもやが膨らんだアスミは、「どうして大好きな気球が上手くいかなかったのに、先程『ハハハ』と笑ったのですか?」と問い掛けた。
- それは昔から本番に弱く、次もどうせダメだと思う『諦めの笑い』だと弱気に吐露するカズに対し、「わたくしとラテは皆さんを懸命に応援して負けてしまった時、とてもこうもやもやした気持ちになりました。この『ムムムな気持ち』は一体…」とさらに詰め寄るアスミ。そこに現れたちゆが「それはずばり、『悔しい』っていう気持ちよ」と説明してくれた。
- そんな時、風読み担当のチームメイトの天野が貧血で倒れたとの連絡が入った。途方に暮れるカズに、アスミは風読みの代役を申し出る。風のエレメントから生まれたアスミは正確に風の流れを予測し、「わたくしもラテも絶対に勝ちを諦めませんので」とカズにエールを送った。
- 勇気づけられたカズも、アプローチ成功しそうになるが、その寸前にメガビョーゲンが出現してしまう。変身して戦うアースは「あと少しだったのに!あと少しで勝てそうだったのに!とんでもない邪魔をしてくれましたね!」と悔しさを怒りに変え、風の力も借りてメガビョーゲンを撃退する。
- 大会が中止になってしまい、結局勝てなかったカズだったが、もはや『諦めの笑い』を浮かべていなかった。「もう笑わないのですか?」とアスミに問われたカズは、「自分の気持ちから逃げない事にしたんだ。悔しい気持ちをごまかしてたら、いつまでも勝てないから」と力強く答える。アスミとラテの気持ちが伝染して、サークルの面々も次回へと闘志を燃やす。アスミ達は、お預けにしていたひなたのパンケーキで、カズ達を労うのだった。
■第28話
- ダルイゼンにメガパーツを埋め込まれたのどかは意識不明になり、病院に運ばれる。今夜はちゆの家で世話になる事になったアスミとラテは、心配そうにのどかを見送った。
- 翌日、テラビョーゲンの存在も知り、どうしてよいかわからず意気消沈するちゆやひなたを前に、「のどかに会いに行きましょう。皆さんも不安で心配なのですよね?ラテものどかに会いたがっています。そしてわたくしも」と訴える。そのシンプルで素直な思いは2人を動かし、一同は病院へ向かう。
- のどかから生まれたケダリーの柔軟で変幻自在の動きには、今まで苦戦らしい苦戦もしてこなかったアースも手玉に取られ攻撃を受ける、さらに蹴り技を繰り出すものの全て見切られてしまった上に反撃を受けダウンする。しかしフォンテーヌの助言により空気のエレメントで作った泡に閉じ込める事で動きを封じて、勝利に繋いだ。さらにダルイゼンにも挑んでいくが地面へのパンチの衝撃波で仲間とともに吹き飛ばされ歯が立たなかった。
■第29話
- 早朝からランニングに励むのどか。アスミはランニングに熱心になるのどかの様子が気になってしまう。
- 海辺でヒーリングアニマル達と佇むアスミ。のどかを気分転換で励まそうと提案するヒーリングアニマル達。ペギタンからちゆが「ペギタンのラップがみたい」と海に向かって叫んだ事を聞き、突然ラップを歌い出した(過去にバテテモーダもラップを披露)。「YO! YO! ラテの寝顔は最高! 月の光は月光! どっちも素敵で結構! チェケラ!」……なんで「ラップ」なのかといえば、バテテモーダとの関連もそうだが、今回サブキャラとしてトランペッター(=ラッパ吹き、正式ではないがラッパーとも言える)がいたからそれと掛けた可能性もある
- のどか達の帰り道に遭遇したアスミ。突然のどかに「気分転換にどんな事をしたいですか?」と問い出し、ラビリン、ペギタン、ちゆ、ひなたも指摘、のどかも収拾が付かなくなり「単にもっと鍛えなきゃって思っただけで…」とあたふたした。トランペットを練習する菅原有斗と金森ことえの光景を目の当たりにし、この時初めて『焦り』という感情を学ぶ。
- 突如、トランペットを素体にしたメガビョーゲンが現れ、キュアアースに変身。キュアグレースを踏み潰そうとするも、足元に走り重量挙げの要領で押し返し、体勢が崩れたところにもう一撃放ってダウンを奪う。
- 「どうして焦るのです?」とキュアグレースに問うキュアアース。キュアグレースはダルイゼンが誕生したのは自分のせいだと言い出す。「あなたのせいではありません だから 自分を責める必要はないのです」と励ます。
- 戦闘後、のどかに「焦るのどかは心配 頑張るのどかは大好き」と励ます。
- 後日、早朝のランニングに励むのどか。アスミも共にランニングに加わることになった。
■第30話
- トラの咆哮を聞いた一同が「わぁ~!」と驚く中、「すごい迫力です」と言いつつ、いつも通りの落ち着きっぷり。トラ「ちっ!」。
- 動物ふれあいコーナーで、ひよこを手に乗せつつ、「なんと愛くるしいのでしょう。もちろんラテには及びませんが」とやはりラテ愛一筋。ひよこ「ちっ!」。
- 昼食では、顔と同じくらいのサイズの巨大ハンバーガーにかぶりついた。
■第31話
- 自らメガパーツを埋め込みパワーアップしたシンドイーネ。円山先生を素体としたギガビョーゲンに挑むも、グレース、フォンテーヌ、スパークルの順に敗北し変身解除、続けてアースも敗北し変身解除してしまう。
- 再変身し挑むも、またしても敗北、「これ程までに力の差があるとは…」「申し訳ございません。ラテ…私ではこれ以上、お役に立てそうにありません…」と力の差を感じてしまい、この時初めて絶望という感情を学んだ。
- その後3人に励まされ、再戦。ヒーリングっどアローにより進化した「スペシャルヒーリングっどスタイル」で、ギガビョーゲンを浄化した。
■第32話
- のどか達が旅館沢泉で職業訓練する事になり、アスミも撮影係として参加。デジカメでみんなの仕事ぶりを撮って回る。
- 失敗続きで落ち込むちゆの弟とうじを励ましてほしいとペギタンに頼まれ、「皆それぞれいいところがあり、とうじさんにもいいところはあります。ちょっと不器用なところはあるけど、とっても一生懸命で優しい。とうじさんの事を見ていた人がそう話していたのです。自分を他の誰かと比較する必要なんてない。頑張っている姿を見ている人はちゃんといるのだから」と、今日1日とうじを観察していたペギタンの言葉を伝える。それを聞いたとうじは自信を取り戻した。
■第33話
- ノースリーブの上にカーディガンを羽織るように衣替え。
- 花寺家の一員として蜂須賀先生との食事会に出席。先生が病院を辞めると聞いたのどかが取り乱す一幕があってアスミも心配したが、それぞれを思う言葉がお互いに勇気づけあっていた事がわかって一安心。手を取り合うのどかと先生の姿を、ちゆやラテ達と共に微笑みながら見守る。
■第34話
- フォンテーヌを狙い撃ちしようとしたシンドイーネを、空気のエレメントで吹き飛ばして助けていた。
■第35話
- ラテとラビリンと共にテレビを観るアスミ。テレビ番組『燃えよ、ビーバレ!』にハマっていた。突然、ラビリンが「ビーチバレーがしたい」と言い出す。
- のどか達を引き連れ、風の力で南の島へワープ。監督になりきるラテとコーチになりきるラビリン。ひなたが「泳ごう」と言い出すも、ラビリンにホイッスルを鳴らされ「ビーチバレーの特訓を始める」と言い出すも、ひなたが「えぇ~っ!?海は?」と不満を漏らす。
- なんと、島の反対側でグアイワルとメガビョーゲンがビーチバレーの特訓をしていた。最初はラテも反応を見せなかったものの、後にくしゃみで反応。アスミ達と遭遇する。
- プリキュアに変身したアスミ達。プリキュア達はバレーボールを意識してしまい、燃え盛る椰子の実を受け止めようとダメージを受けてしまう。
- メガビョーゲンに「地獄の特訓をした」と豪語するグアイワル。「そんな歪んだ指導をアスリートとして認める訳にはいきません!」と怒りのブーイング。
- 燃え盛る椰子の実を凍結させてメガビョーゲンに目掛けるも、狙いが外れてしまう。またしても「勝負をしないとは卑怯です!」と怒りのブーイング。
- エレメントボトルの力でボールを形成し、プリキュア達はトスを始めキュアグレースがメガビョーゲンに目掛け命中。最後はヒーリングフラワーで浄化された。
■第36話
- ひなたが5年ぶりに再会した友達・斎藤えりことぎくしゃくしてしまった事に端を発し、平光家にお泊りで勉強会。と言っても、学校に行っていないアスミは当然勉強には参加できず、ペギタンと綱引きをするラテの応援をしていた。
- 寝ようと言う段になって、「そもそもの話になってしまうのですが…別々の学校に通うと、本当に友達ではいられなくなってしまうのでしょうか」と素朴な疑問を口にする。生まれて半年、交友関係も狭いアスミにとっては不思議に思えたのであろうが、結構ナイーブなひなたにとってはなかなか簡単に答えの出ない深刻な問題なのであった。
■第37話
- 温泉街のまんじゅう店でアルバイトを始める事に。居候の立場故、花寺家に生活費を入れるためか?……おそらく社会勉強の目的か?それとも……。行楽シーズンと聞き、ラビリン達もラテと一緒に『秋を巡るツアー』をしようと提案する。
- 農家のおじさんからもらったぶどうを素材にしたスイーツに舌鼓を打ちつつ、「ラテ、皆さんとのお出かけは楽しかったですか?」と問い掛ける。実はラテやラビリン達にとっては、すこやか市を綺麗に保つボランティアの人々の存在を知ったり、優しい農家のおじさんとの交流があったり、「お手当てが終わらなければ、プリキュアとずっと一緒にいられる」というダルイゼンの悪魔の囁きに心揺れたりした、盛りだくさんの1日だった事をアスミは知る由もなかった。
■第38話
- ハイジャンと女将の選択に苦悩するちゆは練習でもスランプに陥り、のどかとひなたが心配そうに見守っていると、アスミもふらりと現れる。ペギタンからその話を聞き、ラテも連れて見学に来たのだという。えーと…まんじゅう屋のバイトは?
- 「ちゆは幼い頃からずっと女将を目指していたのですから、やはり女将がやりたいのではありませんか?」と、今まで見聞きした点から意見を述べるアスミ。その幼い頃からの目標と、突如現れた『世界の舞台』という大きな夢をどっちを選ぶか、みんな親身になって考えるが、その甲斐あってか、ペギタンの後押しでちゆはどっちも欲張って頑張ると言う結論に達した。
■第39話
- グアイワルが開けっ放しにしていたトンネルをひなたとニャトランが発見し、一同はビョーゲンキングダムへと乗り込む。不気味な洞窟の途中には「コチラ」との立て札がある分かれ道があり、「罠ではないか」「そう思わせて逆かも」と皆が警戒する中、「ではわたくしが行きます」と志願したアスミは、立て札のない方の道へと進む。
- 特に何も起こらないかに見えたが、「やはりこちらが正しい道だったようです」と言った途端、足元の仕掛けを踏んでしまう。次の瞬間、四方八方から無数の槍が飛んできてみんなは悲鳴を上げるが、アスミは柔軟な体を生かして槍の隙間で宙吊りの体勢になりながらも、「大した罠ではなくて助かりました」とニッコリ。いや、腕とか変な角度に曲がってますけど…。さすが地球の精霊。もちろんラビリンからは「めちゃめちゃ大した罠ラビ!」とツッコまれる。
- 遂に対峙したキングビョーゲンは「あれがキュアアースか。報告通り、いにしえのプリキュアと似ている。その実力はいかほどかな?」とアースに興味を示し、集中攻撃を浴びせる。反撃を試みるも実体のないキングビョーゲンには通じず、他の3人もキングビョーゲンの分身体に打ちのめされピンチに。
- しかしグレース達はパートナーとの絆を信じて立ち上がり、アースも「わたくしはラテの望みをかなえるためにここにいるのです」と力を奮い起こす。一同はファイナルヒーリングっど♥シャワーでキングビョーゲンを浄化するも…。
■第40話
- 「よくぞキングビョーゲンを倒してくれた」と邪悪な笑みを浮かべたグアイワルは、キンググアイワルへと進化、新たな力の試運転としてプリキュアに襲い掛かる。アースの全力の拳も軽く受け止めて、「ぬるい!力を試すにしては相手が弱すぎたようだな!」と高笑いするキンググアイワル。グレースとフォンテーヌは変身解除で気を失い、アースが注意を引いている隙に放ったスパークルのヒーリングフラッシュも跳ね返され、戦意喪失したスパークルの変身も解けてしまう大ピンチ。音のエレメントで土煙を立てて目くらましした隙に一同は何とか逃げ延びたものの、気を失ったままののどかを背負って歩くアスミの顔は、いつになく険しかった。
- アスミの力ですこやか市まで戻れないかとちゆに尋ねられるが、ワープには風のエレメントの力が必要で、この蝕まれきったビョーゲンキングダムにはエレメントの気配がまるで感じられない。責任を感じたひなたが泣き出すが、ニャトランの励ましで立ち直り、一同はファイナルヒーリングっど♥シャワーで空間を開き、すこやか市に帰還する。
■第41話
- メガビョーゲンは浄化したものの、森林公園に向かうギガビョーゲンを阻止しようとしたところへビョーゲンズが次々来襲。グレースはダルイゼンに、フォンテーヌはシンドイーネに、スパークルはキンググアイワルにつかまってしまい、さすがにギガビョーゲン相手にアース1人で戦うのは厳しく、叩きのめされて変身解除。
- キンググアイワルがキングビョーゲンに取り込まれ、とりあえず当面の危機を脱して、胸を撫で下ろしたと思いきや、グレース・フォンテーヌ・スパークルが「あっ…!」と何かに気づき、アース1人だけきょとん。戦闘の間にすっかり夜になっていて、すこやか市は怪物騒ぎでみんな家族の事を心配していたのだが、ビョーゲンキングダムに行ったりお手当てに追われていたのどか・ちゆ・ひなたは自宅に連絡する暇すらなかったのだ。たけしとやすこがのどかの無事を確認して涙ながらに安堵するのを見たアスミも、事態を理解して「御心配おかけして申し訳ございませんでした」と頭を下げた。
■第42話
- のどかは朝食時から様子がおかしく、帰宅後も部屋に閉じこもったまま。アスミはのどかの部屋にお茶を運ぼうとしたところ、中でラビリンとのどかが真剣に話し合っているのを察したラテが引き留めた。そのまま半開きのドアの隙間から様子を窺い、のどか達が結論を見出して笑顔になったのを見届けて、ほっとしたアスミとラテも笑顔に。
- ダルイゼンを取り込んだキングビョーゲンはネオキングビョーゲンへと進化し、いよいよ決戦開始。しかし次回予告には「わたくしに考えがあります」と言うアースの声と、アスミに対して泣きそうな顔で首を振るのどかの姿が…。
■第43話
- 「地球のみんなの心と体…全部わたし達が守ってみせる!」というプリキュア達の決意も鼻で笑い、ネオキングビョーゲンが瘴気を放つと、あっという間にすこやか市全体が蝕まれ、人々も意識を失ってしまった。ネオキングビョーゲンはあらかじめ自分の一部をすこやか市の随所にちりばめていて、グアイワルとダルイゼンを取り込んで進化した事によって発動した力で、一気に町を蝕んでしまったのだった。侵食は町の外にまで広がり、このままでは地球が全部蝕まれてしまう。ネオキングビョーゲンを浄化するしかないとプリキュア達は立ち向かうが、ネオキングビョーゲンの周囲にはバリアが張り巡らされてエレメントの清らかな力が全部はじかれるため、攻撃が届かない。そしてネオキングビョーゲンの闇の波動を喰らった4人の変身は解けてしまう。
- そんな4人を嘲笑うシンドイーネは、「後はあんただけ」とラテに手を伸ばす。その時、まばゆい光がシンドイーネを弾き飛ばすと共にテアティーヌが現れた。彼女の動きを見たキングビョーゲンは「以前ほどの機敏さはないか。さては不完全な回復であわてて駆け付けたと見える」と看破するも、テアティーヌは「それでもわたしには果たしたい使命があります。そして信頼する仲間がいます!」と果敢に言うと、一声遠吠えを上げる。それに呼応してレイオンやトライン、人間界に来たたくさんのヒーリングアニマルが結界を張り、さしものネオキングビョーゲンの動きも抑え込まれ、町の侵食も止まった。ネオキングビョーゲンはシンドイーネにプリキュアの始末を命じるが、一同はアスミの風の力で何とか逃げおおせる。
- ビョーゲンズはビョーゲンズの力を吸収する性質がある事から、ネオキングビョーゲンのバリアを突破するには、ビョーゲンズの力と一緒に技を放てば届くのではないかと提案するアスミ。しかしビョーゲンズの力が使えない自分達がどうやってと、困惑するみんなにアスミは「わたくしの中にビョーゲンズを宿すのです。ダルイゼンがのどかにメガパーツを埋め込んだように、わたくしの中にメガパーツを宿せば…」と言い出した。
- そんな危険で苦しい事はさせられないと一同もラテも猛反対するが、アスミも譲らない。「今回ばかりはわたくしの決意は変わりません。たとえラテの思いにそむく事になっても。わたくしには大切なものが増えたのです。ラテだけではなく皆さんの事も、この町の事も。幸い、わたくしは人間ではありません。きっとこの役目はわたくしにしかできません。ならば選ぶしかないでしょう。わたくしの大好きなパートナーも、地球の苦しみを自らの身に引き受けるという、自分にしかできない役目を果たしているのですから。ラテも皆さんの事も、人間界そのものも守りたい。欲張りたいのです」それを聞いたちゆは、はっとなった。自分が女将とハイジャンのどちらかを選ぶかと悩んだ末に出したのと同じ答えだったからだ。
- 「やってみれば何かが変わるかもしれないでしょう。失敗を恐れすぎてはいけません」それはひなたが、ビョーゲンキンダムに突入する決意をした時に言った台詞。「皆さんと過ごして重ねてきた経験が、今のわたくしを作っているのです。どんなに反対されてもわたくしは実行します。わたくしの心も体もわたくしのものですから」そして、つい先刻グレース=のどかが口にした台詞を述べるアスミの決意は揺るがなかった。のどか・ちゆ・ひなたと過ごす時間でいろいろな経験をして、彼女達の様々な決断を目の当たりにしてきたアスミは、今度は自分が決断すべき時だと覚悟を固めたのだった。
- そこへシンドイーネが追いついてきたため、一同は変身して応戦。メガパーツを狙っていると気付いたシンドイーネはそうはさせじとメガパーツを取り込んで更なる戦闘形態に進化する。そのスピードとパワーの前にアースも軽くあしらわれ大苦戦しながらも、スパークルが気を逸らした隙にファイナルヒーリングっど♥シャワーを炸裂させるが、シンドイーネは初期の姿に戻っただけで浄化しきれなかった。その時、何と人間語が話せないはずのラテが、懸命に「オアン…オアシスラテ…」としゃべった。気付いたグレース達はヒーリングオアシスを放ち、今度こそシンドイーネは浄化された。
- 浄化しつつあったシンドイーネから、その欠片であるナノシンドイーネを掬いあげ取り込んだアースは、幸い多少の違和感があるくらいで問題なく動けた。ラテに感謝したアース達は改めてネオキングビョーゲンに決戦を挑む。「それではまいりましょう。私達の町を、地球を、お手当てしに!」
■第44話
- テアティーヌが力尽きる前に何とか舞い戻ったプリキュア達は戦闘再開。予想通り、ナノシンドイーネを取り込んだアースの攻撃はネオキングビョーゲンのバリアを打ち砕く。いよいよ反撃開始と思いきや、その前にネオキングビョーゲンは結界を破壊して世界中を蝕み、勝ち誇りながらプリキュア達を体内に取り込んでしまった。
- しかし絶望的な状況にありながら、のどかとラビリンは不屈の闘志で「わたし達は戦い続ける!」と叫ぶ。アスミとラテも「大切なものはどんどん増えて…」「もっともっと守りたくなって…」「もっともっとあきらめられなくなるのです!」と抱き締め合って、ちゆやひなた共々立ち上がった。それによって勇気づけられた世界中の人々の思いを受け取ったプリキュア達は、遂にファイナルヒーリングっど♥シャワーでキングビョーゲンを浄化した。
- 昇る朝日を見つめながら、ようやく長い長い戦いが終わった事を噛みしめる一同。アースの「お疲れ様でした」の声で張りつめた緊張の糸が切れたかのように、一同はその場に倒れ込んで眠ってしまう。彼女達を取り囲むすこやか市の人々は、礼を言うと共に、今まで通りプリキュアの正体は知らないふりをする事に決めた。後日アスミが商店街を歩いていると、まんじゅう屋の主人や洋菓子屋の店主からいろいろ食べ物をもらう。「ありがとうございます。でもなぜですか?」と聞いても「気にしない気にしない」。言葉に出せない分、物理的に感謝というわけで。
- ラビリン達がヒーリングガーデンに帰る日、アスミもずっとラテの傍にいたいがために、一緒に行く事に。みんながしんみりする中、アスミはいつも通りの笑顔で「それでは皆さん、ごきげんよう!」と旅立っていった。
■第45話(最終回)
- ヒーリングガーデンにやってきたのどか達をお出迎え。お土産を出そうとするのどかの「お父さんとお母さんがたくさん持たせてくれて」という言葉に、アスミはたけしとやすこの事を思い出す。花寺家を出発する時、「ラテもアスミちゃんもありがとね、またいつでも遊びに来て」「ここはもう君達の家も同然だ」と温かく送り出され、「わたくしもこれほど淋しい気持ちになったのは初めてです」と答えていた。前回の旅立ちの時は特に涙もなく、ドライに去って行ったかに見えたアスミだが、人間界やみんなに別れを告げる淋しさはちゃんと感じていたのだった。
- アスミやラビリンの大好物であるすこやかまんじゅうはヒーリングアニマルにも人気で、ヒーリングガーデン全体が歓迎ムードのように見えたが、老ヒーリングアニマルのサルローだけが人間に対する嫌悪と不信を露骨に示し、「人間などビョーゲンズ同様に地球を汚す存在だから浄化すべきだ」とまで言ってきた。人間ではないアスミは「そういう考えもあるのですね」と理解を示すが、ラビリンは「ないラビ!」と反発、のどか達は人間の行いを省みて考え込み、重苦しい空気に。
- そんな中、メガビョーゲンが6体出現する。のどか達が持ってきたすこやかまんじゅうに野生のナノビョーゲンが取り憑いたもので、しかも6個入り1箱であるため囚われているエレメントさんも1人だけという特殊ケースだった。それに気付いたアースは攻撃の手が緩み、メガビョーゲンのパンチで撃墜される。その上、「すみません…あのすこやかまんじゅうを攻撃するなど…わたくしにはとても…」と、デカいたんこぶを頭にこさえながら滂沱の涙を流して泣き崩れ、グレース達に「好きすぎ~!」とツッコまれる。
- ラテが召喚したキュアサマーが登場するも、吹っ飛ばされて失神。戦闘はグレース達に任せてサマーの介抱をしていると、突如ラテがアースの顔面にしがみついてきた。「アース…見ちゃダメラテ!」「なるほど…!」見なければすこやかまんじゅうだと意識せずに戦えるというラテの名案!…ってほんまかいな…。とにかくその顔にラテが貼りついて目隠しされた状態のままで3人のところへ駆け付け、ファイナルヒーリングっど♥シャワーを放って(それもいつも通りの必殺技バンクと見せかけて、発射の瞬間にアースだけが目を瞑っているという念の入りようである)メガビョーゲンを浄化した。
- その戦いの最中、プリキュア達は地球の事を考えてお手当てを続ける覚悟を叫んでいた。テアティーヌに諭されたのと、のどかの真摯な決意でサルローの態度も軟化し、アスミから「わたくし達も一緒に考えてみませんか」とすこやかまんじゅうを手渡された彼は「そうだな…」と笑顔で受け取る。そして人間界へと帰るのどか達を、アスミやヒーリングアニマル達は見送った。
映画
- 本編開始前の注意事項に登場。(大人の事情を伏せつつ)今回はミラクルライトの応援が出来ない事と自分は今回駆けつけない事を観客に説明する。
- 本編に登場済であるにもかかわらず映画本編に登場しないのはキュアフォーチュン以来となる。
- 追加キュアが時系列上登場前の映画に声付きで登場するという点でもシリーズ初。『NS3』ではキュアハニーがテレビシリーズ登場前に声無しで登場した前例があるが、キュアハニーについてはキュアフォーチュンと同様に『ハピネスチャージプリキュア!』の制作発表時点で存在が公表されていたため、初期キュアの側面もある。
- 同映画が収録されているDVD&BDはオリジナルバージョンが収録されているためアースは登場していないが、特装版の映像特典には劇場公開バージョンの注意映像が収録されている。
- プリキュア映画初の本格参戦。
- 公開時期的に本編登場時のような強さはなく、序盤のエゴエゴとのバトルでは接近戦、必殺技で応戦するものの通用せず逆に反撃を受けてしまうなど劣勢を強いられる場面が多い。
- 先輩であるYes!プリキュア5GOGO!とも共演する。上記の理由からヒープリチームで唯一、自分たち以外にプリキュアが存在することに驚いていた。エゴエゴに苦戦しているところをキュアレモネードによって助けられる。
■映画トロピカル~ジュ!プリキュア プチ とびこめ!コラボダンスパーティ!
- 終盤で仲間達やスタートゥインクルプリキュア・トロピカル~ジュ!プリキュアのメンバーとともにラテを抱えて登場した。
- オールスターズ映画初登場。
- プリキュア5以外のキラキラ☆プリキュアアラモード以前の44人とひろがるスカイ!プリキュアの5人と初共演。
- バタフライチーム唯一の真の完全の追加キュアとして参加。実年齢自体は最年少だが、見た目通りの大人の余裕を見せる。
- 「冬の世界」を旅するが、服装はノースリーブ。寒くないのか?
- 足湯で一休み。「足湯は知っている」とファンをニヤリとさせる一言。
キャラクタショー
第2弾から登場、追加戦士としての扱いではなく他のプリキュアと同様に最初から登場する、バトルにおいても特に強い演出はなくなっている。
以下、重要なネタバレ
ここは今までプリキュア達が守ってきた世界であり、地球を破壊し創り変えたものであると。
- これまでにいた全てのプリキュアは敗れ、地球は既に破壊されていたのである。
- アスミは本当の首謀者に敗れたプリキュア達を元に戻す方法を考えていた。