ダルイゼン
だるいぜん
暗緑色の髪に青白の肌を持つ少年で、頭に生えた悪魔の様な2本の角とサソリの様な尻尾が特徴的。耳には4枚の花弁を持つ花のようなピアスを付けている。
ビョーゲンズの幹部の共通として、赤錆色のロングコートに首のチョーカーを身に付けている。幹部達はメガビョーゲンの上位種・テラビョーゲンと呼ばれる。
メガビョーゲンを生成する際は髪を靡かせる仕草をし、主に花や草木等の地上植物より生み出すが、クーラーボックス内の氷等から誕生させることもあった。
序盤から主人公・花寺のどか/キュアグレースとの因縁が何かと多い敵キャラで、OPでも彼女とダルイゼンが対峙するシーンが存在している。
口癖は「生きてるって感じ」。これまたのどかと同じであるが、ダルイゼンはこの言葉を命溢れる地球への不快感を示す意味合いで使う。
倦怠にして酷薄な病魔
その名の通り気だるそうな雰囲気と言動をしており、プリキュアやヒーリングアニマルは勿論、支配者のキングビョーゲンに対しても斜に構えたような態度で接している。
協調性や仲間意識も薄く、同僚のシンドイーネやグアイワルが喧嘩をしていてもそこに加わららず、新入りのバテテモーダに媚びられても、相手にする事は殆どない。
その上、自身で生んだ幹部候補の底の浅さを知るや、早々と見限った挙げ句「生まれるのが早かった」と酷評する始末。
また、プリキュアたちに自分たちの作戦を妨害されても何とも思わず、軽視しているような節すらも見せている。
その一方で、ビョーゲンズとして地球を蝕むことについては誰よりも忠実で、世界を自分たちの住み良い環境に作り替える為ならば手段を選ばず、周りの被害や犠牲も一切顧みない冷酷非情さと「自分さえ良ければ後はどうでもいい」という自己中心的な面も併せ持ち、グレースからその身勝手さに加え、のどかの母・花寺やすこから「人間としての心の無さ」を非難されてもそれらをあっさり肯定している。
また、「病気に汚染された土をラビリンやグレースに塗り付ける」、「他者を徹底的に冷笑する」など非道且つ悪意に満ちた行為が目立ち、これらの描写はビョーゲンズは人間と相容れず、おおよそ『共感の余地の無い邪悪な存在』であることを強調した。
以上の事から、「他者には冷淡で自分にとっての損益にしか興味がない」が、ダルイゼンの行動指針ではないかと思われる。
前述の通り、非道さが目立つダルイゼンではあるがその一方で、作中においては他者を騙したり嘘をついたりはしていない。
もっとも、彼は思ったままをすぐ口に出す上に、身も蓋もない事実まで述べており、6話では蝕まれた苺を農家のおじさんが「俺の大事な子供たちが…!」と心配する様子に対し、「人間から植物は産まれないよ」と吐き捨て、やすこからの怒りを買い、23話ではグアイワルが自分がメガパーツの力の第一発見者であると任務に失敗したシンドイーネを説教していたが、ダルイゼンはメガパーツに関して「元はと言えば、バテテモーダの発見だろ」とグアイワルの発言の揚げ足取りをして彼を苛立たせるなど、悪い意味で正直で、他者に顰蹙を買うこともしばしばある。
また、33話でキングビョーゲンからメガパーツによる進化を促された際には、「これはおれのためだ。別にキングビョーゲンのためじゃない」と本人の前で言い放っている。
- この点に関しては、ダルイゼンは殆ど本音しか口にしない傾向にあることが考えられ、その事から、彼は他者から良く見られたり、他者の気持ちを理解しようという気が皆無ではないかという見方もある。
基本的にはクール且つ怠惰で、感情を露わにすることは滅多にないが、終盤では激昂する一面も見られた。
出世やキングビョーゲンの寵愛には興味が無く、「効率良く地球を蝕み、自分にとって居心地の良い環境(=ビョーゲンズ以外生存できない環境)を作る」ことを第一にしている。
他の幹部たちとの関係は「自ら進んで協力するのは面倒だが、足を引っ張るほどでもない。自分の利益に反しない限り協力する」程度の仲間関係である。
- 彼は上記の通り、「効率良く地球を蝕み、自分にとって居心地の良い世界を作ること」が最優先であり、バテテモーダの敗退で人手が減った事を惜しむ様子を見せたり、「効率良く地球を蝕むため」とシンドイーネにメガパーツを分け与えたりしている。この辺りでは、いかに同じ自己中心的でも過去シリーズで効率の事など一切考えず自己中心的過ぎて同族同士足を引っ張り合いまくることすらあったジコチュー達とは違うところでもある。
キングビョーゲンへの忠誠は上辺だけのもので「キングは誰でも良い」と思っており、キンググアイワルを取り込み復活したばかりのキングビョーゲンから「力の糧となるようにダルイゼンも取り込む(=ダルイゼンの自我は消えて無くなる)」を言われるや命からがら逃げ出し、嘗ての宿主である花寺のどか=キュアグレースに助けを求め、それが叶わずと知るや彼女の過去の発言から彼女を糾弾しキュアグレースを精神的に追い詰めることになる。
基本的には自ら生み出したメガビョーゲンまたはギガビョーゲンに戦闘を一任しているが、掌から発する光弾や格闘面では打撃技のみならず投げ技にも精通している他、28話ではプリキュア4人を地面へのパンチによる衝撃だけでまとめて吹き飛ばすなどダルイゼン自身も高い戦闘能力を誇示している。
33話でメガパーツを体内に取り込むことで更なる強化を果たし、戦闘能力が以前より向上した他、外見も髪型や衣装が禍々しいものに変わり、左胸には青いバラの飾りが追加された。
人間界侵攻開始(第1 - 9話)
■第1話
- 記念すべき第1話にして初出撃。読んでいた新聞から顔を覗かせ、色とりどりに咲く花や公園を楽しむ人々の前で独り言を呟くと、花のエレメントさんが宿る花畑にナノビョーゲンを寄生させてメガビョーゲンを召喚する。
- 暴れ回るメガビョーゲンに無謀で立ち向かうラビリンに「ただでさえ見習いのお前らが俺達に敵う訳がない」と彼女を見下す(本人としては事実をありのまま述べているだけかも知れないが)。
- のどかがラビリンとの出会いを得てキュアグレースに変身した姿を目撃したダルイゼンは「プリキュア? あの古の…」と何か知っている様な素振りを見せるが、直ぐに別人と解釈し戦闘態勢に戻る。
- 初めての戦闘でメガビョーゲンを浄化したグレースを「ふーん、やるじゃん」と呟く様に称賛するとプリキュア出現報告が際優先と考えて撤退した。
■第2話
- ダルイゼンは前回の出撃での目撃情報を基に、ビョーゲンキングダムでプリキュア出現を報告。キングビョーゲンは一瞬驚愕するも、「自分(キュアグレース)でも言ってたし、多分ね」とタメ口で反応を返す。なお、この会話で、グアイワルから古のプリキュアが存在していた事も判明している。
- 自身の身体を取り戻す為に地球を蝕み、同時に侵略を果たす事を命令するキングビョーゲンに、シンドイーネとグアイワルは誠意込めた返事をするが、ダルイゼンだけは「りょーかーい…」と名前の通り怠そうに了承する。
- すこやか中学校の大木を見つめて「悪くないね、生きてるって感じ」と、怪しげな笑みを浮かべて木のエレメントさんを素材にメガビョーゲンを出現させる。
- ある事情で、パートナーが不在の中のどかが1人奮闘するも、力の差がありすぎた為即ダウン。その様子を見たダルイゼンは、「そんなんでどうにかできると思ってんの?バカでしょ?」と彼女に辛辣な言葉を投げかけ、メガビョーゲンに広範囲に蝕むよう指示。
- 再起したグレースの登場により、二度メガビョーゲンが浄化されたが、特に大きな反応を見せる事なくその場を撤収した。
■第3話
- 姿が見えずのキングビョーゲンに求愛しまくるシンドイーネをグアイワルと共に後ろから見ていた。
- シンドイーネ曰く「見えなくても、在りし日の素敵な姿が浮かぶ」との事だが、ダルイゼンは「つまり今は、ナノビョーゲンの集合体にしか見えてないって事じゃん」と正論を吐いた。
■第4話
- グレースに続きキュアフォンテーヌが登場したが、キングビョーゲンは変わらず地球を蝕むことを先決。ダルイゼンも「今の所は出会う場所限られてるし、焦んなくて良いでしょ」と楽天的であった。
■第6話
- シンドイーネは何度も邪魔に入るプリキュアに敵対心を持つも、「今は気にせず地球を蝕め」とグアイワルに煽られる形で意見が対立して益々腹を立てる。両者の意見の話題をシンドイーネに振られたが、ダルイゼンは「おれは最終的にこの星が暮らしやすくなれば、何でも…。」と気怠そうな態度を見せた。
- 農園のビニールハウスの苺を見つめ「あーあ、ツヤツヤしちゃって、生きているって感じ」と吐き捨て、メガビョーゲンを召喚する。
- 蝕まれた苺に農家のおじさんが「俺の大事な子供達が…!」と心配する様子に対し「子供?フン、何いってんの?人間から植物は産まれないよ」と吐き捨てる。これに対し、やすこから、「そういうことじゃないでしょ!アンタ人の心ってもんがないの!?」と非難されるが、「ないね、人間じゃないし」と一蹴。突き飛ばして気絶させる。
- 戦闘中、もやで蝕まれた土に足を取られ、動けなくなったグレース。仲間のピンチを前にダルイゼンは彼女の前に現れ、「良いの? お前は行かなくて」と疑問を投げるが「あぁ、動けないんだっけ」と嫌味で彼女の状態を察する。
- 抵抗出来ないのを良いことに、蝕まれたもやをラビリンの顔に塗り付けた。
「貴女達、何でこんな酷い事をするの!?」
「酷い? 何が?」
「地球を病気にして、皆を苦しめることだよ!」
「決まっているだろ。俺はその方が居心地良いからさ」
「自分さえ良ければいいの!?」
「良いけど?」
- グレースの強気な質疑でも淡々と己の邪悪さを晒し、彼女の頬にもやを塗り付けて更なる絶望感を味わせたダルイゼンは、トドメを刺そうとするが、もやが取れたラビリンの呼びかけにより、正気に戻ったグレースの機転で脱出を許してしまう。
- 右手に持つヒーリングステッキを後ろに構えるキュアグレース。対して右手を後ろに光弾を光らせるダルイゼン。互いに同じ戦闘態勢で対峙する2人。しかし、グレースが仲間の救護に向かった為、突然の事にダルイゼンは呆気に取られる。その様子を見て「おれにキレていた癖に」*不満を漏らした。
- メガビョーゲンが浄化された後、ダルイゼンは怪しげな笑みで「ふーん、キュアグレースね」と彼女をマーキングする素振りを見せて撤退した。何気にこの時彼が初めてキュアグレースの名前を呼んだ瞬間であった。
- 2人のやり取りからSNS上で、「大胆接触するキュアグレースとダルイゼン尊い」「好きな子にイジメる男の子」といった好評な声が大半ある一方で、「女の子(の顔)に泥を塗るなんて最低」と否定的な意見等、大きな話題となって多く広まり、2人のCP表記でトレンド入りする快挙を得た。
■第7話
- グアイワルから失敗続きのことで咎められるが、「そういうグアイワルだって、地球を病気にした訳じゃない癖に」と冷静に反論。
- 「2人とは異なる」と豪語するグアイワルにダルイゼンは証明を求めるが、「物理的に頭(の頑丈さ)が違う」という意味を知って呆然。
- さらに、グアイワルの「指を抱えて」の発言に聞こえない声で「(正しくは)指を咥えてだし…」と間違いを指摘し、シンドイーネも「『アタマデワル』に改名した方が良い」と呆れた。
■第8話
- ダーツで恋占いするシンドイーネを背後から観察するが、馬鹿馬鹿しいと感じ出撃に赴く。余談だが、グアイワルのツッコミにシンドイーネが反論する際、普段動じる事ない彼が驚いた表情を一瞬披露した。
- 観客席の屋根上から盛り上がる陸上大会を見下ろし「なーんか、生きてるって感じ」と呟き、氷のエレメントさんが宿るクーラーボックスからメガビョーゲンを召喚。
- フォンテーヌの活躍により、メガビョーゲンは浄化。ダルイゼンは気に止める様子もなく撤退した。
同僚との同時侵攻(第10 - 11話)
■第10話
- 失敗続きで言い争うシンドイーネとグアイワルに鬱陶しさを感じたダルイゼンは、「うるさっ…巻き込まれない内に仕事行くか」と、愚痴漏らして一足早く出撃した。
- 別々の場所でそれぞれが生み出したメガビョーゲンが蝕む中、ダルイゼンの前にはフォンテーヌが駆けつける。
- 直ぐ現れるプリキュア達が今回遅れたことに「へぇープリキュアじゃん、今日はもう来ないかと思ったよ」と珍しさを感じたが、単独で「お手当て」に入ること等の細かいことは指摘しなかった。
■第11話
- グアイワル・シンドイーネを撃退したプリキュア達がダルイゼンの前に再度現れるが、1度撤退して順番に「お手当て」に当たっていたため、彼のメガビョーゲンがより凶悪に成長し、今までにない程までに蝕まれた大地を尻目に「大丈夫? 『お手当て』出来る? メガビョーゲン結構育っちゃったけど」と、わざとらしく心配する素振りでグレース達を煽る。
- 強くなったメガビョーゲンの攻撃で山中に吹っ飛ぶプリキュアを見て「あーあ、これでプリキュアとも『ヒーリングッバイ』かな」と余裕振る態度を取った。その横で、メガビョーゲンの頭から花の種子を思わせる何かが飛び出し、やがて見る者をゾッとさせる動きで自立して何処かへ消え去った……。
- エレメントさん達の導きで現場に戻ったプリキュア達が再度メガビョーゲンに挑むが、全く歯が立ってない様子にダルイゼンは「分かっただろ、無理なものは無理だって」と諦めを論い、生きるのを諦める程花のエレメントさんが弱り切ったことを教え、グレース達を更に追い詰める。
- 猛攻に耐えきれず倒れ伏せたプリキュアが再起不能と見たダルイゼンは「お大事に…なんてね」と皮肉を吐き捨てた。
- その直後、プリキュア達がミラクルヒーリングボトルを授かり、新たな浄化技「プリキュア・ヒーリングオアシス」でメガビョーゲンが浄化される。それを見たダルイゼンは「ふーん、プリキュアも成長するんだ」と彼女達の成長振りを僅かに認め、撤退した。
バテテモーダの登場(第12 - 20話)
■第12話
- キングビョーゲンの紹介で新たに加わったバテテモーダにやたらハイテンションな挨拶と同時に、兄貴呼ばわりされて一瞬戸惑いを見せる。
- バテテモーダはダルイゼンの個性と良さを「沈着にして冷静なるハート」と過大評価する。他の2人と違い薄いリアクションであるものの、満更でもない表情であった。
■第13話
- 初出撃の際キングビョーゲンから好評を得たバテテモーダだが、シンドイーネは気に喰わない模様。その事で話を振られたが、ダルイゼンは「別に。どんな性格だろうとナノビョーゲンを出せる奴が増えたんだ。捗りそうでいいじゃん。」と気にする様子も無かった。
■第15話
- バテテモーダから足のマッサージを受けるダルイゼン。痛い所を聞かれれば「ない、触るなよ」。ジュースを差し出されてお近付きになりたいとの申出にも「俺はお前に興味ないし」と一蹴して出撃に赴いた。
- メガビョーゲンを出現させ、ラベンダー畑を蝕んでいた所にフォンテーヌ&スパークルが駆け付けるが、グレースが不在な事に気づき不貞腐れたような態度で、「今日は2人だけ? まぁ良いけど…」と不満そうに一言漏らす。
- 遅れて登場したグレースの活躍により、浄化されるメガビョーゲン。これにダルイゼンは「少し惜しかったのにな…」と気を損ねて撤退した。
■第16話
- 1人ラッパーするバテテモーダ見て「ゴメン、何あれ?」とシンドイーネ達に質問するも、まともな応えは得られなかった。
- バテテモーダにノリノリのラッパー調で振られたが、それに乗ることなく「シッ、シッ」と不快感を表した。
メガパーツ入手(第21 - 26話)
■第21話
- ビョーゲンキングダムで、グアイワルからバテテモーダがキュアアースによって浄化されたと聞き、「ちぇ、せっかく人出が増えたと思ったのに…」と一言。
- ダルイゼンはバテテモーダが倒されたことを惜しむ様子を見せていたが、ダルイゼン自身はあくまで、効率よく地球を蝕むのに必要な戦力が減ってしまった事を不満に思っただけで、バテテモーダの事を信頼していた訳でも、彼個人に対し、友情を感じていた訳でもなく、同じビョーゲンズに対して仲間意識を持たず、効率良く地球を蝕むことを優先するダルイゼンらしい発言である。
- 「メガパーツ」なるメガビョーゲンの欠片を持っていたグアイワルを参考に自分が召喚したメガビョーゲンよりメガパーツを3つ手に入れる。
- 直後に行動を不審に感じたグレースが駆け付け、ラビリンに問い詰められても「さぁね」と一蹴し、1VS1の戦闘を開始。
- 急所を突いてグレースが怯んだ瞬間、かかと落としを食らわそうとするも、キュアアースが助けに入ったことで不発。一瞬顔をしかめて舌打ちするが、直ぐに冷静さを取り戻し、「新入りもやるじゃん…」と彼女の強さを再認識。
- 戦闘後、ダルイゼンはメガパーツが手に入ったことに満足した表情を浮かべて撤退した。
■第22話
- キングビョーゲンへの想いに悩むシンドイーネにダルイゼンは前回の戦闘で手に入れたメガパーツを投げ渡し、その力でメガビョーゲンを成長させて地球を大きく蝕める事を教え、「キングビョーゲン様に会いたいならこれでもっともっと地球を蝕んじゃえば?」と助言した。
- グアイワルにメガパーツを易々と渡した理由を尋ねられると「さっさと蝕むために、使えるものはどんどん使えば良い」「隠す必要とかある?」と答えた。
- 己の欲のためにメガパーツを利用して手柄を立てようする2人とは異なり、ダルイゼンにはそういった発想がないことが改めて窺えるシーン。以前本人が口にした「最終的にこの星が暮らしやすくなれば、何でも」という言葉の通りといえる。
■第23話
- ビョーゲンキングダムで、グアイワルはメガパーツの力の第一発見者である事も含めて、任務に失敗したシンドイーネを説教していたが、ダルイゼンはメガパーツに関して「元はと言えば、バテテモーダの発見だろ」と反論。それを聞いたシンドイーネも図星を突かれたグアイワルを冷笑した。
■第24話
- ビョーゲンキングダムで、採取したメガパーツを眺めていたダルイゼン。メガビョーゲンを成長させる他に活用法はないかと考え込むが、ふと何かを思い付いた笑みを浮かべて出撃する事に。
- 深夜に湖畔に現れたダルイゼンは「凄く空気悪、こういうとこ嫌いだな」と空気が澄んだ自然に嫌気が刺す様に独り言を漏らすと、昼間のどか達が遭遇した雛鳥を実験体にメガパーツを注入して、ネブソックを誕生させる。
- ネブソックは、戦闘でグレース達を圧倒するも、アースの前では手も足も出ず、そればかりか中々仕留められない様子にダルイゼンはあっさり彼を見限る。
- プリキュア達の連係プレーの末、ネブソックが浄化されると、今回の実験で期待できる結果が得られなかったダルイゼンは直ぐその場を撤退した。
■第25話
- ビョーゲンキングダムで、ドラマを見て不機嫌になりながら出撃するシンドイーネに気だるそうに「行ってらっしゃーい…」と一言。
グレースとの因縁(第27 - 30話)
■第27話
- シンドイーネに「自分の宿主って覚えている?」と意味深な質問をするが、「んなの覚えている訳ないじゃない」と返される。
- ダルイゼンは「どうしたらもっと強いの作れんのかな…」とメガパーツを手に考え込みながら、ビョーゲンキングダムを後にした。
- 終盤、野鳥にメガパーツを埋め込もうとするも、グレースに見つかってしまい、実験は未遂に終わろうとしたその時…
「…!そうだ、キュアグレース。お前を使って育ててみるってのはどう?」
「…?何を企んでいるの!?」
そして、グレースは彼に拳を向けたが、ダルイゼンはその隙を突いて彼女にメガパーツを埋込んだ。
■第28話
「思い出したよ。俺を育てたのはキュアグレース、お前だよ」
- のどかに埋めたメガパーツから生み出されたテラビョーゲンことケダリーが、余りにも自分と酷似していることで、ダルイゼンは自分が生まれたときの記憶が蘇る。
- まだ自我も持っていないメガビョーゲンが生み出した種は、花畑に一人でいた幼い少女を宿主に選ぶ。
- 長い年月をかけてその少女の体の中で育った種は、キングビョーゲンの号令の下、宿主から離脱しダルイゼンとして生まれた。生まれた場所は、のどかが入院していた病院の近くだった。
- つまり、ダルイゼンはグレースを宿主として育ったテラビョーゲンであり、彼女を長年に渡って苦しめていた原因不明の病の元凶であった。
ダルイゼンがつけている花のピアスは、のどかのヘアピンとデザインが同じであり、「生きてるって感じ」という共通の口癖と相まって2人が浅からぬ関係であることは端から暗示されていた。
- 「また会おう、キュアグレース」とケダリーはプリキュア達4人をダウンさせる等苦しめたが、最後は浄化され、さらに彼女達はダルイゼンに攻撃を仕掛けて来たが一蹴。記憶が蘇ったことで増々グレースに興味を示したダルイゼンは不敵な笑みを浮かべてその場を去った。
- また、他のビョーゲンズ幹部もダルイゼンと同じ方法で生まれたテラビョーゲンであることも判明した。
■第30話
- キングビョーゲンから、メガパーツを使ってテラビョーゲンを増やそうとする試みに称賛を得られてさらなる期待を寄せられたダルイゼン。相も変わらず素っ気ない返事をして、メガパーツを採取しに出撃する。
- メガビョーゲンがプリキュアに押されてるのを見兼ねたダルイゼンは、自身も戦闘に参加する事に。(というよりも野放しにすればメガパーツを採取する前に浄化されると判断し、自ら足止めの役割を果たす事で、メガビョーゲンの成長の時間稼ぎに繋げる為。)
- 気配だけでアースを後退させ、フォンテーヌとスパークルを軽く退けると、今度はグレースを標的に背後から攻めるが、彼女は気配を察して肘打ちで迎撃する。しかし、それすら受け止めたダルイゼンは、本命の相手と再び絡めた喜びからか嫌味な挨拶で彼女を煽り立てる。
「元気?」
「貴方に…いわれたくない!」
- この時、互いの瞳に互いの顔が写されたが、彼は瞬時にグレースを背負い投げする。同時に成長も頃合いと見たダルイゼンは、メガビョーゲンの体の一部を切り裂いてメガパーツを採取した。
さらなる進化(第33 - 37話)
■第33話
- キングビョーゲンに詰め寄られたことでシンドイーネ・グアイワルに続き、自らメガパーツを埋込んでパワーアップ。最初は躊躇いを感じた模様。
- トンネル内にて蜂須賀先生と遭遇。先生にナノビョーゲンを埋込みギガビョーゲンを召喚してしまう。
- プリキュア達と対峙した際は、ギガビョーゲンが圧倒的なパワーでプリキュアを苦しめ、その様子にダルイゼンは「そろそろ諦めたら?」と吐き捨てる。しかし、グレースは「絶対に諦めない…! 絶対に助ける!」「先生にもっと沢山の人を助けて貰うために!」と奮闘。
「チッ…バカバカしい!」
- グレースが1人でギガビョーゲンを相手にしている所で乱入し、彼女の戦いを妨害。
「人のために頑張って、何になるんだ!!! 自分のことだけ考えてる方が幸せだろ!!!?」
- いつになく激昂した様子で上記の言葉を吐きながらキュアグレースを攻撃し、圧倒する。これまで見せたこともない怒りを露わにグレースにトドメを刺そうとする。だが、グレースから「貴方には分からないかもしれない。けど、私達は助け合ったり、支え合ったり…そうやって生きてるんだよ!!」と言い返されて受止められる。その間に復帰した他の3人のプリキュアにギガビョーゲンがダメージを与えられ、最後は「ヒーリングっどアロー」でギガビョーゲンは浄化される。去り際にダルイゼンは「俺は俺だ」と吐き捨て、去って行った。
■第37話
- 「『お手当』が終わったら人間界にいる必要なくなる―」ラビリン達がパートナーとの別れを予兆する様な会話をしてる所に「だったら『お手当』しなきゃ良いんじゃない?」とダルイゼンが横から話に入り込む形で登場。
- ダルイゼンはプリキュアがいないと分かるなりラテに手を出そうとしたが、瞬時にラテを除くヒーリングアニマル達に抑えられ、その隙に逃げられてしまう。そこに農家のおじさんがラビリン達を助けようとしたが、ダルイゼンは「人間は黙ってなよ」と彼を気絶させ、ギガビョーゲンに変えてしまう。
- ギガビョーゲンを止めにラビリン達が急ぐが、ダルイゼンは先程の会話と行動が矛盾してることに気づき、「『お手当』を止めればお前達の望みが叶うんじゃない?」と、皮肉を送った。
- 満を持してプリキュア達が駆け付け、ギガビョーゲンが浄化されると「残された時間をせいぜい楽しむんだね」といって退散した。
グアイワルの反乱(第39・40話)
■第39話
- (ひなたの夢であるが)すこやか市のあちこちで掃除をしながら、「すこやか最高~!!」と生きてるって感じの笑顔でそう叫んだ。
- 翌日その話を聞いたのどかは、「正夢になると良いね!」と感想。夢が現実となるのか否か、彼女達は間もなく知ることとなる。
■第40話
- キングビョーゲンがプリキュアによって浄化されたと同時にグアイワル…もといキンググアイワルよりそれに代わる新たな王となり得たことを宣言されたダルイゼンとシンドイーネ。
- シンドイーネが反抗する一方で、ダルイゼンはキングビョーゲンの気配を感じられないことから信憑性を示し、半ばグアイワルを王として認めることに。
- プリキュアに一時逃走されるも、キンググアイワルはそれを追わず進化した力を試すために人間界へ出撃。ダルイゼンは逃げた痕跡を頼りに彼女達の行方を追う。
- ビョーゲンキングダムより脱出を図るプリキュアを妨害しようと「ヒーリングっど・シャワー」で開けた出口を光弾で狭め、1人取り残されたグレースを追い詰めるも、先行して脱出した3人の援護で穴を再度広げられ、その隙に逃げられてしまった。
王の完全復活(第41話)
■第41話
- ビョーゲンズ達総出でプリキュア達と激戦を繰広げていると、あろうことか1度プリキュア達によって浄化されたかに見えたキングビョーゲンが再度その姿を現すとそれまで余裕な態度を見せていたダルイゼンに焦燥感が募る。キンググアイワルを取り込み完全復活を遂げたキングビョーゲンはダルイゼンに力の一部となれば自身が望んだ居心地の良い世界に変えられると証言する。「ただし、消滅してなくなるがな」という言葉を付け加えて。
- 「自我消滅=自分自身の消滅」。以前から「人のために頑張って何になるのか」「俺は俺」といった「自分」に重きを置く発言をして来た彼にとってこれは耐え難いことであった。取込まれれば最後と捉え恐怖を感じたダルイゼンはキングビョーゲンが生み出した多数の魔獣型の部下達に追われながら真っ先に逃走。
- 場所は変わり、早朝のすこやか市でランニングするのどかの前にダルイゼンが現れ襲いかかる。変身して対応するグレースであったが、ダルイゼンの攻撃にいつものキレがない。「何かあったか」といぶかしむ彼女であるが、ダルイゼンは「良いからよこせよ、その身体!」と焦りと怒りを込めて叫ぶ。だが、ダルイゼンはそのうち立ち上がることも出来なくなり、倒れてしまう。彼を良く見るとキングビョーゲンにやられたのであろう傷だらけの姿であった。グレースは警戒と心配を混じり合わせながらダルイゼンに近付く。「もしかして、キングビョーゲンにやられたの? グアイワルを取込んだ時みたいに、また、仲間を…」すると、ダルイゼンは息も絶え絶えになりながらこれまでの所業を棚上げし、あろうことかグレースに命乞いをして来た。
「このままじゃ…、おれは、おれじゃなくなる…。消えて、なくなる…」
「頼む、キュアグレース…お前の中に俺を匿ってくれ…」
「お前は俺を育てた宿主だ。お前の中ならきっとこの傷は癒える。キングビョーゲンに見付からずに回復出来る」
「頼む、助けてくれ…キュアグレース…!」
- 彼女の手を握って助けを求めた(なお、よくよく考えるとこのダルイゼンの要求はおかしい。ダルイゼンを体内に取り込みのどかが再度病気になればグレースがビョーゲンズとの戦いに出て来れなくなり、そうなればキングビョーゲンに居場所が即座にバレる)。だが、グレースは恐怖のあまり救いを求める手を払って走り去ってしまう。その姿を見てダルイゼンの脳裏によぎったのは、以前グレースから投げかけられたあの台詞―。
「自分さえ良ければいいの!?」
「お前…俺にいったよな!『自分さえ良ければ良いのか!?』って…!!結局おまえも同じじゃん!!」
- ダルイゼンはグレースに見捨てられ、最悪な状況下で孤立するという悲惨な立場に追いやられてしまった。
- グレースの心にダルイゼンの怨嗟の声は深く突き刺さった。彼女は反論することも振り向くこともなく、ただ逃げことしか出来なかった。
命乞いの末に…(第42話)
- グレースに拒絶されたダルイゼンはやむを得ず下水道に身を潜め、虚ろな目でぼんやりしていた。
- グレースに放置されたダルイゼンがもし誰でも良いから寄生しようと人を襲っていたら大変なこととなっていたが、流石にその体力も残っていなかったのであろう。
- やがて、「いずれ居場所がバレる」と観念したのか、これまで集めたメガパーツを取り出し、意を決しその全てを自身に植え込んだ。しかし、満身創痍の身体に許容量を超えた投与を行ったのが仇になったのか、その体はダルイゼンをそのままメガビョーゲンにしたような怪物となり、苦悶の叫びを発しながら暴れ出した。
- ダルイゼンはこれまでメガパーツを利用した進化に慎重であった。それは急激な進化に対して副作用を懸念していたからである。しかし、これまでに有害な副作用が出た例はなかった。ダルイゼンが追い詰められた末の一か八かの賭けに失敗して、副作用が出た最初の例になったというのは、皮肉という他はない。
- ダルイゼンは自身の力を制御できず、ひたすら汚染を撒き散らし暴れていた。プリキュア達が現れ交戦するも、相変わらずグレースへの帰還は忘れておらず、妄執のまま彼女に迫り、以前同様「助けてくれ…」と懇願する。
「こんなのは俺じゃない!」
- ラビリンに「グレースの優しさに付け入るのは止めるラビ!」と制止されるも悲痛な声で「お前だけが頼りなんだ!」と必死に訴える。これに対し、グレースはダルイゼンに問い詰める。
「そしたら私はどうなるの!? いつまで!?」
「貴方が元気になったらどうするの!? 貴方はたはわたし達を、地球を、2度と苦しめないの!?」
- だが、ダルイゼンは彼女の問い掛けに対しても何も答えることはなかった。そればかりか、反省や懺悔の欠片もなく、ただ彼女に拒絶されて思い通りにならなかったことへの怒りと嘆きを蝕みに変えて撒き散らすだけであった(本人としては、自分にとって居心地の良い環境を作る為に何よりも地球を蝕むことしか眼中になく、「2度と地球を蝕まない」と嘘を付いて命乞いをするという発想がなかったと思われる)。
- そして、ただ蝕みを撒き散らす彼を見たグレースは遂に…
「私はやっぱり、貴方を助ける気にはなれない!」
- この発言にダルイゼンは怒り狂い、グレースを攻撃。だが、彼女は全く怯む様子はなかった。
「ダルイゼン!貴方のせいで、私がどれだけ苦しかったか、貴方は全然分かっていない!分かっていたら地球を、沢山の命を、蝕んで、笑ったりしない!」
「都合が良い時だけ私を利用しないで! 私は貴方の道具じゃない! 私の体も! 心も! 全部私のものなんだから!」
- とうとう怒りを暴発させたグレースの前にダルイゼンはとうとう追込まれ、「ヒーリングっどシャワー」によって浄化された。
「俺だって…俺の体も…心だって…!うおぉーーーーーっ!!」
- やがて、メガパーツで過剰に強化された力が身代わりとなったのか、ダルイゼンは初期の姿に戻る形で完全浄化は免れたものの、メガパーツ過剰投与による暴走の影響なのかその身は既に意識を失っており、最早瀕死状態にあった。そこにシンドイーネが現れ、「あんなに派手に暴れちゃ、『見付けてくれ』っていってる様なもんじゃない」と(以前にメガパーツを分けてもらった恩も忘れて)吐き捨てる。その後、シンドイーネの報告を受けてキングビョーゲンが顕現、ダルイゼンは既に意識を失っていた所為で逃げることも出来ず、彼の肉体はそのまま取り込まれ、ネオキングビョーゲンの一部と化した。
- その後、ネオキングビョーゲンはダルイゼンを助けなかったキュアグレースを「ダルイゼンを見捨てながら、地球の皆と全てを守るというか。随分な思い上がりだ」と嘲笑った。
キュアグレースは顔を歪めた。その心の内は視聴者には分からない。
- 彼女は迷いを振り切る様に「ダルイゼンを追い詰めたのは誰? 貴方にいわれたくない! そんな言葉には負けない! 私は絶対貴方を浄化する!それが私の今の気持ち!!」と言い返し、ネオキングビョーゲンに敢然と立ち向かう。
- そして、最終決戦の末にネオキングビョーゲンは浄化され、ダルイゼン(とグアイワル)もまた彼と分離することなく完全に浄化され、消滅した。
- かくして、「自分さえ良ければ良い」という身勝手な生き方で数多の命を弄び、その行為を非難されても全く耳を貸さず、他者を徹底的に冷笑し続けて来た悪しき病魔は同じく自分の事しか考えていない輩によって居場所を追われ、助けを求めてもこれまでの悪行から誰からも手を差し伸べられることなく見捨てられ、挙句に同胞によって王の糧として捧げられ、最終的にはその王(や自身と同じく彼の糧と化した同胞)と運命を共にするという壮絶な最期を迎えた。だが、それは同時に自分だけにとって居心地の良い世界を作るという己の目的のために地球上のあらゆる自然を汚し、生き物を苦しめ、人間の心を軽んじたその報いが自身に跳ね返って来たことも意味しており、傍から見れば因果応報と言える末路でもあった。
- そして彼はいくら宿主にこれまでの悪行を糾弾されてもそれに対する一片の反省や謝罪、懺悔はおろか、改悛の情すら微塵も見せることなく、最後まで身勝手極まりなさを貫き通した。他方、彼の最期の台詞より(身勝手であったとはいえ)彼自身にも身体や自我を失いたくないという「心」があったことが窺えられる。
補足:最終回で
- サルローの話の中で他ビョーゲンズ一味と並びダ、ルイゼンのイメージ映像が流れた。特にダルイゼン個人について語られることはなかったが、サルローの「最早人間もビョーゲンズと変わらない」との言葉にプリキュア達はこれまでの戦いの意味を問い直される。
- この最終回のエピソードは香村純子氏の「人間の害をスルーするのも良くないのでは?」という考えが反映されたエピソードであり、「『ビョーゲンズにとって居心地の良い環境を作るため』に地球を蝕んできたダルイゼン達と同じような行為を人間もしていないか?」と問われている。
- 山岡直子氏に書き下ろされた最終回のエンドカードにて、ダルイゼンを含む歴代のテラビョーゲンに似たナノビョーゲンが描かれている(シリーズ構成の香村純子氏曰く、本人としての自我はないとのこと)。
キャラクターショー
ダルイゼンが登場している前期版のショーは、新型コロナウイルスの影響で開催期間が約1ヶ月と短い出番となってしまった。
しかし、9月のミュージカルショーやキュアアースを加えた形のミニイベントショーが無事に開催され、そこで出番を補う形で報われる事に。
特に後者のショーでは、ダルイゼンが弱気なメガビョーゲンと心が入れ替わり、プリキュアとのドタバタなやりとりが見れるため、ファンは必見である。
『プリキュアオンライン感謝祭』
最終回後の『プリキュアオンライン感謝祭』で披露されたショーでは、電脳世界で生まれた野生のメガビョーゲンが過去のデータからダルイゼンのアバターを作り出している(あくまでも幻影であり本人ではない)。
メガビョーゲンが作り出したダルイゼンのアバターは第42話の一部台詞を再現しつつ、苦しそうにグレースを責め立てる。
しかし、グレースは「確かに私はダルイゼンを助けなかった。今も気持ちは変わらない!」と告げた上で、「でも、ダルイゼンが苦しんでいたのを、そんな風に利用するのは許せない!」とダルイゼンの幻を作り上げたメガビョーゲンに言い放つ――という一幕があった。
演者について
演じる田村睦心女史は『スマイルプリキュア』のゲストキャラ・タケル役以来のプリキュアシリーズ出演で、今作では敵キャラ役での再登場となった。
ダルイゼン役に決まった際は「悪役を演じる機会はほとんどないので張り切っています」とコメントしている。
末路について
主人公・キュアグレース/花寺のどかとの深い因縁を持ち、『ヒーリングっど♥プリキュア』の物語を牽引した悪役・ダルイゼン。
最後に貰ったチャンスも自分でフイにしたとはいえ、その凄惨な最期にはシンドイーネ共々賛否が巻き起こり、彼の復活を今なお望むファンもいる。
しかし、いくらビョーゲンズの繁栄のためとはいえど、自分達だけにとって快適な世界に変えるという野望の下、のどかを付け狙ってその身も心も傷付けたのみならず、他の人間や動物、自然をも虐げ苦しめてきたダルイゼンの所業は到底許されるものではない。
彼の最期はグレース/のどかや周囲の人々、地球の生物を弄んだ所業に相応しい末路といえるが、人間という生き物もまた自分達の繁栄のために生きる以上の目的で自然を破壊しては環境汚染を引き起こし、時には同族同士争っている。
その是非は最終回で問われることとなる。
「純然たる悪」の少年幹部
根本から人間達と相容れられない純然たる悪扱いの少年幹部がプリキュアシリーズに登場したのは、このダルイゼンとケダリーが初めてとなる。(ケダリーはダルイゼンより自我が未発達で、「ビョーゲンズの本能のまま地球を蝕む=本能的に自然や生物を虐げ苦しめるから」という理由で倒されている。)
これまでのプリキュアシリーズに登場した少年幹部は、同年代に見える外見も相まってプリキュア側が対話を試み、交流の末に和解したり、そうでなくとも一定の理解を示し、最終的に生き残る者が多かったため、ダルイゼンやケダリーのように和解や改心どころか交流の余地さえ与えられずに倒され、消滅する末路を辿ったのは異例中の異例である。
『オフィシャルコンプリートブック』で
生きることは闘うこと
放送終了後販売された『ヒーリングっど♥プリキュア オフィシャルコンプリートブック』で「キングビョーゲンより逃れるため、『体の中に匿ってくれ』と懇願するダルイゼン。だが、グレースは彼を救わなかった。『私の体も心ももう貴方の勝手にはさせない』と、彼女は強く思う」と、グレースが「自分と大切な皆が健やかに生きるために」ダルイゼンを助けなかった旨が明記されている。
シリーズ構成・香村純子氏
ダルイゼンの末路について「彼はいわゆる冷笑系タイプ。居心地のよさだけを求め、周りを見下して生きた人が、悪いものに呑み込まれていった形です」と2021年『アニメージュ』3月号のインタビューで語っている。さらに、キュアグレースに命乞いしたダルイゼンが拒絶され、退場する第42話の内容について「は第1話の脚本が仕上がった時点で既に決定していた」という。即ち、和解することなく全員倒し、誰かがナノビョーゲンとなり、キュアアースの体内に吸収する路線(シンドイーネが選ばれた)は初めから決まっていた訳であり、コロナ禍を抜きにしても香村氏も多少携わっていたピカリオやもっと遡ればこのお方のように脚本変更で生き残る事も難しかった様だ。
シリーズディレクター・池田洋子氏
彼の最期について、「正直な所、様々な方面からあんなにも否定的な意見があるとは思わなかったんですよ。思い返せば、ダルイゼンがかっこよ過ぎたのがいけなかったのかな」、「のどかはダルイゼンを助けなかった訳ですが、ダルイゼンのために命を差し出せというのは酷な話ですよ」「最終的にビョーゲンズ達は最終話のエンドカードの様なスタイルで、ヒーリングッバイ…された後、空気中をふわふわ漂っているんじゃないでしょうか」と語っている。
また、「顔のよし悪しでキャラの処遇は決まらないということです」と、かなりぶっちゃけた表現もしている。
また、『アニメージュ』8月号でのインタビュー内では、池田洋子氏は「ビョーゲンズが消滅したからといって、全て終わってせいせいしたなんて、のどかは思っていません。キングビョーゲンを滅ぼしたこともダルイゼンを見捨てたことも、自分の責任と受け止めていると思います。ダルイゼンを助けたい気持ちはあった。だから苦しんだんです。最終的に彼を突き放したという事実は、のどかがこの先も抱えていくものだと思います」と答えている。
キャラデザ・山岡直子氏
『ヒーリングっど♥プリキュア』オフィシャルコンプリートブックのインタビュー内にて「(キュアグレースは何度も対話を試みようとしたのに)ダルイゼンはかけらほども歩み寄る気配がなかった。ダルイゼンが救われる展開を期待してくださっていた方には申しわけないです。」「かなりダルイゼンのことを気にかけてくださった方が多いようで、デザインをした身としては、そこまで入れ込んでいただけてありがとうございます。」と語っている。
ABCアニメーションP・安井一成氏
「ダルイゼンの人気について作り手としては嬉しい所もありますが、そこを目標としていた訳じゃないのになあ、と。我々はあくまで女児向けに作っていますし、子供達に悪いヤツだと思ってもらえることがまず大切なんですよ」(FRIDAY記事より)。
花寺のどか/キュアグレース役・悠木碧氏
『オフィシャルコンプリートブック』内のキャストインタビューで、グレースが第42話でダルイゼンに対して「あなたを助ける気にはなれない」と言い放ったことに対し、「私は『助けなくていいよ』と思っていました。のどかが助けたかったら助けていいし、助けたくないと思ったなら助けなくていい。誰かにやさしくしたいというのは、心に余裕がある人だからこそ考えられることであって、他人が自分の都合のいいように、搾取してはいけないものだと思うから、この場合はどちらを選んでもよかったんだと思います。」と答えている。
平光ひなた/キュアスパークル役・河野ひより氏
敵であるビョーゲンズへの印象を問われて「ひなたとしては『浄化してやる!』みたいな感じだったかもしれませんが、私はダルイゼンさんが好きだったので、正直な気持ちを言うと、いなくならないでほしかった。なので、感謝祭でニセモノとはいえ出てきてくれてうれしかったです。」と答えている。
ダルイゼン好きとしては42話は衝撃的だったのでは?という質問に対しては、「急に儚さを出してくるから、ときめいちゃいそうになりました。『のどかっち、許しちゃダメだよ』と思いつつ、許す展開も見たかったなと思いました。あの声とあのビジュアルで言うのは本当にずるいです!」と答えている。
ダルイゼン役・田村睦心氏
オフィシャルコンプリートブックのキャストスペシャルメッセージで「ダルイゼンを好きになってくれた方は衝撃の最期だであったかと思うんですけど、色々な意見が飛び交ってるのを拝見した時にすごく嬉しくなりました。『ダルイゼンのこと、皆考えてくれてるよ、良かったね!』って。敵ですしイヤなやつではありましたけど、皆の心に残っているのが嬉しいです。それが恐らくダルイゼンの望みでもあるんじゃないかと……(違うかな?)。すごく大好きなキャラなのでこれからも大切にしていきたいです。」とコメントしている。
また、放送終了後、自身の旧Twitter(現・X)アカウントを更新し「ダルイゼンが飲み込まれた後も、まだ出番を期待する声や助けるべきか否かを沢山の方が話してくれていてとても嬉しかったです。彼は人間達にとっては紛れもなく悪で、相容れない存在でした。最後までそれを貫けて良かったです。ダルイゼンのことを好きでいてくれる方々ありがとうございます! 最期まで敵であったダルイゼンのことが私も大好きです!」と語っていた。
グッズ
プレミアムバンダイにより『ヒーリングっどプリキュアChattyふれんず!キュアグレース スペシャルヒーリングっどスタイル/ダルイゼン』という商品名でキュアグレースとダルイゼンのおしゃべりぬいぐるみが通販限定で販売されていた。お腹を押すことでそれぞれのオリジナル録りおろしセリフ(音声)が12種類収録されており、2体購入するとオリジナルポストカード付録がついて来る。
Blu-ray全巻購入者特典イラスト色紙
『ヒーリングっど♥プリキュア』Blu-ray vVol.1 - 4まで全巻に付属している「イラスト色紙全員サービス応募券」を集めて応募すると貰える全巻購入者特典イラスト色紙のサンプル画像で、ラビリンを見て「すあま…」と呟くケダリーに「あれは食えないぞ…」といっているダルイゼンの姿が描かれている。
『アニメージュ』第43回アニメグランプリ
2021年8月号で発表されたアニメージュ第43回アニメグランプリ(投票期間2021年4月9日 - 5月8日、5月号綴じ込みハガキの投票を集計)、男性キャラ部門でダルイゼンは7位(得票数62ポイント)にランクインしている。
6位が『半妖の夜叉姫』の殺生丸(得票数66ポイント)、8位が『鬼滅の刃』の竈門炭治郎(得票数60ポイント)であるため、ヒール(悪役)でありながら大健闘と思われる。第43回アニメグランプリ男性キャラ部門1位はあの『鬼滅の刃』の炎柱・煉獄杏寿郎(得票数155ポイント)であった。
グランプリ作品部門は『ヒーリングっど♥プリキュア』が1位(得票数455ポイント)となっており、山岡直子氏描き下ろしイラストが掲載され、プリキュアヒーリングアニマルと共にダルイゼンの制服姿が描かれている。
イラスト内でラビリンに「何でダルイゼンがランク入りしてるラビ!? しかもなんでシレっと制服着てるラビィー!!??」と頭を叩かれているが、「知るかよ…」と返答している。
第43回アニメグランプリの反響は大きく、翌月のアニメージュ9月号のキャラベスト10にも19位にダルイゼン(得票数36票)がランクインした。(トップまで誌面に記載、トップ20まで画像付で記載される。)
初期形態
ヒーリングっど♥プリキュア ビョーゲンズ プリキュアの敵一覧 プリキュア敵少年幹部
プリキュアシリーズ関係
- ピーサード:プリキュアシリーズで最初に倒された人間型の幹部。彼を倒したキュアホワイトとキュアブラックは「人を殺してしまったのではないか」とショックを受けるが、ミップルとメップルに「闇に還っただけ」と説明される。
- ムカーディア、オルーバ:イケメンな青年の容姿でありながらも「邪悪な敵」そのものであり続け、和解や改心をすることなく消滅の末路を辿った点が共通する敵キャラクター。
- ブラックペッパー、キュアウィング:プリキュアシリーズで男性キャラの公式ぬいぐるみグッズが販売されたキャラクター繋がり。
- セクレトルー、ナルシストルー:公式グッズでぬいぐるみが販売された敵幹部キャラクター繋がり。プレミアムバンダイ限定販売なのも同様。
- クローズ(プリキュア):1話に登場した敵組織の幹部+主人公と因縁があるキャラ繋がり。終盤に首領に吸収される点も共通している。但し、こちらは忠誠心はかなり有り、最終決戦で首領に全てを託された後、停戦する。
- バッタモンダー:主役キュアから強い敵対心を抱かれた敵幹部繋がり。イケメンである点も共通するが、ダルイゼンと違いキュアプリズムに助けられ最終的に改心しており、主人公からも許されている。
- ベル(プリキュア):環境破壊をする人間を嫌うプリキュアの敵キャラ。キュアグレースが身勝手に地球を蝕むダルイゼンを見捨てたように、彼女は己の欲望のままに地球環境を破壊する人間を滅ぼし未来を変えようと目論んでいる。ただし彼女自身はあくまでも環境を守るために動いており、動機そのものはダルイゼンと逆である。
- トラメ(プリキュア):久しぶりに登場した少年幹部、狼の亡霊であり、ダルイゼンとは違い、自分が呼び出した怪物を止めてプリキュア達を助けるという行動があった、こちらは最終的にプリキュア達と仲良くなって成仏していった。
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