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サルロー

さるろー

アニメ『ヒーリングっど♥プリキュア』の登場人物(メイン画像のチョッキと腹巻を着用する猿の方)。
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CV:郷田ほづみ

概要

ヒーリングっど♥プリキュア』の最終話(第45話)に登場するヒーリングアニマル
その名の通り、年配のサルの一種アビシニアコロブスの姿をした成体である。
のどか達が出会った時には、かつてキングビョーゲンに蝕まれた土地の近くで、ひっそりとそこを片付けていた。

人間が生きる為にはある程度の自然を破壊し、他の動物の生命を奪わざるを得ない事実は認めてはいるが、現在の人類が度を越えた進化を果たし、「生きる為」の目的以上に地球環境を破壊している現状を快く思っておらず、テアティーヌの事を「甘い」と評しており、「地球を蝕むという視点では、今の人間たちもビョーゲンズとそう変わらない」「オレに言わせりゃ、ヒーリングアニマルは人間だって浄化していくべきなんだ。この星のためにな」等の言葉を、臆面も無く言い放つ偏屈老人……もとい老サルである(もっとも、テアティーヌがヒーリングアニマルの始祖である以上、実はサルローはテアティーヌより年下である。女王と一般のヒーリングアニマルでは、歳の取り方にも差があるのかもしれない)。

これはプリキュアをスカウトしたラビリン達にとってしてみれば、到底受け入れられない暴論である。自分達が選んだパートナーである人間、そして「生きたい」と願う人間達の力がなければネオキングビョーゲンは倒せなかった。要するにサルローの発言は悪の魔王退治後の勇者不要論である。ラビリン達は当然反発し、風鈴アスミの「そういう考え方もあるのですね」との言葉に「ないラビ!」と完全否定している。

しかし、当の人間であるのどか達の考えは違った。現代では人間が普通に文明社会の恩恵を受けて便利に過ごすだけで、資源を消費し自然を汚す。ひなたは動物病院に連れて来られる傷ついた動物達を思い出す。故意か過失かは分からないが、多くは人間に傷つけられた動物であると。いずれ人間も、浄化される存在になりヒーリングアニマル達と戦う羽目になるかもしれない、と。

ひなた「いつかあたし達も、ニャトラン達に浄化されちゃうのかな……?」
ペギタン「いやペエ、ちゆたちと戦わなきゃいけないなんて……!」

その後、更に事件が起こった。
ヒーリングガーデンに持ち込んだすこやかまんじゅうに、野生のナノビョーゲンが付着しており、メガビョーゲンに進化してしまったのだ。失態を犯したのどか達を「災いを持ち込むのは、いつだってお前ら人間なんだ!」とサルローは糾弾、態度を更に硬化させた。

しかし、「人間という種族としての責任」を取るべく必死に戦ってメガビョーゲンを浄化し、反省とともにあるべき未来の形を再度見つめ直すプリキュア達の姿に思う所があったようで、サルローはより良い未来の為の道を模索しようとするテアティーヌの言葉に耳を傾け、人間達の可能性をしばらくは信じようとした。

ただし、サルローが人間達をしばらくは信じようとしたのは、テアティーヌの「いざという時がくれば、私にも人間を浄化する覚悟はあります」とする決意を聞いた上の事でもある。
テアティーヌは人間に無条件に甘いのではなく、『人間の愚かさや過ちを知っている上で、それでもギリギリまでは人間の可能性を信じたい』と思っているのだ。サルローはそれを知った事で、自分もテアティーヌと同じようにギリギリまでは人間を信じる事にしたのである。

つまり、これは『人間達にはギリギリの一点を超えると粛正対象になる、回避不能点(The Point of No Return)が存在する』事実を示している。もし人間達がその一点を超えてしまえば、のどか達は自分達がプリキュアとして浄化してきたビョーゲンズ達と同じような末路を迎えるか、滅びに抗ってヒーリングアニマル達と戦うしかなくなる。
だが、そうなるまでの猶予期間が与えられている。
それをどう使っていくかは、これからののどか達、そして我々の1人1人に求められている使命である。

声優について

声を演じた郷田氏はキングビョーゲン/ネオキングビョーゲンの声も兼任しており、フィナーレ的なカメオ出演と言える。
地球上の生物を絶滅させて、自分達の天下を築こうとした病魔の王を演じた同氏が、最終回で地球を汚す人類に批判的な立場の者を演じる形となった。
また、同作品の敵組織の首領を担当した声優が、最終話で別の役で出演するパターンはプリキュアシリーズで初めてである。

制作の裏話

実は『ヒーリングっど♥プリキュア』は企画の初期段階で「人間が地球にとって害となる話はやらない」方向性が決まっていた。その価値観を最終回ですべてひっくり返したわけである。
あくまで可能性の一つだとしても、『ヒーリングアニマルが人類を滅ぼすかもしれない』というプリキュア達が今まで浄化していったビョーゲンズ達と立場が入れ替わるようなパラダイムシフトは、視聴者に強い印象を与える事になった。
香村純子がシリーズ構成をする作品では、最終回でこれまで語ってきた概念を根底からひっくり返す展開をする傾向がよく見られるのだが、本作でもそれは遺憾なく発揮された事態になった。

本作では「プリキュア達が敵組織と一切和解しない事」が特徴の作風であったが、もし1人でもビョーゲンズと和解していれば、サルローの「人間は浄化されるべき」の言葉は重みを持たなかったろう。この言葉は、プリキュアたちもビョーゲンズを絶対に許さなかったからこそ、ブーメランとして有効になっているのである。
サルローの言葉を聞いたのどか達はそれに対して反論もできず、「そんなこと、考えたこともなかった」とまで敢えて言わせており、彼女達がある意味では思考停止で戦っていた事実を別段のフォローなくリアルに描写している。

この事実から、本作でプリキュア達が敵と和解しない路線だったのは、「全てこの最終回に繋げる為だったのでは?」との感想を持った視聴者も見られた。

しかし、『ヒーリングっど♥プリキュア オフィシャルコンプリートブック』のインタビューで明かされたことだが、実はこの第45話は放映されない可能性があった
オフィシャルコンプリートブックでの池田洋子SDへのインタビューによると、「何かの都合で後半に放送が1回休止する可能性があった」らしく、しかも休止になるかどうかがギリギリまでわからなかった。その為『全44話になるか全45話になるかわからない』まま最終盤の制作をせざるを得ない状況に陥ってしまった。
この状況に対応する為、第44話を「物語が完結する回」としてラスボス戦後のエピローグまで描き切り、第45話は削られても問題がないように「今までの物語とは切り離された後日談」として、ヒーリングガーデンでわちゃわちゃするギャグ中心の形をとることにした。
……のだが、シリーズ構成の香村純子が「人間の有害性を完全にスルーするのもよくないのでは?」と思い、サルローを通じて問題提起を行った事で、今までの戦いの意味を改めて問い直すエピソードとなったのである。

  • 例えば、バテテモーダの宿主であるヌートリアは、侵略的外来種(=人間が本来の生息地から日本に持ち込み、生態系に害を与えている)である。バテテモーダは敵として浄化されたが、そもそもヌートリアが日本に存在し生態系に害を与えていること(=人間の罪)について考えなくてもよいのか、その問いかけのために宿主として配置されたのでは? と捉えることも出来る。
  • 仮に、全44話で終了していた場合、「人間と他の動植物の『生きたい』意思だけが尊重され、ビョーゲンズを数の論理で排斥した」だけの物語で終わってしまっていただろう……。

反論

但し、それと同時に「サルローから一方的に『人間の業』を糾弾され、反論も出来ずに受け入れ、自虐的かつ悲観的な言動に終始してしまうプリキュア達」の構図に、少なからず不快感を覚えた視聴者も居る(サルローの振る舞いは高齢男性による、若い女性や子供へのマンスプレイニングに見えなくも無い)。

また、彼女達の来訪はテアティーヌが認めたもので、プリキュア達はテアティーヌの客人である。そもそも女王テアティーヌがラビリン達にプリキュアになってくれる人間を探すよう命じたのが全ての始まりであり、その事実を知っているはずなのにプリキュア達を痛罵するのは、女王の顔に泥を塗った挙げ句、ヒーリングアニマル全体の面子を潰すも同然の行為である。

加えて、数多の指摘もある以上、手放しに称賛できないのも事実である。

地球のためもいいけど忘れちゃいけないこと

  • サルローの苦言は確かに、マクロな視点で見れば「地球環境」「地球の未来」を思い遣っての発言なのは判るが、ミクロな視点で見ればビョーゲンズ達と最前線で戦い、辛い経験も苦しい思いもしてきたプリキュア達に労いの言葉も無く、のどか達を危険な戦いに巻き込んだ負い目のあるラビリン達に対する配慮も無い。個人過去に対する思慮も想像力も欠けているのである。
  • ヒーリングアニマルもまた「自分達こそ地球の意思だ」と思い上がった存在になりかねない事が示唆されている。
  • サルロー自身にも「人間という種の浄化」を望む様になった個人的事情があるのかもしれないが、作中でサルローの過去は語られていない為、視聴者が想像するしかないのである。
  • サルローの過去について僅かにヒントになりそうな言葉は、すこやかまんじゅうからメガビョーゲンが生まれた時に彼が口にした「災いを持ち込むのは、いつだってお前ら人間なんだ!」との発言だが、人間が持ち込む災いに彼の「『人間という種』そのものの浄化」を望む程のトラウマがあるのだろうか……?
  • 人間も皆が文明社会の恩恵を受け自然を荒らすばかりでは無く、作中に登場した樹サクヤさんのように自然を守り野生動物との付き合い方(人間が無闇に手を出してもいけないという意味でも)を考えている人物も存在する。


プリキュアとヒーリングアニマルの関係と今後

  • また、今作のプリキュアは「ヒーリングアニマルだけではビョーゲンズを倒せなかったので、『伝説の戦士プリキュア』の力で今度こそビョーゲンズを倒そう」とする、ヒーリングアニマルの都合で戦っていた事を忘れてはならない。
  • 更にのどかからすれば、かつてテアティーヌがまだ戦線に立っていた頃、討ち漏らしたメガビョーゲンがばらまいた自立歩行できる種が放置されていた為に、病に苦しんだ挙げ句、ダルイゼンとの因縁を産み出し、その事実をヒーリングアニマル達の都合である守秘義務により、蜂須賀先生に話せない受難に陥った。
  • ビョーゲンズも種としては絶滅したわけでは無く、今後復活したビョーゲンズやそれ以外の地球にとっての脅威(たとえそれが一部の人間であっても)ともヒーリングアニマルは戦い続けていかなければならない以上、理論上ヒーリングアニマル1匹に付き1人プリキュアを覚醒可能であるなら(変身アイテム数の制限も無い)根本的に「人間という種と手を切り、人間全てを浄化する」のは愚策ではないだろうか……
  • くれぐれも、サルローの言い分は「悪の魔王退治後の勇者不要論」であり、「ネオキングビョーゲン一派が倒された後なら何とでも言える」との批判もある。


進化しなければ生き残れない

  • サルローはビョーゲンズや人間の「度を超えた進化」を批判していたが、実際の所ネオキングビョーゲンシンドイーネを取り込みさえしておけば、もう1段階進化出来ていた可能性があった。初期形態のダルイゼンを取り込んだ時に「これで十分」と勝手に満足し、「更なる進化を求めなかった」事実がネオキングビョーゲンの敗北を招いたのである。進化しない事が破滅を招く可能性がある以上、サルローの「度を超えた進化=悪」の考えにも安易に賛成は出来ない。
  • 人間もまた、ウイルスに打ち勝つ為、地球環境を守る為に、更なる医学の発展、技術開発が必要とされている。人類は進化しなければ生き残れないのだ。


天災により奪われる命

  • 「人間がその繁栄の為に数多の動植物の命を奪い、地球環境を害している」とするならば、「地球そのもの」もまた、時として地震津波台風豪雨土砂崩れを引き起こし、数多の人間や動植物の命を奪っている。地球の精霊として、やや傍観者的な立ち位置からサルローの言葉を聴いていたアスミだが、もし過去の天災で大切な人の命や故郷の自然を奪われた人に出逢えば、どんな反応を示すだろうか…?


サルローの言葉がもたらした余波

サルローが最終回で「人間の罪」を問うた事は「人間とヒーリングアニマルの分断の可能性」だけでなく、「人間のプリキュアと人間以外のプリキュアの分断の可能性」をも生み出した。今作で唯一「人間で無い」プリキュアはキュアアースである。共にビョーゲンズと戦ってきた仲間なのに、最後の最後で彼女だけが「人間では無い」「のどか達とは立場が違う存在である」事実が明確になってしまった。
アスミはそれも自分なりに考え、向き合っていくのだろうが、次回作にもただ1人人間で無いプリキュアが……。彼女もまた、人間と人魚を隔てる禁断の掟の存在を知り苦悩する事になる。

あなたは最終回まで視聴し、何を思いましたか……?

余談

猿モチーフなのは犬モチーフのテアティーヌとの対比=犬猿の仲か、或いは「生意気で浅慮な考え」を意味する猿知恵であろう。
上記の反論に加えて、実際に人間を浄化しようとした場合に発生する、多大な問題を察していない可能性も高い(ネオキングビョーゲン以上の驚異が現れたらヒーリングアニマルは人間とプリキュア抜きでどう対抗するのか、地球上から人間を浄化すれば、ペットや家畜など人間に依存している生物は飢えて死ぬ可能性が高い、等。詳細はテアティーヌの項目を参照)。

人類はビョーゲンズと同じ?


(→プGキュア

人類は「霊長目(サル目)」から進化しており、人間の度を越えた進化に苦言を呈する生き物としては「サル」がぴったりであろう。

また、2021年現在「サルがプリキュアになった事例は無い」し、「サルモチーフのプリキュア」もいない(キュアゴリラは居たけど)。要するに彼は「プリキュアに苦言を呈する、プリキュアになれない存在」なのである。

予言者?

何にせよ、サルローの登場で色々と考えさせる最終回となったのは確かである。
そしてpixivでは『ヒーリングっど♥プリキュア』最終回の放送以前に、サルローの言う『人間もビョーゲンズも地球を蝕むという点では同類なのではないか』との問題提起を示す作品も描かれていた。

ヒープリまんが



※上記の作品はサルローが登場する以前、2020年5月の作品です。

関連タグ

ヒーリングっど♥プリキュア  ヒーリングアニマル サル
アビシニアコロブス

プリキュアシリーズ内
ギガビョーゲン:現代におけるビョーゲンズによって生み出された、人間が怪物となった存在で、サルローにして見れば人間の環境破壊が齎す先の末路と言えなくもない。しかし、あくまでギガビョーゲンの素体にされた人間は、寄生された被害者であり、彼らを非難する事は感染者への不当な差別であるのに注意しなければならない。
紆余曲折あって、サルローが人間の未来を信じるようになったのは救い。

エゴエゴ:映画に登場。人間のエゴイズムによって生み出され、人間に害を為すと人間にとって因果応報の結果な存在。その生まれた理由は結局のところサルローの「生きる為」の目的以上の行為を一個人が成し遂げる為である。しかし、彼を生み出したビョーゲンズを元にその種族的性質の「地球を蝕む」能力を失わせ「人間と共存できる可能性のある生命体に造り変える」技術は平和利用さえしてくれれば、数多の生命を救う革新的技術になる可能性がある。

プリキュアシリーズ外
ラフィキクランキーコング、マンディじいさん:サルの年配キャラ繋がり。

マトリフ:世界を救う立場ながらも、住民である人に対し嫌悪感も抱いている年長者繋がり。
但し、彼はかつて魔王ハドラーを倒した勇者アバンの仲間であるが、その功績を妬んだ王の側近達により人間不信に陥ったからで、サルローとは真逆の立場である
もし彼がサルローのプリキュアに対する態度を見れば、「お前ら妖精は困った時は勇者=プリキュアに頼っておいて、危機が過ぎたら掌を返すのか!」と怒り、大喧嘩になったに違いない……。

のび太と雲の王国:人間を必要悪とみなし、必要があれば浄化を厭わないとする者繋がり。

東方不敗マスターアジア:地球の環境改善の為に人類を排除すべきと考える者繋がり。こちらは弟子の「人類も地球の自然の1つ」と言う説得で考えを改めている。

ターちゃん:人間の必要悪な部分を認めながら、それ以上の欲を自身も含めて否定しながらも、人間の可能性も信じている者繋がり。

ゴセイナイト:地球を救う立場だが、登場当初は環境を破壊する人間に対して、厳しい姿勢を取っていて破壊行為も辞さなかったヒーロー。こちらも紆余曲折の末に、自らの意思で人間も守る対象として扱っていった。

ザマス:彼も愚かな人間を嫌う存在だが、地球や宇宙の存続等の為ではなく、己の利己的な正義の為に『人間』(「ヒト」では無く全宇宙の『人間と呼ぶに値する知性生物』)を滅ぼし唯一神となろうとした。もっとも、その身の程知らずの暴挙の為、真の唯一絶対の神に消滅させられる。

宇宙猿人ゴリ:立場上は侵略者ながら、その動機が「地球の美しい自然を愛する余り、それを破壊する地球人に憤る」と、実質的にサルローとほぼ同じ思考・行動理念となっている。

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ヒーリングアニマル ひーりんぐあにまる

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