CV:戸田恵子
説明
ドレスのような衣装をまとった犬(犬種はアフガンハウンドがモチーフである)の姿をしている。
ヒーリングアニマル見習いのラビリン達に、娘を託しつつ『人間のパートナーたるプリキュアの捜索』を頼み人間界に送り出した。そしてラビリン達が旅立った後、人間の女性の彫像に彼女達を見守る様に語り掛けていた。
最初に誕生したヒーリングアニマルであり、ヒーリングアニマルの始祖たる存在。後述の過去から、人間より遥かに永い時(数千年、あるいは数万年単位)を生きているであろうと窺える。
はるかな昔(日本に稲作文化が伝わった頃と思われる)、最初に生まれたヒーリングアニマルであるテアティーヌは現在のすこやか市に当たる村で1人の少女とパートナー契約を結んだ。その少女はプリキュアとして「地球を癒した」とされる。そしてこの彫像はその先代プリキュアの似姿を象ったものらしい。
因みにその先代のプリキュアのパートナーになった当初は、娘のラテと同じくまだ言葉も話せない仔犬の姿であり、同時に彼女もまた後にすこやか市となる土地の生まれであった。
当時の風景として水田や竪穴式住居が描かれていた様子から、弥生時代ごろのイメージと思われる。
太古の戦いでプリキュアとテアティーヌは勝利し、キングビョーゲンは力を失い意識だけの存在になった。(プリキュアの歴史参照。)
名前の由来は恐らく「手当て」+「犬」。
第5話のキングビョーゲンの言葉によると、第1話直前にビョーゲンズの軍勢がヒーリングガーデンに攻め込んだ際、テアティーヌとキングビョーゲンが死闘を繰り広げ相打ちになったらしい。キングビョーゲンを撤退させた代償に、テアティーヌは力の多くを失ってしまった。テアティーヌとキングビョーゲンのどちらが先に力を取り戻すかで、今後の戦いの趨勢が決まる場面となっている。
その後はプリキュアの活躍もあり徐々に住人共々回復し、終盤に当たる第43話にて、初めてのどか達の前に降臨を果たす。こちら側の準備が不十分ながらもその力は絶大で、同じく同行した他のヒーリングアニマル達と共に、ネオキングビョーゲンを抑え込み時間稼ぎの為に、すこやか市に結界を張り閉じ込めるのに成功する。
人間に対する思い
上記のように人間をパートナーにしていた為か、若干人間寄りな考えを持っているのも事実であり、ヒーリングアニマルでも人間を危険視するサルローには「甘い」と評されている。
実際、最終回でのどか達をヒーリングガーデンに招いた時には、一緒に野生のナノビョーゲンを持ち込んでしまう事態に陥ってしまった(もっとも、これは一度大被害を受けておきながら、外部からの持ち込み物をちゃんとチェックしていないガーデン側にも問題があると取れなくもないが)。
しかし、サルローに対し「いざという時がくれば人間を浄化する覚悟がある」と答えており、人間が地球を蝕む存在になりえる危機感は持っているようである。ただ「人間には未来を変える力もある」とも信じており、突如現れた新しいプリキュアに希望を感じ取っていた。
これは人間と深く関り、人の善悪共に精通しているテアティーヌだからこその考えと評価できるだろう。
テアティーヌとて、かつて深い絆を築いたパートナーを思えば、人間を浄化する事態は避けたいはずである。
しかし、ビョーゲンズの王を名乗った者達が過信や、王としての判断力の甘さ故に破滅した事実を考えれば、テアティーヌはどのような形であれ最終的には決断を選ぶに至るだろう。
ただ、サルローの言葉は要するに悪の魔王退治後の勇者不要論であり、他のヒーリングアニマル達の賛同者も、作中ではいない事実も忘れてはならない。
前述の覚悟を示したかのような発言も、必ずしも本当に覚悟しているが故とは断言出来ず、偏屈な考えであったサルローを諫めるかつ、己自身への戒めとして「 "責任ある立場の者" として私は貴方(=サルロー)の意見も受け入れます」を遠回しに言い換えたものとも解釈出来る。
賢き女王たるものが真に信頼すべきものを見誤れば、地球にとって更なる悲劇を招きうるのだから……。
疑問点
テアティーヌは地球の意思によって生まれた、ヒーリングアニマルの始祖である。では何故ヒーリングアニマルの始祖が〈犬〉なのか?。
人類史から見れば〈犬〉は長きに渡り共に生きてきた種であるが、地球史、生物史、動物史を併せて見れば哺乳類でオオカミを原種とする〈犬〉は、新参も新参の種である。
一応これは人類史における文明の曙の頃、地球にキングビョーゲンの驚異が生まれ、それに対抗する為にテアティーヌ、そして彼女に続くヒーリングアニマル達が生まれた……と考えれば説明はつく。
では、それ以前の長い地球の歴史上、果たしてビョーゲンズの驚異はなかったのであろうか……?
なお、キングビョーゲンはキンググアイワルを吸収し四つ足の獣の姿で復活したが、デザインの過程でより「犬では無い姿になっていった」とスタッフから説明されている。(キングビョーゲンの項目を参照。)
演者について
演じる戸田恵子女史は、言わずと知れた「アンパンマン」や数々の吹き替えで知られる大御所声優で、本作がプリキュアシリーズ初出演(ちなみに同シリーズに出演している一部の声優がアンパンマンにも出演している)。
本作のオファーが来た時は「きっと意地悪なお婆さん役に違いない」と思っていたとだが、テアティーヌ役だと知って「みんなを包み込める役になるよう頑張ります!」とコメントした。
因みに戸田女史と言えば近年は、本作の11年前「フレッシュプリキュア!」にゲスト出演を果たしたオードリーの若林正恭氏とは三菱電機のCMで共演をしており、2次元だけではなく3次元の方でも活躍する女優でもある。むしろ女優業を主軸になりつつあった中で、テアティーヌ役はアンパンマン以外では久々のレギュラーであった。
映画プリキュアオールスターズFにて
以下、映画の重要なネタバレ
ここは今までプリキュア達が守ってきた世界であり、地球を破壊し創り変えたものであると。
- これまでにいた全てのプリキュアは敗れ、地球は既に破壊されていたのである。
- 本当の首謀者はその本性を現し、プリキュア達の記憶を目覚めさせ一連の顛末を語った後、その場にいたプリキュア全員を軽々と蹴散らし、実験は失敗として、地球を再び破壊し、新たな旅に出ようとする。
- だが、プーカが「破壊の力」を使ってシュープリームが再構築した地球をもう一度解体し、そこからスカイとプリズムのミラクルライトの輝きを通して地球が元の姿に修復されていく。
- 歴代プリキュア達を応援する歴代プリキュアの協力者(改心した歴代敵組織の幹部も含む)の中に、テアティーヌも確認されている(ウエスターとジョー岡田の間にいる。ミラクルライトは口に咥えている)。なお、登場はしていないが、ヒーリングガーデンの妖精達と『映画 ヒーリングっど』のカグヤと我修院サレナ親子も歴代プリキュアを応援したかもしれない。
関連タグ
テアラテ:ラテとの母娘カップリングタグ。
フウ(プリキュア):かつてのパートナー。フウとテアティーヌが共にキングビョーゲンと戦った時代は描写から弥生時代ごろと思われる。
サルロー:人間という種に批判的な老ヒーリングアニマル。もっとも、テアティーヌがヒーリングアニマルの始祖である以上、実はサルローはテアティーヌより年下である。女王と一般のヒーリングアニマルでは、歳の取り方にも差があるのかもしれない。
プリキュアシリーズ
人魚の女王:次回作『トロピカル〜ジュ!プリキュア』に出てくるプリキュアたちに力を与えた人魚族の長。彼女もまた、無条件に人間に友好的な訳ではない存在であり、第37話ではグランオーシャンの人魚族には「秘められた掟」の存在が発覚した。
ニチアサ関連
ジュウオウイーグル、ジュウオウヒューマン:「人間だって動物だ!!」人間の浄化に踏み切れば敵対は免れない人たち。
他作品
プリキュアシリーズの歴代協力者