概要
『スター☆トゥインクルプリキュア』第2話にて名前が登場した惑星連合。
この連合に属する惑星の住人は、宇宙の法律「宇宙法」を守る義務がある。
星空界宙域の数多くの惑星文明がこの連合に加盟している。作中のメイン登場人物である羽衣ララやプルンスは宇宙法を遵守しようとしているため、彼女らの故郷である惑星サマーンや聖域スターパレスも連合に加盟していることがわかる。
一方で、宇宙文明の一員として他星との交流も行なっているけれども宇宙星空連合に参加しないことを選ぶ惑星もある。そういう星にはあまり良いイメージは持たれていないようで、例えば第15話の舞台となったゼニー星は「カネが全ての無法地帯」としてプルンスに警戒されていた。
現在判明している宇宙法の中身としては以下のようなものがある。
- 他の星と交流がない(より正確には『交流または観測する術がない』)星では異星人の存在を秘密にしなければならない。
- 宇宙法を破ったら宇宙の旅が100年間禁止。
- 漂流中の者は保護し、再び宇宙に送り出す責務がある。
宇宙法を破った際の罰則が「宇宙航行の禁止」であることからしても、宇宙法とは各惑星の内政に対して干渉するような法ではなく、移動と交易に関する規定であるようだ。
残念ながら連合では、好奇心の赴くままに未知なる世界を好き勝手に旅する自由はなく、それは海賊のようなものとして取り締まられてしまう様子。
作中では地球は「他の星と交流がない星」とされているが、実は連合は地球の存在を古くから把握しており、長い期間をかけて「監視」を続けている。
その上で「地球人を宇宙文明の仲間に入れるには時期尚早」と判断しているということでもある。
作中では連合の地球調査員としてP.P.アブラハムが登場しており、人類社会に紛れ込んで100年以上の監視を続けている。
32話では地球の近くに星空連合の支部「天の川ステーション」があることも判明している。
アブラハム以外にも地球にはいくつかの宇宙人がこっそり潜り込んでいるようで、その痕跡が様々な宇宙人の噂として地球人の間で囁かれている。ただし、作中世界の地球では宇宙人の存在は公的には認められていないので、まともな地球人からすれば宇宙人なんて怪しげなオカルトと同一視されるというのは現実の世界と同じである。
一方で国家機密レベルでは宇宙人の存在は確信されており、日本政府もその調査を極秘に進めている。
(「異質な文明の住人達が地球に紛れ込んでこっそり観察している」という設定は『魔法つかいプリキュア!』と似ているが、スタプリとまほプリのシリーズ構成は同じ人物である)
地球人であるひかる達はララのロケットで連合の様々な惑星を冒険しているが、それだけで彼女達が「連合の外からやってきた」とは気づかれない。
連合に属する惑星はあまりに多く、雑多な種族が住んでいるので、こちらから何も言わなければ地球人であっても「連合のどこかの惑星に住んでいるヒューマノイド型異星人なのだろう」と認識される。
連合のどこかの星で自分たちが地球人であることがバレたらどうなるかは不明(少なくとも地球人を連れてきたララは宇宙法違反で処罰される可能性が高そうである)。
31話にて連合上層部に直接看破された際はララとプルンスが上記の罰則を受けそうになる。現地の監視員であるアブラハムが無断で許可したと知るや彼を流刑しかけるも、結局監督不行き届きだったからとお咎めなしになった。
宇宙戦艦を保持していたりそれなりの軍事力はあるようだが、ノットレイダーには手も足も出ない。第31話では、スターパレスにノットレイダーが侵略してきた際は連合艦隊も出撃していたがなすすべもなかったことが屈辱の歴史として語られている。
さらに同話ではガルオウガが連合代表のトッパーの乗る宇宙戦艦へ襲撃してきたことに対応して、生身のガルオウガに戦艦からレーザービームを一斉放射するというなかなかえげつないことをしたが、そのビームがすべてガルオウガのワープゲートを開く力で跳ね返されるという醜態を見せていた。
宇宙星空連合は一見すると宇宙法によって星間文明の秩序を守るような組織に思えるが、一部視聴者からはきな臭い部分が見えるという指摘もある。
- 宇宙との交流はあるが連合に加盟していない惑星は治安が悪化しようとも大災害に見舞われようとも一切介入しない。
- スターカラーペンダントを集め、スタープリンセス達を着々と復活させていくプリキュアの存在を知るや、彼女達を傘下に引き入れようとしている。
- ノットレイダーの起源となったのは誰からも見捨てられた宇宙難民なのだが、逆説的に言えば連合が実質的に彼らを見捨てていたからノットレイダーが結成されたことになる。
そのためこの連合には裏があるのではと勘繰る視聴者もいるが、そもそも星空界では各惑星の自治独立がなされており、宇宙星空連合が各惑星を統治しているわけではないことは考慮すべきだろう。
連合が個々の惑星における治安の悪化に対して警告や注意はできても、具体的に何かの制裁を課すのは内政干渉になるのでできはしないだろう。そもそもどこかの有力な加盟惑星に反対されたら何もできなくなることも想像に難くない。なので、裏があるというよりも加盟惑星に対してリーダーシップが発揮できていないという方が実態にあっているのかも知れない。
そもそも星空界に「どんな種族も納得する善と正義」は存在しない。本作でもケンネル星を舞台にした第8話はそれを端的に表したエピソードとなっている。連合を構成する星空界の住人はプリキュアの過去作に出てきた妖精たちのような無垢で純粋な存在ではなく、単に地球と異なる星に住む宇宙人に過ぎない。レインボー星人が変化能力のために他の星の人々から差別されているという事実からして、残念ながら星空界の住人もまた地球人と同じように様々な問題を抱えている。
地球での現実の国連の様相を見れば、宇宙星空連合が「一つの正しさ」の名の元に結束するのが難しいのも当たり前なのかも知れない。
なお本作は「個」「単独」を否定しないという作風であるため(仲間との絆に関する描写も押しつけにならないようにされている)、星空界は一つの正しさでまとまるべきだみたいな主張はそもそもされていないことも留意しておきたい。
関連人物
その名の通り宇宙星空連合のトップ。初登場は第29話の惑星サマーンで、かに座のペンを見つけたロロを表彰していた。
プリキュアを連合に取り込もうと勧誘してきたこともあったが、彼女達の思いを理解してそれは取りやめている。32話以降はプリキュア達の活動を支援するために天の川ステーションに駐留している。
宇宙星空連合の調査員であるミニチュラ星人で、本当の身長は地球人の手のひらに乗る程度。地球人としての姿は本人が操るロボットである。長命に属する宇宙人で地球を監視するために数百年に亘って隠れ住んでいたが、百数十年前に地球人が生み出した映画文化に魅了され、地球人のふりをしてハリウッドで映画監督として活動を続けている。
元ネタ
人気SFシリーズスタートレックに登場する「惑星連邦」がモチーフと思われる。
惑星連邦にも「ワープ技術を持たない文明との接触禁止」という、上記の宇宙法に似た規則がある。
余談
プリキュアシリーズ15年の歴史上、初めて登場した明確な軍事組織でもある。上記の様に巨悪相手に自分達では太刀打ちできずプリキュアにすべてを託す考えに至った点について、『ハピネスチャージプリキュア!』における地球にて怪物が蔓延しているのにあの世界の軍や警察はどうなっているんだというツッコミもこちらと同様の理由であると想像はできる(仮に登場したらしたで避難誘導や援護射撃等は行えたかもしれないが)。
関連タグ
銀河共和国…ある意味宇宙星空連合の可能性の1つと言える国家。
プリキュアシリーズの歴代協力者