「我はネオキングビョーゲン」
「時は来た。あとは地球の全てを手に入れるのみ」
概要
この記事はネタバレを含みます。未視聴の方は注意。 |
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『ヒーリングっど♥プリキュア』第41話でキングビョーゲンがダルイゼンを取り込んで更に進化した姿。
本来はキンググアイワルの様にメガパーツで巨人に進化したダルイゼンを取り込む計画であり不本意な結果になったが、それでも地球を蝕むには充分過ぎる力を手に入れた。
自分がダルイゼンを追い詰めておきながら、彼を見捨てたキュアグレースを「ダルイゼンを見捨てながら、地球のみんなと全てを守ると言うか。ずいぶんな思い上がりだ」と嘲笑うなど性格も悪辣。
容姿
進化前に比べ頭身が高くなっており、獣の姿から巨大な人間の姿に変化した。ビョーゲンズの幹部に見られた4枚の黒い翼や、大量の赤い角も備えている。
人の顔になった事で表情がわかりやすくなったが、他者を見下し、弱者を蔑んだ思考故か醜悪かつ下劣な面ばかりが目立つ。
しかし彼の狂信者であるシンドイーネは、前の姿も素敵だが今の姿も素敵、と褒めちぎっている。
戦闘能力
前々から自身の一部たるナノビョーゲンをすこやか市の各地に潜めており、やり易かったとはいえ広大なすこやか市をあっという間に蝕み、その後は短時間で地球全体を蝕んでいった。
その力は今までのビョーゲンズとは比べ物にならず、指から出した一発の光線だけでプリキュア達のぷにシールドを破り、変身を解除させた。
テアティーヌとレイオンとトライン、その他多くのヒーリングアニマル達が協力して作ったバリアでも動きを封じるのがやっとであり、かつて自分を破ったテアティーヌを上回る力を見せ付けている。
ちなみに
キングビョーゲンに心酔するシンドイーネは彼の進化後、プリキュア達にも新たな正式名称で呼ぶよう迫った。この様に拘り過ぎたのが彼女の敗因となるが、彼自身はそんなシンドイーネのことも使い勝手のいい道具としか思っておらず、浄化された事を知っても醜悪な笑顔で「それがどうした?」と言わんばかりの態度を見せている。
地球の生命を侮った魔王の末路
シンドイーネを吸収したキュアアースによってバリアを貫通されるも、テアティーヌらによる結界が解けてしまい、完全復活を遂げる。その力で地球全体を蝕むと、プリキュア4人も自身の体内に取り込み、変身解除に追い込む。
勝利を確信した彼は、
「絶望するような事でもなかろう。人間とて我らと変わらぬ。いや、地球上の生物のすべて、万物が同じだ。」
「いずれかの生命がはびこれば、別の生命が絶滅へと追いやられる。この世界は、そのようにできているのだ。」
「生きるという事は、戦う事。戦いに勝った者だけが、生きる事を許される。その勝者が我一人であったというだけだ。」
と、「生きることはこれ即ち戦うこと」という自然の理を引き合いに出し、自分だけこそがその勝者だと誇るが、のどか達は「生きる事は戦い」という意見には賛同するが「勝つためでは無く、負けないために戦う」と宣言する事で諦めない姿勢を見せる。
のどか「わたしが健やかに生きるために…。大好きな人達が健やかに生きられるように…。他のすべてを見下して、虐げて、奪ってくる、あなたみたいな存在のせいで、悲しむ人が増えないように…。」
そして、それに呼応した地球の生きとし生ける者の「生きたい」という思いが光と化してのどか達に集まっていく。
「何だ…。この生気に満ちた光は…」
「こざかしいマネを!許さんぞ!」
すると、プリキュアはさらなるパワーアップと復活を果たした。
形勢は逆転し、先程までの優位性が嘘の様に圧倒され追い詰められてしまう。
「この我が、見習い共と人間なんぞに…。」
自分が人間とヒーリングアニマル達に敗れる事を受け入れられず、強化された「プリキュア・ファイナルヒーリングっど・シャワー」にも必死で抗うが、「生きる」という凄まじい意思の強さは抑えようが無く、遂に直撃を受けて浄化され消滅した。
「グワアァァァァ!ヒーリングッバイ…。」
こうして、最後の最後まで他者を見下し続け、己の目的の為にあらゆる生命体を死に至らしめようとした悪しき存在は、地球を治める戦士たちと生きるという想いを一つにした地球の全ての生命体たちによって遂に打ち砕かれ、病魔の王は皮肉にも己に都合良く考えていた自然の理によって「敗北者」として滅び去り、最期を迎えたのであった。
進化の過程による真の敗因
ただ忘れてはならないのは、ネオキングビョーゲンは自分でも言っているように「本当ならもっと進化できたはず」なのである。
キングビョーゲンは、ダルイゼンを適度に追い詰めれば、ダルイゼンはキングに抗うために危険を顧みずにメガパーツを取り込むだろうと踏んでいた。そして実際にダルイゼンはその通りの行動をとり、メガパーツの過剰摂取によってさらに進化する。
キングビョーゲンはその状態のダルイゼンを取り込むつもりだったのだ。
だが実際は、巨人と化したダルイゼンはプリキュア達の浄化攻撃を受けたことで、消滅は免れたものの、メガパーツを取り込む前の状態まで弱体化してしまった。
そしてキングビョーゲンはその状態のダルイゼンを取り込まざるを得なかったので、ネオキングビョーゲンへの進化は想定よりも弱いものになってしまっていたのである。
ネオキングビョーゲン自身は「まあいい、この程度でも十分」と余裕を見せまくっていたが、実際のところは十分ではなかったわけだ。
もしもメガパーツを取り込んで巨人と化したダルイゼンを取り込んでいれば、プリキュア達が勝利できたかどうかはわからない。
だからプリキュア達がキングビョーゲンに追い詰められたダルイゼンを「助けない」事を選び、彼を浄化に踏み切ったことが地球の命運を決定したとも言えそうだが、単純にそうだとも言い切れない。
ネオキングビョーゲンが吸収して進化するための素材はまだ一人存在していた。
そう、シンドイーネである。
彼女は自分がキングビョーゲンに吸収されることを本望としていたが、当のネオキングビョーゲンはシンドイーネを吸収するという発想がなかった。
- その理由は「単なる慢心」である。彼が本気で「これ以上進化をしなくてもプリキュアとテアティーヌ率いるヒーリングアニマルたちを倒し、地球を我が物にできる」と狂信していたのは言うまでもなく愚策である。「最終決戦で自分が持てる最強のカードを切らない」でどうするつもりだったのか?
- あるいは、自分に進化の道筋を教え、自分を讃え褒めそやしてくれるシンドイーネを「有能な下僕」として手元に置いておきたかったのかもしれないが、自分に最も忠実なシンドイーネを有効活用出来なかった時点でネオキングビョーゲンの王としての器に問題があると言わざるを得ない。
そして、最終的にシンドイーネはキュアアースに吸収されてしまい、逆にプリキュア側を利することになってしまった。
ネオキングビョーゲンは更なる進化のチャンスがあったにもかかわらず、それを掴めなかったばかりか、敵に塩を送ったのだ。
彼の敗北の真因は「ネオキングビョーゲン自身が慢心し、思い上がり、これ以上の進化を求めなかった」事に尽きると言えるだろう。
最終回にて…
最終回にて、ヒーリングアニマルのタカ派・サルローはビョーゲンズと人間の「度を超えた進化」を批判していたが、実際の所ネオキングビョーゲンはシンドイーネを取り込みさえしておけばもう一段階進化出来ていた可能性があったため、「さらなる進化を求めなかった」事がネオキングビョーゲンの敗北を招いたのである。進化しない事が破滅を招く可能性がある以上、サルローの「度を超えた進化=悪」という考えにも安易に賛成は出来ない。
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ラスボス(笑):シンドイーネを吸収しなかった愚策が仇になったと言えよう。