概要
ヒーリングっど♥プリキュアに登場する敵対勢力「ビョーゲンズ」の発生源である禍々しい異世界。
草木一本生えておらず、岩石だらけの赤い大地が広がる。イメージ的には火星の荒野に近いだろうか。空は常に赤黒く染まっているが、太陽も星もない。
溶岩を彷彿させる赤い泉がわずかに点在しており、テラビョーゲンたちは普段はそこで何をするでもなく過ごしている。建造物のようなものは一切存在しないが、ビョーゲンズは根本から人間とかけ離れた価値観を持つので全く気にしていない。
この世界はビョーゲンズによって完全に蝕まれきっており、そこに元々住んでいたであろう生物はおろか、自然を司どるエレメントさんまでも死滅してしまっている。
それゆえにこの世界は、自然の恵みがない一方で、自然の激しさもまたない。
雨は降らないし風も吹かず、ビョーゲンズ以外に動くものはなく音を出すものさえない。
詰まるところビョーゲンキングダムは文字通り「滅ぼされてしまった死の世界」である。
だが、このような荒廃し滅亡した世界こそがビョーゲンズにとって最も快適な環境だという。
作中に登場したテラビョーゲンは地球上の生物を「宿主」として生まれたが、帰巣本能があるのかビョーゲンキングダムに帰ってきている。
- バテテモーダも第12話で「メガビョーゲンから発生した種」から生まれたが、第16話でラップを披露した際には「レペゼン・ビョーゲンキングダム(ビョーゲンキングダム出身)」と言っている。
- ちなみにネブソックとケダリーは生み出された1話限りで倒されたため、一度もビョーゲンキングダムに戻ることはなかった。
テラビョーゲンたちはビョーゲンキングダムと地球とを自由に行き来できるゲートを開くことができるが、プリキュアやヒーリングアニマルにそのような力はない。
しかし第39話で、グアイワルはプリキュアたちをビョーゲンキングダムにわざと誘い出し、キングビョーゲンを始末させる下克上計画を実行に移した。
ビョーゲンズの発生源であるビョーゲンキングダムにプリキュア達が潜入した際、のどか達は変身前の状態で突入している(そもそもビョーゲンズ以外は決して生きられない世界のため、本来は危険極まりない行為である)。
空気のエレメントさんがいないのに空気があるのだろうか…?
すでにビョーゲンズに食い尽くされた世界
ビョーゲンキングダムは「異世界」であるが、その描写は「遠い別世界」と言うより、「地球に隣接した狭間の世界」という感じである。
地球の異常を感じ取るラテの元気が無くなる恐ろしい世界であり、アスミは第39話にて「エレメントさんの気配がまったく感じられない」と動揺していた。
エレメントさんは地球の体調に密接に関係しており、地上でエレメントさんたちがビョーゲンズが使役する悪の病原体“ナノビョーゲン”に侵されてメガビョーゲンとなって暴れ回るとラテの体力が大幅に失われて衰弱してしまうなどの悪影響が出てしまう。
そのエレメントさんがいないビョーゲンキングダムは「すでにビョーゲンズに食い尽くされた世界」と見られる。
彼らは自分たちが増殖するためのさらなる餌食として地球を狙っているのである。
余談
名前の由来は「病原菌」と英語で王国を意味する「キングダム」のかばん語と思われる。
第44話でテラビョーゲンとネオキングビョーゲンは全員プリキュア達に倒され跡形もなく消滅したが、ビョーゲンキングダムがどうなったのかは結局最後まで描写されなかった。