「ダルイゼン…チガウ…ボク…ケダリー……」
CV:渡辺明乃
概要
この記事は本編のネタバレを含みます。未視聴の方は注意。 |
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『ヒーリングっど♥プリキュア』の第28話に登場するダルイゼン似のビョーゲンズ幹部(テラビョーゲン)。
まるでダルイゼンを子供にした様な見た目で、左目の周辺にはキュアグレースを思わせる花柄が添付されている。
第27話において花寺のどか / キュアグレースに「メガパーツ」を埋め込み、それが進化した存在。
のどかを苗床として体内で育っていたが、ラビリンが必死の思いから発動させたヒーリングアニマルとしての治癒の力によって、成長しきる前にのどかの中から追い出された。
のどかの体内から追い出された時点ですでにテラビョーゲンとして確立した存在にはなっていたが、ダルイゼンの期待からすると明らかに「未成熟」な状態であり、見た目は子供で、感情らしい感情を持たずに機械的な片言口調で話していた。
ただ未成熟といっても、いつものメガビョーゲン達よりもはるかに強い。しかも本能的に「自分の使命は地球を蝕み病気にする事」と理解しており、ビョーゲンズという存在自体が生まれながらに危険な性質を持つということを視聴者に知らしめた。
ケダリーの自らに似た容姿を見たダルイゼンは、自分の「宿主」についてあることを思い出すが…。
特徴として、非常に体が柔軟というものがある。
フォンテーヌ、スパークル、アース3人ががりの攻撃を巧みに回避しながら彼女らの隙を突いた攻撃でダメージを与え、プニシールドで防御したフォンテーヌ、スパークルを弾き飛ばし、キュアアースの高速で繰り出す蹴りを全て見切り、腕で彼女の蹴り足を捕らえるとそのままひねり飛ばし圧倒している。
しかし格闘では勝てないと悟ったアースの空気のエレメントによる攻撃でシャボン玉の中に閉じ込められたことで動きを封じられ、最期は「プリキュア・ヒーリングオアシス」によって浄化され消滅、ビョーゲンズ第3の殉職者となった。
なお、ダルイゼンがケダリーに目を付けていたのは彼の容姿だけで、彼に加勢する事は無かった。
余談
名前の由来・容姿
名前の由来はシンプルに「気怠い」が由来と思われる。
その容姿から予告を見た視聴者からは「過去のダルイゼンか」とも予想されていた。
ビジュアルが可愛い少年姿の敵なのでダルイゼン役の田村睦心氏に退場を惜しまれていた。
少年の姿のまま滅された敵
このケダリーは、ダルイゼンと同じく知性がある幹部級の「テラビョーゲン」ではあるのだが、プリキュアは一切の遠慮をせず、いつものメガビョーゲンと同じ様に消滅させている。
ケダリーが本能的に「自分は地球を蝕み病気にするのが使命」と理解して地球を蝕もうとしたため致し方無いことである。
この第28話は「ケダリーの種をのどかに植え付けたダルイゼンの残忍さ」に焦点が当てられており、生み出されたケダリー自体はそこまで重要な敵キャラとしては扱われていない。
「今週の怪人」感覚で生み出されてたった1話で倒されたテラビョーゲンは24話に登場したネブソックに続いて2番目となる。
ただ、ネブソックとケダリーには大きな違いがある。それはケダリーが「人間の少年」に近い見た目をしていることだ。
実は、人間の姿をした敵がプリキュアの攻撃によって消滅させられるというのはプリキュアシリーズにおいては極めて珍しい。(プリキュアの攻撃ではなく、敵の粛清によって消滅させられるケースなら割とあるが)
プリキュアシリーズでは基本、「プリキュアの攻撃で敵が消滅する現象」は、命を奪っているわけではないということが理屈としては存在するのだが、それはプリキュアが倒す怪物の多くが無生物をモチーフとしているから通用するのであって、人間の姿をして会話もできる敵が消滅していく様子を描いてしまうと、絵面としては人の命を奪っているように見えてしまう懸念があった。
なので、これまでのプリキュアシリーズの作品では、プリキュアが「人間の姿をした敵」を手にかけるような描写は意図的に避けられていた。
人型の敵がプリキュアに浄化される時は多くの場合は「肉体が消滅するのではなく、浄化によって洗脳が解けたり改心したりする」というオチになることがお約束であった。または、最終決戦の時は人型の見た目を捨てて怪物の姿に変貌するというパターンも使われてきた。
このあたりのことはプリキュアタブーの項目にも詳しい。
今回、状況的にそれどころではなかったとはいえ、プリキュアたちが「人間の少年」に近い姿をしたケダリーを倒すことに一切の躊躇や葛藤を見せず慈悲もなかったことは、シリーズ初のケースである。
しかし、作中で強調されたように、人型をしたテラビョーゲンはプリキュアが今まで戦ってきたメガビョーゲンの上位種、つまり本質的には同一種の存在である。
制作側の感覚からすると、ケダリーは謂わば寄生虫のような存在に過ぎず、視聴者の子供達がケダリーに同情や感情移入をすることはそもそも想定していないのかも知れない。実際浄化消滅時には「消える」という表現が用いられており、彼らは生物ではないことが強調されている。
なお、本作のオープニング演出を担当した田中裕太はこの28話の感想として、「人型の敵を倒すのはプリキュアではセンシティブに扱われてきた」と前置きをしつつ、そのタブーに縛られずにケダリーを消滅させることができたのはシリーズ構成の香村純子の特撮感と、SDの池田洋子の良い意味でドライな感覚が合わさったものだとしており、さらには「人が人ならいくらでもエグく描ける話」であるがそれを深刻になりすぎないようにしたのは演出の門由利子の手腕であると分析している。
最終回エンドカード
キャラクターデザインの山岡直子氏が描いた最終回のエンドカードにて、歴代のテラビョーゲンに似たナノビョーゲン達が描かれている(只シリーズ構成の香村純子曰く、本人としての自我はないとのこと)。
Blu-ray全巻購入者特典イラスト色紙
『ヒーリングっど♥プリキュア』Blu-ray vol.1~vol.4まで全巻に着いている「イラスト色紙全員サービス応募券」を集めて応募するともらえる全巻購入者特典イラスト色紙のサンプル画像で、ラビリンを見て「すあま…」とつぶやくケダリーに「あれは食えないぞ…」と言っているダルイゼンの姿が見られる。応募締切は2021年8月31日消印有効。
演者について
ケダリーを演じた渡辺明乃女史は過去にふたりはプリキュアの柏田真由、ハートキャッチプリキュアの上島さやか、ハピネスチャージプリキュア!の卓真を演じており、本作で4度目のプリキュアシリーズ出演となった。
更に次作トロピカル〜ジュ!プリキュアでも敵キャラクターの担当で続投する事になるがそちらはレギュラー格の女性の敵キャラクターとなる。
関連タグ
プリキュア敵少年幹部:幹部候補だった…?
ダルケダ:ダルイゼンとのコンビタグ。
ナノケダリー:最終回エンドカードにて登場。
プリキュア関連
- 悪い妖精たち:同じく「今週の怪人」感覚で登場した敵たち。
- ゴーレム、バッドエンドプリキュア、ジコチュー細胞、マダムモメール、キュアテンダー、キラ星シエル、若宮アンリ、ネブソック:ケダリーと同じく、1話分限定で登場する敵たち。尚、テンダー、シエル、アンリは洗脳組。